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不動産売買の決済とは?

決済とは不動産売買の締めくくり

不動産売買は通常、

売買契約 → 決済

という二つのステップを経て完結します。決済とは、不動産売買の締めくくりです。売主・買主の都合によって異なりますが、特別な理由がなければ、売買契約後1ヵ月~1か月半後に決済日が設定されます。

決済日には誰が参加するのか?

  • 売主
  • 買主
  • 司法書士
  • 取引に携わった仲介業者
  • (ローンを利用するなら)融資担当者

多くの人がこの日に向けてスケジュールを調整し、一同に介します。例外はありますが、原則、売主・買主は本人が出席しなければなりません。

決済では何をするのか?

手順としては以下の通りです。

  1. 売主の本人確認(司法書士)
  2. 所有権移転登記の委任状への署名・捺印(売主・買主)
  3. 振込用紙に記入(買主)
  4. 振込み実行
  5. 領収書やカギの受け渡し(売主・買主)
  6. 諸経費の支払い(仲介手数料や司法書士報酬など)
  7. 解散

決済はどこで行うのか?

買主が金融機関から融資を受けて購入する場合、その金融機関の支店で行います。

融資を受けない際には、仲介業者の事務所で上記1、2を行うことが多いです。残代金を振り込む際に一旦金融機関へ行かなければなりません。振込手続きをした後、戻って5,6を行います。

ケースバイケースなので、決まりはありません。融資を受けないとしても、買主が利用する金融機関の窓口で全員集合し、その場で全て行うこともあります。

決済にかかる時間は?

通常は30分から1時間で終了します。

しかし、金融機関が混雑する日、例えば給料前後の5日、10日、25日、月末や、年度末である3月末は通常より時間がかかることがあります。

決済日を決めるにあたっては、金融機関が混まない日を選ぶようにしましょう。

注意する点は?

平日の遅くとも13時ごろまで

決済は金融機関が営業している平日、かつ15時までには着金が確認できる時間帯でなければなりません。15時以降や土曜、日曜、祝日は決済を行えません。

忘れ物

売主・買主ともに、重要なものを1つでも忘れてしまうと、どうあがいても決済できません。以下はあくまでも一例で、書かれているものがすべてではありません。

<売主>

  • 登記識別情報(権利証)
  • 印鑑証明書
  • 身分証明書
  • 実印

<買主>

  • 銀行印
  • 身分証明書

まとめ

決済日は売主・買主互いの日程を調整しなければなりません。どちらか一方の予定ばかり押し付けることはできません。互いに都合はあるでしょうが、気持ちよく取引を終えるためにも、譲り合いの精神をもって、決済日を決めるようにしてください。

終わりよければすべてよし、です。

不動産を売却した時にかかる税金は?

不動産を売却したときには税金がかかります。しかし、売却した人全員に同じようにかかるかといったらそうではありません。税金は利益に対して生じるのです。

以下に課税されるパターンについて解説していきますが、私が出来ることはあくまでも考え方・概念的にとどまり、正確な税額が分かるものではありません。ご相談を受けるお客様にも同様のことを伝えていますが、最終的には必ず税務署で確認するように伝えています。

税金がかかるときはこんな時

例えば10年前に3,000万で購入した物件が、3,500万で売却した場合、利益は500万です。500万に対して課税されます。

反対に3,000万で購入した物件が、10年後2,800万でしか売れなかった場合、利益は出ておらず赤字なので無税です。

長期譲渡所得と短期譲渡所得

利益が出ていれば、利益に対して課税されますが、所有期間に応じて税率が異なります。不動産を売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年以上と5年以下で区分されます。5年以上所有していた方が税率は安くなります。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得(5年以上) 15% 5%
短期譲渡所得(5年以下) 30% 9%

上記の事例(*利益500万)を元に考えると・・・

  • 長期譲渡所得・・・100万
  • 短期譲渡所得・・・195万

となります。

控除できる経費

ただし、購入時と売却時にかかった諸費用は利益から控除されるので、実際課税される利益はもっと少ないはずです。

  • 購入時・・・仲介手数料、融資保証料、印紙代、登記費用など
  • 売却時・・・仲介手数料、測量代、印紙代、登記費用など

10年前3,000万で購入した物件の諸経費を200万。そして3,500万で売却した時のかかった経費を180万と仮定すると、トータル380万が利益から控除されることになり、

利益500万-経費380万=120万

120万が実際に課税される金額となり・・・

  • 長期譲渡所得・・・24万
  • 短期譲渡所得・・・46.8万

税金はこうなります。

注意点

ただ、最初にも書きましたが、これは簡易的・概念的なもので、正確なものではありません。例えば減価償却の問題もあります。10年前、3,000万で購入した物件の建物は10年間の間、減価償却されて価値は下がっていますから、単純に3,000万全てを購入代金として考えられません。では実際どのくらいとして考えたらよいのか?そうしたことを正確に計算できるのは、税務署なり税理士などの専門家です。

また、購入価格、売却価格の記載のある契約書や請負契約書、その時かかった諸経費などの領収書は、実際、どれだけお金を使ったかの証拠となりますので、必ず取っておかなければなりません。

購入時の価格が分からない場合

「親から相続した不動産で、いくらで購入したのか分からない」

両親が購入時の契約書や領収書を保管しておけば、それが適用されますが、昔過ぎて既に紛失してしまっているということもよくあります。そうした場合、購入時の価格をどのように算出するかというと、

「売却価格の5%」

を取得費とします。

例えば3,500万で売却したけど、取得費(*購入時の価格)が不明の場合、

3,500万×5%=175万

175万が取得費となり、

3,500万-175万=3,325万

となってしまい、大きな利益が出たことになってしまい、その分、税金も多くかかってしまいます。

売却した物件を自宅として使っていた場合

3,000万円の特別控除の特例という制度があります。

自宅として使っていた不動産を売却し、利益が出た時は、3,000万までの利益だったら無税にしましょう、という特例です。

親から相続した不動産だとしても、生前親が自宅として利用していれば、相続した人が自宅として使っていなくとも、この特例を受けることが可能です。

しかし、いつまでもこの特例を受けることは出来ず、住まなくなった年の1月1日を起算して、3年後の12月31日までに契約か決済を済ませておかなければ適用できません。

まとめ

以上、不動産売却を売却した時にかかる税金についての記事でした。何度も書いていますが、あくまで簡易的・概念的なものですから、この記事を鵜呑みにして取引を進めないよう十分注意してください。

税金は毎年のように変わりますし、とても素人が動向を追えるようなものではありません。今回のような概念的なものをお話しできますが、必ず最終的にはご自身自ら、税務署などに問い合わせをするようにしてください。

不動産売却時の手数料について

不動産売却時にかかる手数料としては仲介手数料があります。

(売却金額×3%)+6万円

が仲介手数料です。

例えば5,000万円の戸建を売却した場合の仲介手数料は・・・

(5,000万×3%)+6万円=156万(税抜き)

となります。

ただ、売却にかかる費用全体を手数料として考えると、それ以外にもあります。

  • 契約書に貼る印紙代
  • 抵当権の抹消費用(*住宅ローン利用時)
  • 測量代(*土地・戸建ての場合)

契約書に貼る印紙代

契約書には売買金額に応じた収入印紙を貼らなければなりません。収入印紙は郵便局などの金融機関で購入することができます。

記載された契約金額 税額
1万円未満のもの 非課税
1万円以上 10万円以下のもの 200円
10万円を超え 50万円以下のもの 400円
50万円を超え 100万円以下のもの 1,000円
100万円を超え 500万円以下のもの 2,000円
500万円を超え 1,000万円以下のもの 1万円
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの 2万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの 6万円
1億円を超え 5億円以下のもの 10万円
5億円を超え 10億円以下のもの 20万円
10億円を超え 50億円以下のもの 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

(引用元:国税庁HPより)

原則は上記の表の通りですが、現在は軽減措置が適用されているので、記載額よりも安くなっています。

抵当権の抹消費用(*住宅ローン利用時)

住宅ローンを利用中の不動産を売却する際には、抵当権の抹消費用がかかります。抵当権を債権者である金融機関から設定されているので、これを消す作業を行う司法書士に支払う費用のことです。

費用自体はそれほど高額ではなく、抵当権1件当たり2~3万円です。複数の金融機関から融資を受けている場合は、その分抵当権が設定されているので、その分費用は上がります。

住宅ローンを利用していなければ、当然、抹消費用はかかりません。

測量代

絶対ではないですが、土地・戸建ての売却の際には、測量代がかかります。

売買対象になる敷地がどこからどこまでなのか、誰もがわかるようにしておかなければなりません。例えば隣地の人と、互いの敷地がどこであるかとの主張が食い違っていると、将来紛争になってしまう可能性もあります。

そのような問題をはらんだ土地を、買い手が安心して買えるかといったら(*余程金額が安ければそれもありかもしれませんが)買えないでしょう。

また、売り手が100㎡だと思っていたものが、測り直してみたら、実は98㎡しかなかった。もしくは逆のケースで103㎡あった、ということもあり得ます。隣地との境界を確定させる作業と共に、敷地の正確な面積を算出しておくことがトラブルを未然に防ぐうえでも重要です。

このように土地を測り、隣地の人達と立ち合い、境界を確定させる作業をする土地家屋調査士に支払う費用が測量代としてかかります。費用は何十万単位でかかり安くありません。隣地の方と立ち会う数と敷地面積によって金額は上下します。

まとめ

以上、不動産売却時にかかる手数料(費用)についてです。売却をする際には、金額だけではなく、結局のところ手取り額がどのくらいなのかを把握することが重要です。

手取り額を考える際には、売却にかかる費用だけではなく、税金面も含めて考えなければなりません。購入した金額よりも、高く売れてしまった場合は、税金がかかる可能性もありますので、十分注意してください。

【不動産購入】仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

仲介手数料とは?

購入・売却の仲介を完了させることによって受領することができる、不動産会社にとっての報酬。取引金額の3%+6万円(消費税別途)が上限。上限でなければいけないという法律は一切ありません。

「不動産会社がお客さんから手数料としてもらっていい金額の上限」

ということです。

仲介手数料を受領する時期は不動産会社によって異なりますが、大手不動産会社などは、契約時と決済時に半金ずつ受領するところが多いようです。

仲介手数料は安くなるのか?

最近は仲介手数料半額や無料とうたう不動産会社が増えてきています。仲介手数料が他社に比べて安いことは、当然大きな売りになります。

通常の手数料で営業している不動産会社(例えば大手不動産会社)が、手数料無料や半額の会社と競合した場合、お願いすれば簡単に値引きしてもらえそうに感じます。とはいえ、会社の規模が大きい会社程、手数料の値引きは難しくなります。

私が以前所属していた大手仲介業者で、以前こんなことがありました。売主・買主の条件がどうしても折り合わなかったので、双方の手数料を少し調整することで、条件に折り合いをつけ、契約をまとめようと試みたことがあります。

しかし、

「値引きしなければまとまらない契約はやらなくていい」

という会社の方針で、契約寸前までいったその話は流れてしまいました。

「手数料を安くして契約をまとめた」

という前例を作りだしたくなかったという話を、後になってから聞きました。

「手数料半額」「無料」を謳う不動産会社が増えてきましたが、

「仲介手数料は当然安くなるもの、値切れるもの」

と当たり前のように考えないようにしましょう。

やってはいけないパターン

例えばAさんが物件の購入を検討したとします。

通常の仲介手数料で営業している不動産会社Bに物件を紹介してもらい、何件か案内してもらった結果、めでたく気に入った物件が見つかりました。

そのまま契約締結に至ればなんら問題はないのですが、スケベ根性を出したAさんは、

「仲介手数料無料もしくは半額の不動産会社に物件を仲介してもらえれば、本来かかる予定の手数料が安くなる」

と考えました。

そこで手数料値引きをしてくれる不動産会社に話を持っていき、当初から対応してくれている不動産会社を飛ばして、契約を締結してしまった・・・という、B社からしたら泣きたくなるケース。

経済的な合理性を考えたら、なんら責められるものではないのかもしれません。どこの不動産会社で仲介を依頼するか、選択するのもAさんの自由です。

ただ、道理・モラルとしてはどうなのでしょうか?不動産の仲介業務は成功報酬とはいえ、それまでにやってもらったことが、まったくないということはないはずです。義理人情で論理を通す必要はありませんが、最低限のマナーというものは、お客さんにもあってしかるべきでしょう。

このようなモラルに欠けた行為をするお客さんが多く、トラブルになったからでしょうか。手数料を無料・半額にする不動産会社のホームページには、

「他業者が案内済みの物件の仲介業務はお断りします」

とうたっているところも多くなりました。

仲介手数料とはそもそもなんなのか?

仲介手数料については、こんな話もあります。以前、売却の依頼を受けている物件に、ほかの不動産会社が問い合わせをしてきました。

「 御社の物件を内見させて頂きたいのですが」

「ありがとうございます!日時はいつですか?」

「私の都合がつかないので、お客さんだけ現地に行ってもらおうかと思っているのですが」

「は??それは別にいいですけど、もしそのお客さんが気に入って話を進めたいと言ったら当社の仲介で契約してもらいますけど、そういうことでいいんですか?」

「それはちょっと・・・」

「『それはちょっと・・・』と言われても、お客さんに物件だけ紹介してあとは勝手に見て来てくれだったら、仲介手数料もらう資格ないですよね?」

「それ以前にかなりご案内しているので」

「それは関係ないでしょ。そのお客さんに正規に手数料を請求したいなら、お客さんに対する義務は果たされるべきだと思いますけど?」

というやり取りをしたことがあります。

物件をお客さんに紹介して、現地にはお客さん「だけ」向かわせ、それで仮に決まったら、お客さんに請求するのは「仲介手数料」であるはずはありません。いっそのこと「物件紹介料」という名目が正しいのでは?と思います。

まとめ

今の時代、物件を探している人は、インターネットでいつまでも物件を探すことが出来ます。物件を紹介するだけで手数料がもらうなんて、不動産の仲介業務がそんなに簡単な仕事であるはずがありません。

仲介手数料というのは、物件を紹介するのはもちろん重要な業務の一つですが、「不動産のプロ」という立場から、その物件のメリットやデメリットを分かりやすく説明し、決断する材料を揃えてあげることです。

また、お客さんが決断を迷っているなら、背中をそっと押してあげることも必要だし、

「もう少し様子をみましょう」

と、決断するための時間を提供することも重要な要素です。不安なく契約を終えられるようサポートや手配をすることも大切な業務です。

そこまでやってはじめて成功報酬としての仲介手数料があるわけです。それをすっ飛ばしていいところだけ取ろうとする不動産会社がまだまだ多い現状が、まわりまわって道理やモラルを欠くお客さんを産んでいるのかもしれません。

【土地・戸建ての売却】測量(そくりょう)

土地の広さを測る行為

土地の大きさを測ることを「測量」といいます。

土地の広さを測るためには、自分の土地がどこからどこまでなのかを決めなければなりません。土地は当然、地続きですから、自分の土地に接している隣地の所有者が存在します。

その人たちの存在を無視して、

「ここまでが私の土地です」

と一方的に決めることはできません。

「私とあなたの土地境(境界)はここでいいですね?」

と互いに確認し、合意しなければなりません。

境界境には「印」が設置される

隣地との境界境には、それを明示するプレートや境界鋲が設置されています。されていれば、その点を元にして土地を測り、隣地所有者との境界確認も滞りなく済むことが多いです。

しかし、そのような「印」がない場合もあります。境界鋲は大事なものにもかかわらず、その知識があまり知られていないからか、境界鋲の上に塀を立ててしまったり、建築作業のどさくさで外れてしまったりしていることもあります。

その場合、現存する資料や隣地との現況を元に境界境を新規設定することになるのですが、土地の広さに直接かかわることになるので、調整が難航することもあります。解決しないと、最悪は境界紛争となってしまう、非常にデリケートな問題です。

費用は?

これら作業を行うのは土地家屋調査士もしくは測量士で、当然、費用がかかります。売却に係る費用では、仲介手数料に次いでに高額です。土地の広さや、立ち合いの件数によって測量金額は異なります。

まとめ

測量は必ず行わなければいけない作業ではありません。未測量で売却することは可能ですが、言いかたを変えれば、測量をしていない土地というのは、

「どこからどこまでが売買対象の土地なのかが分からない」

ことを意味します。また、

「隣地と境界トラブルがあるのではないか」

と思われても仕方がありません。

やはり唯一無二の「商品」として、広く買い手を募るのであれば、「最低限の整備」はやっておくべきでしょう。

不動産売却の流れ~売却の理由から取引完了まで~

売却理由を考える

【そもそもなぜ売却なのか?】

なぜ売却を思い立ったのか?まずはその理由を明確にする必要があります。不動産売却は、ほとんどの人にとっては初めての経験で、未知の領域です。あまり検討することなく、勢いで不動産会社に駆け込んでしまう人が驚くほど多いのが現状です。

「不動産売買のような大きなお金が動くのだから、まずは大手だろう」

と、ネームバリューがある不動産会社に「とりあえず」相談、「とりあえず」査定を依頼してしまいます。もし、

「売却する確固たる理由がある」

というのであれば、その選択肢に間違いはないでしょう。しかし、

「なんとなく売却かな~」

と、果たして売却が正しい選択肢なのか、まだはっきりしないのであれば、まずは売却するべき理由を明確にすることからはじめるべきです。売買以外にも、人に貸す、もしくはいまはあえて何もしない、という選択肢もありえるからです。

【「縦割り」な不動産業界】

不動産業界は縦割りです。自分の担当する業務以外の提案は行いません。相談者にとってベストの提案が、その会社にとってはベストでないことがあるからです。

例えば、ぼんやりとしか売却を考えていなかった相談者が、ネームバリューの有る不動産売買を専門に扱う不動産会社Aに行ってみたところ、担当者がこう言いました。

「この物件でしたら人気があって良い金額で売ることが出来ますよ。当社にはお客さんもいますから、すぐにでもご案内することが出来ます!是非、当社で専任媒介を結ばせて頂いて、販売させてください!

え?賃貸?・・・賃貸も悪くないと思いますが、今は借り手市場でなかなか入居者が決まらない状況です。なにかとうるさい入居者も最近は増えてきているようですし、退去の後にはその都度リフォームがかかります。オーナーさんの気苦労が増えるだけだと思います。あまりお勧めはしませんね。」

と提案されます。

次に賃貸を専門に扱うネームバリューの有る不動産会社Bに行ってみたとします。

「これは良い物件ですね。借り手市場で入居者が決まりづらいのが現状ですが、適正な価格設定で募集にかければ即決するお客さんは多いですよ。是非、当社で専任媒介を結ばせて頂いて、募集させてください!

え?売却ですか?・・・確かに一時的にまとまったお金は入ってきますが、貸して所有し続ければ長期的に副収入を得ることが出来ますよ。売ってしまったらそれまでです!せっかくの資産ですから、有効活用するべきだと思いますよ。」

【自分のフィールドでしか物事を考えない】

A社もB社も決して間違ったことを提案しているわけではありません。

しかし、自分のフィールド(賃貸、売買)でしか物事を考えられないので、相談者のための提案をしているように見えますが、結局は自分の仕事になる方向にしか話をもっていこうとしません。

ベストの選択が売買ではなく実は賃貸だったしても、それを正直に提案する売買専門業者などいるはずがありません。

【相談する不動産会社選びは慎重に】

「売却する!」

という意思と理由が明確ならば、売買を専門に扱う不動産会社に相談しても良いと思います。しかし、そうでないのであれば、賃貸・売買の専門会社ではなく、両方を扱っている不動産の専門家に相談してみることをオススメします。

大手のようなネームバリューはないかもしれません。しかし、相談者も気づいていないような、隠れた願望を見つけ出し、ベストな提案をしてくれるそんな不動産会社に出会うことが出来たなら、結果それが一番です。なぜなら不動産売却における成功の秘訣は、不動産会社選びが大きなウェイトを占めているからです。

査定

所有している不動産が、いくら位で売れるのかを不動産会社に調べてもらうことを

査定

といいます。周辺の成約データや、近隣で売り出されている物件の坪単価。またここ数年の路線価や公示価の推移を参考に、最後は不動産会社や担当者の過去の取引経験から金額を提示することが通常です。

不動産会社にとって査定とは、売却を検討中のオーナーとコンタクトを取ることが目的なので無料です。室内や現地を見ないで、周辺環境や取引事例だけを参考にざっくりとした金額提示することを

「机上査定」

実際に現地を見て金額提示を行うことを

「実査定」

と区別しているところが多いようです。

【引越し業者の査定や車の買い取り査定との違い】

引っ越し業者や、車の買い取りでも査定がありますが、彼らがいうところの「査定」と、不動産の「査定」というのは、言葉は同じですが、全く別物です。

引っ越し業者にしろ、車の買い取り業者にしろ、彼らの査定価格というのは、

「提示した金額で引っ越し業務を請け負う」

「提示した金額で車を買い取る」

ということを意味しています。

しかし不動産査定の場合、査定する側がその金額で買い取ること、または売れることを保証するわけではありません。あくまでも

「この位の金額であれば売れるでしょう」

と専門的立場からアドバイスするだけなのです。それが不動産の査定です。

【多数の不動産会社に査定依頼を出すことはオススメしません】

一度に多数の不動産会社に依頼することはオススメしません。なぜなら、不動産会社が売却依頼欲しさに各社がかけひきを行うからです。

複数の不動産会社が入れ替わり立ち替わりで査定に来るようになると、それぞれが他社の伝える査定金額を気にして、本当の査定価格を言いません。なぜなら、最初に査定価格を提示してしまうと、その金額が他の会社の叩き台になってしまうからです。

他社がどれくらいの金額を伝えているのかある程度聞き出したうえで、最後にどこよりも高い金額を伝えようとするのです。つまり不動産の査定では

「後出しじゃんけん」

がなにより強いのです。ですから、

「調査して再度お伺いさせて下さい」

といって、回答を避けます。二番目に訪問した不動産会社は、自社が何番目に来たのかを把握したうえで、

「他社さんはどの位の金額でしょう?」

と聞きだそうとします。一番目の不動産会社が金額を伝えていないので、ここで二番目の不動産会社が金額を伝えてしまうと、その価格がたたき台となってしまいます。それを避けるために二番目の不動産会社も、調査する時間が欲しいとかもっともらしい理由をつけて、

「後日またご報告にあがります」

となります。イタチごっこのようで笑ってしまいますが、本当に現場で行われていることです。仮に一番目の不動産会社が既に金額を伝えていたら、

「その価格はずいぶん安いですね。当社であればもっと高く売れると思いますよ」

と、言えば済むのです。

このように次から次へ不動産会社が査定に来ては、他社の提案した金額を探り出そうとし、その価格よりも少しでも高い金額を提示しようとする「意味のない査定ごっこ」が繰り広げられることになるのです。

【査定=媒介契約締結の場ではない】

大体どこの不動産会社も、査定は無料で費用はかかりません。ですから、気軽に頼んで良いのですが、実際はその査定が文字通り「査定」になっていないことのほうが多いのです。どういうことかというと、ほとんどの不動産会社がそうですが、

査定=媒介契約取得の場

と考えているからです。

複数の不動産会社と査定でバッティングした場合、売主が何を判断材料として依頼先を選ぶかというと、担当者とのフィーリングももちろんありますが、なによりも提示される金額です。

それを十分理解している不動産会社は、当然、シビアでリアルな査定価格ではなく、売主が喜びそうな高い金額を提示することになります。売主も、例え提案された金額が、相場よりも高いものだと思ったとしても、

「当社にはこの金額で買うとお客さんがいます!」

と、自信満々に言われたら、一番高い金額を提案してくれたその不動産会社に依頼したくなるはずです。

要するに不動産会社にとっての査定とは、適正な価格を提示することではなく、売主の希望価格を聞き出し、その希望に沿った価格を提示して、専属専任・専任で媒介契約を結ぶことが目的となっています。

このように、専属専任や専任媒介売却で依頼を受けたいがために、明らかに相場を無視した、高すぎる価格を提示することに対しての批判は以前からあります。

「当社であればこの価格で売って見せます!だから専任下さい」

と、高い金額をもっともらしい理由で伝えられて、悪い気のするオーナーさんはいません。良い気分で売却に出してみますが、結果、案内もほとんどなく、結局売れに金額を下げさせるのはある種、詐欺みたいなものなのですから。

【高い金額で媒介契約】

しかし、

高い金額で査定→媒介契約締結

することが必ずしもダメだという訳ではありません。周辺物件の売り出し・成約状況を提示し、適正な金額を伝えた上で、売主さんの売却事情を踏まえ、

「急いで売る必要はないようですから、最初はご希望の金額で出してみたらいかがですか?」

と提案するのはまっとうな行為で、それが本来あるべき不動産査定であり不動産会社の役目です。仮に売れずに金額の見直しを提案する際も、違和感なく受け入れてくれると思います。問題なのは適正な金額を伝えないで、あたかも

「自社に任せてもらえれば他社より高く売れる」

とだけしか言わず、オーナーが

「本当の査定価格」

を知らされないことが問題なわけです。

オーナーとしては、不動産会社が伝える耳触りの良い査定金額はいったん疑問に持った方が良いと思っておきましょう。そもそも、査定する不動産会社によって、金額が大きな差が出ること自体、おかしな話なのですから。

媒介契約

不動産会社に査定をしてもらい、どこの不動産会社に依頼するのかを決めたなら、次は不動産会社と媒介契約を締結します。「契約」とありますが、そんなに仰々しいものではなく、要するに

「媒介契約書上に記載されている不動産の売却を依頼する」

といった依頼書です。

口頭で売却の依頼を受け付けたとして、販売活動を始めてしまう会社もありますが、ちょっと名の通った企業であれば、まず間違いなく書面で契約を交わします。

売却の依頼を受けた不動産会社は、その物件の売却担当企業として、主に以下のような業務を行います。

  • 物件の調査
  • 販売図面の作成
  • 販売状況を分析しての価格変更の提案
  • 他業者の案内の立ち会い
  • 買い手との金額交渉

取引がまとまった後は、

  • 契約書などの作成
  • 決済の段取り

を行います。

【媒介契約書の種類】

媒介契約には以下のように3種類の形式があります。

■専属専任媒介

文字面から

「独占販売」

のようなイメージを受けますが、物件情報はレインズを通して他不動産会社へ流れますので、どちらかというと販売の

「担当窓口」

と思った方が良いでしょう。

ただ、売却の窓口は一つです。つまり契約を交わした不動産会社しか販売の窓口になれません。自己発見取引(*売主本人が連れてきた人と契約すること)も、契約を交わした不動産会社を通さないと契約できません。

その他、レインズに登録するのは5営業日以内、営業活動報告書は一週間に一度と決められています。

■専任媒介

「専属専任媒介契約」と同じく、契約を交わした不動産会社しか販売の窓口となれない。ただ、自己発見取引は○。レインズへは7営業日以内の登録、営業活動報告書は二週間に一度と決められています。

■専属専任媒介・専任媒介のメリット
□業者が必死になる

売却活動を一社限定で委任するので、当然、その業者が売却活動をさぼったりすると売れません。依頼を受けた不動産会社の責任は非常に大きいのです。成約に至らないと仲介手数料はもらえませんし、それまでにかかった売却活動の費用も回収出来ません。

中々売れなかったり、売主に動きが悪いと判断されると、媒介契約を余所に切り替えられてしまうかもしれません。必死にならざるを得ません。これがメリットの一つとなります。

□対応が一対一

販売の窓口が一つということは、その会社に様々な情報が集まります。つまり、

  • お客さんからのお問い合わせの数
  • 他業者からの問い合わせの数
  • 案内した時のお客さんの感触
  • 広告の反響結果

などが挙げられます。

こうした情報を不動産会社からフィードバックしてもらうことで、売主は現在の販売状況を正確に知ることが出来ます。また、これらのデータを参考にして、文字通り不動産会社と売主が顔を突き合わせて、成約というゴールまで二人三脚で進めていきます。

その物件に力をかけただけ、担当者も売り手と同じく、不動産に対して愛着が増していき、不思議なもので手をかけた分、成約に至る可能性は高くなります。

■専属専任媒介・専任媒介のデメリット
□一対一の関係が裏目に・・・

一対一という関係が、悪い方にひっくり返った場合です。もはや一部不動産会社の悪習となっている囲い込みをはじめ、売り手に真実の情報を伝えず、その不動産会社の都合によって情報が捻じ曲げられ、売却活動が左右されてしまうことがあります。

例えばあからさまな両手狙いで、他業者からの問い合わせがあるにも関わらず、一切紹介せず、

担当者 「案内どころか問い合わせもありません」

売主 「そうですか、金額が高いのでしょうか・・・」

担当者 「適正だと思うのですが、でも試しに少し下げてやってみましょう」

と、徐々に金額を下げていくなかで、自社でお客さんを見つけて両手。このような形です。選ぶ不動産会社によっては、不動産会社の思惑に左右されてしまう可能性があるというのがデメリットです。

■みんな欲しがる専属・専任媒介契約

どの不動産会社も「専属専任媒介」もしくは「専任媒介」で売却を任せてくれないかと言ってきます。なぜなら専属・専任で売却の依頼を受けておけば、仮に自社で買い手を見つけることが出来なくても、他の不動産会社が買主を連れて来てくれることがあるからです。つまり、売り手の報酬だけは最低限確保できるのです。

とはいえ、もちろんお客さんが来るのをただ待っているだけではありません。販売の窓口としての責任が生じますし、適正な情報発信能力や交渉力や提案力、不動産のことはもちろんのこと、税金の知識も必要となり、高い専門性が要求されます。

しかしながらちゃんとマジメに販売活動をしておけば、必ず(*もちろん例外あり)報われるのです。

「専属もしくは専任で媒介を取得する=売り上げが計算出来る」

ということです。

■一般媒介

複数の不動産会社に売却を依頼することが出来る。つまり売却の窓口が複数できるということ。レインズへの登録義務、営業活動報告の義務はありません。

□一般媒介契約のメリット

売却の窓口を複数(いくらでも)作ることが出来るので、依頼された不動産会社がぼやぼやしていると、他社がさっさと売ってしまいます。良い方向に進めば、多数の不動産会社が他社に負けじと、積極的に販売活動を行うので、短期間で成約に至ることもあります。

例え依頼した不動産会社のうちの一社が、積極的に売却活動をしなかったとしても、競合他社が動いていますので、大勢に影響はありません。

「売り出し価格が適正である」

という前提ではありますが、人気のエリアや有名なマンションだと、業者間の競争意欲を掻き立てるということで、一般媒介の受ける恩恵はそれなりにあると思います。

ただ、上記のようなメリットが生まれるのは、一般媒介だろうがなんだろうが、媒介契約を結びたいと思わせるような、人気のエリアや有名マンションです。なおかつ売り出し価格が適正で、情報を出せば確実に、かつ早々に売れるであろうと判断された物件です。ですから、

「売却に時間がかけられるので、最初は少し高めに出したい」

となると、じっくりと腰を据えて販売活動を行っていかなければならないため、短期間で競争意欲を掻き立てて・・・、といったような一般媒介のメリットはほとんど期待できません。かえってデメリットばかりになってしまいます。

■一般媒介契約のデメリット
□複数の不動産業者が窓口になることで、同じ物件がさらされることになる

短期間であるなら良いですが、3か月以上、同じ情報が複数の不動産会社から出されているのは決して格好の良いものではないですし、消費者は、

良く目につく物件=にも関わらず売れてない物件=売れ残り物件

という論法で勝手に判断します。どんな商品でもそうですが、希少価値を感じられなくなると、途端に売れ行きは悪くなります。

□提案をしてこない

媒介契約中の不動産会社が、互いに他社の動きをけん制しながら動くため、成約に至るための有意義な提案などはしてきません。

例えば、自分のところで値下げの提案を行って、提案の結果、売り出し価格を下げることになったとします。会社によって物件の売り出し価格が違ってはいけませんから、多少の時間差はあるものの、他業者から出ている同じ物件も、やがては全て同じ金額に変更となります。

つまり、誰が、どこが金額を下げようが、結局はすべての会社が同じ金額で販売をすることになるのです。自社が値下げのための提案をしても、その提案の結果、余所の会社で決まってしまっては、自社の仕事はおろか、他社の成約をアシストした結果になってしまいます。

□不動産業者同志による足の引っ張り合い

また、仮に値下げの提案をしてきたところで、他社が

「まだちょっと早いと思いますが?」

と、値下げ提案した業者に良い格好してほしくないために、自社が何もしないのを棚に上げて、値下げ提案に反対してくる場合もあります。専属専任媒介や専任媒介に見られるような囲い込みの心配はありませんが、こうした足の引っ張り合いが発生してしまうのもデメリットの一つです。

□積極的に動かない

一般媒介では、すぐに売れない物件だと分かると、

「どうせすぐには売れないし、余所も販売してるから・・・」

と、積極的に販売活動を行わないところも多くあります。

専属専任媒介・専任媒介ならば、広告を出したとしても、成約に至れば費用は回収することはできますが、一般媒介の場合、広告を出したにも関わらず、他社で決まってしまっては、その広告費用の回収は一切出来ないからです。

■一般媒介の注意点

一般媒介だからこそのメリットを実感できるのは、販売を開始して1か月程度です。しかし、1か月そこらでは売れずに、じりじりと焦りだしたときに陥りやすい考えが、

「あれだけの不動産会社に声をかけているのになんで?」

「ひょっとしたらもっと声をかけた方がいいのではないか?」

というものです。

こうした考えは全くの間違いです。一般媒介で多数の会社から出ている物件のことは、当然どこの不動産会社も知っています。

「のべつまくなし声をかけている物件の売主」

として、マイナス面で有名になってしまいます。

レインズやポータルサイトに、同じ物件が色々な不動産から出ている様は、眺めていてもカッコのいいものではありません。そうなってしまうと、たとえ新規の不動産会社に声をかけたとしても、形ばかり依頼を受けてもらうだけで、どこも一生懸命販売しない、ということになりかねません。

何社にも依頼することは出来ますが、お願いするにしてもせいぜい3社程度に収めておくのが良いでしょう。

【途中解約も可能】

一般的に媒介契約の期限は3か月とありますが、生真面目に契約期限を全うする必要は全くありません。

  • 話が違う
  • 一向に決まらない
  • 全く報告がない
  • 担当者の動きが悪い

などの理由で期限前でも媒介契約はいつでも打ち切ることが出来ますし、専属&専任から一般へ、その逆もしかり、媒介契約の種類を切り替えることも可能です。

売主が要求した実費を要した特別な広告などを行っていなければ、媒介契約の破棄・切り替え時に、違約金やペナルティなどかかりません。

【媒介契約書の説明はちゃんと受けましょう】

初めて不動産の売却を行うオーナーは、一般媒介契約のように、多数の不動産会社に売却依頼を出せるとは思っていません。それが媒介契約書の説明をよくよく受けてみると、どうやら「一般」という契約の種類があり、複数の不動産会社にも依頼が可能だとその時初めて知るのです。

そこを突っ込まれたくない(知られたくない)不動産会社は、

「媒介契約書の説明はサラッとすませて、専任以上で締結してしまいたい」

というのが本音です。何度も不動産の売却をしていて慣れているのであれば別ですが、ほとんどの人がそうではありません。対応した営業マンが信用出来そうな人だったとしても、必ず媒介契約書の説明は受け、不明点や疑問点はその場で解決しておきましょう。

売却を担当する不動産会社の規模が大きかろうが小さかろうが、やることにそれほど違いはありません。要は担当者の質によってすべてが全く違ってきます。

媒介契約書を説明する担当者の姿勢や、あなたの疑問に答える態度から、力量を推し量ることができるチャンスでもあるので、色々と質問してみるのが良いでしょう。

【専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?】

双方のメリット、デメリットを把握したうえで、

「結局どっちがいいのか?」

というと、異論反論、様々な意見があるかと思いますが、私の意見は

「専任以上でお願いするべき」

だと思います。ただし、

「依頼する不動産会社やその担当者が信頼できるのであれば」

という条件付きです。

心底信頼できる(できそうな)人に、親切丁寧に膝を突き合わせて売却活動をしてもらって、悪い結果が出ることはまずありません。

ただ、信頼できるかできないのか、初めて接触した不動産会社やその担当者をそんなに簡単に品定めすることが出来るのか?というと、難しいというのもまた事実。

この場合の「信頼・信用出来る」というのは要するに、

「当たり前のことを正直に全力で行ってくれるのか?」

ということです。裏を返すとこうした当たり前のことさえ出来ない(しない)、不動産会社がまだまだ多いということでもあります。

  • 知り合いに不動産会社がいる
  • 知人の紹介

など、ある程度信頼できる不動産会社と最初にコンタクトが取れるのであれば、専任以上で任せてしまっても問題ないでしょう(*担当者とフィーリングが合わないなら話は違ってきますが)。

しかし、不動産会社とつながりがある人たちばかりではありません。一から信頼に値する不動産会社を見つけるにはどうしたらよいのか?ここで一般媒介を利用してみるのも手です。

つまり一般媒介で多数の不動産会社に依頼をして、実際に販売活動を行ってもらうのです。その動きや対応を観察することで、不動産会社の質を見極めるのです。一般媒介でそのまま決まってしまえば、それで万々歳でしょう。

仮に長期戦の様相を呈してきたら、一般媒介の中でも、特に一生懸命動いてくれた会社へ、専任以上へと切り替えるのです。なんでもそうかもしれませんが、実際作業してもらわないことには、不動産会社の実力なんて分かりっこありません。

「基本は専任以上で、不動産会社の質を見極める材料集めとしての一般」

決して一般的な使い方ではないですが、こうした利用方法もありだと思います。

ちなみに媒介契約前に、複数の不動産会社に査定をしてもらい、その際の対応を見てどこに依頼をお願いするのか?を検討するというのも一つの手です。信頼できる不動産会社や担当者を見つけるのが一番大変かもしれません。

販売後、売主が出来ること

不動産会社に売却を依頼すると、もはや売主が出来ることはそんなに多くはありません。売りに出したら基本は不動産会社にお任せしておくべきです。それでも売却活動がスムーズに進めるために、最低限やっておいた方が良いことはあります。

【部屋を少しでも明るく見せるように】

買主が内見に来る際は、全ての部屋・廊下・浴室の照明をつけ、カーテンは開け、部屋に入った時の印象を少しでも明るいものにしておきましょう。ビジネスやプライベートの場でも、初対面の第一印象というのは非常に重要です。それは不動産にも同じことが言えるのです。

もし第一印象で

「なんだか暗い部屋だな~」

との印象を与えてしまうと、その後、いくら明るく見せたとしても、その印象を挽回することは大変困難です。室内の照明だけは全部点けて、初めて足を踏み入れる人に、人工でも良いので少しでも明るい部屋だと印象付けましょう。

【室内はキレイに清潔に】

単純ですが、室内は可能な限りキレイにしておきましょう。もちろんモデルルームのようにする必要はありません。要するに整理整頓・室内のものはちゃんと片付けておき、生活感はありながらも、整った印象を持たれるようにしておくということです。

例えばダイ ニングテーブルに使ったコップが放置してあったり、灰皿がそのまま置かれていたり、雑誌が放り出してあったり、散らかった部屋はそれだけで室内を雑多な印象に見せてしまいます。こういうことがないだけで、室内のイメージはガラッと変わります。

また、浴室や洗面所、キッチンなどの水回りは要注意です。目に見えるようなカビがあるようなら、事前に掃除しておいたほうが良いでしょう。

室内がキレイで売却に有利になることはあれ、不利になることは絶対ありません。一度に綺麗にすることが出来ないなら、売却の検討を始めたころから少しずつ始めてみるのも良いと思います。手をかけた分だけ愛着は深まり、そうした注いだ売主の愛情は、買主にも必ず伝わるものです。

【販売後、売主がやってはいけないこと】

■自ら物件をアピールし過ぎるのは避けるべき

今のお客さんは商品を押しつけられることを非常に嫌います。みなさんもデパートなどで経験があるかもしれませんが、聞いてもいないのにアピールしてくる店員さんを疎ましく思ったことはあるのではないですか?

売主が物件をアピールするということは、当然売りたいからであり、どれだけアピールされたとしても、買主にとっては押し売りされているように感じてしまいます。

売主にとっては色々な思いの詰まった不動産で、気に入っているところや便利な点、伝えたいことは山ほどあるかもしれません。しかし、内見にきた買い手の前ではおとなしくしておいた方が賢明です。お客さんに質問されたら少し答える程度に思っておくのが一番良いと思います。

■不動産会社の販売手法に口を出し過ぎてはいけません

売却物件に自信を持っている売主に多いのですが、販売開始後、自分が思ったような結果が出ないことを、不動産会社の怠慢に結び付けてしまう人がいます。そして

「ああしてくれ」

「こうしてくれ」

とあれこれ販売手法に口を出してくるのです。

売れない原因が、単純に金額が相場に合っていない場合もあるし、タイミングかもしれません。もともと需要がそれほど多い地域ではないかもしれないし、成約に至らない理由を上げたらきりがありません。

そうした状況の中で不動産会社としてはベストのパフォーマンスを発揮できるように努力しています(いるはず)。しかし、売れないことを一方的に職務怠慢とみなし、営業手法にあれこれ口を出してしまうと、不動産会社の担当も人間です。面白いはずがありませんし、

「面倒な売主だな」

と思われてしまいます。

依頼者と受託者といった関係だったとしても、不動産の売却は不動産会社と売主との共同作業でもあります。売主が不動産会社に下手に出る必要はまったくありませんが、

「こっちが客なんだ!」

「さっさと結果を出せ!」

と上から目線で相対することだけは絶対に控 えるべきです。細かいことや一生懸命動いている不動産会社の行動を批判しても良いことはありません。選んだ会社の動きはしばらく静観しましょう。

【販売金額の値下げ(下手な下げ方と上手な下げ方)】

なかなかお客さんが決まらないとなると、成約させるためになんらかの手を打たないといけません。広告の配布エリアを変えてみる等、対策はありますが、絶大な効果があるわけではありません。

今まで売れなかった物件を売っていくためには、単純ですがやはり販売価格を下げるということが最も効果的なのは間違いありません。

ただし、何の考えもなく金額を下げればそれで解決かと言ったらそんなに簡単ではありません。値下げ一つとっても上手い値下げ・下手な値下げというのがあります。

■下手な下げ方

下手な下げ方の筆頭がちょこちょこと、小刻みに値下げしていく方法です。

例えば3,480万の物件があったとして、

3,400万→3,350万→3,280万

といった具合に少しずつ、徐々に下げていくような下げ方です。レインズやポータルサイトでは、情報が更新されると、新着物件のように扱われます。しかし、残念ながら効果はほとんどありません。

なぜなら今のお客さんは不動産会社と同様(*もしくはそれ以上)に、物件の動向を非常に良く見ています。不動産会社よりも情報に敏感な人も多いのが現実です。そうしたお客さんはポータルサイトから新着情報として上がってきたとしても、以前から出ている物件が価格変更したに過ぎないということくらいすぐ把握してしまいます。

このような小刻みな値下げが何度も繰り返されていると、お客さんは

「この物件はどこまで下がるのか?」

「もうワンクッションすればまた下がるはず」

と判断して、手を伸ばすどころ様子をみようとします。結果、売却するために金額を下げたのにもかかわらず、何度も金額を変更をすることで逆に買い手に足元を見られてしまい売れづらくなってしまうのです。これが下手な下げ方です。

■上手な下げ方

金額を下げるのは一度だけにします。ただし、その1回の値下げが買い手にとってインパクトのある下げ幅とならないと意味がありません。下手な金額の下げ方が数度に渡ったのに対し、効果的な下げ方は一回で3,280万まで一気に下げるのです。この動きを観察していた買い手は

「一度にここまで下がったら他の人に買われてしまう!」

「今が買い時だ!」

と、さっきとは逆に購買意欲を刺激され次のステップに進んでいくのです。

ただ、こうした効果的な下げ方をするためには、大体どのあたりで売れるのかを担当者や不動産会社が把握しており、その根拠を売り手にも正確に伝えているからこそ出来ることです。

「いくらで売れるか分からない、自信がない・・・。だからとりあえず細かく刻んで・・・」

という恐る恐るでは売れるものも売れません。こうしたところで不動産会社や担当者の力量が問われてくるのです。

■目線を変える

上手い下げ方と下手な下げ方があるとお伝えしてきましたが、これらのことをピラミッドの図関係で表すことができます。このピラミッドを頭に入れて金額変更を行うとより効果的です。

自身で物件を探したことがある人なら分かるかもしれませんが、4,000万以上~4,500万未満といったように、大体「キリ」の良い金額で条件設定をしたのではないでしょうか。ほとんどの人がそのような探し方をされていると思います。

そう考えてみると、例えば現在4,200万の物件の金額変更をする場合。4,000万に変更したところで、今までと同じ4,000万以上~4,500万未満の見込み客にしかアプローチ出来ません。

つまりせっかく200万も価格を下げたのに、アプローチできる人数に変わりはないのです。金額を下げるのであれば、アプローチできる人数を増やすように下げなければ意味がありません。

ではどのようにしたら良いのか?

上に挙げた例を参考にすると、4,000万以上~4,500万未満から、3,500万以上~4,000万未満の土俵に落とすことが必要です。こうすることでいままでの4,000~4,500万未満では埋もれてあまり人目を引かなかった物件が、ランクを一つ落としたことで今までよりも多くの人の目に付くことになりますし、良い意味で「都落ち」してきた物件なので、競合物件のなかでも光る物件となっているはずです。こうした観点で金額を下げていくことで、より一層成約に近づく可能性が広がるのです。

100円の卵と99円の卵、たった1円しか違いがないのに99円がやたら安く感じさせる効果に似てなくもないですね。

交渉

売却を開始してしばらくすると、購入希望者から申し込み(*購入申込書)が入ってきます。金額も引き渡し条件も、全て売主の希望通りであればこんなに簡単なことはありませんが、そんなことはありえません。例え、金額含め物件の条件が良かったとしても、ダメ元で交渉してくるのがほとんどです。交渉が入ってきた時の考え方や心構えについて解説していきます。

【金額交渉があった場合の考え方】

不動産を売却開始後、購入の申し込みが入ってきたとします。しかし、価格交渉がある。例えばこんなケースです。

「物件価格が5,480万。5,200万での申し込み。」

特に販売開始後だと、

「ひょっとしたらもっと高い金額を提示してくれる買い手が見つかるかもしれない」

と考えてしまうので、なかなか悩ましい問題です。こんな場合に、売主が後悔することなく、判断を迷わないためには、どのように考えておくのがベストでしょうか?

「次にいつ入って来るか分からない買い手をあてもなく待つのは得策ではない。(取引を)まとめた方が良い」

と、余程のことがない限り、そのようなアドバイスを行う不動産会社が普通だと思います。特に

「3か月以内にどうしても売りたい」

など、売却に掛けられる期間に限りがある場合には非常にマトを得た回答だと思います。恐らく私も一度はそのようにアドバイスするでしょう。

なぜなら今回よりも高い購入価格を提示してくる買主が、残された期間内に現れるかどうかは誰にも分からないし、それどころか今回断った5,200万という価格と同じ額を、再び提示してくれる買主が現れるかどうかは誰にも分からないからです。

不動産会社は「これもご縁です」という都合の良い一言で片づけてしまうことが多いのですが、しかし最初に入ってきた条件が、振り返ってみると実は一番良かった、ということが(*統計を取った訳ではないので根拠となるデータが有るわけではないですが)不動産取引には実に良くあります。

売却にかけた時間分、比例して高い金額で売れるのであれば、販売期限ぎりぎりまで粘るべきでしょうが、残念ながらそんなに都合の良い話はどこにもありません。もちろん、売り急ぐ必要が全くなく、

「希望額で買ってくれる買い手が現れるまでひたすら待ち続ける」

という希望を持った売主だと話は違ってきます。もしそうなら、売主の希望・気持ちを無視して、入ってきた話でまとめようとする不動産会社のアドバイスは、売主の意に沿ったわけではなく、早くまとめたいと願うだけの不動産会社の不誠実な回答となってしまうでしょう。

「今入ってきている条件でまとめるか?」

「少しでも高い金額で買付が入ってくるまで待つか?」

決めるのはもちろん売主自身ですが、迷い始めたら最後、この問題に出口は見つかりません。どちらをとっても結局は

「もう少し高い金額で売れたはず」

「やっぱり・・・あの時売っておけば良かった・・・」

と少なからず取引自体を不満に思ってしまうことはあり得ます。そうならないために、売却のプロである不動産会社の協力のもと、以下のことを、売却を始める前に明確にしておくべきです。

  • 販売にかけられる期間とその根拠(なぜその期間なのか)
  • 確実に売れるで「あろう」金額の把握
  • 売却しても良いと思う最低価格

中でも

「確実に売れる金額の把握」

つまり売主の期待値を込めた査定価格ではなく、厳密な査定。これが重要です。査定を間違わなければ、そしてその査定金額を売主が理解しておけば間違いないでしょう。言い方を変えれば、間違いのない査定をちゃんとやってくれる不動産会社を見つけることが売却成功の第一歩ということです。

契約

売主、買主、双方の仲介不動産会社が一同に会し、売買契約書、重要事項説明書の読み合わせ、署名・押印を行い、その後手付金の授受を行う。

【必要書類】

  • 印紙
  • 実印
  • 登記識別情報
  • 身分証明書
  • 仲介手数料半金

【登記識別情報】

登記識別情報というのは、昔で言うところの「権利証」のことです。大事なものなので、契約時に回収することはないですが、真正な所有者だということを確認します。紛失してしまっていることもあり、その際は決済時までに権利証・登記識別情報に替わる「本人確認情報書類」の作成を、司法書士に依頼しなくてはなりません。当然、費用がかかります。

【仲介手数料半金】

全額ではないですが、半分だけ請求されることがあります。媒介契約書に、仲介手数料の支払い時期の記載がありますので、事前に確認しておきましょう。契約時に売り手は、買い手から手付金を受け取ります。そのため、受け取った手付金の中から手数料の半金を支払うことが多く、契約時に現金を用意する必要がない場合が一般的です。

【重要事項説明書の読み合わせ】

不動産を購入する側に向けて行うこれから契約しようとする物件の重要な事項や、細かい契約上の取り決めを説明すること。説明がかかれた書面のことを重要事項説明書という。所要時間は大体1時間位で、通常契約書の読み合わせと同じタイミングで行うことがほとんど。説明書には売主・買主双方の署名、捺印が必要ですが、買主に向けての説明なので、売主不在で行われることも多い。

運転免許を持たない人が車を運転してはいけないように、重要事項説明を行うには、宅地建物取引士試験に合格し、宅地建物取引士証の交付を受けた免許者でなければいけません。

重要事項説明は後から言った・言わない、の水掛け論を予防するために、ものすご~く細かいことや

「当たり前すぎて書く必要もないのでは?」

といったことまで回りくどく説明されます。本来大した内容ではないけれど、普段あまり耳にしないような小難しい法律用語で説明されるため、説明がすんなり入って来ません。そのため何から何まで全部気になる買い手さんもいます。お客さんを不安に思わせることなく、適切に簡潔に、なおかつ外すところは外さず、説明を行える能力が不動産会社には必要だと感じます。

【契約書の読み合わせ】

売買契約書には、売買代金や引き渡し日以外に、以下の様な解除要件についての記載もあります。重要なことなので、良く理解しておきましょう。

■手付解除

決められた日時までであれば、売主・買主双方とも、勝手な都合で契約を辞めることが出来ます。買い手であれば、支払い済みの手付金を放棄、売り手であれば買い手から受け取った手付金を返金し、さらに同額を支払うことで解除できます。契約から決済までの長さによって、手付解除期日は変わってきます

■滅失による解除

天災地変や売主、買主どちらの責任でもない理由によって、滅失した場合、壊れてしまい買い手が当初の目的を達成することができないときは白紙解除となります。「買い手が当初の目的を達成することが出来ないとき」というのは、住宅であれば「住むことができなくなったとき」であり、修復が可能な場合は売り手が修復し、引き渡すことになります。

■契約違反による解除

手付解除期日以降に、契約を解除したいというときは、契約違反による解除「違約解除」となります。通常は、売買代金の10~20%が違約金の額として定められます。仮に定められた額以上の損害が発生したとしても、定められた額以上の違約金を請求することはできません。

■ローン特約による解除

決められた日時までであれば、融資を受けられないことを理由に白紙解約とすることができます。

■瑕疵による解除(瑕疵担保責任)

引き渡し完了後、売主も知らなかった事由によって、買主が購入した目的を達成できないことが判明した場合は、解除となります。修復できるものについては、売主の責任で修復をしなければなりません。契約によって責任期間は異なりますが、3ヶ月間というのが一般的です。

  • 土地:土壌汚染、コンクリートのガラ・浄化槽など撤去に費用を要する地中埋設物
  • 戸建・マンション:雨漏り、シロアリ、主要な部位の木部の腐食、給排水管の故障

【付帯設備表の読み合わせ】

敷地内や室内の状態を売主・買主双方で確認しあう表のこと。「キッチン 有り・無し」と表記され、使えるものは「有り」に○をつける。あるが故障していて使えない場合は、備考欄に状況を記載する。契約時「有り」「故障なし」としたものが、引き渡し後、動作しなかったとしたら、引き渡しを受けて7日以内であれば、売主に修復義務がある。

【署名・押印】

売主は実印、買主は認印でも大丈夫です。

【手付金の授受】

売り手は、買い手から相応の額の手付金を、契約書に記名・押印後、受領し、領収書を発行します。債務超過の売買(*ローンの残高3,000万、売買金額2,000万)の場合は、ローン残高を万一返済できなかった場合のことを考えて仲介業者が手付金を引渡し時まで預かることがあります。

決済

  1. 権利証、印鑑証明書類の確認
  2. 出金伝票、入金伝票、振り込み伝票に記入
  3. 書類の不備がなければ振り込み手続き
  4. 待ち時間(おおむね30分~1時間)。この間に領収書への署名・捺印を済ませ、売主から買主への連絡事項、買主から売主への質問など、雑談が行われる
  5. 振込手続きが確認したら、仲介手数料、司法書士報酬を現金で支払い
  6. 売主口座に残代金の着金が確認できたら、領収書とカギを渡し、終了
  7. 司法書士はその足で法務局へ。所有権移転登記手続き

「引き渡し日」とも、「本契約」ともいいます。

取引に関わった不動産会社のほか、所有権移転登記手続きを行う司法書士も同席。買い手は購入した物件の残代金を支払い、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金の精算を行い、カギの授受を行って解散となります。その後、司法書士が法務局に走り、所有権移転登記の申請が行われ取引が完了。これら一連の行為を「決済」と呼びます。

銀行で融資を受ける場合、決済場所は融資を受ける銀行の支店で行う場合が多く、所用時間は早くて30分。5日と10日が付くいわゆる

「ゴトー日(*15日、25日など)」

は銀行が混むため、かなり時間がかかり平均1時間前後。遅くて2時間。年度末だと混雑ぶりは殺人的で、何時間も待たされることもあります。

現金取引の場合は、決済場所はどこでもよく、一般的には不動産会社や銀行で権利証など書類の確認を行い、確認が出来次第、近場の金融機関に行き残代金を振り込みます。

当日中に売主の口座に着金確認できることが前提。さらに権利移転の手続き書類を、司法書士が法務局に持ち込むが、役所なので17時までしか開いていません。そのため、どんなに遅くとも13時過ぎ位までには手続きを終えておく必要があります。年度末や銀行が混んでいる日を避けて、決済日を段取りする不動産会社の如才なさが何より重要です。

【主な必要書類】

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 評価証明書
  • 権利証(*登記識別情報)
  • カギ一式
  • 測量図(*土地・戸建の場合)

【決済が緊張する理由】

不動産取引のクライマックスである決済は何度やっても緊張しますが、無事終わった後の解放感は格別です。不動産会社にとってもそれだけ緊張するのが決済です。緊張する要因として

「扱う金額が大きいから」

というのも確かにあります。一般の人が生涯で一番高い買い物が不動産です。それに携わる責任は重大です。

しかし、それ以外にも緊張する要因はあります。

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売主・買主含めて、スケジュール調整が重要です。お客さんが仕事をしていない人だったらまだしも、そんな人たちばかりではありません。銀行で融資を受けるには、金融機関が営業している平日でなければいけません。仕事の調整をつけて、午前半休を取得したり、貴重な有給を消化して、その日のために日程を合わせます。

その他にも売主・買主への当日準備するお金や、用意する書類や流れの説明、連絡。司法書士への必要書類の確認。銀行担当者とのお金の流れの確認などなど。

「決済は段取り8割、いや9割」

と言ってもいいくらいで、前日までに段取りを完璧にやっておけば、本来スムーズに行くのが普通です。・・・しかし、たった一つ落とし穴があります。それが

お客さんの忘れ物

です。

忘れ物があると、全員の都合を合わせて当日を迎えたにも関わらず、日程から何から何まで全て仕切り直しになってしまいます。特に多い忘れ物が以下。

  • 権利証(登記識別情報)
  • 身分証明書(特に免許を持ってない人)
  • 通帳印(出金手続きが出来ない)
  • 通帳(口座番号が分からないため支払口座や振込先が分からない)

これらは売主・買主に用意してもらうもので、間違いのないように不動産会社も事前にアナウンスします。場合によっては前日の夜に確認の連絡もしますが、こちらがどんなに万全を期したと思っていても、緊張のためか忘れるときは忘れてしまいます。

一見すると不動産会社に責任はないように思えます。ただ、取引を最後までまとめきるというのが、我々仲介業者の責務であり、その対価として仲介手数料が存在します。原因がお客さんの忘れ物だったとはいえ、取引を遂行できなかったということは、責任を果たしていないということです。

忘れ物を「させて」しまったのも、忘れないように伝えることが出来なかったのが悪いのです。だからどんなに万全に準備をしたと思っても、全てが終わってからでないと安心できないのです。

ですから、金額の大小ではなく、決済が終わった時の解放感はやはり格別なのです。それはきっと不動産を売却した売主、購入した買主、全員にとって素敵な瞬間であるはずべきで、そうなるよう努力するのが、不動産会社の大きな役目です。

補足:売却するには費用も掛かります

ただでは売れません。

人によっては税金もかかります

まとめ

長文、お疲れさまでした(笑)いかがだったでしょうか?すべてを理解する必要はありません。全体の流れ、不動産の売買がどのように進んでいくのかだけでもいいので、ぼんやり理解しておくと、慌てなくて済みます。

【不動産売買】専属専任媒介契約、専任媒介契約のメリット・デメリット

不動産会社にとって、売主から売却の依頼をもらい、自社の取り扱い物件を増やすことは、小売店が品ぞろえを充実させるに等しい行為です。それも出来れば、独占して(専属専任か専任)商品(不動産)を並べたいのです。

媒介契約を結ぶ際には、どこの不動産会社も必ずと言っていいほど、専属専任もしくは専任で媒介契約を締結しようとします。ただ、ご存知のように、売主には複数の不動産会社に依頼できる、一般という選択肢もあるのです。専任以上で契約を結びたいのだから、不動産会社の説明が、専属専任&専任寄りの説明になってしまうのは、致し方ないところです。

専任以上で結ぶことのメリットとデメリットについてみていきます。

メリット

業者が必死になる

売却活動を一社限定で委任するので、当然、その業者が売却活動をさぼったりすると売れません。その不動産会社の責任は非常に大きいのです。必死にならざるを得ません。

また、成約に至らないと仲介手数料ももらえませんし、それまでにかかった売却活動の費用も回収出来ません。なかなか売れなかったり、動きが悪かったりすると、媒介契約を余所に切り替えられてしまうかもしれません。販売活動にも力が入って当然です。

これがメリットの一つとなります。

対応が一対一

販売の窓口が一つということは、その会社に様々な情報が集まります。つまり、

  • お客さんからのお問い合わせの数
  • 他業者からの問い合わせの数
  • 案内した時のお客さんの感触
  • 広告の反響結果

です。

こうした情報を不動産会社からフィードバックしてもらうことで、売り手は現在の販売状況を知ることができます。

これらのデータを参考にして、文字通り不動産会社と売主が顔を突き合わせて、成約というゴールまで二人三脚で進めていきます。その物件に力をかけただけ、担当者も売り手と同じく、不動産に対して愛着が増していきます。その分、成約に至る可能性は高まります。

これがもう一つのメリット。

デメリット

一対一の関係が裏目に・・・

これに尽きます。一対一という関係が、悪い方にひっくり返った場合です。もはや一部不動産会社の悪習となっている囲い込みをはじめ、売り手に真実の情報を伝えず、その不動産会社の都合によって情報を捻じ曲げ、売却活動を左右されてしまうのです。

例えばあからさまな両手狙いで、他業者からの問い合わせがあるにも関わらず、一切紹介せず(囲い込み)、

「いや~案内どころか問い合わせもありませんよ」

「そうですか、金額が高いんでしょうか・・・」

「適正だと思うんですけどね~、でも試しに少し下げてみます?」

で、徐々に金額を下げていくなかで、自社でお客さんを見つけてはい、両手。終了!のような形です。選ぶ不動産会社によっては、こんなふざけたパターンに陥ってしまう可能性がある、というのがデメリットです。

注意点

売り手の考え方や売却するに至った事情などにもよりますが、やはり自分の思いの詰まった不動産を売ってもらうには、一対一で相対してじっくりと腰を据えて売却してもらいたいと思われる人が多いのではないでしょうか?

依頼を受ける不動産会社としても、他業者に余計な茶々を入れられる心配がないので、成約に至るためのさまざまなアドバイスや提案を行うことが出来ます。

上に挙げたような売り手の不利益になるようなことを行う心配がなく、しっかりと販売してくれそうな信頼できる不動産会社と判断できたならば、専属専任もしくは専任媒介でお願いするのが良いと思います。

担当者のやる気と行動力。そしてなにより誠実さを見ていきましょう

ただ、一回二回会っただけでその不動産会社が信頼に足るかどうか判断することが難しいのもまた事実です。その際は、事前に複数の不動産会社に簡易査定や無料査定を依頼して、その会社の対応を見比べておくなどの事前準備もしておくのがよいでしょう。

また、そうした事前準備をすることが時間的に難しいのであれば、いきなり専属・専任で媒介契約を結んだりせずに、とりあえず複数の会社に一般媒介で依頼しておくのも一つの手です。

実際に販売活動をしてもらうことで、その会社の対応力や実行力を把握することが出来ますし、一般媒介だからといって手を抜く会社なのかどうかの判断も出来ます。

不動産会社も営利企業ですから、専属専任・専任媒介で媒介契約を締結出来るなら表面上誠実で信頼出来る姿勢をアピールすることは簡単です。

もちろんサービス業ですから、そうした対応は必要ですが、重要なのは販売を開始したあとの不動産会社の姿勢であり対応力・実行力です。

そのあたりを良く理解した上で、どのような形で売却を依頼するのか、判断することが重要です。

【不動産売買】仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)

不動産業の主要業務の一つである、仲介をメインに行う業者のことです。仲介業者について解説していきます。

仲介業者の業務内容

「物件を買いたい(*借りたい)」

というお客さんの条件を聞き、該当する物件を紹介・案内し、取引をまとめるのが買い手(*借り手、以下略)側の仲介業務(客付)。

「物件を売りたい(*貸したい)」

というお客さんの、売却のお手伝いをするのが売り手(*貸し手、以下略)側の仲介業務(物元)。上記2点が主な業務内容となります。

取引をまとめた成功報酬として、仲介手数料があります。売り手側、買い手側、両方の仲介を行うことも可能で、取引をまとめることが出来れば、仲介手数料は双方からもらえます(両手)。

仲介業者に必要な資質とは?

不動産売買の仲介をする際は大きな金額を扱います。ダイナミックでそれだけにやりがいを感じますが、反対に恐怖感もあります。売り手や買い手は不動産を売ること・買うことによって、人生を転回させようとします。万が一、そこで失敗などしようものなら・・・と考えると怖くて怖くて・・・。

ビビって仕事が出来なくては困りますが、全く恐怖を感じないというのもまた問題です。背後にそうした恐怖感、重責を感じるからこそ、きちんと仕事をしようとするわけです。

経験談として

駆け出しの頃、とある物件の決済がありました。売主・買主さん双方ご高齢で、あまり細かいことを言ったりする人たちではありませんでした。決済当日、買主のおばあちゃんが、銀行印と通帳を持ってくるのを忘れてしまい、慌てて自宅まで取りに戻りました。

無事お金を振り込むことは出来ましたが、法務局が開いている時間に所有権移転の書類を持ちこむことが出来ずに、翌日改めて移転登記手続きをすることになりました。私は「やれやれ」とのんきに考えていたのですが、事務所に帰り責任者に報告したところ、大激怒されました。

「もし売主が悪意を持って、誰か第三者に登記を入れていたらどうするんだ!?」

「お金払ってるのに(*買い手に)所有権移転が正常に行われなかったら、お前は責任を取れるのか!?」

と。ことの重大性を初めて認識して青ざめたことがあります。売主さんの人柄から、そのようなことは絶対にするはずないと思っていましたが、やはり心配です。じりじりと翌日まで不安な気持ちで待つしか出来ませんでした。この時程、翌朝が待ち遠しいと思ったことはありませんでした。無事移転手続きが出来たと報告があったときは、身体の力が一気に抜けて、一日仕事にならなかった位です。

まとめ

人一人の人生を狂わせることはなかなか大変ですが、不動産取引においては起こりえてしまいます。その可能性を考えると、やはり携わる人間のモラルや人間性はもとより、恐怖感を持っておくことが仲介業者には何より大切なのではないかと思います。

【不動産売却】囲い込み(かこいこみ)

物件情報を隠すこと

売主から専属・専任で媒介契約を結んだ不動産会社が、他の不動産業者へ一切物件を紹介せずに、自社に問い合わせしてきたお客さんにしか紹介しないこと。

情報そのものをまったく公開しないパターンと、形だけレインズに登録して、「契約予定です」と言って紹介しないパターンがある。

なぜこうしたことを行うのか理解するためには、不動産仲介会社の報酬体系について理解して置く必要があります。

不動産仲介会社の報酬体系

  1. 不動産購入のお手伝いをする
  2. 不動産売却のお手伝いをする

上記2点しかありません。どちらか一方のお手伝いでもいいし、双方のお手伝いをすることも出来ます。弁護士で言う所の双方代理が認められているのです。

どちらか一方のお手伝いをして、報酬を得ることを業界用語で「片手」と言い、売り手・買い手双方のお手伝いをして報酬を得ることを、「両手」と言います。

手数料収入が2倍になる両手取引

ここまで書けば、もうお分かりの方も多いと思います。不動産会社としては、売り手と買い手、双方のお手伝いした方が、どちらか片方だけ手掛けた時と比べると、報酬は単純に2倍となるのです。ですから不動産会社は報酬が2倍になる両手を目指すのです。

売り手と買い手、つまり購入と売却を同時にお手伝いをすることは、双方の利益を調整することから始まり、単純に作業量も増えますので、片手取り引きに比べると難易度は高くなります。

「売却の依頼を受けて、販売していく中で運良く購入したいお客さんが見つかった」

このような自然の流れで両手取り引きが成立することに誰も異論はないはずです。

両手を狙う悪質さ

しかし、問題なのは自然な流れで両手取り引きになるのではなく、「狙って」両手を目指すことです。「狙う」というのは簡単にいうと、

「他社経由のお客さんには物件を紹介せず、自社経由のお客さんにしか物件を紹介しない」

ということです。

これをされてしまうと、売り手・買い手双方に以下のようなデメリットが生じます。

  • 売り手・・・早期に良いお客さんと契約する機会を逸する
  • 買い手・・・欲しいと思った物件を、扱っている不動産会社を通してしか買えない

このよう「囲い込み」行為は、不動産会社の都合で売り手・買い手の利益が左右されてしまう悪質な行為です。

【不動産売却】任意売却(にんいばいきゃく)

任意売却とは?

売却しても借入金を完済できない場合、本来は売却することができません。売却価格が、残債を上回るまで返済を続けなければなりません。それが原則です。

しかし、それが叶わず途中で力尽き、滞納してしまう人もいます。放っておけば競売になってしまいますが、その段階で金融機関と協議をし、認められれば、残債が残っていても売却することが可能となります。

これを任意売却といいます。

任意売却の特徴

競売は入札です。一番高い「札(購入価格」)を入れた人が落札する仕組みです。

通常、競売だと市場で取引される価格よりもかなり安くなってしまうため、落札されたとしてもお金を貸している債権者(*銀行などの金融機関)の回収額も少なくなります。

ところが任意売却は、通常の売却物件と同じような売却活動を行っていくため、市場で取引される近い金額で売却も可能です。回収額が多くなるので債権者はもちろん、債務者(売主)にとってもメリットのある話です。

売却の主導権は金融機関となるので、売主は売却金額などについて希望を言うことはできません。本来であれば物件の売却に主体的に関わることになる売主が全く関われません。

売主が本来負担しなければならない費用がかからない

売却したお金は、全額債権者が回収し、売却にかかる諸経費(仲介手数料、印紙代、登記抹消費用)負担は基本はありません。

引っ越し費用を高く見積もり、売主に再スタートのためのお金を少しでも多く残してあげることができたこともありましたが、今ではそうした小細工も通用しなくなっています。

ちなみに固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金などの滞納金は、負担してもらえません。これだけは自力で捻出しなければいけません。

【不動産売買】決済(けっさい)

不動産売買の決済とは

「引き渡し日」とも、「本契約」ともいう。

取引に関わった不動産会社のほか、司法書士も同席。買い手は購入した物件の残代金を支払い、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金の精算を行い、所有権の移転が行われ取引が完了する。これら一連の行為を「決済」と呼ぶ。

銀行で融資を受ける場合、決済場所は融資を受ける銀行の支店で行う。所用時間は早くて30分。5日と10日が付くいわゆる

「ゴトー日(*15日、25日など)」

は銀行が混むため、かなり時間がかかる。平均1時間前後。遅くて2時間。年度末だと混雑っぷりは殺人的で、何時間も待たされることも・・・。

現金取引の場合は、決済場所はどこでもいい。一般的には不動産会社や銀行で権利証など書類の確認を行い、確認が出来次第、近場の金融機関に行き残代金を振り込む。

当日中に売り手の口座に着金確認できることが前提。さらに権利移転の手続き書類を、司法書士が法務局に持ち込むが、役所なので17時までしか開いていないため、どんなに遅くとも13時過ぎ位までには手続きを終えておく必要がある。

年度末や銀行が混んでいる日を避けて、決済日を段取りする不動産会社の如才なさが何より重要だったりします。

お茶は出てきません

買い手のほとんどが金融機関から融資を受けて不動産を購入することになります。ですから、大体融資を受ける銀行で決済を行うことが通常です。

いつもは銀行の窓口にしか用件がなくとも、決済は一大イベントです。金融機関にもよりますが、買い手・売り手のどちらかが金融機関のお得意様(*大口契約者や法人口座)だったりすると、この写真のような応接室で行われることもあります。この写真の応接室を使った時の話ですが、買い手はこの金融機関の大口のお得意様でした。

その日、滞りなく手続きは済んだあと、銀行の担当者が、腰を低くしながらお得意様である買い手さんへ揉み手をしながら一言。

「お茶も出さずに申し訳ありません」

と挨拶してました。

お金を金融機関から借りる人は少なくとも銀行にとっては大事なお客さんなはず。つまりお客様相手のサービス業といってもおかしくありません。しかもこの時の買い手さんは何度も利用しているお得意様。にもかかわらずお茶の一つも出ない。これはなぜなのか?

「お茶も出さずに・・・」

と、担当者が謝ったということは、申し訳ないという認識は持っているということです。ということは、

「お客様にはお茶を出してはいけない」

と、厭味ったらしくいうとマニュアル化でもされているのかもしれませんね。

別にお茶を出して欲しい訳ではありません。ただただその感覚(?)が不思議でならないというだけです。

というわけで、決済ではお茶は出てきませんのでご注意ください。

決済が緊張する理由

不動産取引のクライマックスである決済は何度やっても緊張しますが、無事終わった後の解放感は格別です。不動産会社にとってもそれだけ緊張するのが決済です。緊張する要因として

「扱う金額が大きいから」

というのも確かにあります。一般の人が生涯で一番高い買い物が不動産ですからね。それに携わる責任は重大です。だけどそれ以外にも緊張する要因はあります。

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売り手・買い手含めて、スケジュール調整が重要です。お客さんが仕事をしていない人だったらまだしても、そんな人たちばかりではありません。

銀行で融資を受けるには、金融機関が営業している平日でなければいけません。仕事の調整をつけて、午前半休を取ったり貴重な有給を消化して、その日のために日程を合わせます。

その他にも売り手・買い手への当日準備するお金や、用意する書類や流れの説明、連絡。司法書士への必要書類の確認。銀行担当者とのお金の流れの確認などなど。

「決済は段取り8割、いや9割」

と言ってもいいくらいで、前日までに段取りを完璧にやっておけば、本来スムーズに行くのが普通です。・・・しかし、たった一つ落とし穴があります。それがお客さんの

忘れ物!

です。どんなに神経を張り巡らし、関係機関への連絡を万全に行って、当日は粛々と作業を実行するだけだったとしても、全てが一瞬でフイになることがあります。そ・れ・が!

忘れ物!

忘れ物があると、全員の都合を合わせて当日を迎えたにも関わらず、日程から何から何まで全て仕切り直しになってしまいます。今までこうした理由で決済が仕切り直しになったことは何度もあり、その際の忘れ物は以下の通りです(複数回含まれます)。

  • 権利証
  • 身分証明書(特に免許を持ってない人)
  • 通帳印(出金手続きが出来ない)
  • 通帳(口座番号が分からないため支払口座や振込先が分からない)

他にも色々とあった気がしますが、主に思い当たるのが以上の4点。これらは売り手・買い手に用意してもらうもので、間違いのないように我々も事前にアナウンスします。

場合によっては前日の夜に確認の連絡もしますが、こちらがどんなに万全を期したと思っていても、忘れるときは忘れてしまいます。

まとめ

一見すると不動産会社に責任はないように思えます。ただ、取引を最後までまとめきるというのが、我々仲介業者の責務であり、その対価として仲介手数料が存在します。原因がお客さんの忘れ物だったとはいえ、取引を遂行できなかったということは、責任を果たしていないということです。

忘れ物を「させて」しまったのも、忘れないように伝えることが出来なかったのが悪いのです。だからどんなに万全に準備をしたと思っても、全てが終わってからでないと安心できないのです。

ですから、金額の大小ではなく、決済が終わった時の解放感はやはり格別なのです。それはきっと不動産を売却した売り手、購入した買い手、全員にとって素敵な瞬間であるはずです。

【不動産売買】レインズ

レインズとは?

一般的になった不動産業界のネットワークシステム、「レインズ」についてです。

英語で「Real Estate Information Network System」と表記され、その頭文字を取って「REINS」です。

世の中にはたくさんの不動産会社があり、それぞれの不動産会社が、不動産を売りたい人から売却の依頼(媒介契約)を受けています。

少し前ならば、物件の情報は売却依頼を受けた不動産会社から先へは流れず、依頼を受けたそのお店に偶然立ち寄らない限り、その物件を目にする機会はありませんでした。

そのようなアナログ的な手法から、不動産業者にもネットワーク技術が導入され早数年。物件情報が不動産業者共通のデータベースで管理されるようになり、インターネットを介してどこの不動産業者でも、それこそ極端な話、沖縄にある会社でも、東京にある物件を探すことが出来るようになりました。

そのデータベースの管理をしているのが「不動産流通機構」という機関で、そのデータベースのことを「レインズ」と言います。

レインズへの登録義務がある

ちなみに媒介契約を結び、売却依頼を受けたら、不動産会社は期限内に速やかに物件の情報を、データベース(レインズ)に登録しなければなりません。

  • 専属専任媒介契約であれば5営業日以内
  • 専任媒介契約であれば7営業日以内
  • 一般媒介契約に登録義務はなし

つまりどこの不動産会社に問い合わせても、探す条件が同一であれば、(*担当者がどの程度お客さんの希望条件を踏まえるかによって違ってきます)どこでも同じ物件が紹介されるということになります。

情報を共有出来るようになったため、

  • 不動産会社 → どこの不動産会社の情報も扱える
  • 売り手 → たくさんのお客さんの目に触れる為、早期の売却が実現できる
  • 買い手 → 物件ごとに不動産会社へ問い合わせる必要がなくなる

誰にとっても良い仕組みのように思えます。

ただ、以下に挙げるような不動産業者では、正確に運営されていないのもまた事実です。

  1. 地元で長く営業している、ネットワークのことなど分からない、今までと同じ古い方法で営業している地元業者
  2. 物件情報は公開するが、自分のところで買い手も見つけたい(*売主と買主双方から仲介手数料がもらえる両手取引)ために、「契約予定」と称して物件を他社に紹介しない会社(*囲い込み)

どちらの行為もそれぞれの会社の都合でしょうから、とやかく言う立場ではありません。

しかし、その会社を頼って依頼をした売主さんにとっては、間違っても良い選択とは思えません。こうした不動産業界の「自分勝手」な部分を是正していくことこそが、不動産業界全体のイメージアップや、社会的地位の向上につながるはずだと思います。

ちゃんと「登録」されているかの確認を忘れずに

両手取引を行いたいため、レインズに登録しない不動産会社も存在します。これは自分の物件を広く一般消費者、つまりエンドユーザーに紹介し、少しでも早く、良い金額で売りたいと願う売主さんにとっては大きな不利益です。

そこで売り手は、自分の物件がちゃんとレインズに登録されているか、確認することができます。本来、決められた義務さえ守れない不動産会社の不手際を、売却を依頼している売り手が目を光らせるなんておかしな話なのですが・・・。

では確認するにはどうしたら良いのか?答えは

「登録証明書を見せて下さい」

と言ってみることです。不動産会社がレインズに登録すると発行される証明書のことで、登録日や金額など物件の詳細が記載されています。

本来は営業活動報告書と同時に送られてくることが多いのですが、この書類が問題なく出てくれば、間違いなく登録されていることの証明になります。

また、登録日をごまかすことは出来ないので、媒介契約締結日から逆算して、登録期限がしっかりと守られているかの確認にもなります。

ただ、一度登録を行い証明書だけ発行し、その後すぐに削除する。また登録はしているけど、一切他の不動産会社に紹介していない。ということを行う会社も残念ながら存在しますので、証明書の提出があったから絶対に大丈夫・・・という訳でもありません。

販売を依頼してから案内が1件も入らない、いつもお客さんを連れてくるのは媒介契約を結んでいる不動産会社だけ・・・など、ちょっと怪しいなと思ったら、

「私の物件レインズに登録されてます?」

と、率直に他社に聞いてみるのが実は一番早いかもしれません。ひょっとしたら、

「当社から問い合わせしてるんですけど、全然ご紹介してくれないんですよ。」

といったような告発も聞けるかもしれません。