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不動産売却の教科書~売却の理由から取引完了まで~

売却理由を考える

【そもそもなぜ売却なのか?】

なぜ売却を思い立ったのか?まずはその理由を明確にする必要があります。不動産売却は、ほとんどの人にとっては初めての経験で、未知の領域です。あまり検討することなく、勢いで不動産会社に駆け込んでしまう人が驚くほど多いのが現状です。

「不動産売買のような大きなお金が動くのだから、まずは大手だろう」

と、ネームバリューがある不動産会社に「とりあえず」相談、「とりあえず」査定を依頼してしまいます。もし、

「売却する確固たる理由がある」

というのであれば、その選択肢に間違いはないでしょう。しかし、

「なんとなく売却かな~」

と、果たして売却が正しい選択肢なのか、まだはっきりしないのであれば、まずは売却するべき理由を明確にすることからはじめるべきです。売買以外にも、人に貸す、もしくはいまはあえて何もしない、という選択肢もありえるからです。

【「縦割り」な不動産業界】

不動産業界は縦割りです。自分の担当する業務以外の提案は行いません。相談者にとってベストの提案が、その会社にとってはベストでないことがあるからです。

例えば、ぼんやりとしか売却を考えていなかった相談者が、ネームバリューの有る不動産売買を専門に扱う不動産会社Aに行ってみたところ、担当者がこう言いました。

「この物件でしたら人気があって良い金額で売ることが出来ますよ。当社にはお客さんもいますから、すぐにでもご案内することが出来ます!是非、当社で専任媒介を結ばせて頂いて、販売させてください!

え?賃貸?・・・賃貸も悪くないと思いますが、今は借り手市場でなかなか入居者が決まらない状況です。なにかとうるさい入居者も最近は増えてきているようですし、退去の後にはその都度リフォームがかかります。オーナーさんの気苦労が増えるだけだと思います。あまりお勧めはしませんね。」

と提案されます。

次に賃貸を専門に扱うネームバリューの有る不動産会社Bに行ってみたとします。

「これは良い物件ですね。借り手市場で入居者が決まりづらいのが現状ですが、適正な価格設定で募集にかければ即決するお客さんは多いですよ。是非、当社で専任媒介を結ばせて頂いて、募集させてください!

え?売却ですか?・・・確かに一時的にまとまったお金は入ってきますが、貸して所有し続ければ長期的に副収入を得ることが出来ますよ。売ってしまったらそれまでです!せっかくの資産ですから、有効活用するべきだと思いますよ。」

【自分のフィールドでしか物事を考えない】

A社もB社も決して間違ったことを提案しているわけではありません。

しかし、自分のフィールド(賃貸、売買)でしか物事を考えられないので、相談者のための提案をしているように見えますが、結局は自分の仕事になる方向にしか話をもっていこうとしません。

ベストの選択が売買ではなく実は賃貸だったしても、それを正直に提案する売買専門業者などいるはずがありません。

【相談する不動産会社選びは慎重に】

「売却する!」

という意思と理由が明確ならば、売買を専門に扱う不動産会社に相談しても良いと思います。しかし、そうでないのであれば、賃貸・売買の専門会社ではなく、両方を扱っている不動産の専門家に相談してみることをオススメします。

大手のようなネームバリューはないかもしれません。しかし、相談者も気づいていないような、隠れた願望を見つけ出し、ベストな提案をしてくれるそんな不動産会社に出会うことが出来たなら、結果それが一番です。なぜなら不動産売却における成功の秘訣は、不動産会社選びが大きなウェイトを占めているからです。

査定

所有している不動産が、いくら位で売れるのかを不動産会社に調べてもらうことを

査定

といいます。周辺の成約データや、近隣で売り出されている物件の坪単価。またここ数年の路線価や公示価の推移を参考に、最後は不動産会社や担当者の過去の取引経験から金額を提示することが通常です。

不動産会社にとって査定とは、売却を検討中のオーナーとコンタクトを取ることが目的なので無料です。室内や現地を見ないで、周辺環境や取引事例だけを参考にざっくりとした金額提示することを

「机上査定」

実際に現地を見て金額提示を行うことを

「実査定」

と区別しているところが多いようです。

【引越し業者の査定や車の買い取り査定との違い】

引っ越し業者や、車の買い取りでも査定がありますが、彼らがいうところの「査定」と、不動産の「査定」というのは、言葉は同じですが、全く別物です。

引っ越し業者にしろ、車の買い取り業者にしろ、彼らの査定価格というのは、

「提示した金額で引っ越し業務を請け負う」

「提示した金額で車を買い取る」

ということを意味しています。

しかし不動産査定の場合、査定する側がその金額で買い取ること、または売れることを保証するわけではありません。あくまでも

「この位の金額であれば売れるでしょう」

と専門的立場からアドバイスするだけなのです。それが不動産の査定です。

【多数の不動産会社に査定依頼を出すことはオススメしません】

一度に多数の不動産会社に依頼することはオススメしません。なぜなら、不動産会社が売却依頼欲しさに各社がかけひきを行うからです。

不動産の一括査定をおススメしない理由

複数の不動産会社が入れ替わり立ち替わりで査定に来るようになると、それぞれが他社の伝える査定金額を気にして、本当の査定価格を言いません。なぜなら、最初に査定価格を提示してしまうと、その金額が他の会社の叩き台になってしまうからです。

他社がどれくらいの金額を伝えているのかある程度聞き出したうえで、最後にどこよりも高い金額を伝えようとするのです。つまり不動産の査定では

「後出しじゃんけん」

がなにより強いのです。ですから、

「調査して再度お伺いさせて下さい」

といって、回答を避けます。二番目に訪問した不動産会社は、自社が何番目に来たのかを把握したうえで、

「他社さんはどの位の金額でしょう?」

と聞きだそうとします。一番目の不動産会社が金額を伝えていないので、ここで二番目の不動産会社が金額を伝えてしまうと、その価格がたたき台となってしまいます。それを避けるために二番目の不動産会社も、調査する時間が欲しいとかもっともらしい理由をつけて、

「後日またご報告にあがります」

となります。イタチごっこのようで笑ってしまいますが、本当に現場で行われていることです。仮に一番目の不動産会社が既に金額を伝えていたら、

「その価格はずいぶん安いですね。当社であればもっと高く売れると思いますよ」

と、言えば済むのです。

このように次から次へ不動産会社が査定に来ては、他社の提案した金額を探り出そうとし、その価格よりも少しでも高い金額を提示しようとする「意味のない査定ごっこ」が繰り広げられることになるのです。

不動産の売却査定に関する記事~まとめ~

【査定=媒介契約締結の場ではない】

大体どこの不動産会社も、査定は無料で費用はかかりません。ですから、気軽に頼んで良いのですが、実際はその査定が文字通り「査定」になっていないことのほうが多いのです。どういうことかというと、ほとんどの不動産会社がそうですが、

査定=媒介契約取得の場

と考えているからです。

複数の不動産会社と査定でバッティングした場合、売主が何を判断材料として依頼先を選ぶかというと、担当者とのフィーリングももちろんありますが、なによりも提示される金額です。

それを十分理解している不動産会社は、当然、シビアでリアルな査定価格ではなく、売主が喜びそうな高い金額を提示することになります。売主も、例え提案された金額が、相場よりも高いものだと思ったとしても、

「当社にはこの金額で買うとお客さんがいます!」

と、自信満々に言われたら、一番高い金額を提案してくれたその不動産会社に依頼したくなるはずです。

要するに不動産会社にとっての査定とは、適正な価格を提示することではなく、売主の希望価格を聞き出し、その希望に沿った価格を提示して、専属専任・専任で媒介契約を結ぶことが目的となっています。

このように、専属専任や専任媒介売却で依頼を受けたいがために、明らかに相場を無視した、高すぎる価格を提示することに対しての批判は以前からあります。

「当社であればこの価格で売って見せます!だから専任下さい」

と、高い金額をもっともらしい理由で伝えられて、悪い気のするオーナーさんはいません。良い気分で売却に出してみますが、結果、案内もほとんどなく、結局売れに金額を下げさせるのはある種、詐欺みたいなものなのですから。

【高い金額で媒介契約】

しかし、

高い金額で査定→媒介契約締結

することが必ずしもダメだという訳ではありません。周辺物件の売り出し・成約状況を提示し、適正な金額を伝えた上で、売主さんの売却事情を踏まえ、

「急いで売る必要はないようですから、最初はご希望の金額で出してみたらいかがですか?」

と提案するのはまっとうな行為で、それが本来あるべき不動産査定であり不動産会社の役目です。仮に売れずに金額の見直しを提案する際も、違和感なく受け入れてくれると思います。問題なのは適正な金額を伝えないで、あたかも

「自社に任せてもらえれば他社より高く売れる」

とだけしか言わず、オーナーが

「本当の査定価格」

を知らされないことが問題なわけです。

オーナーとしては、不動産会社が伝える耳触りの良い査定金額はいったん疑問に持った方が良いと思っておきましょう。そもそも、査定する不動産会社によって、金額が大きな差が出ること自体、おかしな話なのですから。

媒介契約

不動産会社に査定をしてもらい、どこの不動産会社に依頼するのかを決めたなら、次は不動産会社と媒介契約を締結します。「契約」とありますが、そんなに仰々しいものではなく、要するに

「媒介契約書上に記載されている不動産の売却を依頼する」

といった依頼書です。

口頭で売却の依頼を受け付けたとして、販売活動を始めてしまう会社もありますが、ちょっと名の通った企業であれば、まず間違いなく書面で契約を交わします。

売却の依頼を受けた不動産会社は、その物件の売却担当企業として、主に以下のような業務を行います。

  • 物件の調査
  • 販売図面の作成
  • 販売状況を分析しての価格変更の提案
  • 他業者の案内の立ち会い
  • 買い手との金額交渉

取引がまとまった後は、

  • 契約書などの作成
  • 決済の段取り

を行います。

【媒介契約書の種類】

媒介契約には以下のように3種類の形式があります。

■専属専任媒介

文字面から

「独占販売」

のようなイメージを受けますが、物件情報はレインズを通して他不動産会社へ流れますので、どちらかというと販売の

「担当窓口」

と思った方が良いでしょう。

ただ、売却の窓口は一つです。つまり契約を交わした不動産会社しか販売の窓口になれません。自己発見取引(*売主本人が連れてきた人と契約すること)も、契約を交わした不動産会社を通さないと契約できません。

その他、レインズに登録するのは5営業日以内、営業活動報告書は一週間に一度と決められています。

■専任媒介

「専属専任媒介契約」と同じく、契約を交わした不動産会社しか販売の窓口となれない。ただ、自己発見取引は○。レインズへは7営業日以内の登録、営業活動報告書は二週間に一度と決められています。

■専属専任媒介・専任媒介のメリット
□業者が必死になる

売却活動を一社限定で委任するので、当然、その業者が売却活動をさぼったりすると売れません。依頼を受けた不動産会社の責任は非常に大きいのです。成約に至らないと仲介手数料はもらえませんし、それまでにかかった売却活動の費用も回収出来ません。

中々売れなかったり、売主に動きが悪いと判断されると、媒介契約を余所に切り替えられてしまうかもしれません。必死にならざるを得ません。これがメリットの一つとなります。

□対応が一対一

販売の窓口が一つということは、その会社に様々な情報が集まります。つまり、

  • お客さんからのお問い合わせの数
  • 他業者からの問い合わせの数
  • 案内した時のお客さんの感触
  • 広告の反響結果

などが挙げられます。

こうした情報を不動産会社からフィードバックしてもらうことで、売主は現在の販売状況を正確に知ることが出来ます。また、これらのデータを参考にして、文字通り不動産会社と売主が顔を突き合わせて、成約というゴールまで二人三脚で進めていきます。

その物件に力をかけただけ、担当者も売り手と同じく、不動産に対して愛着が増していき、不思議なもので手をかけた分、成約に至る可能性は高くなります。

■専属専任媒介・専任媒介のデメリット
□一対一の関係が裏目に・・・

一対一という関係が、悪い方にひっくり返った場合です。もはや一部不動産会社の悪習となっている囲い込みをはじめ、売り手に真実の情報を伝えず、その不動産会社の都合によって情報が捻じ曲げられ、売却活動が左右されてしまうことがあります。

例えばあからさまな両手狙いで、他業者からの問い合わせがあるにも関わらず、一切紹介せず、

担当者 「案内どころか問い合わせもありません」

売主 「そうですか、金額が高いのでしょうか・・・」

担当者 「適正だと思うのですが、でも試しに少し下げてやってみましょう」

と、徐々に金額を下げていくなかで、自社でお客さんを見つけて両手。このような形です。選ぶ不動産会社によっては、不動産会社の思惑に左右されてしまう可能性があるというのがデメリットです。

■みんな欲しがる専属・専任媒介契約

どの不動産会社も「専属専任媒介」もしくは「専任媒介」で売却を任せてくれないかと言ってきます。なぜなら専属・専任で売却の依頼を受けておけば、仮に自社で買い手を見つけることが出来なくても、他の不動産会社が買主を連れて来てくれることがあるからです。つまり、売り手の報酬だけは最低限確保できるのです。

とはいえ、もちろんお客さんが来るのをただ待っているだけではありません。販売の窓口としての責任が生じますし、適正な情報発信能力や交渉力や提案力、不動産のことはもちろんのこと、税金の知識も必要となり、高い専門性が要求されます。

しかしながらちゃんとマジメに販売活動をしておけば、必ず(*もちろん例外あり)報われるのです。

「専属もしくは専任で媒介を取得する=売り上げが計算出来る」

ということです。

■一般媒介

複数の不動産会社に売却を依頼することが出来る。つまり売却の窓口が複数できるということ。レインズへの登録義務、営業活動報告の義務はありません。

□一般媒介契約のメリット

売却の窓口を複数(いくらでも)作ることが出来るので、依頼された不動産会社がぼやぼやしていると、他社がさっさと売ってしまいます。良い方向に進めば、多数の不動産会社が他社に負けじと、積極的に販売活動を行うので、短期間で成約に至ることもあります。

例え依頼した不動産会社のうちの一社が、積極的に売却活動をしなかったとしても、競合他社が動いていますので、大勢に影響はありません。

「売り出し価格が適正である」

という前提ではありますが、人気のエリアや有名なマンションだと、業者間の競争意欲を掻き立てるということで、一般媒介の受ける恩恵はそれなりにあると思います。

ただ、上記のようなメリットが生まれるのは、一般媒介だろうがなんだろうが、媒介契約を結びたいと思わせるような、人気のエリアや有名マンションです。なおかつ売り出し価格が適正で、情報を出せば確実に、かつ早々に売れるであろうと判断された物件です。ですから、

「売却に時間がかけられるので、最初は少し高めに出したい」

となると、じっくりと腰を据えて販売活動を行っていかなければならないため、短期間で競争意欲を掻き立てて・・・、といったような一般媒介のメリットはほとんど期待できません。かえってデメリットばかりになってしまいます。

■一般媒介契約のデメリット
□複数の不動産業者が窓口になることで、同じ物件がさらされることになる

短期間であるなら良いですが、3か月以上、同じ情報が複数の不動産会社から出されているのは決して格好の良いものではないですし、消費者は、

良く目につく物件=にも関わらず売れてない物件=売れ残り物件

という論法で勝手に判断します。どんな商品でもそうですが、希少価値を感じられなくなると、途端に売れ行きは悪くなります。

□提案をしてこない

媒介契約中の不動産会社が、互いに他社の動きをけん制しながら動くため、成約に至るための有意義な提案などはしてきません。

例えば、自分のところで値下げの提案を行って、提案の結果、売り出し価格を下げることになったとします。会社によって物件の売り出し価格が違ってはいけませんから、多少の時間差はあるものの、他業者から出ている同じ物件も、やがては全て同じ金額に変更となります。

つまり、誰が、どこが金額を下げようが、結局はすべての会社が同じ金額で販売をすることになるのです。自社が値下げのための提案をしても、その提案の結果、余所の会社で決まってしまっては、自社の仕事はおろか、他社の成約をアシストした結果になってしまいます。

□不動産業者同志による足の引っ張り合い

また、仮に値下げの提案をしてきたところで、他社が

「まだちょっと早いと思いますが?」

と、値下げ提案した業者に良い格好してほしくないために、自社が何もしないのを棚に上げて、値下げ提案に反対してくる場合もあります。専属専任媒介や専任媒介に見られるような囲い込みの心配はありませんが、こうした足の引っ張り合いが発生してしまうのもデメリットの一つです。

□積極的に動かない

一般媒介では、すぐに売れない物件だと分かると、

「どうせすぐには売れないし、余所も販売してるから・・・」

と、積極的に販売活動を行わないところも多くあります。

専属専任媒介・専任媒介ならば、広告を出したとしても、成約に至れば費用は回収することはできますが、一般媒介の場合、広告を出したにも関わらず、他社で決まってしまっては、その広告費用の回収は一切出来ないからです。

■一般媒介の注意点

一般媒介だからこそのメリットを実感できるのは、販売を開始して1か月程度です。しかし、1か月そこらでは売れずに、じりじりと焦りだしたときに陥りやすい考えが、

「あれだけの不動産会社に声をかけているのになんで?」

「ひょっとしたらもっと声をかけた方がいいのではないか?」

というものです。

こうした考えは全くの間違いです。一般媒介で多数の会社から出ている物件のことは、当然どこの不動産会社も知っています。

「のべつまくなし声をかけている物件の売主」

として、マイナス面で有名になってしまいます。

レインズやポータルサイトに、同じ物件が色々な不動産から出ている様は、眺めていてもカッコのいいものではありません。そうなってしまうと、たとえ新規の不動産会社に声をかけたとしても、形ばかり依頼を受けてもらうだけで、どこも一生懸命販売しない、ということになりかねません。

何社にも依頼することは出来ますが、お願いするにしてもせいぜい3社程度に収めておくのが良いでしょう。

【途中解約も可能】

一般的に媒介契約の期限は3か月とありますが、生真面目に契約期限を全うする必要は全くありません。

  • 話が違う
  • 一向に決まらない
  • 全く報告がない
  • 担当者の動きが悪い

などの理由で期限前でも媒介契約はいつでも打ち切ることが出来ますし、専属&専任から一般へ、その逆もしかり、媒介契約の種類を切り替えることも可能です。

売主が要求した実費を要した特別な広告などを行っていなければ、媒介契約の破棄・切り替え時に、違約金やペナルティなどかかりません。

【媒介契約書の説明はちゃんと受けましょう】

初めて不動産の売却を行うオーナーは、一般媒介契約のように、多数の不動産会社に売却依頼を出せるとは思っていません。それが媒介契約書の説明をよくよく受けてみると、どうやら「一般」という契約の種類があり、複数の不動産会社にも依頼が可能だとその時初めて知るのです。

そこを突っ込まれたくない(知られたくない)不動産会社は、

「媒介契約書の説明はサラッとすませて、専任以上で締結してしまいたい」

というのが本音です。何度も不動産の売却をしていて慣れているのであれば別ですが、ほとんどの人がそうではありません。対応した営業マンが信用出来そうな人だったとしても、必ず媒介契約書の説明は受け、不明点や疑問点はその場で解決しておきましょう。

売却を担当する不動産会社の規模が大きかろうが小さかろうが、やることにそれほど違いはありません。要は担当者の質によってすべてが全く違ってきます。

媒介契約書を説明する担当者の姿勢や、あなたの疑問に答える態度から、力量を推し量ることができるチャンスでもあるので、色々と質問してみるのが良いでしょう。

【専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?】

双方のメリット、デメリットを把握したうえで、

「結局どっちがいいのか?」

というと、異論反論、様々な意見があるかと思いますが、私の意見は

「専任以上でお願いするべき」

だと思います。ただし、

「依頼する不動産会社やその担当者が信頼できるのであれば」

という条件付きです。

心底信頼できる(できそうな)人に、親切丁寧に膝を突き合わせて売却活動をしてもらって、悪い結果が出ることはまずありません。

ただ、信頼できるかできないのか、初めて接触した不動産会社やその担当者をそんなに簡単に品定めすることが出来るのか?というと、難しいというのもまた事実。

この場合の「信頼・信用出来る」というのは要するに、

「当たり前のことを正直に全力で行ってくれるのか?」

ということです。裏を返すとこうした当たり前のことさえ出来ない(しない)、不動産会社がまだまだ多いということでもあります。

  • 知り合いに不動産会社がいる
  • 知人の紹介

など、ある程度信頼できる不動産会社と最初にコンタクトが取れるのであれば、専任以上で任せてしまっても問題ないでしょう(*担当者とフィーリングが合わないなら話は違ってきますが)。

しかし、不動産会社とつながりがある人たちばかりではありません。一から信頼に値する不動産会社を見つけるにはどうしたらよいのか?ここで一般媒介を利用してみるのも手です。

つまり一般媒介で多数の不動産会社に依頼をして、実際に販売活動を行ってもらうのです。その動きや対応を観察することで、不動産会社の質を見極めるのです。一般媒介でそのまま決まってしまえば、それで万々歳でしょう。

仮に長期戦の様相を呈してきたら、一般媒介の中でも、特に一生懸命動いてくれた会社へ、専任以上へと切り替えるのです。なんでもそうかもしれませんが、実際作業してもらわないことには、不動産会社の実力なんて分かりっこありません。

「基本は専任以上で、不動産会社の質を見極める材料集めとしての一般」

決して一般的な使い方ではないですが、こうした利用方法もありだと思います。

ちなみに媒介契約前に、複数の不動産会社に査定をしてもらい、その際の対応を見てどこに依頼をお願いするのか?を検討するというのも一つの手です。信頼できる不動産会社や担当者を見つけるのが一番大変かもしれません。

専属専任媒介・専任媒介・一般媒介契約のまとめ

販売後、売主が出来ること

不動産会社に売却を依頼すると、もはや売主が出来ることはそんなに多くはありません。売りに出したら基本は不動産会社にお任せしておくべきです。それでも売却活動がスムーズに進めるために、最低限やっておいた方が良いことはあります。

【部屋を少しでも明るく見せるように】

買主が内見に来る際は、全ての部屋・廊下・浴室の照明をつけ、カーテンは開け、部屋に入った時の印象を少しでも明るいものにしておきましょう。ビジネスやプライベートの場でも、初対面の第一印象というのは非常に重要です。それは不動産にも同じことが言えるのです。

もし第一印象で

「なんだか暗い部屋だな~」

との印象を与えてしまうと、その後、いくら明るく見せたとしても、その印象を挽回することは大変困難です。室内の照明だけは全部点けて、初めて足を踏み入れる人に、人工でも良いので少しでも明るい部屋だと印象付けましょう。

【室内はキレイに清潔に】

単純ですが、室内は可能な限りキレイにしておきましょう。もちろんモデルルームのようにする必要はありません。要するに整理整頓・室内のものはちゃんと片付けておき、生活感はありながらも、整った印象を持たれるようにしておくということです。

例えばダイ ニングテーブルに使ったコップが放置してあったり、灰皿がそのまま置かれていたり、雑誌が放り出してあったり、散らかった部屋はそれだけで室内を雑多な印象に見せてしまいます。こういうことがないだけで、室内のイメージはガラッと変わります。

また、浴室や洗面所、キッチンなどの水回りは要注意です。目に見えるようなカビがあるようなら、事前に掃除しておいたほうが良いでしょう。

室内がキレイで売却に有利になることはあれ、不利になることは絶対ありません。一度に綺麗にすることが出来ないなら、売却の検討を始めたころから少しずつ始めてみるのも良いと思います。手をかけた分だけ愛着は深まり、そうした注いだ売主の愛情は、買主にも必ず伝わるものです。

【販売後、売主がやってはいけないこと】

■自ら物件をアピールし過ぎるのは避けるべき

今のお客さんは商品を押しつけられることを非常に嫌います。みなさんもデパートなどで経験があるかもしれませんが、聞いてもいないのにアピールしてくる店員さんを疎ましく思ったことはあるのではないですか?

売主が物件をアピールするということは、当然売りたいからであり、どれだけアピールされたとしても、買主にとっては押し売りされているように感じてしまいます。

売主にとっては色々な思いの詰まった不動産で、気に入っているところや便利な点、伝えたいことは山ほどあるかもしれません。しかし、内見にきた買い手の前ではおとなしくしておいた方が賢明です。お客さんに質問されたら少し答える程度に思っておくのが一番良いと思います。

■不動産会社の販売手法に口を出し過ぎてはいけません

売却物件に自信を持っている売主に多いのですが、販売開始後、自分が思ったような結果が出ないことを、不動産会社の怠慢に結び付けてしまう人がいます。そして

「ああしてくれ」

「こうしてくれ」

とあれこれ販売手法に口を出してくるのです。

売れない原因が、単純に金額が相場に合っていない場合もあるし、タイミングかもしれません。もともと需要がそれほど多い地域ではないかもしれないし、成約に至らない理由を上げたらきりがありません。

そうした状況の中で不動産会社としてはベストのパフォーマンスを発揮できるように努力しています(いるはず)。しかし、売れないことを一方的に職務怠慢とみなし、営業手法にあれこれ口を出してしまうと、不動産会社の担当も人間です。面白いはずがありませんし、

「面倒な売主だな」

と思われてしまいます。

依頼者と受託者といった関係だったとしても、不動産の売却は不動産会社と売主との共同作業でもあります。売主が不動産会社に下手に出る必要はまったくありませんが、

「こっちが客なんだ!」

「さっさと結果を出せ!」

と上から目線で相対することだけは絶対に控 えるべきです。細かいことや一生懸命動いている不動産会社の行動を批判しても良いことはありません。選んだ会社の動きはしばらく静観しましょう。

【販売金額の値下げ(下手な下げ方と上手な下げ方)】

なかなかお客さんが決まらないとなると、成約させるためになんらかの手を打たないといけません。広告の配布エリアを変えてみる等、対策はありますが、絶大な効果があるわけではありません。

今まで売れなかった物件を売っていくためには、単純ですがやはり販売価格を下げるということが最も効果的なのは間違いありません。

ただし、何の考えもなく金額を下げればそれで解決かと言ったらそんなに簡単ではありません。値下げ一つとっても上手い値下げ・下手な値下げというのがあります。

■下手な下げ方

下手な下げ方の筆頭がちょこちょこと、小刻みに値下げしていく方法です。

例えば3,480万の物件があったとして、

3,400万→3,350万→3,280万

といった具合に少しずつ、徐々に下げていくような下げ方です。レインズやポータルサイトでは、情報が更新されると、新着物件のように扱われます。しかし、残念ながら効果はほとんどありません。

なぜなら今のお客さんは不動産会社と同様(*もしくはそれ以上)に、物件の動向を非常に良く見ています。不動産会社よりも情報に敏感な人も多いのが現実です。そうしたお客さんはポータルサイトから新着情報として上がってきたとしても、以前から出ている物件が価格変更したに過ぎないということくらいすぐ把握してしまいます。

このような小刻みな値下げが何度も繰り返されていると、お客さんは

「この物件はどこまで下がるのか?」

「もうワンクッションすればまた下がるはず」

と判断して、手を伸ばすどころ様子をみようとします。結果、売却するために金額を下げたのにもかかわらず、何度も金額を変更をすることで逆に買い手に足元を見られてしまい売れづらくなってしまうのです。これが下手な下げ方です。

■上手な下げ方

金額を下げるのは一度だけにします。ただし、その1回の値下げが買い手にとってインパクトのある下げ幅とならないと意味がありません。下手な金額の下げ方が数度に渡ったのに対し、効果的な下げ方は一回で3,280万まで一気に下げるのです。この動きを観察していた買い手は

「一度にここまで下がったら他の人に買われてしまう!」

「今が買い時だ!」

と、さっきとは逆に購買意欲を刺激され次のステップに進んでいくのです。

ただ、こうした効果的な下げ方をするためには、大体どのあたりで売れるのかを担当者や不動産会社が把握しており、その根拠を売り手にも正確に伝えているからこそ出来ることです。

「いくらで売れるか分からない、自信がない・・・。だからとりあえず細かく刻んで・・・」

という恐る恐るでは売れるものも売れません。こうしたところで不動産会社や担当者の力量が問われてくるのです。

■目線を変える

上手い下げ方と下手な下げ方があるとお伝えしてきましたが、これらのことをピラミッドの図関係で表すことができます。このピラミッドを頭に入れて金額変更を行うとより効果的です。

自身で物件を探したことがある人なら分かるかもしれませんが、4,000万以上~4,500万未満といったように、大体「キリ」の良い金額で条件設定をしたのではないでしょうか。ほとんどの人がそのような探し方をされていると思います。

そう考えてみると、例えば現在4,200万の物件の金額変更をする場合。4,000万に変更したところで、今までと同じ4,000万以上~4,500万未満の見込み客にしかアプローチ出来ません。

つまりせっかく200万も価格を下げたのに、アプローチできる人数に変わりはないのです。金額を下げるのであれば、アプローチできる人数を増やすように下げなければ意味がありません。

ではどのようにしたら良いのか?

上に挙げた例を参考にすると、4,000万以上~4,500万未満から、3,500万以上~4,000万未満の土俵に落とすことが必要です。こうすることでいままでの4,000~4,500万未満では埋もれてあまり人目を引かなかった物件が、ランクを一つ落としたことで今までよりも多くの人の目に付くことになりますし、良い意味で「都落ち」してきた物件なので、競合物件のなかでも光る物件となっているはずです。こうした観点で金額を下げていくことで、より一層成約に近づく可能性が広がるのです。

100円の卵と99円の卵、たった1円しか違いがないのに99円がやたら安く感じさせる効果に似てなくもないですね。

交渉

売却を開始してしばらくすると、購入希望者から申し込み(*購入申込書)が入ってきます。金額も引き渡し条件も、全て売主の希望通りであればこんなに簡単なことはありませんが、そんなことはありえません。例え、金額含め物件の条件が良かったとしても、ダメ元で交渉してくるのがほとんどです。交渉が入ってきた時の考え方や心構えについて解説していきます。

【金額交渉があった場合の考え方】

不動産を売却開始後、購入の申し込みが入ってきたとします。しかし、価格交渉がある。例えばこんなケースです。

「物件価格が5,480万。5,200万での申し込み。」

特に販売開始後だと、

「ひょっとしたらもっと高い金額を提示してくれる買い手が見つかるかもしれない」

と考えてしまうので、なかなか悩ましい問題です。こんな場合に、売主が後悔することなく、判断を迷わないためには、どのように考えておくのがベストでしょうか?

「次にいつ入って来るか分からない買い手をあてもなく待つのは得策ではない。(取引を)まとめた方が良い」

と、余程のことがない限り、そのようなアドバイスを行う不動産会社が普通だと思います。特に

「3か月以内にどうしても売りたい」

など、売却に掛けられる期間に限りがある場合には非常にマトを得た回答だと思います。恐らく私も一度はそのようにアドバイスするでしょう。

なぜなら今回よりも高い購入価格を提示してくる買主が、残された期間内に現れるかどうかは誰にも分からないし、それどころか今回断った5,200万という価格と同じ額を、再び提示してくれる買主が現れるかどうかは誰にも分からないからです。

不動産会社は「これもご縁です」という都合の良い一言で片づけてしまうことが多いのですが、しかし最初に入ってきた条件が、振り返ってみると実は一番良かった、ということが(*統計を取った訳ではないので根拠となるデータが有るわけではないですが)不動産取引には実に良くあります。

売却にかけた時間分、比例して高い金額で売れるのであれば、販売期限ぎりぎりまで粘るべきでしょうが、残念ながらそんなに都合の良い話はどこにもありません。もちろん、売り急ぐ必要が全くなく、

「希望額で買ってくれる買い手が現れるまでひたすら待ち続ける」

という希望を持った売主だと話は違ってきます。もしそうなら、売主の希望・気持ちを無視して、入ってきた話でまとめようとする不動産会社のアドバイスは、売主の意に沿ったわけではなく、早くまとめたいと願うだけの不動産会社の不誠実な回答となってしまうでしょう。

「今入ってきている条件でまとめるか?」

「少しでも高い金額で買付が入ってくるまで待つか?」

決めるのはもちろん売主自身ですが、迷い始めたら最後、この問題に出口は見つかりません。どちらをとっても結局は

「もう少し高い金額で売れたはず」

「やっぱり・・・あの時売っておけば良かった・・・」

と少なからず取引自体を不満に思ってしまうことはあり得ます。そうならないために、売却のプロである不動産会社の協力のもと、以下のことを、売却を始める前に明確にしておくべきです。

  • 販売にかけられる期間とその根拠(なぜその期間なのか)
  • 確実に売れるで「あろう」金額の把握
  • 売却しても良いと思う最低価格

中でも

「確実に売れる金額の把握」

つまり売主の期待値を込めた査定価格ではなく、厳密な査定。これが重要です。査定を間違わなければ、そしてその査定金額を売主が理解しておけば間違いないでしょう。言い方を変えれば、間違いのない査定をちゃんとやってくれる不動産会社を見つけることが売却成功の第一歩ということです。

契約

売主、買主、双方の仲介不動産会社が一同に会し、売買契約書、重要事項説明書の読み合わせ、署名・押印を行い、その後手付金の授受を行う。

【必要書類】

  • 印紙
  • 実印
  • 登記識別情報
  • 身分証明書
  • 仲介手数料半金

【登記識別情報】

登記識別情報というのは、昔で言うところの「権利証」のことです。大事なものなので、契約時に回収することはないですが、真正な所有者だということを確認します。紛失してしまっていることもあり、その際は決済時までに権利証・登記識別情報に替わる「本人確認情報書類」の作成を、司法書士に依頼しなくてはなりません。当然、費用がかかります。

【仲介手数料半金】

全額ではないですが、半分だけ請求されることがあります。媒介契約書に、仲介手数料の支払い時期の記載がありますので、事前に確認しておきましょう。契約時に売り手は、買い手から手付金を受け取ります。そのため、受け取った手付金の中から手数料の半金を支払うことが多く、契約時に現金を用意する必要がない場合が一般的です。

【重要事項説明書の読み合わせ】

不動産を購入する側に向けて行うこれから契約しようとする物件の重要な事項や、細かい契約上の取り決めを説明すること。説明がかかれた書面のことを重要事項説明書という。所要時間は大体1時間位で、通常契約書の読み合わせと同じタイミングで行うことがほとんど。説明書には売主・買主双方の署名、捺印が必要ですが、買主に向けての説明なので、売主不在で行われることも多い。

運転免許を持たない人が車を運転してはいけないように、重要事項説明を行うには、宅地建物取引士試験に合格し、宅地建物取引士証の交付を受けた免許者でなければいけません。

重要事項説明は後から言った・言わない、の水掛け論を予防するために、ものすご~く細かいことや

「当たり前すぎて書く必要もないのでは?」

といったことまで回りくどく説明されます。本来大した内容ではないけれど、普段あまり耳にしないような小難しい法律用語で説明されるため、説明がすんなり入って来ません。そのため何から何まで全部気になる買い手さんもいます。お客さんを不安に思わせることなく、適切に簡潔に、なおかつ外すところは外さず、説明を行える能力が不動産会社には必要だと感じます。

【契約書の読み合わせ】

売買契約書には、売買代金や引き渡し日以外に、以下の様な解除要件についての記載もあります。重要なことなので、良く理解しておきましょう。

■手付解除

決められた日時までであれば、売主・買主双方とも、勝手な都合で契約を辞めることが出来ます。買い手であれば、支払い済みの手付金を放棄、売り手であれば買い手から受け取った手付金を返金し、さらに同額を支払うことで解除できます。契約から決済までの長さによって、手付解除期日は変わってきます

■滅失による解除

天災地変や売主、買主どちらの責任でもない理由によって、滅失した場合、壊れてしまい買い手が当初の目的を達成することができないときは白紙解除となります。「買い手が当初の目的を達成することが出来ないとき」というのは、住宅であれば「住むことができなくなったとき」であり、修復が可能な場合は売り手が修復し、引き渡すことになります。

■契約違反による解除

手付解除期日以降に、契約を解除したいというときは、契約違反による解除「違約解除」となります。通常は、売買代金の10~20%が違約金の額として定められます。仮に定められた額以上の損害が発生したとしても、定められた額以上の違約金を請求することはできません。

■ローン特約による解除

決められた日時までであれば、融資を受けられないことを理由に白紙解約とすることができます。

■瑕疵による解除(瑕疵担保責任)

引き渡し完了後、売主も知らなかった事由によって、買主が購入した目的を達成できないことが判明した場合は、解除となります。修復できるものについては、売主の責任で修復をしなければなりません。契約によって責任期間は異なりますが、3ヶ月間というのが一般的です。

  • 土地:土壌汚染、コンクリートのガラ・浄化槽など撤去に費用を要する地中埋設物
  • 戸建・マンション:雨漏り、シロアリ、主要な部位の木部の腐食、給排水管の故障

【付帯設備表の読み合わせ】

敷地内や室内の状態を売主・買主双方で確認しあう表のこと。「キッチン 有り・無し」と表記され、使えるものは「有り」に○をつける。あるが故障していて使えない場合は、備考欄に状況を記載する。契約時「有り」「故障なし」としたものが、引き渡し後、動作しなかったとしたら、引き渡しを受けて7日以内であれば、売主に修復義務がある。

【署名・押印】

売主は実印、買主は認印でも大丈夫です。

【手付金の授受】

売り手は、買い手から相応の額の手付金を、契約書に記名・押印後、受領し、領収書を発行します。債務超過の売買(*ローンの残高3,000万、売買金額2,000万)の場合は、ローン残高を万一返済できなかった場合のことを考えて仲介業者が手付金を引渡し時まで預かることがあります。

決済

  1. 権利証、印鑑証明書類の確認
  2. 出金伝票、入金伝票、振り込み伝票に記入
  3. 書類の不備がなければ振り込み手続き
  4. 待ち時間(おおむね30分~1時間)。この間に領収書への署名・捺印を済ませ、売主から買主への連絡事項、買主から売主への質問など、雑談が行われる
  5. 振込手続きが確認したら、仲介手数料、司法書士報酬を現金で支払い
  6. 売主口座に残代金の着金が確認できたら、領収書とカギを渡し、終了
  7. 司法書士はその足で法務局へ。所有権移転登記手続き

「引き渡し日」とも、「本契約」ともいいます。

取引に関わった不動産会社のほか、所有権移転登記手続きを行う司法書士も同席。買い手は購入した物件の残代金を支払い、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金の精算を行い、カギの授受を行って解散となります。その後、司法書士が法務局に走り、所有権移転登記の申請が行われ取引が完了。これら一連の行為を「決済」と呼びます。

銀行で融資を受ける場合、決済場所は融資を受ける銀行の支店で行う場合が多く、所用時間は早くて30分。5日と10日が付くいわゆる

「ゴトー日(*15日、25日など)」

は銀行が混むため、かなり時間がかかり平均1時間前後。遅くて2時間。年度末だと混雑ぶりは殺人的で、何時間も待たされることもあります。

現金取引の場合は、決済場所はどこでもよく、一般的には不動産会社や銀行で権利証など書類の確認を行い、確認が出来次第、近場の金融機関に行き残代金を振り込みます。

当日中に売主の口座に着金確認できることが前提。さらに権利移転の手続き書類を、司法書士が法務局に持ち込むが、役所なので17時までしか開いていません。そのため、どんなに遅くとも13時過ぎ位までには手続きを終えておく必要があります。年度末や銀行が混んでいる日を避けて、決済日を段取りする不動産会社の如才なさが何より重要です。

【主な必要書類】

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 評価証明書
  • 権利証(*登記識別情報)
  • カギ一式
  • 測量図(*土地・戸建の場合)

【決済が緊張する理由】

不動産取引のクライマックスである決済は何度やっても緊張しますが、無事終わった後の解放感は格別です。不動産会社にとってもそれだけ緊張するのが決済です。緊張する要因として

「扱う金額が大きいから」

というのも確かにあります。一般の人が生涯で一番高い買い物が不動産です。それに携わる責任は重大です。

しかし、それ以外にも緊張する要因はあります。

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売主・買主含めて、スケジュール調整が重要です。お客さんが仕事をしていない人だったらまだしも、そんな人たちばかりではありません。銀行で融資を受けるには、金融機関が営業している平日でなければいけません。仕事の調整をつけて、午前半休を取得したり、貴重な有給を消化して、その日のために日程を合わせます。

その他にも売主・買主への当日準備するお金や、用意する書類や流れの説明、連絡。司法書士への必要書類の確認。銀行担当者とのお金の流れの確認などなど。

「決済は段取り8割、いや9割」

と言ってもいいくらいで、前日までに段取りを完璧にやっておけば、本来スムーズに行くのが普通です。・・・しかし、たった一つ落とし穴があります。それが

お客さんの忘れ物

です。

忘れ物があると、全員の都合を合わせて当日を迎えたにも関わらず、日程から何から何まで全て仕切り直しになってしまいます。特に多い忘れ物が以下。

  • 権利証(登記識別情報)
  • 身分証明書(特に免許を持ってない人)
  • 通帳印(出金手続きが出来ない)
  • 通帳(口座番号が分からないため支払口座や振込先が分からない)

これらは売主・買主に用意してもらうもので、間違いのないように不動産会社も事前にアナウンスします。場合によっては前日の夜に確認の連絡もしますが、こちらがどんなに万全を期したと思っていても、緊張のためか忘れるときは忘れてしまいます。

一見すると不動産会社に責任はないように思えます。ただ、取引を最後までまとめきるというのが、我々仲介業者の責務であり、その対価として仲介手数料が存在します。原因がお客さんの忘れ物だったとはいえ、取引を遂行できなかったということは、責任を果たしていないということです。

忘れ物を「させて」しまったのも、忘れないように伝えることが出来なかったのが悪いのです。だからどんなに万全に準備をしたと思っても、全てが終わってからでないと安心できないのです。

ですから、金額の大小ではなく、決済が終わった時の解放感はやはり格別なのです。それはきっと不動産を売却した売主、購入した買主、全員にとって素敵な瞬間であるはずべきで、そうなるよう努力するのが、不動産会社の大きな役目です。

補足:売却するには費用も掛かります

ただでは売れません。

不動産売却時の手数料について

人によっては税金もかかります

不動産を売却した時にかかる税金は?

 

まとめ

長文、お疲れさまでした(笑)いかがだったでしょうか?すべてを理解する必要はありません。全体の流れ、不動産の売買がどのように進んでいくのかだけでもいいので、ぼんやり理解しておくと、慌てなくて済みます。

↓こちらの記事も併せてどうぞ。

不動産売却の流れ

ローン代行手数料なんて支払う必要のないもの

 

事務手数料とは別物です

住宅ローン利用時には、金融機関に支払う事務手数料というのがあります。これはどこの金融機関に依頼しても必ずかかる費用なので問題ありません。

【関連記事】

住宅ローン利用時にかかる手数料は何?

が、ごくたまに融資代行手数料とかローン代行手数料なんて費用を請求してくる「仲介業者」があります。金融機関ではなく、仲介業者が、です。

仲介業務に含まれているもので、支払う必要はない!

不動産購入の際、住宅ローンの手続きを代行した報酬として請求してきますが、本来そのような業務は仲介業務に含まているものです。仲介手数料というのは、不動産売買の手伝いを無事完了させたことの報酬です。それを別途請求するなんてとんでもないことです。

【関連記事】

不動産購入時の仲介業務

そのような払う必要のない代行手数料を請求された場合、突っぱねてもいいのですが一つ問題があります。請求されるときというのは、取引が進み残すは決済のみといった、取引の最終段階であるときがほとんです。

買い手も仲介業者も、ここまで来て取引をダメにしたくはありません。払え・払わないでどちらが先に折れるかのチキンレースのようになってしまうと、それがきっかけで最悪の場合、取引がダメになってしまう可能性もゼロではありません。決済前のもめごとはなるべく避けたいものです。

請求される前と、された後の対応策

そうならないために、契約前には購入にかかる諸経費を必ず出してもらい、よく確認してください。そして代行手数料のような費用の記載が当初からなければ、

「聞いてない」

で突っぱねることが容易です。気づかずに取引の最終局面になってしまったとしても、

  • 仲介業務に含まれているはずでは?
  • 妥当かどうか不動産業者を管轄する官公庁に確認してみる(これ一番効くかも)
  • 払ってもいいがその分仲介手数料を値引いてくれ

この論法でいけば大体は丸く収まるはずですけどね。不動産業者への信頼感はなくなるでしょうが。

まとめ

以上、今回の記事をまとめると・・・

  • 金融機関に支払う事務手数料とは別物
  • 仲介業務に含まれている業務なので代行手数料など本来はかからない
  • 契約前の諸経費表を必ず確認する。初期予防が重要
  • 官公庁に妥当かどうか確認すると伝える

です。知識が知恵になり力になります。

住宅ローンに関する知恵を授けます

今回の記事のように、住宅ローンに関する知識を2冊目の著作で授けます!一生モノの知識を習得し、長きに渡る返済生活の知恵にし、力にしていきましょう!

住宅ローン利用時にかかる手数料は何?

住宅ローン利用時には以下のような経費・手数料がかかります。住宅ローンを利用しての不動産購入では、購入価格の7~8%の諸経費が別途かかりますが、その諸経費の中に含まれています。

  1. 保証料
  2. 金銭消費貸借契約時に貼る印紙代
  3. 事務手数料
  4. 抵当権設定登記
  5. 火災保険料

以上、5点となります。

 

保証料

借入年数・借入金額に応じて変動します。恐らく仲介手数料以下保証料の記事で、100万円あたりの保証料を記した一覧表があります。まずはこちらをご確認ください。

保証料(ほしょうりょう)~住宅ローン利用時における~

例えば4,000万を30年借りた場合、100万円あたりの保証料が19,137円ですから・・・

(4,000÷100)×19,137=765,480

765,480円が保証料となります。適用金利に金利を若干上乗せする(*つまり返済額が上がります)ことで、返済額に保証料を含めることができます。

金銭消費貸借契約時に貼る印紙代

借入金額が1億未満であれば数万円です。1億以上となると10万、20万、60万となります。お金を持っている人(*実際は借りるだけで持っているわけではないですが、それだけのお金を借りられるということはそれなりのバックボーンがなければ不可能なので)から取っていくという精神が徹底されていて、ある種すがすがしささえ感じます。

事務手数料

都市銀行であれば、通常3万円+税、と設定していることがほとんどです。ただし、保証料無料を謳っている金融機関では、保証料がないかわりに、事務手数料が融資金額の〇%と高く設定されているケースがあります。借入年数や金額によっては、逆に高くつく可能性も否定できませんので、十分注意しましょう。

抵当権設定登記

実際は、不動産決済時(*引き渡し)の、所有権移転登記と併せて行います。ですから「登記費用」としてひとまとめにされてしまうことが内訳としては、

  • 所有権移転登記
  • 抵当権設定登記
  • 司法書士の報酬

となります。

火災保険料

火災保険に加入しない人はあまりいないと思いますが・・・。住宅ローンを利用せず、現金で購入した場合は、火災保険への加入は任意です。しかし住宅ローンを利用した場合は、火災で担保物件が消失してしまっては、融資している金融機関が困るので、加入が義務付けられます。

関連記事 借り換えにも同様の費用(*一部除く)がかかります

現在の適用金利よりも、低い金融機関があれば、借り換えをしたいですよね?ですけど、今回の記事で解説したものと同様の費用・手数料がかかることを忘れてはいけません。わずかの金利差だったら、支払うべき経費・手数料を繰り上げ返済した方が効果的かもしれません。

住宅ローンの借り換え時にかかる手数料はどのくらい?

こうした知識が新刊で得ることができます

住宅ローンを借りる前、借りた後にも。長期に渡る返済活動のお供にしてください。こうした内容が盛りだくさんの一冊。一生モノの住宅ローンに関する知識をこの機会に身につけて下さい。

不動産を売却した時にかかる税金は?

不動産を売却したときには税金がかかります。しかし、売却した人全員に同じようにかかるかといったらそうではありません。税金は利益に対して生じるのです。

以下に課税されるパターンについて解説していきますが、私が出来ることはあくまでも考え方・概念的にとどまり、正確な税額が分かるものではありません。ご相談を受けるお客様にも同様のことを伝えていますが、最終的には必ず税務署で確認するように伝えています。

 

税金がかかるときはこんな時

例えば10年前に3,000万で購入した物件が、3,500万で売却した場合、利益は500万です。500万に対して課税されます。

反対に3,000万で購入した物件が、10年後2,800万でしか売れなかった場合、利益は出ておらず赤字なので無税です。

長期譲渡所得と短期譲渡所得

利益が出ていれば、利益に対して課税されますが、所有期間に応じて税率が異なります。不動産を売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年以上と5年以下で区分されます。5年以上所有していた方が税率は安くなります。

 

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得(5年以上) 15% 5%
短期譲渡所得(5年以下) 30% 9%

上記の事例(*利益500万)を元に考えると・・・

  • 長期譲渡所得・・・100万
  • 短期譲渡所得・・・195万

となります。

控除できる経費

ただし、購入時と売却時にかかった諸費用は利益から控除されるので、実際課税される利益はもっと少ないはずです。

  • 購入時・・・仲介手数料融資保証料、印紙代、登記費用など
  • 売却時・・・仲介手数料、測量代、印紙代、登記費用など

10年前3,000万で購入した物件の諸経費を200万。そして3,500万で売却した時のかかった経費を180万と仮定すると、トータル380万が利益から控除されることになり、

利益500万-経費380万=120万

120万が実際に課税される金額となり・・・

  • 長期譲渡所得・・・24万
  • 短期譲渡所得・・・46.8万

税金はこうなります。

注意点

ただ、最初にも書きましたが、これは簡易的・概念的なもので、正確なものではありません。例えば減価償却の問題もあります。10年前、3,000万で購入した物件の建物は10年間の間、減価償却されて価値は下がっていますから、単純に3,000万全てを購入代金として考えられません。では実際どのくらいとして考えたらよいのか?そうしたことを正確に計算できるのは、税務署なり税理士などの専門家です。

また、購入価格、売却価格の記載のある契約書や請負契約書、その時かかった諸経費などの領収書は、実際、どれだけお金を使ったかの証拠となりますので、必ず取っておかなければなりません。

購入時の価格が分からない場合

「親から相続した不動産で、いくらで購入したのか分からない」

両親が購入時の契約書や領収書を保管しておけば、それが適用されますが、昔過ぎて既に紛失してしまっているということもよくあります。そうした場合、購入時の価格をどのように算出するかというと、

「売却価格の5%」

を取得費とします。

例えば3,500万で売却したけど、取得費(*購入時の価格)が不明の場合、

3,500万×5%=175万

175万が取得費となり、

3,500万-175万=3,325万

となってしまい、大きな利益が出たことになってしまい、その分、税金も多くかかってしまいます。

売却した物件を自宅として使っていた場合

3,000万円の特別控除の特例という制度があります。

居住用不動産の3,000万控除(きょじゅうようふどうさんのさんぜんまんこうじょ)

自宅として使っていた不動産を売却し、利益が出た時は、3,000万までの利益だったら無税にしましょう、という特例です。

親から相続した不動産だとしても、生前親が自宅として利用していれば、相続した人が自宅として使っていなくとも、この特例を受けることが可能です。

しかし、いつまでもこの特例を受けることは出来ず、住まなくなった年の1月1日を起算して、3年後の12月31日までに契約か決済を済ませておかなければ適用できません。

まとめ

以上、不動産売却を売却した時にかかる税金についての記事でした。何度も書いていますが、あくまで簡易的・概念的なものですから、この記事を鵜呑みにして取引を進めないよう十分注意してください。

税金は毎年のように変わりますし、とても素人が動向を追えるようなものではありません。今回のような概念的なものをお話しできますが、必ず最終的にはご自身自ら、税務署などに問い合わせをするようにしてください。

不動産売却の流れ

不動産を売却しようとしたら、以下の順番で進んでいきます。

  1. 査定
  2. 媒介契約
  3. 販売活動
  4. 条件交渉
  5. 売買契約
  6. (*住宅ローン利用中なら)金融機関に一括返済の申し出
  7. 決済

査定

まず最初に査定を受けてください。自分の不動産がどのくらいで売れるのかを把握しておく必要があります。以下に査定に関する記事をまとめてあります。査定を受ける前には必ず読んでおきましょう。

ポイントは・・・

  • 一括査定はお勧めしない
  • 不動産の売却査定は、車の買取査定や引っ越し業者の見積もり査定とは別物
  • ↑だから高く査定されたとしても喜ばない

ということです。査定で最も重要なことは、正確な査定金額を把握することです。正確な査定金額というのは、3か月以内に7割8割の確率で売却できる金額のことです。

この金額を把握することが出来、販売期間に時間をかけられるのであれば、

「最初は少し高めに出して様子をみる。売れればラッキー」

という戦略を取ることができます。

不動産の売却査定に関する記事~まとめ~

媒介契約

査定を受けた不動産会社の中から、実際に販売を依頼する不動産会社を選び媒介契約を結びます。

媒介契約とは?

媒介契約を交わすときには、媒介契約書に署名・捺印をします。仰々しく「契約書」とありますが、売却の依頼申し込みという認識で問題ありません。契約期間の記載もありますが、期間中でも契約を破棄することも可能です。

媒介契約書とは?

媒介契約の期間

媒介契約の解除

媒介契約には

という3種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、以下の記事をご覧になって、最適なものを選ぶようにしてください。

媒介契約の種類とその説明

専属専任媒介・専任媒介・一般媒介契約のまとめ

専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?

また、査定にも言えることですが、不動産会社の規模で選ばないようにすることです。

不動産会社の規模で依頼先を決めてはいけません

大手であれば間違いないと考えるかもしれませんが、必ずしも実力のある担当者かどうかは分かりません。かといって規模の小さい不動産会社がいいのかといったら、それもそうとはいえません。あくまでも売却業務を実行してくれる担当者をベースに考えましょう。

販売活動

媒介契約を結んだら、次は実際に販売をしていくことになります。既にお住まいでなければ問題はないですが、売却の場合、賃貸と違って居住中でも内見をしてもらいます。どんなに良い物件だったとしても、内見してもらわないことには成約に至りません。内見希望があれば、予定が合う限り積極的に内見に協力するようにしてください。

Q 不動産会社に売却を依頼後、売主が出来ることは何かありますか?

Q 売主が売却中にやってはいけないことはなんですか?

条件交渉

内見の結果、買い手に購入の意思があれば、購入申込書を出してもらいます。条件交渉など、ないに越したことはないですが、金額含め交渉が入ってくることが大半です。販売活動を開始して1週間後で入ってきた交渉と、半年販売した結果の交渉とでは全く違います。

金額だけが交渉ではないですが、多くの人の関心は金額です。では、入って来た金額交渉に応じるか否かの判断はどうつけたらいいでしょう?

その答えは、査定の段階で正確な査定金額を把握しているかどうかにかかっています。その金額が分かっていれば、入って来た条件交渉が良い金額なのかどうなのか?を判断することができます。

だから査定は重要なのです。

売却中に金額交渉があった場合の考え方

売買契約

売買金額含め引き渡し日の条件などがまとまれば、実際に不動産会社で契約を行います。通常は売却の依頼を受けた不動産会社の事務所で、売り手・買い手・仲介業者が集まって、重要事項説明書、契約書の読み合わせを行います。

その後、署名捺印し、手付金を受け取って領収書を発行し売買契約は終了となります。

(*住宅ローン利用中なら)金融機関に一括返済の申し出

住宅ローンを利用中ならば、引き渡し日に全額返済する旨を、金融機関に連絡します。金融機関によっては、手続き時に時間がかかることもあります。引き渡し日(決済日)が確定したらすぐに金融機関に連絡をしておきましょう。

また、確定していなくとも、何日前までに連絡をすれば良いのかを、予め確認しておくとよいでしょう。

決済

引き渡し日、決済日ともいいます。買い手が住宅ローンなど、ローンを利用する際には、通常融資を受ける金融機関の支店で行います。

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

住宅ローン利用時の決済について

所有権移転登記に必要な書類を司法書士に手渡し、残代金を受け取り領収書とすべてのカギを買い手に発行し、終了です。基本的にこの時をもって今まで自分のものだった不動産は、他人のものとなり、当然のことながら自由に出入りすることはできません。荷物などは前日までにすべて搬出しておかなければなりません。

以上、不動産売却の流れでした。

物件を購入するとき内見は何件くらいするのがいいですか?

今日はこちらでマンションの決済がありました。

当社から近いのですが、あまり駅前に何があるのか把握してませんでした。予定より30分近く到着し、本でも読みながらコーヒーでも飲んでようと思ったのですが、思いのほか何もなく、結局金融機関で30分ほど時間をつぶすことになってしまいました。なぜ30分前行動を取っているかは下記の記事をご覧ください。

今回決済を行った金融機関は信用金庫でしたが、ここではお茶が出てきました(笑)

給料の受取口座が都市銀行指定とか、そのようなしがらみがなくて、近隣に支店があるなら、信用金庫はおススメですよ。住宅ローンの金利も、都市銀行と差異はほとんどありません。

店舗の数が全国的ではないため、使い勝手は都市銀行に比べると劣るかもしれませんが、その分、都市銀行などと比較すると顧客と信金の関係が親密です。

今回の売主さんと、信金の担当者の間柄は、互いに軽口を叩きあえる、そんな緩い雰囲気が漂います。いろいろと個別に相談にも乗ってくれます。そのような対応を望まれるなら、信用金庫での融資も検討してみてもいいと思いますよ。

で、本題。

「物件を購入するとき内見は何件くらいするのがいいですか?」

という質問です。

難しい質問、というか人によって全然違うので、なんともいえません。何百件見ても決めない人は決めないし、最初に見た1件目で決めてしまう人もいますし。とはいえ、必ずどこかで決断というか結論を出さなくてはいけない時がやってきます。

だからむやみやたらに見ればいいのかというと、そういうわけではありません。決断しなければならないときに、迷わず決断できるように、見た物件の解答は一つ一つ出していくことが必要です。

「何が気に入らなかったのか?」

「購入するためには何がネックとなるのか?」

「なぜ自分はこの物件を買おうと思えなかったのか?」

こうした答えを地道に一つ一つ出していくことで、徐々に自分の求めるものが浮かび上がってきて、そうした物件が現れた時、すぐにパッと結論を出すことができるのです。

こうした作業をしていかないと、いつまでもダラダラと物件を見るだけが目的(*趣味になってしまっている人もいます)の、いつまでもたっても物件を買えない人になってしまいます。

ちなみに今回マンションを購入して頂いたお客様はこれだけ見ました。

もちろん、すべて内見したわけではありません。紹介しただけで終わった物件も含まれています。しかし、それでも一つ一つ解答を出していくことで、これだ!という物件が出てきたときには、迷わず結論を出すことが出来たのです。

このお客様が今回購入した物件、実は内見時には既に2回見ていた他のお客様がいました。そのお客様のことを直接知っているわけではありませんが、かなり迷われていたようです。そんな事情を知っていたので、その時の状況(*既に2回見た他のお客様がいる)を今回購入したお客様に伝えたところ、即決で「買う!」と。

その後、既に2回見ていたお客様も、自分たち以外が申し込みを入れたことを知り、慌てて2番手として購入申込書を出してきたようですが、時すでに遅し。

勝手な推論ですが、今回買いそびれた方は、本当に買っていいのかどうか、自分達だけでは評価できなかったのだと思います。他の方(*今回購入したお客様)が申し込みを入れた事実を知って、はじめて

「自分たち以外にも評価している!この物件は買った方がいいんだ!」

と、他人が評価したことで、初めて自分たちの評価を信じることが出来たのです。

何件見てきたのか分かりませんが、今まで見てきた物件の解答を一つずつ出しておけば、ひょっとしたら2回内見したときには買うという結論を出すことが出来たのかもしれません。

ですから何件見たらいいのか?という質問に対して答えはなく、何件見てもいいけれど、その都度、解答を出す作業をしなければ、全てが無駄になってしまうということです。

不動産業者は案外このようなことを教えてはくれません。ですから、内見した物件や紹介を受けた物件の図面の下にでもいいので、一言でもいいのでコメントを書いておくことをお勧めします。

相続した不動産を売却するには?

相続した不動産を売却するには、相続登記が必要となります。相続登記は司法書士が行います。

不動産売買において、司法書士が登場する場面は、通常決済時がほとんどですが、相続した不動産を売却する場合には、かなり前の段階で登場してもらう必要があります。

相続登記を行うタイミングとしては、売買契約を交わし、決済までの間か、売買契約を結ぶ前に完了させておくか、です。

 

売買契約締結後、決済までに行うケース

相続人が一人しかいなければ、誰が相続するか?で、もめることはないので、この方法を取っても問題ありません。また、相続人が複数いたとしても、売却後、お金をどのように分けるか話し合いができているのなら、その場合も問題ないでしょう。相続登記完了までにかかる時間を元に、決済日を決めなければなりませんが。

ただ、相続人が何人いるのかは、戸籍謄本を取ってみないと本当のところは分かりません。一人しかいないと思い込んでいたのに隠し子がいたとか、相続権を持つ音信不通の親族がいたなど、他に相続人が出てくる可能性も否定できません。そう多くあるケースではないですが、100%確実に売却を完了させるには、事前に相続登記を済ませておく方が間違いないでしょう。

売買契約を結ぶ前に完了させておくケース

相続人が複数いて、誰がどのように相続するか決まっていないケース、もしくは相続が「争族」になってしまう可能性が高いのならば、事前に相続登記は完了させておかなくてはなりません。誰が相続するか分からない不動産を売却などできないので、当たり前のことですが。

争族になってしまう原因の一つは?

いままでのケースから、「争族」になってしまうのは、「自分が当然相続するはず」といった誤った認識を持ってしまっていることが原因としてあります。

  • 自分が住んでいるから
  • 親の面倒を最後まで見たから
  • 自分が家督を継いだから

本人からすると当たり前の「事実」なのかもしれませんが、他の相続人からすると、そうではないと思っていることが多いのです。自分の希望・願望が、いつのまにか事実となってしまっているのです。気を付けましょう。

司法書士にも得意・不得意がある

司法書士であれば相続登記はできますが、得意・不得意があります。依頼するのであれば、相続登記に慣れた司法書士に依頼したいものです。

売却から相続手続きに入った場合、不動産会社が司法書士を手配することになります。司法書士同様、相続した不動産の売却に慣れた不動産会社でないと、そもそも依頼する司法書士が相続登記が得意ではない、という可能性も出てきます。

いずれにせよ相続手続きに慣れた司法書士、不動産会社に依頼すべきでしょう。

金融機関でお茶が出ない理由は?

銀行ではお茶が出てきません。

不動産売買の際には、金消契約決済のため、お客様と共に1時間、長い時には2時間を金融機関で過ごします。金融機関にとっては、利益をもたらしてくれるお客さんですから、ふつ~~~の会社であればお茶位出すと思うのですよ。だけど、出てこないんですよ。

誤解して欲しくないのですが、別にお茶を出して欲しいのでもなく、お茶が出てこないことに憤っているわけでもありません。むしろ、お茶を出す労力を他に費やしてくださいよ、とさえ思ってます。

だけど当社のような中小零細企業でさえも、お客さんがご来店されたら、条件反射のようにお茶を出しますし、たいていの会社でもお茶出すじゃないですか?どこもが行うことを、金融機関が行わないのには何か理由があるのかな?と純粋に不思議に思うのです。

その疑問を以前、同席したお客さんにぶつけてみたところ

「どこかにお金を貸してやってるって意識があるんじゃないの?」

と皮肉交じりにおっしゃっていたのを思い出しました。

本当のところは不明です。いつか機会があれば、知り合いの行員にざっくばらんに聞いてみようと思っているのですが、わざわざ聞くことでもないので、なかなか機会が得られずにいます(汗)

今後、金融機関にお世話になる方々もいらっしゃると思います。その際、お茶を出してもらった方がいれば、ぜひともご報告頂きたいです、割とリアルに。

「お茶出る金融機関リスト」

なんて毒にも薬にもならない、まとめる労力の無駄遣いに過ぎないもの、作ってみたいです。

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

住宅ローン利用時の決済は、融資を受ける金融機関の最寄りの支店で行うことがほとんどです。仲介業者や登記を担当する司法書士は慣れてますが、買い手・売り手双方にとっては初めてのことで戸惑うかもしれません。なんてことはないのですが、決済当日の流れは以下の通りです。

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住宅ローン利用時の決済について

 

売主の本人確認(書類の確認)

売主持参の登記識別情報(*権利証)、印鑑証明書、写真付きの身分証明書、評価証明書(*通常、仲介業者が準備)などを回収し、

「売主が今回売却する物件の所有者である」

ことの確認を司法書士が行います。確認を怠り、取引には全く関係ない、第三者の不動産の所有権を移転したとあっては、司法書士の責任となってしまいます。細心の注意で行われます。万が一書類に不備があったとしたら(*例え忘れ物だとしても)、書類が揃わない限り先には進めません。

司法書士の委任状に買主の署名・捺印

買主に代わって司法書士が所有権移転登記を行います。司法書士には

「売主から買主への所有権移転登記手続きを行う」

旨の代理権を与えなければなりません。所有権移転登記に伴う委任状に、売主・買主が署名・押印を行います。

振込伝票などの記入

本人確認と委任状への署名・捺印が済めば、買主は支払明細に基づき、振込伝票や支払伝票への記入を行います。通常、買主側の仲介業者がサポートします。支払伝票には、買主の口座届け出印の押印が必要です。

融資実行

振込伝票、支払伝票が用意できれば、いよいよ融資実行となります。伝票と併せて、買主の通帳と身分証明書を添えて、融資担当者へ渡します。振り込みが完了するまで早ければ10分、20分。金融機関が混んでいると、1時間2時間かかることもあります。

支払い、着金確認

振込みが完了すると、振込伝票の写しと、支払伝票に基づいた現金が運ばれてきます。売主の口座へ着金したのを確認できれば、売主は物件のカギを渡し売買代金の領収書を発行します。また、買主は支払い伝票に基づいて出金された現金で支払い(*仲介手数料や登記費用)を済ませ、取引完了となります。

まとめ

住宅ローン利用時の決済当日の流れについての記事でしたが、いかがだったでしょうか?終わってみるとなんてことないただの流れ作業にすぎません。しかし、不動産売買のクライマックスであり、事前準備や段取りでスムーズにすすむケースもあれば、ドタバタで終わるケースもあります。

後になって、

「結局最後みんなで集まったのはなんだったんだ?」

と、ことの重要性を認識していなかったとしても、なんら影響はありませんが、最後の最後ですからできれば思い出の残るものにしておきたいですよね。そのためにも、予め決済当日の流れをざっくりでも知っておくことはよいのではないでしょうか。

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住宅ローン利用時の決済について

金消契約が終われば、次はいよいよ融資実行日、つまり不動産の決済日(引き渡し日)です。不動産売買的には

  • 引き渡し日
  • 決済
  • 本契約

は全て同じ意味です。

【関連記事】

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

 

決済とは何をする日か?

決済とは

  • 残代金の支払い
  • 仲介手数料など諸経費の支払い
  • 所有権移転登記に必要な書類への署名・押印
  • 固定資産税精算
  • (マンションであれば)管理費・修繕積立金の精算
  • 鍵の引き渡し

を行います。実際に何千万もの現金を目にすることはないですが、不動産売買のクライマックスです。

売主の持ち物

  • 印鑑証明書
  • 登記識別情報(*昔でいう権利証)
  • 身分証明書
  • 振込先の分かるもの

上記が基本的な持ち物で、その他物件の種別(マンション、土地、戸建て)によって、引き渡すものや書類が増えます。

買主の持ち物

  • 認印(実印でなくても可)
  • 通帳
  • 通帳印
  • 身分証明書

出席者は?

  • 売主
  • 買主
  • 仲介業者
  • 金融機関の融資担当者
  • 司法書士

決済場所は?

融資を受ける金融機関です。通常は最寄りの支店で行うことが多いです。

何時から?所要時間はどのくらい?

金融機関営業日である平日の、遅くとも13時までに行うことがほとんどです。所要時間は平均して1時間前後見ておけば問題ありませんが、5日と10日、25日など「5」や「10」などが付くいわゆる「ゴトー日(*含む15日、25日など)」は金融機関が混雑するため、手続き完了までにかなり時間がかかることもあります。月末や年末、年度末は出来るだけ避けましょう。

決済の注意点

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売主・買主含めて、スケジュール調整が重要です。仕事などの調整をつけ、全員がその日のために日程を合わせます。

しかし、これだけ調整したところで、売主・買主に何か一つでも忘れ物があると、その場で決済はできず、全員の予定を再調整の上、仕切り直しとなってしまいます。

まとめ

住宅ローン利用時の決済についてまとめた記事でしたが、いかがだったでしょうか?新人の頃、最も理解できなかったのが決済のお金の流れです。

「売主が支払うお金」「買主が支払うお金」を互いに相殺したり、残代金の一部を諸経費にあてたりするので、お金の流れが分かりづらかったのです。冷静になって考えればなんてことないのですが、不動産取引のクライマックスということもあり、舞い上がってしまうのも理由の一つです。

不慣れな新人とはいえ、日常的に決済を行う仲介業者もこんな感じなので、当日(*事前に説明することも)お金の流れを説明されて即座に理解できる人はあまりいないと思います。

実際、払うお金が増えたり減ったりするミスを犯すことはないので、理解できなかったとしてもなんら問題はないのですが、分かりづらいのは確かです。なんとも気持ち悪いと感じるようなら、決済当日ではなく、事前に解説してもらうようにしましょう。

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住宅ローンの本審査に落ちたらどうなる?

売買契約後、融資の本審査(*=本申し込み)を行います。事前審査を行ったうえで契約締結しているわけですから、通常であれば問題なく通ります。

しかし、事前審査に通れば100%本審査が通るのかといえば、決してそうではありません。少ない可能性ですが、否決になってしまう可能性もあります。万が一、否決になってしまった場合、売買契約はどうなってしまうのでしょうか?今回はそんな誰もが避けた事態についての解説です。

 

本審査が落ちる理由は?

事前審査が通っているにも関わらず、本審査で落ちてしまうのはイレギュラーなケースです。落ちる理由として

主なものとして上記2点が考えられます。住宅ローンを利用するためには、団体信用生命保険加入が条件となります(*フラット35は任意)。「生命保険」とある通り、基本は保険です。申し込むにあたり、現在の健康状態や過去の病歴、手術歴、既往症、継続的に服用している薬など、告知を行わなければなりません。それが原因で落ちてしまう場合。

もう一つは、事前審査通過にすっかり安心してしまい、新規に借り入れをしてしまった場合などです。

売買契約は白紙解約が一般的

「融資が万が一否決となった場合、その契約は白紙解約となる」

といった内容の特約が、通常の売買契約には付いています。これを

「ローン特約」

と言います。白紙解約なので、文字通り契約自体そもそもなかったとみなされます。支払っていた手付金や、仲介業者に支払い済みの仲介手数料は返金され、ペナルティもありません。売り手にとってはたまったものじゃないですが、契約に費やした時間と労力はさておき、買い手に物理的ダメージはありません。

不動産の売買契約時には、売買契約書と重要事項説明書、二つの重要書類がありますが、その両方にローン特約についての記載があります。契約書の裏面には、細かい約款で条項が書かれていますが、両書面ともに、ローンが出なかった場合の措置については、表面の見逃すはずがない箇所に記載があります。

ローン特約に期限がある理由

しかし、いつまでもローン特約による白紙解約が認められているわけではありません。例えば引き渡し予定日(*=決済)前日に、

「ローンが出ないから白紙解約したい」

と言われても、引き渡すつもりでいた準備していた売り手にとって、

「はいそうですか」

と言えるはずありません。当然、ローン特約が適用される日程の期限があります。ローン特約による白紙解約が認められるのは、

決められた期日までにローンが否決された場合のみ

です。決められた期限にローン可否を取ることができなければ、ローン特約による白紙解約は認められず、買い手都合の解除とみなされ、一転、違約解除とされペナルティも発生してしまいます。

まとめ

「住宅ローンの本審査に落ちたらどうなる?」

について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

  • 事前審査に通っていれば基本は本審査も通る
  • ローン特約があるので万が一否決されてもダメージはない
  • ローン特約による白紙解除が認められる期限がある

万が一のためのローン特約ですから、万が一の時にもちゃんと適用されるよう、契約締結後には早々に金融機関の本申し込み手続きは行っておくことをお勧めします。

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住宅ローンの本審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査(*住宅ローンの事前審査とは?
  2. 本審査

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は事前審査後に行う本審査について解説していきます。

 

住宅ローンの本審査とは?

事前審査が通過し、無事売買契約が済めば、次は融資の本申込みです。通常、契約から決済までは、売主・買主の引き渡し希望日に特殊な事情がなければ、1か月から長くても1か月半となることが通常です。

1か月もあるので、時間があるように思えますが、意外にそうではありません。印鑑証明書や課税証明書など、行政で取得しなければならない書類があり、融資承認を取らなければいけない期日もあります。いつまででもよいというわけではないのです。意外にのんびりしている暇はありません。

  1. 物件を内見
  2. 購入物件が決まり仲介業者を通して売主と条件交渉
  3. 事前審査
  4. 売買契約

と、バタバタしてきたでしょうから、ホッと一息付きたくなる気持ちは十分わかります。しかし、そのままの勢いで、一気に動いてさっさとローンの承認を取ってしまった方が、結果的に楽です。

本申込み時に必要な書類

融資本申込み時に必要な書類は次の通りです。下記は一般的なもので、借入希望者の内容によって、若干の差異はあります。

住民票や印鑑証明書は、金融機関とのお金を借りる契約である

金銭消費貸借契約

時にも必要となります。まとめて取ってしまえれば手間が一度で済んで楽なのですが、金銭消費貸借契約時には、通常新住所での住民票、印鑑証明書が必要です。ですから別々に取得しなければなりません。

事前審査の金額を減らしても大丈夫

5,000万融資希望の事前審査の内諾を取ったからといって、本審査の際、必ず5,000万の融資を申し込まなければならないわけではありません。返済計画が変わり、借入金を500万減らして、4,500万の融資で本申込みを行っても、内諾を取った5,000万の枠内であれば、減額する分にはなんら問題ありません。ところが、

「返済計画が狂ってしまって、追加であと300万追加して、5,300万で申し込みたい」

となると話は違ってきます。その際には、事前審査から改めて申し込みしなおさなくてはなりません。返済計画がまだ固まり切っていないのであれば、実際に借りる・借りないは別にして、希望融資額より少し多めに事前審査を通しておくのが良いでしょう。

まとめ

住宅ローンの本審査についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?基本的には事前審査を通しておけば、審査通過後に新規の借り入れを行うなどしなければ、そのまますんなり通るのが通常です。我々不動産会社も、事前審査が通るまでは、購入申込書を書いてもらっていても安心できませんが、事前審査が通過し、契約日が設定できれば、ひとまずは安心です。

ただ、健康状態などを聞かれる団体信用生命保険の内容によっては、否決になる可能性もあります。事前審査の段階では、借入希望者の健康状態までは把握しませんし、仲介業者もそこまで聞くことはありません。持病や、継続して服用している薬がある場合。また、大病の経験や直近の手術歴などがある場合は、十分ご注意ください。

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住宅ローン利用時は火災保険加入が必須

住宅ローンを利用すると、火災保険への加入は必須となります。購入にかかる費用の中では、比較的安いので、あまり気にならないのかもしれません。しかし、どうせ加入しなければならないのであれば、加入が必須な理由などを知ったうえで、最適なものに加入するべきでしょう。

 

加入が必須なわけ

なぜ火災保険に加入するのかというと、もちろん被害にあった加入者のためでもありますが、必須にされている一番の理由は、担保物件の消失を防ぐ金融機関のためでもあるのです。

金融機関はお金を貸すにあたり、対象となる不動産を担保に取ります(抵当権を設定する)が、火災により担保物件が消失してしまうと、担保価値がなくなってしまい金融機関も困るからです。

火災保険加入のタイミングは?

融資実行時つまり不動産取引でいう締め、決済時に加入をします。金融機関とお金の貸し借りの契約を交わす時(金銭消費貸借契約)に、金融機関から火災保険の案内を受けることになります。

金融機関から案内を受けた保険にそのまま加入しても構わないですし、自分で探してきた保険会社の保険商品に加入しても構いません。加入後に保険会社から発行される保険証券の提出が求められます。

長期か短期か?

火災保険の加入期間は最長で10年です。お支払いは一括支払い・年払い、どちらかを選択することができます。短期よりは長期、年払いよりは一括払いの方が、一年あたりの保険料は安くなります。

地震保険への加入

地震保険への加入は任意です。地震保険はあくまでも火災保険本体に付随する「特約」なので、地震保険単独で加入することはできませんし、かけられる保険金は、火災保険本体の50%が限度となります。支払いは年払いのみです。つまり本体の火災保険を10年一括払いにしたとしても、地震保険料は毎年支払わなければなりません。

ちなみに地震保険料は年末調整時に控除証明書を提出することで、所得税から控除することができます。

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買い先行の買い換えについて

自宅の売却が前提となる不動産購入計画のことを、「買い替え」といいます。単純に買い替えと言っても、

  1. 欲しい物件が既に決まっている場合
  2. 自宅が売れてから購入する物件を決める場合

上記2つのパターンに分けられます。1.を「買い先行の買い替え」。2.を「売り先行の買い替え」といいます。双方にメリット・デメリットがあり、買い替えを考えるそれぞれの家庭の事情もあることなので、どちらが良くてどちらが悪いかというような簡単な話ではありません。今回の記事では1.のパターン、購入を先行した場合のあらかじめ把握しておくべきメリットとデメリットについて解説していきます。

 

自宅が売れていなくても、欲しい物件が買えるのがメリット

購入先行の買い替えとは、例えば、大手デベロッパーが販売をする新築マンションを購入するときや、人気の物件・エリアで、

「自宅が売れるのを待っていたら他の人に買われてしまう!」

というような物件を購入したい場合に利用するケースです。

自宅の売却が済んでいなくても、欲しい物件の予約(*つまりは購入の契約)を締結することが出来るので、契約を行ってしまえば、同じ物件を狙っている競合に横取りされることはありません。購入を先行する人が受ける一番のメリットは、自宅の売却が前提の購入計画で、買い手が決まっていないのにもかかわらず、

  • この物件はどうしても逃したくない!
  • 理想の家で絶対ここに住みたい!
  • ずっとここを探していた!

と、その時どうしても欲しい物件が買えることです。一見すると、自宅が売れてなくても、欲しい物件が買えるのだから、デメリットなんてなさそうに思えます。では購入を先行させる場合のデメリットは何でしょうか?

希望通りの金額では売れないことがデメリット

  • 売却にかけられる時間にリミットがある
  • そのリミットまでに必ず売却を行わなければならない
  • 希望した額では売れない可能性がある

誰もが欲しがる新築マンションや、人気エリアの物件が買えて

「やれやれ一安心」

というわけにはいきません。購入契約を済ませてからには、少しでも早く自宅の売却活動を開始し、買い手を見つけなければなりません。なぜなら購入の契約を交わしたということは、残代金を支払わなければならない期日(*決済日)も決まったということです。つまり決められたその日までに自宅の売却を済ませ、売却代金を受け取って(*ローンがあれば完済して)おかなければ、購入代金を支払うことができません。

「自宅がまだ売れていないので、もうちょっとだけ待ってください」

というわけにはいきません。何が何でも売らなければいけません。

買い替えの特約

もちろん、通常こうした購入の契約書には、

「いついつまでに自宅の売却を済まさなければならない。さもなければ契約は白紙解約です」

といったような特約が付きます。ですから販売してみたけれど売れなかったとしたら、白紙解約なので実はなんのペナルティもありません。

しかし、ペナルティがないのをいいことに、

「自宅が良い価格で売れたら買います」

といったような軽い気持ちで購入の契約を申し出たとしても、売主となるマンションデベロッパーや、売主側の不動産仲介会社、売り手は契約してくれません。購入契約の前には、売却予定物件の査定を行い、

  • 期限までに確実に売れる金額で資金計画を考えているのか?
  • 甘い資金計画・見通しで話を進めようとしていないか?

を売り手側サイドは契約前に厳しくチェックするのです。通常の売却活動では、特別な事情がなければいくらでも販売に時間をかけることが出来ます。

「高く売れるようなら売ろうかな」

と、自分の希望する額で販売活動を行うことも可能です。しかし、購入を先行した場合の売却では、販売に割ける期間が決められてしまいます。その期間内に絶対に売らないといけない訳ですから、当初想定していた金額で売れない可能性もあることを、あらかじめ覚悟しておかなくてはなりません。これが購入を先行する際のデメリットとなるでしょう。

買い先行の買い替えのスケジュール

買い替えを成功に導くためには、買い替えのスケジュールをしっかりと理解・把握しておくことです。決して仲介業者にまかせっきりではいけません。以下に買い先行のスケジュールを図に示します。

上の図を見ると、6月1日スタートとしてますが、実際はこのように明確ではありません。当初から売却も購入も同時並行で動く場合もあれば、

ぼんやり物件を探しはじめ、ある程度購入物件の目途が立ってから販売に出すなどさまざまです。

 

まとめ

以上が購入を先行した場合の買い替えのメリットとデメリットになります。少し乱暴な言い方をすると、

「欲しい物件が買えて、なおかつ自宅は高く売りたい」

と、都合よく二兎を追いかけても、そう上手い話はありませんよ、ということです。

「購入する物件」と「売却価格」を天秤にかけて、どちらをより優先できるのか? を考えることによって、購入を先行するのか、売却を先行するのかを検討するのが良いと思います。

共有名義で相続した練馬区内土地の一部売却

3人が共有で土地を相続。うち2人が売却して現金化したいが、どう進めたらいいかという相談。

まずは相続人の各持分に応じて、土地家屋調査士に分筆プラン作成を依頼。プラン確認後、土地の分筆登記を申請し、売却活動スタート。買い手が決まり決済までの間に、分筆登記を完了させその後、分筆した各土地に相続登記を申請。

スケジュールが決まっている中で、相続に絡む税理士、登記を担当する司法書士、分筆登記を担当する土地家屋調査士と相互に連携を取り合い、一つの案件をまとめ上げていった事例。

各専門家はその筋のスペシャリストだが、こうした複数の専門家が絡む業務の場合、自分の仕事だけ行っていけば良いという訳ではない。業務の詳細まで知る必要はないが、各専門家がどういうことを行っていて、その作業にどのくらい時間がかかり、必要な書類が何かなどを常に把握しておく必要がある。

不動産活用コンサルタントとしては、そうした専門家を一つにまとめ、各専門家の情報や進捗の共有を進めることが、大きな役割となる。

 

各専門家が業務内容を理解し、互いに手を取り合い、情報を共有していかなければこうした案件は成功しない

各専門家が業務内容を理解し、互いに手を取り合い、情報を共有していかなければこうした案件は成功しない

仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)

不動産業の主要業務の一つである、仲介をメインに行う業者のことです。仲介業者について解説していきます。

 

仲介業者の業務内容

「物件を買いたい(*借りたい)」

というお客さんの条件を聞き、該当する物件を紹介・案内し、取引をまとめるのが買い手(*借り手、以下略)側の仲介業務(客付)。

「物件を売りたい(*貸したい)」

というお客さんの、売却のお手伝いをするのが売り手(*貸し手、以下略)側の仲介業務(物元)。上記2点が主な業務内容となります。

取引をまとめた成功報酬として、仲介手数料があります。売り手側、買い手側、両方の仲介を行うことも可能で、取引をまとめることが出来れば、仲介手数料は双方からもらえます(両手)。

仲介業者に必要な資質とは?

不動産売買の仲介をする際は大きな金額を扱います。ダイナミックでそれだけにやりがいを感じますが、反対に恐怖感もあります。売り手や買い手は不動産を売ること・買うことによって、人生を転回させようとします。万が一、そこで失敗などしようものなら・・・と考えると怖くて怖くて・・・。

ビビって仕事が出来なくては困りますが、全く恐怖を感じないというのもまた問題です。背後にそうした恐怖感、重責を感じるからこそ、きちんと仕事をしようとするわけです。

経験談として

駆け出しの頃、とある物件の決済がありました。売主・買主さん双方ご高齢で、あまり細かいことを言ったりする人たちではありませんでした。決済当日、買主のおばあちゃんが、銀行印と通帳を持ってくるのを忘れてしまい、慌てて自宅まで取りに戻りました。

無事お金を振り込むことは出来ましたが、法務局が開いている時間に所有権移転の書類を持ちこむことが出来ずに、翌日改めて移転登記手続きをすることになりました。私は「やれやれ」とのんきに考えていたのですが、事務所に帰り責任者に報告したところ、大激怒されました。

「もし売主が悪意を持って、誰か第三者に登記を入れていたらどうするんだ!?」

「お金払ってるのに(*買い手に)所有権移転が正常に行われなかったら、お前は責任を取れるのか!?」

と。ことの重大性を初めて認識して青ざめたことがあります。売主さんの人柄から、そのようなことは絶対にするはずないと思っていましたが、やはり心配です。じりじりと翌日まで不安な気持ちで待つしか出来ませんでした。この時程、翌朝が待ち遠しいと思ったことはありませんでした。無事移転手続きが出来たと報告があったときは、身体の力が一気に抜けて、一日仕事にならなかった位です。

まとめ

人一人の人生を狂わせることはなかなか大変ですが、不動産取引においては起こりえてしまいます。その可能性を考えると、やはり携わる人間のモラルや人間性はもとより、恐怖感を持っておくことが仲介業者には何より大切なのではないかと思います。

評価証明書(ひょうかしょうめいしょ)

評価証明書(公課証明書)です

不動産の税法上の評価額が記載された書面のこと。不動産取引では決済時に必要となり、権利証がないと決済ができないように、評価証明書がなくてもできません。この書面に記載されている評価額に、固定資産税率1.4%と、都市計画税率0.3%をかけた金額が、固定資産税額として毎年税金として徴収されます。

この評価証明書は、都税事務所と区役所で取得することが出来、原則その不動産の所有者しか取れません。しかし所有者からの委任状があれば第三者でも取得可能です。売却を不動産会社に依頼するときに交わす媒介契約書に委任部分が記載されていることが多いので、不動産売却の依頼を受けた不動産業者は、自然と受任者となることがほとんどです。

評価額と言ってもあくまで税法上の評価であって、一般の市場価格とは乖離(*安い)していることが普通です。例えば、5,000万で購入した物件の評価額が、4,000万だったとしてもショックを受ける必要はまったくなく、それが普通です。

相続が発生したときにしか目にする機会はないと思いますが、自分の所有不動産が税法上いくらに評価されているのか、一度見てみるのも一興かと思います。

<*平成24年7月19日現在>

物件引き渡し時(決済時)に、売主・買主の間で固定資産税額も日割精算します。納税通知書を売主さんが保管していれば、通知書に記載されている金額で精算すれば済むのですが、紛失してしまっている場合も良くあります。

その場合、評価証明書から納税額を算出しなければなりません。掛け算なのでたいして面倒な計算ではないですが、万が一計算ミスなどしたらやっかいです。そこで評価証明書と同じようなもので

「公課証明書」

という書面があります。評価証明書と同じく、評価額が記載された書面ですが、年税額が予め記載されているので、計算ミスの心配がありません。もっぱらこちらを取得するようにしています。不動産業者は公課証明書ひっくるめて、評価証明書と言う人が多いです。

居住用不動産の3,000万控除(きょじゅうようふどうさんのさんぜんまんこうじょ)

本来不動産を売って得た譲渡「益」について税金がかかりますが、自宅を売って出た利益については、「そもそも利益を出す目的で売った訳ではないから大目に見ようよ」ということで、優遇措置があります。3,000万までの利益は無税、というものが「居住用不動産の3,000万控除」というものです。3,000万を超えた部分に対してのみ税金がかかってきます。

例えば、3,000万で買った自宅マンションが、5,000万で売れたら2,000万の利益ですが3,000万は控除されるので無税です。6,000万で売れたら3,000万の利益ですが同じく無税です。6,010万で売れたら3,010万の利益で、3,000万控除後の10万にたいして税金がかかります。

今のご時世、買った金額より高く売れるなんてことは、あまり考えられませんが、親から相続した自宅を持っている方は注意しないといけません。

「親が購入したのでいくらか分からない」

ということもあると思います。買った時の契約書や領収書がその証明になりますが、そうした証明書類がなければ売却した金額の5%が取得費とみなされます。つまり「5,000万でマンションを購入したという証明(契約書や領収書)がなければ、5,000万×5%の250万で購入」したとみなされます。

取得費が不明で、親から相続したマンションが3,000万で売れた場合

3,000万円の自宅マンションの取得費は150万(3,000×5%)円です。3,000万-150万の2,850万が譲渡益となりますが、控除される3,000万以内に収まるので無税です。購入価格(この場合は取得費)、売却価格ともに、諸経費(印紙代や仲介手数料、登記費用や測量代)も控除されるので、実際はこの通りではありません。

注意しないといけないのは、この特例が適用されるには以下のような条件に該当する時のみです。

  1. 住まなくなってから3年を経過する年の年末までに売った時
  2. 建物を取り壊して1年以内の譲渡
  3. 前年、前々年にこの控除を受けていないこと
  4. 身内への譲渡はこの控除は適用出来ない

どのタイミングをもってして「売却」及び「譲渡」と見なされるかですが、契約時か決済時、どちらかを選ぶことが出来ます。期限ギリギリの年末に売買契約しておけば適用可能ということです。

ちなみに賃貸併用住宅は、自宅ではないので賃貸部分には適用出来ません。あくまでも居住用部分にのみ適用されます。その際には売却金額と居住部分を按分して、居住部分がいくらで売却したことになるのかを算出します。

共有名義だったら3,000万×2の6,000万まで控除額が広がると勘違いをして、慌てて共有にしようとする方もいますが、あくまでも二人合わせて3,000万までです。贈与税のからみもあるので必ず税務署の人に相談することをお勧めします。

3,000万控除の適用期間

3,000万控除は、自宅として使っていたなら、いつまでも適用されるのかというと、もちろんそんな都合の良い特例ではありません。適用される期間が決められているのです。

「住まなくなって3年が経過した年の年末までに売却した自宅に限る」

これが制限です。この場合の「売却」というのは、契約や決済が含まれています。つまり所有権が変わっていてもいなくても、3年目の年末までに契約さえしておけば適用されるということです。売却益がもともとでないのであれば関係ありませんが、少なからず売却益が発生するなら、売却計画自体、考え方が変わって来てしまう可能性があります。

「税金で手取りが減るならば、適用されるうちに多少値引きをして売ってしまった方が、結果的に高く売れたことになる」

という判断も出来ます。そのため、自宅として使っていた事実はあるが、住まなくなって3年以上経った自宅を、居住用不動産として見てもらうのはどうしたら良いのか、といった相談を受けることもあります。

何をもってして居住用の不動産として使っていたかを判断されるかですが、諸説いろいろあります。住民票がそこにあることにはじまり(*売却直前に持ってくるようではNG)、水道・光熱費の請求が行っているか?またそうしたライフラインが使用されているか?郵便物が届くのか?新聞が届いているのか?などがあります。

しかし、、正確なことは私にも分かりませんのでお勧めしていません。きっとみんなが当たり前のように考えることは、とっくにその対策や発見方法が考えられているに違いないからです。現状、諦めるしかなさそうです。

決済(けっさい)

「引き渡し日」とも、「本契約」ともいう。取引に関わった不動産会社のほか、司法書士も同席。買い手は購入した物件の残代金を支払い、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金の精算を行い、所有権の移転が行われ取引が完了する。これら一連の行為を「決済」と呼ぶ。

銀行で融資を受ける場合、決済場所は融資を受ける銀行の支店で行う。所用時間は早くて30分。5日と10日が付くいわゆる

「ゴトー日(*15日、25日など)」

は銀行が混むため、かなり時間がかかる。平均1時間前後。遅くて2時間。年度末だと混雑っぷりは殺人的で、何時間も待たされることも・・・。

現金取引の場合は、決済場所はどこでもいい。一般的には不動産会社や銀行で権利証など書類の確認を行い、確認が出来次第、近場の金融機関に行き残代金を振り込む。

当日中に売り手の口座に着金確認できることが前提。さらに権利移転の手続き書類を、司法書士が法務局に持ち込むが、役所なので17時までしか開いていないため、どんなに遅くとも13時過ぎ位までには手続きを終えておく必要がある。年度末や銀行が混んでいる日を避けて、決済日を段取りする不動産会社の如才なさが何より重要だったりします。

 

お茶は出てきません

買い手のほとんどが金融機関から融資を受けて不動産を購入することになります。ですから、大体融資を受ける銀行で決済を行うことが通常です。

 

 

いつもは銀行の窓口にしか用件がなくとも、決済は一大イベントです。金融機関にもよりますが、買い手・売り手のどちらかが金融機関のお得意様(*大口契約者や法人口座)だったりすると、この写真のような応接室で行われることもあります。この写真の応接室を使った時の話ですが、買い手はこの金融機関の大口のお得意様でした。

その日、滞りなく手続きは済んだあと、銀行の担当者が、腰を低くしながらお得意様である買い手さんへ揉み手をしながら一言。

「お茶も出さずに申し訳ありません」

と挨拶してました。

お金を金融機関から借りる人は少なくとも銀行にとっては大事なお客さんなはず。つまりお客様相手のサービス業といってもおかしくありません。しかもこの時の買い手さんは何度も利用しているお得意様。にもかかわらずお茶の一つも出ない。これはなぜなのか?

「お茶も出さずに・・・」

と、担当者が謝ったということは、申し訳ないという認識は持っているということです。ということは、

「お客様にはお茶を出してはいけない」

と、厭味ったらしくいうとマニュアル化でもされているのかもしれませんね。

別にお茶を出して欲しい訳ではありません。ただただその感覚(?)が不思議でならないというだけです。

というわけで、決済ではお茶は出てきませんのでご注意ください。

決済が緊張する理由

不動産取引のクライマックスである決済は何度やっても緊張しますが、無事終わった後の解放感は格別です。不動産会社にとってもそれだけ緊張するのが決済です。緊張する要因として

「扱う金額が大きいから」

というのも確かにあります。一般の人が生涯で一番高い買い物が不動産ですからね。それに携わる責任は重大です。だけどそれ以外にも緊張する要因はあります。

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売り手・買い手含めて、スケジュール調整が重要です。お客さんが仕事をしていない人だったらまだしても、そんな人たちばかりではありません。銀行で融資を受けるには、金融機関が営業している平日でなければいけません。仕事の調整をつけて、午前半休を取ったり貴重な有給を消化して、その日のために日程を合わせます。

その他にも売り手・買い手への当日準備するお金や、用意する書類や流れの説明、連絡。司法書士への必要書類の確認。銀行担当者とのお金の流れの確認などなど。

「決済は段取り8割、いや9割」

と言ってもいいくらいで、前日までに段取りを完璧にやっておけば、本来スムーズに行くのが普通です。・・・しかし、たった一つ落とし穴があります。それがお客さんの

忘れ物!

です。どんなに神経を張り巡らし、関係機関への連絡を万全に行って、当日は粛々と作業を実行するだけだったとしても、全てが一瞬でフイになることがあります。そ・れ・が!

忘れ物!

忘れ物があると、全員の都合を合わせて当日を迎えたにも関わらず、日程から何から何まで全て仕切り直しになってしまいます。今までこうした理由で決済が仕切り直しになったことは何度もあり、その際の忘れ物は以下の通りです(複数回含まれます)。

  • 権利証
  • 身分証明書(特に免許を持ってない人)
  • 通帳印(出金手続きが出来ない)
  • 通帳(口座番号が分からないため支払口座や振込先が分からない)

他にも色々とあった気がしますが、主に思い当たるのが以上の4点。これらは売り手・買い手に用意してもらうもので、間違いのないように我々も事前にアナウンスします。場合によっては前日の夜に確認の連絡もしますが、こちらがどんなに万全を期したと思っていても、忘れるときは忘れてしまいます。

一見すると不動産会社に責任はないように思えます。ただ、取引を最後までまとめきるというのが、我々仲介業者の責務であり、その対価として仲介手数料が存在します。原因がお客さんの忘れ物だったとはいえ、取引を遂行できなかったということは、責任を果たしていないということです。

忘れ物を「させて」しまったのも、忘れないように伝えることが出来なかったのが悪いのです。だからどんなに万全に準備をしたと思っても、全てが終わってからでないと安心できないのです。ですから、金額の大小ではなく、決済が終わった時の解放感はやはり格別なのです。それはきっと不動産を売却した売り手、購入した買い手、全員にとって素敵な瞬間であるはずです。

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仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

購入・売却の仲介を完了させることによって受領することが出来る、不動産会社にとっての報酬。取引金額の3%+6万円(消費税別途)が上限。つまり上限いっぱいに受領している不動産会社がほとんど。上限でなければいけないという法律は一切ありません。

「不動産会社がお客さんから手数料としてもらっていい金額の上限」

ということです。仲介手数料を受領する時期は不動産会社によって異なるが、契約時と決済時に半金ずつ受領するところが多いようです。なぜそういうもらいかたをするのかというと、契約が解除になった場合のことを考えてのことです。

決済までの間に契約が手付け解除や違約により解除された場合、

「契約締結までの仲介業務はこなした。半分は業務を遂行した」

ということで、契約は存在したことになり、仲介手数料は返金されなくても文句は言えないのです。ただ、そのような不動産会社の論理を、理解できるお客さんが多くないことから、実際のどのようにしているかはわかりません。ちなみに白紙解約の際は、契約が文字通り「白紙」になるということで、もともと存在した契約がなかったものとして考えられます。当然、存在しない契約に支払った仲介手数料ということで、返金されます。

仲介手数料は安くなるのか?

最近は手数料半額や無料とうたう不動産会社も増えてきています。仲介手数料が他社に比べて安いことは、当然大きな売りになります。通常の手数料で営業している不動産会社が、手数料無料や半額の会社と競合した場合、お願いすれば以外に簡単に値引きしてもらえそうに感じます。しかし、必ずしもそうとは限らないのです。会社の規模が大きい会社程、手数料の値引きは難しいです。私が以前所属していた大手仲介業者で、以前こんなことがありました。

売主・買主の条件がどうしても折り合わなかったので、双方の手数料を少し調整することで、条件に折り合いをつけ、契約をまとめようと試みたことがあります。しかし、

「値引きしなければまとまらない契約はやらなくていい」

という会社の方針で、契約寸前までいったその話は流れてしまいました。

「手数料を安くして契約をまとめた」

という前例を作りだしたくなかったという話も、後になってから聞きました。

「手数料半額」とか「無料」と謳う業者さんが増えてきましたが、「仲介手数料は当然安くなるもの、値切れるもの」と当たり前のように考えて、安易に取引に突入しない方が良いでしょう。

やってはいけないパターン

例えばAさんという物件の購入を検討している人がいたとします。通常の仲介手数料で営業している不動産会社に物件を紹介してもらい、何件か案内してもらった結果、めでたく気に入った物件が見つかりました。そのまま契約締結に至ればなんら問題はないのですが、スケベ根性を出したAさんは、仲介手数料無料もしくは半額の不動産会社に物件を仲介してもらえれば、本来かかる予定の手数料が安くなる、と考えました。そこで手数料値引きをしてくれる不動産会社に話を持っていき、当初から対応してくれている不動産会社を飛ばして、契約を締結してしまった・・・というケース。

経済的な合理性を考えたら、なんら責められるものではないのかもしれません。仲介手数料を安くして業務を行うということは、そのような報酬体系でも営業していける仕組みを作ったれっきとした企業努力です。ただし、道理・モラルとしてはどうなのでしょうか?成功報酬とはいえ、それまでやってもらったことが、まったくないということはないはずです。義理人情の世界で論理を通す必要はありませんが、最低限のマナーというのはあってしかるべきでしょう。

こういうようなことをするお客さんが多いからでしょうか。手数料を無料・半額にする不動産会社のホームページには、

「他業者が案内済みの物件の仲介業務はお断りします」

とうたっているところも多いようです。

仲介手数料とはそもそもなんなのか?

仲介手数料については、こんな話もあります。以前、売却の依頼を受けている物件に、ほかの不動産会社が問い合わせをしてきました。

業者:「御社の物件を内見させて頂きたいのですが」

私:「いいですよ、何時ですか?」

業者:「私の都合がつかないので、お客さんだけ現地に行ってもらおうかと思っているのですが」

私:「は??それは別にいいですけど、もしそのお客さんが気に入って話を進めたいと言ったら当社の仲介で契約してもらいますけど、そういうことでいいんですか?」

業者:「それはちょっと・・・」

私:「『それはちょっと・・・』と言われても、お客さんに物件だけ紹介してあとは勝手に見て来てくれだったら、仲介手数料もらう資格ないですよね?」

業者:「それ以前にかなりご案内しているので」

私:「それは関係ないでしょ。そのお客さんに正規に手数料を請求したいなら、お客さんに対する義務は果たされるべきだと思いますけど?」

というやり取りをしたことがあります。物件をお客さんに紹介して、現地にはお客さん「だけ」向かわせ、それで仮に決まったら、お客さんに請求するのは「仲介手数料」であるはずはありません。いっそのこと「物件紹介料」という名目が正しいのでは?と思います。

今の時代、物件を探している人は、インターネットでいくらでも・いつまでも物件を探すことが出来ます。物件を紹介するだけで手数料がもらうなんて、不動産の仲介業務がそんなに簡単な仕事であるはずがありません。仲介手数料というのは、(購入や賃貸の場合は)物件を紹介するのはもちろんとして、お客さんを案内して、「不動産のプロ」という立場から、その物件のメリットやデメリットを分かりやすく説明して、決断する材料を揃えてあげることです。勘違いしている営業マンやお客さんの中にも多いですが、口先だけで強引に決めることではありません。

また、お客さんが決断を迷っているなら、背中をそっと押してあげることも必要だし、「もう少し様子を見てみましょう」と、決断するための時間を提供することも重要な要素です。売却でも購入でも、決断したならば不安なく契約を終えられるようサポートや手配をすることも大切な業務です。

そこまでやってはじめて成功報酬としての仲介手数料があるわけです。それをすっ飛ばしていいところだけ取ろうとする不動産会社がまだまだ多い現状が、まわりまわって道理やモラルを欠くお客さんを産んでいるのかもしれません。

金消契約(きんしょうけいやく)

詳しくは

「金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)」

と言います。

売買契約後、金融機関にローンの申し込みを行い、正式に承認された段階に行う、

「金融機関からお金を借りるための契約」

のこと。

様々な書類に署名捺印(実印)を行い、金利の説明や場合によっては、火災保険の見積もりと内容についての説明も受けます。所用時間はおおよそ1時間位。当然、金融機関が営業している平日でなければ出来ません。そして通常、金消契約が終わった翌日に決済を行うことは出来ません。

通常数営業日間に挟まないといけませんが、金融機関によってこのあたりは違ってきます。

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住所変更登記(じゅうしょへんこうとうき)

売主の住民票・印鑑証明などに登録されている住所は、権利証(*登記識別情報)に記載されている住所と同じでなければいけません。違っている場合、権利証上の住所を、現在の住民票・印鑑証明書上の住所に書き換えなければいけません。それを住所変更登記といいます。決済当日、買い手に所有権を移転する前に行います。。なぜそんな回りくどいことをするのかというと、売主がその不動産の所有者本人であることを確認する(した)ためです。

住所が違っていたとしても、仮に1回しか住所が変わっていなければ、現在の住民票を取れば以前の住所が記載されているので、今の権利証上の住所と「繋がる」ので本人だと確認はできます。しかし中には、2回、3回と変わっている人もいます。その時、必要となるものが

「戸籍の附表(ふひょう)」

です。あまり聞きなじみがないですが、住民票と同じく役所で取得することが出来ます。住民票は一つ前の住所までしか出てきませんが、戸籍の附表はさらにその先まで追いかけることが出来ます。

一般的には、新しく不動産を購入する時には、新しい住所(*つまり購入した物件の住所)で登記するのですが、中には様々な事情によって、以前住んでいた住所で登記することもあるのです。新しい住所で登記しなければならないという決まりがある訳でもありません。費用は約3万円前後です。

不動産購入時の仲介業務

1.物件の紹介

不動産業者もお客さんも、一番のメイン業務だと思ってるかもしれませんが、あくまでも入り口・導入部分でしかありません。物件の紹介を受ける中で、担当営業マンとの相性を見極めたり、信頼関係を築けるかどうかをお客さんが「値踏み」する時期です。信頼に足る人物だと分かれば、インターネットで良さそうな物件を探して、

「これあります?見たいんですけど」

と言っても極端な話オーケー。

「誰から買うか?」

が重要です。この時期は物件を探すのも大切ですが、実は信頼できるパートナーを探す時期でもあります。

2.資金計画

物件を探しつつ、予算を決めてください。予算というのは、

「現在の年収でいくらまで借りられるのか?」

ではなく

「無理なく返せる金額はどのくらいなのか?」

これを明確にすることが資金計画で予算となります。

資金計算をしてみると、月々の返済にすると、現在の家賃より安くなることが多いかもしれません。しかし、(*駐車場がない場合は)駐車場代金や固定資産税、マンションであれば管理費・修繕積立金も月々の固定費としてかかります。また、金利優遇を受ける前提の甘い資金計画をうのみにするのは危険です。

3.金額交渉

ほとんどのお客さんが値引き交渉前提で物件を探します。交渉というのは一方的に言い分をのませることではなく、お互いの妥協点を探す作業です。どんなに優秀な営業マンでも、売り手の都合によって、まったく価格交渉が出来ないこともあります。担当者の力量不足だけが、価格交渉が上手くいかない原因というわけではありません。ダメなものはダメとあきらめましょう。

交渉がうまくいかないと、勝負に負けたような気がして面白くないかもしれませんが、不動産購入は買った負けたの世界ではありません。ただ、あえて勝ち負けを付けるとするなら、気に入った物件を手にすることが勝つことになるのです。無用な勝負を持ち込むのはやめましょう。

4.引き渡し日などの交渉・調整

特に理由や希望がなければ、契約から引き渡しまで1か月位が目安となります。しかし、売り手・買い手の事情によっては、3か月から半年以上に渡ることもあります。引き渡し日が3か月以上先など、予め決まっている場合は、販売図面に告知されていることがほとんどです。双方の事情を踏まえてのスケジュール調整は意外とと大変です。

5.物件調査

行政を回って都市計画や建築基準法の制限を調べたり、道路の幅員や道路種別、水道、ガス、下水の埋設状況の調査を行う。また、法務局で権利関係や、物件自体に越境や瑕疵(かし)がないかを調べます。この調査結果を、契約書や重要事項説明書に記載します。

6.契約書類作成

契約書と重要事項説明書などの契約書類を作成します。しっかりとした物件調査を行い、実情に沿った正確な書類を作成することが、不動産会社仲介業務の最も大切な業務です。何が起こっても対処出来るような書類作りが求められます。買い替えなどがからむ時には、より正確な書類作成が求められます。

7.契約業務

売り手・買い手揃って、不動産会社の事務所で契約手続きを行います。契約書と重要事項説明書を分かりやすく丁寧に説明し、読み合わせを行います。双方異議がなければ署名・押印。買い手が手付金を払って、売り手は不動産会社の用意した領収書を発行します。

8.金融機関の受付代行・斡旋

融資を受ける金融機関を選択してもらい、ローン申込書類に記入してもらいます。申し込みに必要な書類を案内し、契約書上の日付を確かめながら、お客さんに、スケジュール通りローンの承認を取ってもらうように管理・調整します。

9.金銭消費貸借契約

金融機関と買主が交わすお金を借りる契約、「金消契約」といいます。その案内と手配、日程調整。契約時に必要書類があるのでそのご案内。

10.司法書士の手配・決済日の調整

決済日当日に、所有権移転登記を行う司法書士を手配、見積もりを出してもらいます。併せて売主・買主双方のスケジュールを調整し、決済日を確定します。当事者以外にも不動産業者、司法書士、銀行の担当者と関わる人間が多くなるので、一度確定した決済日の変更はあまり好ましくありません。慎重な日付の設定が必要です。

11.決済日立ち会い

残代金の支払い。それ以外にも、固定資産税やマンションの場合は管理費・修繕積立金があるので、引き渡し時で併せて精算します。日割金額を算出して、間違いのないように振り分けます。お金の動きを正確に把握していないと、後で内訳が分からなくなります。売り手の指定する口座に着金の確認が出来たら、領収書を発行して鍵を渡して終了となります。

 

以上、購入時における仲介業務の一覧です。仲介手数料はこうした業務をこなして初めてもらえる成功報酬なのです。

登記識別情報(とうきしきべつじょうほう)

不動産売買の決済時には、権利証が必要となりますが、「権利証」というものはなくなりました。替わりに

「登記識別情報」

というものが権利証に取って替わりました。

権利証はそれ自体盗まれたら大変ですが、登記識別情報は中に12ケタの番号が記載されており、特別なシールで隠されています。その番号を他人に知られてしまうと、モノ自体なくなっていなくとも、権利証を盗まれたものと同じことになってしまいます。シールははがさずに、そのままの状態で保管しておきましょう。万が一シールが剥がされたような跡が残っていたら、誰かに番号を見られたということです。すぐに法務局に確認してみましょう。

不動産決済時に、もし登記識別情報をなくしてしまっていて用意することが出来ないのであれば、弁護士や司法書士にそれに替わるもの、

「本人確認情報」

を作成してもらいます。事前に弁護士・司法書士が所有者と面談し、数種類の身分証明書と付き合わせながら、物件の所有者本人かどうかを確認のうえ、作成してもらいます。当然費用がかかります。本来、登記識別情報(*及び権利証)の類がないというのは、良くあることではありますが、不動産所有者としては異常な事態です。充分注意しましょう。