賃貸経営

住宅ローン返済中の売る・貸すの判断は?

住宅ローン返済中に、転勤等の理由により住み続けることができなくなった場合、売るか貸すかの選択を迫られます。その際どのように判断を付けていけば良いのかを解説していきます。

 

売却査定

まずはいくらであれば売却できるのか、不動産会社に査定を依頼します。その際、8割9割の高い確率で売れる金額を聞くようにしてください。査定価格というのはあくまでも「予想」です。しかし、多くのお客様は車の買取査定と同じように、一番高い金額を出してきた不動産会社が良いと勘違いしています。

それをいいことに、不動産会社は売却の依頼を受けたいがために、売主の希望に沿った、相場的には売れない(であろう)高い査定を行うことがありますので、十分注意してください。

このケースでの査定というのは、

  • 売る
  • 貸す

どちらがベストなのか、間違いのない判断を下すための材料だということを忘れないようにしてください。

残高証明で残債を確認

金融機関からは定期的にローンの残高証明書が送られてきます。それを確認して、査定価格 > 残債ならば売却を検討できます。

査定価格 < 残債の場合の選択肢

査定価格 < 残債ならば売却しただけでは返済できないいわゆる「債務超過状態」です。しかし、売却損を別途用意できるのであれば売却は可能です。

用意できないのであれば、以下の2つの選択肢が残ります。

買い替えをする

転勤場所で新規で住宅を購入する計画があるなら、買い替えローンを検討しましょう。

*残債より高い物件に買い替えるケース

*残債より安い物件に買い替えるケース

ただ、売却物件と買い替え物件が離れていると、通常の買い替えよりもさらにスケジュール管理や調整が難しくなります。

人に貸す

賃貸に出すことで、月の返済がプラスマイナスゼロ、場合によっては賃料収入が得られるかもしれません。ただし、住宅ローンを利用して購入したマイホームを、賃貸に出すとなると事前に金融機関へ告知が必要となりますし、賃貸経営に伴う労力や費用、リスクが生じます。

まとめ

いかがだったでしょうか?まずは査定、これが重要です。とにかく売却してもらうためだけに、どこよりも高い査定をしようとする不動産会社の査定には注意してください。ここを間違えてしまうと、すべての計画が絵に描いた餅になってしまいます。

査定というのは、

「え!?そんなに高く売れるの?」

と、媒介契約を取るためだけの、何の根拠もない耳障りの良い予想以上に高い金額を提示されて、ホクホク顔で一人悦に入ることが良いのではありません。例え

「そんなものでしか売れないのかあ・・・」

と自分が思っていたよりも、安く試算され、落胆したとしても、その時点の本当のマイホーム評価を聞けたことがなによりなのです。

【関連記事】不動産の査定を受けるときの注意点

 

悩むお父さん

住宅ローン返済中に転勤になった場合

融資を利用して自宅を購入したはいいが、その後転勤になってしまい、住めなくなるということもありえます。住宅ローンを組んだ途端、会社の辞令が出て転勤になってしまった人の話を驚くほどよく聞きます。住宅ローンを組んで辞められないようにしてから、辞令を出したのではないかと勘繰りたくなりますが、実際のところはどうなんでしょうね?人事担当者の知り合いがいれば、小一時間ほど問い詰めたい気分です。

いずれにせよ、辞めるわけにもいかず現実的な選択肢としては、

  1. 売るのか?
  2. 貸すのか?
  3. 単身赴任か?

の3点になりますが、仮に2.の「貸す」を選択する場合、注意が必要です。

 

賃貸に出すにも金融機関へ報告が必要

月の返済額より、貸した場合の家賃収入の方が多くなることがあります。入居者が入っている間は収支はプラスですから、これ幸いと賃料収入を期待して賃貸に出してしまう人もいます。

しかし、金融機関には賃貸に出さざるを得なくなった旨を報告しなければなりません。マイホームとして利用するから、金融機関は低金利で融資をしてくれているのです。

賃貸物件を購入するための融資は

「事業用融資」

「アパートローン」

となり、ローンの種類が異なります。ローン種別が異なると、金利などの支払い条件も変更になる可能性があるからです。

金融機関にバレる理由

「そうは言っても、融資した物件に本当に住んでいるのかなんて、金融機関に把握できるはずがない。だから無断で賃貸に出しても大丈夫」

と安易に考える所有者や、

「返済に困ったら賃貸に出せば家賃収入が入ってきますから大丈夫ですよ」

と買ってもらうために、このような信じられないアドバイスをする不動産会社もありますが、残念ながら必ずバレます。なぜなら残高証明書など、金融機関からはさまざまな郵便物が定期的に発行されます。

仮に融資を受けている人とは違う人が住んでいると、宛先不明で書類が発行元(*つまりは金融機関)に戻ってきます。それがきっかけで、住んでいないということが判明してしまうのです。

考えられるペナルティ

ただし、転勤になり、貸し出すことになった旨の通知を事前に行っておけば金融機関も鬼ではありません。金利条件が多少変わる程度で済むかもしれません。

しかし、当初から賃貸に出すつもりで、低金利の住宅ローンを利用したことが判明した場合、悪質とみなされ、場合によっては即時全額返済を求めるなどの厳しい措置を取ろうとする金融機関もあります。住宅ローンはあくまでも、

「マイホーム購入を目的とした融資である」

という前提を忘れないでおけば、誤った行為を慎むことになるでしょう。やむをえず賃貸することになった際には十分注意が必要です。

まとめ

「転勤」が理由で住めなくなった場合にフォーカスした記事となりますが、いずれの場合にせよ、住宅ローンを利用して購入した不動産を賃貸に出す場合には必ず、

「金融機関への確認、連絡」

を怠らないようにしましょう。

マンションを貸すと手に入る収入

マンションを貸すと手に入る収入については以下の通りです。

 

賃料

住まいを提供する対価として、毎月賃料がオーナーに支払われます。しかし、以前のようにただ部屋を提供するだけでは、今の時代、賃貸経営を続けていくことは難しいです。

快適に住んでもらえるような部屋の設備を提供する必要はありますし、不具合が生じた場合は迅速に修理しなければなりません。その他、入居者から様々な要望が出てきます。できること、できないことはもちろんありますが、それらに真摯に対応していくこと含めての賃料収入です。

礼金

部屋が余っている現状で、少ない入居者を取り合っているのがいまの賃貸市況です。競合物件はたくさんあります。それら多くの競合に競り勝つため、以前では礼金2か月が当たり前だったものが、1ヵ月またはゼロという物件も多く出てきています。礼金1ヵ月を乗せていつまでも入居者がいつまでも決まらないよりも、ゼロにして少しでも早く入居してもらった方が、短期的・長期的に考えてもメリットはあります。今の時代、あまり礼金に期待することはできませんが、とはいえ、人気のエリアや需要のある間取り、つまり競合が少ない物件であれば、今でも礼金1ヵ月は考えてもよいでしょう。

更新料(*または再契約料)

礼金同様、以前と比べて絶対的に得られる収入ではなくなってきました。過度な期待はできません。なぜなら、一般的な賃貸借契約(*普通賃貸借契約)の更新は、文字通り当初結んだ契約を「更新」することです。何回更新しようが、「原契約」は当初契約書なのです。

極端な話、

「更新契約書にサインしようがしまいが」

「更新料を払おうが払わなかろうが」

契約は続行します。それを知っている入居者が、更新料を払わないケースがたまにあるからです。

ただ、いまでも一般的な賃貸借契約には当然のように含まれている条件ですので、あまり悲観的になりすぎなくともよいでしょう。

3-1.更新手数料

ちなみに更新時には、更新作業を行う不動産管理会社に支払う手数料が発生します。不動産会社のスタンスによって異なるのですが、更新料の半分(*プラス消費税)が更新手数料、半分がオーナー取り分とするところもあれば、更新料とは別途、事務手数料を入居者から徴収するところもあります。

オーナーにとっては更新料全額もらえる方がうれしいのは当然だと思いますが、別途事務手数料を徴収する場合、入居者の金銭的な負担が増えることになります。

3-2.再契約料の場合

定期借家契約の場合、更新ではなく「再契約料」となります。定期借家契約は普通賃貸借契約と違い、期間満了と同時に契約は切れます。契約満了ごとに新しい契約を結び直すことになり、「原契約」がどんどん最新のものとなります。再度新しい契約を交わし直すので、更新に比べて再契約料の妥当性は高くなります。入居者もタダで契約ができるとは考えないからです。

まとめ

マンションを貸した際に得られる収入は、上記の通りです。しかし前述した通り、礼金・更新料共にいまは絶対的なものではありませんし、賃料もただ部屋を提供するだけで簡単に得られるものではありません。色々と手間暇はかかるのです。

だからといって、不動産活用の観点からすると、使用していない不動産を利用しない手はありません。手間暇かかるとはいえ、同じくらいの収入を得るためにかける手間に比べたらたいしたものではありません。

また、「衣・食・住」の中でも基本的な「住」を提供することは、公共性の高い素晴らしい事業です。不動産会社に管理を依頼することで、かかる手間を大幅に減らすことも可能です。ぜひチャレンジして頂きたいと思います。

マンションを貸すには?

マンションを貸すには、まず不動産会社に相談することから始めます。マンションを貸したいと思うオーナーさんに対し、不動産会社は以下のような業務を行ってくれます。以下に見ていきましょう。

 

賃料査定

マンションの立地や部屋の状態を加味し、現在募集中の物件や、過去に成約に至った物件の事例を踏まえて、貸せそうな賃料を提示してくれます。

募集条件のアドバイス

賃料査定と絡めて、募集条件のアドバイスをしてくれます。募集条件とは主に以下のようなことを指します。

  1. 契約期間
  2. 敷金・礼金
  3. 契約形態
  4. その他諸条件

2-1.契約期間・・・賃貸契約は2年が一般的ですが、オーナーの希望や賃料との兼ね合いでそれ以上でも以下にでも設定することができます。

2-2.敷金・礼金・・・事業用(*店舗や事務所)でなければ、敷金・礼金共に最大2か月というのが一般的です。契約期間同様、賃料との兼ね合いで2か月、1ヵ月、もしくはゼロに調整したりします。

例えば賃料を相場より抑える代わりに礼金を2か月に設定したり、賃料を相場より高めにする代わりに敷金・礼金をゼロする、などです。。

2-3.契約形態・・・普通借家契約か定期借家契約か、です。

  1. 普通借家契約・・・一般的な賃貸借契約のことで、借主としての義務を果たし続ける限りは、契約は続きます。最初の契約書がいつまでも「原本」であり、契約期間満了の際は、更新を行うことになります。しかし「原本」が書き換わるわけではありません。賃料は相場通りに貸すことができますが、貸主・オーナー都合で、退去してもらうことは難しいと考えておきましょう。
  2. 定期借家契約・・・契約期間が満了と同時に、一旦契約は切れます。引き続き契約を継続する場合は、再度契約を交わします(再契約)。契約満了と同時に(*解約したい旨の通知は必要)退去を申し出ることは可能です。普通借家契約の「原本」が、一番最初に交わした契約書であることに対し、定期借家契約の「原本」は再契約ごとに最新のものに切り替わります。契約満了と同時に退去しなければならないこともあるので、入居者のリスクは高くなります。その分、賃料は普通借家よりも安くなります。

将来的に使う可能性が高いか低いかによって、どちらの契約形態で結ぶかが異なります。

2-4.その他諸条件・・・ペット飼育、楽器演奏、事務所利用等の可否。その他、部屋についている設備(*エアコンや給湯器など)の修繕は、オーナー負担が一般的ですが、「リビングのエアコンはオーナーの修復義務を免除」など、細かい取り決めも可能です。

募集図面の作成

募集図面を作成します。図面を見ることでその物件を借りる際に必要な費用や、2.で決めた契約条件を把握できるように作成しなければなりません。

募集活動

レインズやポータルサイト、自社サイトや店頭看板などを使って、物件情報を拡散させます。

案内

物件を見たお客さんや他の不動産会社からの問い合わせや、内見希望があれば、現地に行き案内をします。

契約

案内の結果、契約となれば、契約書を作成し契約を行います。募集時の条件と契約時の条件が違いがあっては、「話が違う!」となってしまうので、細心の注意が必要です。また、退去時や入居中の際の借主負担の可能性とケースを分かりやすく説明し、納得の上で契約を結んでもらいます。ただ、どれだけ詳細に分かりやすく説明したとしても、トラブルになることはどうしてもあります。

まとめ

以上のように、マンションを貸す際には上記の作業を不動産会社に依頼の上、進めなければなりません。どこの不動産会社に依頼したとしても行うことは同じです。しかし、作業の質に違いはでます。特に1,2,6は重要な作業であり、賃貸借契約のキモです。

極論をいうと5.の案内は入社したばかりの新人でもできます。しかし、1,2,6は経験と法律的な理解も必要ですし、分かりやすくかみ砕いてオーナーと借主に説明できる説明する力も重要です。

依頼する不動産会社はどこでも同じというありませんので、注意しておきましょう。

マンションを貸す際にかかる費用

マンションを貸す際には、最低限として以下の費用が必要となります。

 

リフォーム費用

室内がどのような状態かにもよりますが、貸すためには最低限のリフォームが必要です。モデルルームのようにピカピカにする必要はもちろんありません。ただ、清潔感が感じられる程度の修繕は必要です。

  1. 床・壁・畳の傷
  2. 水回り(キッチン・浴室等)

大きく分けると上記2つが主なリフォームポイントです。

1.床・壁・畳の傷・・・目立たない傷であればそのままでも問題ありませんが、大きなへこみや穴、汚れが目立つ場合にはクロスの張り替えやフローリングや畳の張り替えが必要となってきます。

2.水回り(キッチン・浴室等)・・・クリーニングできれいになればよいのですが、汚れが思うように落ちず、清潔感が感じられなければ、取り換える必要があります。水回りの状態はとても重要です。築年数が古くとも、水回りに清潔感があれば、借りてもらえます。

しかし、取り換えるとなると機材自体が高額なため、工事費含めるとすぐに何十万単位でかかってきてしまいます。

仲介手数料

お客さん探しを不動産会社に依頼することになりますが、その結果、無事に入居者が決まった際には、不動産会社に報酬として仲介手数料をお支払いします。

まとめ

「マンションを貸して家賃収入を手にしよう!」

簡単なようで、以外に初期費用はかかってしまうのです。リフォームも何もしないで、そのままの状態で貸すという選択肢ももちろんあります。賃料を相場よりも大幅に低く抑えれば、それでも入居者は見つかるかもしれません。

しかし、人に部屋を貸す対価として賃料収入を得る賃貸オーナーとしては、不快感を感じさせない程度のお部屋に整備しておくことは、借りてくださる人への最低限のマナーだと考えておきましょう。

マンションを貸す際の注意点

自宅マンションを貸すときの注意点です。

 

貸せる状態にする

部屋として使える状態であることは大前提です。エアコンや給湯器など、設備不良があれば直さなければなりませんし、壁紙や障子、フローリングの傷が目立つようであれば修繕します。浴室、キッチン、洗面所などの水回りに大きな痛みがなかったとしても、ハウスクリーニングを行って清潔にみえるようにしておかなくてはいけません。

新築モデルルームのようにピカピカに仕上げる必要はありませんが、清潔感は感じられるような室内に仕上げておく必要はあります。そのための費用はどうしてもかかってしまいます。

空室にする

売買であれば、売主さんが住んでいる状態で、買主さんに室内を見てもらうことができます。遠慮しがちな買主さんもいますが、住んでいる状態を見ることで、入居後の室内イメージを明確にすることができるので、むしろ居住中の方が好まれる場合もあります。

しかし、賃貸の場合はそうはいきません。入居中の賃貸物件を内見することは(*例外はあるかもしれませんが)ありません。必ず空室の状態で内見してもらう必要があります。

ですから

「入居者が決まり、賃料が入ってくることが決まってから引っ越す」

という都合のいいことは出来ないということです。

空室・滞納リスクがある

入居者が決まれば、毎月「賃料」という名の定期収入が入ってきます。しかし入居者がいなければ当然のことながら収入はゼロです。常に入居者がいる前提でいてはいけません。退去する時期によっては、賃貸の繁忙期を逃してしまっていて、なかなか入居者が決まらないということもあり得ます。

また、入居者が必ず賃料を払ってくれるという保証はありません。どんな入居者にも賃料を滞納する可能性はあります。誰でもいいから入居してもらえればいいというわけではなく、どのような入ってもらうのかもとても重要です。

ランニングコストがある

例え入居者がいたとしても、マンション管理会社に払う管理費・修繕積立金はオーナー負担です。これらマンション所有者にかかる費用を、入居者に負担してもらうことはできません。また、固定資産税もオーナーが払うべき費用です。

オーナー都合で賃借人に退去してもらえない

「とりあえず人に貸しておいて、使う時に時になったら退去してもらおう」

と、入居者の生活があることを無視して、都合よく考えているオーナーさんがたまにいますが、それは大きな間違いです。

「戻ることにしたので退去して欲しい」

とオーナーの権威を振りかざしたとしても、強制力はありません。オーナー都合での退去依頼は

「命令」

ではなく入居者に対する

「お願い」

になります。いかにして穏便に退去してもらうかに、オーナーは心を砕かなくてはなりません。

「お願い」の結果、出て行かない(いけない)となることもしばしばあります。当然でしょう。家賃を払うなど、入居者としての義務を果たしているにも関わらず、いきなり出ていって欲しいと言われ、

「はい、分かりました」

と言うお人よしはいません。

退去するとなれば次の住まいを探さなければなりません。その際には契約金や引っ越し代など、多額の費用を要します。仮にオーナー都合で退去して欲しいならば、そのような費用をオーナーで負担することで初めて交渉のテーブルに着くことが出来るでしょう。

例えそのような交渉をしたとしても、入居者にも生活があります。断られることもあるでしょう。そうなってくると、立ち退き料を払って退去してもらう以外にありませんが、立ち退き料を払えば必ず退去してもらえるということでもありません。

家賃の滞納を繰り返すなど、不良入居者であれば話は異なりますが、入居者としての義務を果たしている賃借人の居住権を侵害することはできないのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?例え小さいマンションで、はじめから賃貸経営を志したわけではなかったとしても、人に貸したということは、不動産賃貸業という小さなビジネスを行っている経営者です。賃料というのはサービスの対価で得られる報酬です。ここでいうサービスとは、

「生活の基盤である住まいを提供すること」

です。甘い認識で不動産賃貸業を始めてしまっては、誰も幸せになりません。賃貸業を始めるのならば、最低限上記5点についての認識は深めたうえで行うようにしてください。

一括借り上げの落とし穴

「○○年一括借り上げ」

と、テレビCMなどでも大々的に謳っている業者も多い「一括借り上げ」ですが、トラブルが増えています。

これから建物を建てるオーナーにしてみたら、入居者が入る・入らないは死活問題。入居者が入る前提で、土地を担保に金融機関から融資を受け、月々の賃料で返済していくのだから当然です。

もし一括で借り上げてくれれば・・・

手残りは少なくなりますが、入居者が入ったかどうかは関係なく、賃貸経営の煩わしさも感じず、なにもしなくても毎月決まった金額が口座に溜まっていく・・・それが融資を受ける○○年続くならばリスクもない、よし、やろう!と決断するのです。しかし・・・

  • 一方的に借り上げ契約を解約された
  • 借り上げ賃料の値下げを断ったら解約された

上記2点のようなトラブルが特に問題になっています。貸し手・借り手のそれぞれの言い分は以下のとおりです。

借り上げ業者の言い分

「当初は○○年借りる予定でしたが、今の借り上げ賃料だと入居者が決まらなくなってきました。現在の借り上げ賃料を下げて頂かないと、事業として成り立ちません。借り上げ賃料を下げて頂けないでしょうか?下げてくれないなら残念ながら解約するほかありません」

オーナーの言い分

「え!!?そんな、○○年は借りてくれるっていう約束だからアパートを建てたのに、金額を下げなければ借り上げを打ち切るなんて詐欺だ!」

いきなりこんなこと言われて、オーナーが怒るのも無理はありません。全てのプランが根底から覆されるからです。

しかし、借り上げ業者も慈善事業で借り上げを行っているわけではありません。利益が出ない物件をいつまでも当初の条件で借り続けてくれるほどお人好しではありません。満足な説明もしない借り上げ業者のやり方はもちろんイカンですが、オーナー側も

「なぜ一括借上げを行えるのか?」

のカラクリをしっかりと理解しておくべきです。以下に一括借り上げの仕組みをご説明します。

一括借り上げの仕組み

借り手である一括借り上げ業者は、一棟100万円(*金額は簡略しますが)で借りたものを、150万円で「又貸し」し、その差額50万円が利益とするのです。

80万円でしか貸せないのに、100万円で借り続けていては、毎月20万円の赤字になってしまいます。利益を出すためには、当然借り上げ賃料を80万円以下にしないといけません。

部屋を借りると考えてみましょう

対象が建物全体で大きくなっているので気づきにくいかもしれませんが、簡潔に整理すると、要は借り手と貸し手の間で結ぶ建物一棟の「ただの」賃貸借契約です。より分かりやすく考えるために、自分が「10年間借りる」という約束で部屋を借りたと考えてみてください。当初は10年間借りるつもりだったとしてでも、ある日突然、

  • 転勤で引っ越すことになった
  • 結婚することになった
  • 田舎に帰ることになった

などの理由で解約せざるを得ないこともあるでしょう。そのとき、解約しようとしたら、

「いや、そんなのダメだ!10年間借りてくれる約束だろ!?約束通り今までと同じ条件で借りててくれ!」

と、オーナーに言われても困りますよね?多少強引かもしれませんが、考え方はそれと同じです。

貸し手に強制する権力はない

つまり、「○○年一括借上」とは言っても、必ずしもず~~~っと借り続けてくれるわけではなく、解約の自由は、借りてる方にあり、貸してるオーナーに「借りてろ!」と強制する権力はない、ということです。

広告の見方

一見すると一括借上げというのは楽で便利かもしれませんが、このような落とし穴も存在するのです。ただ、その落とし穴も、メリットの裏にあるデメリットに対して盲目的にさえならなければ、避けられるものなのです。

ボクの好きな本、サン・テグジュペリの「星の王子さま」で、

「大切なものは目には見えないんだ」

というセリフが出てきますが、これは非常に言い得て妙で、消費者が知っておくべき一番大切なこと(*多くはデメリット)は大抵、見えにくいものです。試しに不動産の新聞折込広告を見てみましょう。小さく書かれた文字がスミの目立たない場所にあるはずです。そこにこそ、一番重要なポイント、デメリットが書かれた場所なのです。

貸した方が良い物件

簡単にいうと、

「売りづらい・売りにくい物件」

「売ったら安く買いたたかれる物件」

です。どんな物件が当てはまるかというと、例えば再建築不可の物件が挙げられます。現在の建築基準法では、売却の対象となる土地が公道に2m以上接していなければ、家を建ててはいけないというルールがあります(*例外規定はあります)。

そうした再建築が出来ない物件は、仮にどんなに豪邸が建っていたとしても、一般の市場価格からは大きく下がってしまいます。なぜなら不動産を購入する人にとって、家を建てられない土地に価値を見出すことは非常に難しいからです。つまり土地に価値はほとんどなく、極端な話、建物だけの価値となってしまうので、安くしか売却できないのです。

しかし、上記のような物件であっても、賃貸であれば問題ありません。なぜなら当面の住まいを探す人にとって、その土地が再建築できる・できないは全く関係ないからです。売ったら安く買いたたかれてしまう物件であっても、人に貸すのであれば通常の物件と賃料に大きな差は出ません。そのような物件であれば、安い価格で売却してしまうより、長期的な保有を行った方が、収益面から考えると効果的な場合が多いです。

ただ、人に貸すに当たっては、ターゲットの層が求めるニーズに応じたそれなりのリフォームやリノベーションがどうしても必要です。その際の初期費用がいくらかかり、想定する家賃だと何年で回収できるかのシミュレーションが必須となります。そうしたアドバイスは不動産の活用に長けた不動産管理会社などに試算してもらうのが良いでしょう。

しかし、住まいを貸す対価として報酬を得るということは、例えどんなに規模が小さい物件だとしても、賃貸経営という事業を営むことです。細々とした入居者からのクレームや設備の修繕依頼もありますし賃料滞納のリスクもあります。また、空室リスクもあります。入居者が退去した後、すぐ次の借主が決まるとは限りません。退去後、最低限のメンテナンスで済めば良いですが、入居者の使用状態によっては、退去後のリフォームに多くの費用がかかる場合もあります。賃貸経営をこれから始める人にしてみたら、こうした作業やリスクは非常に煩雑でストレスに思うこともあるでしょう。

「人に貸して資産を有効に使いましょう」

「不動産投資で資産運用を」

と安易に不動産投資・運用を進める会社や担当者がいますが、上記に記載したようなデメリットが当然あるということを、メリット以上にしっかりと理解しておくことが重要です。そうした検討を疎かにして、安易に賃貸経営を始めてしまうと、

「確かに賃料は入ってくるようになったけど、トータルで収支を振り返ってみたら、かけた労力の割にはたいして実入りがなかった・・・」

ということになりかねません。

管理会社の一番のサービスとは?

両親やおじいさん、おばあさんのころから続く代々の地主さんではなく、

「初めて収益物件を購入した」

「自宅を相続したけど使わないから貸しに出したい」

など、新規にオーナー業を始める方が当社でも多くいます。そんな新規オーナーさんに対して、我々のような不動産管理会社が提供する一番のサービスはなんでしょうか?

「入居者を早く見つけることに決まってる!」

もちろん、それも大切な業務のうちの一つです。ですが、その一点にフォーカスを与えてしまってはいけません。(当社が考える)一番のサービス、それは非常におこがましい言い方かもしれませんが、一人前のオーナーになって頂くための「教育」であり「指導」です。

「ワンルームマンションの一室を貸す」「使わなくなった自宅を貸す」に過ぎないと軽い気持ち始めたとしても、れっきとした「不動産賃貸業」というサービス業を営む一事業主となるわけです。

勉強熱心なオーナーさんもいますが、一朝一夕に不動産賃貸業の商慣習や通例などを学べるはずはありません。何組もの入居者と取り引きを交わす中で、少しずつ学んでいけるものです。一つの書類を入居者と取り交わす必要性や、その行為の意義、賃貸オーナーとしての考え方や入居者に対するベストな対応をその都度ひとつずつ教えていくことが、オーナーさんに対しての一番のサービスだと考えています。

賃貸管理

例えば入居希望者から申込書が入ってきたとします。オーナーが何も知らないのをいいことに、申込書をオーナーに送ることなく勝手に審査を通してしまう不動産会社・管理会社があるようです。

「空室を埋める」という、不動産会社の数ある業務のたった一つにフォーカスを与え過ぎてしまうと、「空室を埋めてくれたんだから」「来月から賃料が入ってくる!やったー!!」と喜んで、「どうぞどうぞ!」と、申込書の内容も理解せず、ろくな審査もせずに素通りしてしまいがちですが、それではいけません。

まずは申込書の重要性と、その内容をよく把握してもらい、入居希望者から申し込みが入ったら、最初にどこに注意して見たら良いのか?を不動産会社がアドバイスしないと、新規オーナーはどこを見たらいいのかさっぱり分かりません。

勤務先は?年収は?連帯保証人はいるのか?連帯保証人に支払い資力はあるのか?そもそも連帯保証人とはなにか?賃料発生日は?などなど。。。オーナーがチェックするべき個所や、重要なところを理解してもらうよう情報提供を行うのです。

もちろん、取引はそれだけでは終わりません。契約、更新、退去、クレーム対応、督促など、「人に不動産を貸す」という行為は、非常に多くの業務が伴うものです。例え実作業を行うのが管理会社だったとしても、オーナーが何も知らなくても良いという訳ではありません。

「こういう時にはどういう対応をすれば良いのか?」

「そのように行動する意味と意義は?」

を一つ一つ不動産会社が、一人前のオーナーになるべく教育・指導していくことが重要なのです。新規オーナーが何も知らないのをいいことに、自社の都合の良いように振る舞う不動産会社や管理会社も未だ多くあります。

そうした会社にとって、何も知らないオーナーさんに、情報を与えて素人から玄人にしてしまっては都合が悪いのです。いつまでも一段上からオーナーさんと相対していきたいんですね。

しかし、そのようなオーナーと不動産会社の付き合い方では、どこかで必ず無理が出てくるはずです。オーナーを不動産会社と同じ目線まで引き上げ、対等にビジネスを行う。これが一番健全だと考えます。

オーナーの「顔」が見える管理・運営を

空室をなくす最適な方法は空室を作らないこと。つまり入居者に出来るだけ長く住んでもらうことです。可能な限り長く住んでもらえれば、空室になることもないし、定期的な家賃収入が得られるのです。オーナーとしては是が非でも!末永くお住まい頂くことが空室をなくすための最良の選択肢です。

良好な関係を築きながら末永くお住まい頂くためには、入居者に対して「ちょっとした」サービスを徹底することです。サービスといっても、たくさんのお金をかけてどうこうということではありません。ほんの些細な気遣いや思いやりを、分かりやすく入居者に伝えること、伝わるようにすることです。

例えば室内でちょっとした設備の故障があって、わずかでも入居者に迷惑をかけてしまったとき。

「大丈夫でしたか?ご迷惑お掛けしました」

このように直接電話して話してみる。また、入居時に「ご入居ありがとう」としたためた手書きの手紙と一緒に、ちょっとしたお礼の品を置いておくこと。更新してくれたときには「更新ありがとう、これからもよろしく!」と連絡を入れてみる。入居者の誕生日にお花を贈ったオーナーさんもいました。お花自体、そんなに高価なものではありません。だけど、入居者の方は「こんなこと彼氏にも今までしてもらったことありません!(笑)」と、とっても喜んでいました。

管理会社に任せているのでオーナーは余程のことがない限り、入居者とコンタクトを取る必要はありません。確かにそのとおりで、本来このようなことを行わなくても、誰に文句言われる訳ではありません。ただ、こうしたちょっとした心遣いを入居者に対してするだけで、入居者もオーナーの人柄に触れることができます。それだけで入居者の心理は全然違ってきます。

つまりオーナーの人となり「顔」が見えるような、管理・運営を心がけて欲しいのです。もちろん直接「顔」を見せに行く必要はありません(笑)し、何万もの費用をかける必要もありません。

「何かあったらいつでも言ってくださいね」

こんなちょっとした一言が、オーナーさんに気にかけてもらってる、と感じるだけで入居者は安心するのです。お金を払う側と受け取る側に過ぎなかった関係が、人間同士の付き合いに変わるのです。

一棟マンションを所有されているオーナーさんがいるのですが、そのオーナーさんは定期的に入居者を集めてホームパーティーを行っています。入居者同士の交流も生まれ、相場的に見れば決して安くはないマンションですが、みなさん喜んでお住まいになり入居者が途切れることがない人気マンションとなっています。そのようにして人間関係が出来たマンションでは、賃貸ではありがちな退去時の敷金トラブルになったりすることがほとんどありません。

いきなり、ホームパーティを開くオーナーさんを真似る必要はありません。まずはすこ~しだけ良い意味の「ちょっかい」を出してみる。そんな程度から初めてみたらいかがでしょうか?最も、そうしたオーナーからの配慮を全く好まない借主もいるのでご注意くださいね。

更新を機に退去する入居者への対策

「長く住んだし、更新料払うのもったいないから退去しよう」

更新が近づくと、住んでいる部屋に別段不満はないけれど、このように「ぼんやり」した理由で退去する入居者は非常に多いのです。なんとなく更新料を払うことがもったいなく感じてしまうんですね。こうしたケースの場合、

「更新料いらないけど?」

と、伝えてみることは非常に効果的です。通常、更新作業を管理会社に依頼すると、事務手数料として更新料の半額(プラス消費税)がかかります。更新料を入居者からもらわないということは、その手数料が自己負担ということになります。

それを嫌がるオーナーさんがいますが、冷静になって考えてみてください。1か月分の収入を我慢するだけで、この先1年、2年賃料を払い続けてもらえることを考えたら、長期的に考えたら得だと思いませんか?賃貸経営を行ううえでもっとも重要なことは、目先の収支ではなく、長期的な展望で考えることです。

仮に退去されてしまえば、次の入居者が決まるまでの収入はゼロになってしまいます。退去後、幸いにして1,2ヶ月で新しい入居者が決まれがそれに越したことはありません。しかし借り手市場で競合物件が山ほどあるこのご時勢、そんなに簡単なことではありません。空室をなくす一番の対策は「入居者に退去されないこと」。つまり空室を作らないことなのです。

入居者が更新前に退去する旨を聞かされたときは、

「更新してくれるなら更新料いらないよって伝えてみて」

と管理会社から入居者に伝えてもらいましょう。

伝えたところでどのみち退去するかもしれません。しかし、「結婚する」とか「転勤になった」とか、退去理由に必然性や逼迫したものはないかもしれません。退去を決めたのは「なんとなく」、要するに「ちょっと気分を変えたいから」的なもの。それはそれで立派な退去理由かもしれません。ただ、上記のような強烈な退去理由がなければ、

「更新料払わなくていいなんて、ラッキー!」

と思ってくれて、ひょっとしたら退去しないで1年、2年住んでくれるかもしれません。引越しするというのはお金と大変な労力がかかります。

最後の悪あがきにみえるかもしれませんが、この程度の悪あがきで空室になるリスクを防げたら安い御用ですよ。

同一マンション内に自分の賃貸物件より条件の良い部屋がある場合の対応策

自分の部屋より条件の良い物件が、同じマンション内に同程度の金額で募集されていた場合、自分の物件に「フタ」をされたも同然です。だってそうですよね?自分の物件よりも条件(賃料、広さ、階数など)の良いお部屋)が自分のお部屋よりも安かったら、ほとんどの人がそっちの物件に行ってしまいますよね?

対応策としては、逐一その物件の動向を気にする必要があり、場合によっては競合物件が成約になり市場から消えるまで募集を控えてみるというのも作戦の一つです。

しかし、当然貸主の都合もあります。賃料を下げれば良いとはいえ、毎月の返済の関係で金額はこれ以上下げられない(*持ち出しが生じるため)場合もあるし、かといって募集を一時とはいえ控えたくはない・・・ということも当然ありえます。ではどうするか?以下の2点が考えられます。

賃料以外の条件で差を付ける

賃料で競合物件Aより優位に立てないのであれば、それ以外の土俵(条件)で勝負するしかありません。例えばAの礼金が1か月なのであれば、こちらは礼金をゼロにしたり1か月フリーレントをつけたりなどが考えられます。礼金をゼロにするということは、契約時オーナーが手にする収入が減るということです。懐にとっては痛手になりますが、そもそもなんの「痛み」もなく、自分の部屋より条件の良い競合物件に勝てるはずありません。収入が減るとはいっても、1か月でも早く入居してもらえば、目先の収入を求めるより長期的にみたら絶対に得です。

管理会社を変更・追加する

競合する物件の管理会社が、入居審査が厳しい大手の管理会社であれば、審査条件で差を付けることも可能です。最近は管理会社によって審査条件にばらつきがあり、年々審査は厳しくなりつつあります。「入居してもらうための審査」ではなく「落とすための審査」と言っても良い状況です。そうした厳しい審査をする管理会社とは別の管理会社にも併せて依頼するというのも手です。

管理会社によって審査基準はガラッと変わる可能性があります。個人事業主や起業して間もない経営者、転職したばかりの人など、今まで書類審査ではじいていたいたような入居希望者達を、積極的に受け入れてくるかもしれません。もちろん、なんでもかんでも受け入れることが良いというわけではありません。しかし場合によっては入居希望者と面談を依頼し、書類だけでは見えてこない入居希望者の性格を掴むような努力を、オーナー自身行う必要もあるのではないでしょうか。

競合物件に打ち勝つためには、管理会社だけではなく、オーナーも一緒になって汗をかく!これが重要だと思います。

関連記事→→→管理会社のベストスキルとは?

オーナーが選ぶべき管理会社のベストスキル

書類と人間、両方をバランスよく見ることが管理会社になにより必要なスキル

「通すための審査」ではなく、「落とすための審査」を行っている管理会社が多く存在し、必要以上に厳しい審査を入居希望者に課してくる管理会社があります。特に大手管理会社にその傾向が強いです。どのように厳しいのかというと・・・

「年収が〇〇万以上で、連帯保証人は身内でなおかつ収入がある人。さらに保証会社加入必須。」

不動産管理

20代の若い人ならまだしも、それなりの年齢の人だと既に一番の身内である両親は亡くなっていて、一人っ子で親戚づきあいもなければ、身内にお願いすることは出来ません。仮に両親がご存命だったとしても、収入といえば収入はなく年金のみ。こういう境遇の人は当たり前で現代には多くいると思いますが、審査条件に照らし合わせるとNGとなってしまいます。

審査が厳しくなりがちな「個人事業主」や「起業して間もない経営者」

また、自営業者や起業して数年の会社経営者にとっても厳しいのが現状です。例えば「確定申告3期分が必要で、赤字なし」といった条件がついたりします。3年未満だとそもそも審査も受け付けてくれないし、起業したばかりの個人や会社経営者に黒字を求めることは難しいです。

「人」を見ない審査に問題あり

なぜそのような厳しい審査条件になってしまうのかというと、そうした管理会社はあくまで管理のみ行っている場合がほとんどで、内見の立ち合いや契約時にも入居者とは会わないことが理由の一つではないでしょうか。入居希望者と一度もコンタクトを取らないということは、その人となりや雰囲気、言葉の端々から様々な情報を把握する機会を逃していることになります。

書類だけでは補えないそれ以外の多くの情報を、入居希望者と相対することでより正確に把握することができます。人となりがある程度分かっていれば、トラブルになった際の対応方法のヒントもあるものです。契約者・入居希望者の人柄や性格を把握することをせず、書類だけで審査を行おうとした結果、このように現実に即していない厳しすぎる審査条件となってしまうのです。

賃貸トラブルを完全に予測することは不可能

Junger Sherlock Holmes

どんなに審査を厳しくしたとしても、トラブルが起こるときは起こります。厳しい審査を行い、入居希望者をふるいにかければ、万が一のことが起こったとしても火消しに手間はかからないかもしれません。

しかし、逆にいうとそこまできつい条件の審査をし、吟味したうえでないとトラブルに対応できない、ということも意味しています。管理に伴うトラブルは様々なケースやパターンで発生します。それら全てをあらかじめ予測することは出来ません。不足な事態が起こった時、臨機応変に対応できるのが、優れた管理会社と言えるでしょう。

貸すか売るかの判断は?

所有している不動産の活用に悩むオーナーに、

「貸した方が得です。売ったら損します」

「貸してたら損するだけです。売るべきです」

と、単純な損得勘定だけで判断できるとは限りません。

そもそも不動産というのは、所有に至った経緯(両親から譲り受けた)や物件に対する思い入れや愛情の度合い(家族の思い出、離婚)によって考え方がガラッと変わります。そのあたりのオーナーの心情や相談に来られた事情などを踏まえて考えなければいけません。

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ただ、金額的に損か得かだけで判断をつけたいというならば、売却した場合の手取り金額と、貸した場合の更新に至るまでの2年の手取り金額を比べてみてください。以下にその手順・考え方を解説していきます。

  1. まずは簡単で構わないので、2年間での賃料収入の合計がいくらになり、(*ローンが残っているならば)月々の返済とその他の支払総額(*マンションなら管理費・修繕積立金、固定資産税、修繕費用など)を算出してください。収入から支払額を差し引くことで、物件の収益力が把握できるはずです。
  2. 手取りはおろか、持ち出しが生じているようならば、売却を考えてみても良いでしょう。また、利益がプラスだったとしたら、かけた労力に応じたものとなっているかを冷静に考えてみましょう。「あれだけ動いてたったこれだけ!?」ということもあるかもしれません。
  3. 2年間で得られる利益がどのくらい持ち続けることで、その時点で売却した価格に追いつくかを考えてみましょう。例えば2年間の単純利益が100万だとしたら、その時点の査定価格が3,000万だとすると、30年持ち続けることでイコールになるということです。その期間をどう考えるかということです。

もちろん、2年以上住み続ける入居者もいれば試算も変わってきますし、設備の修繕でより費用がかかるかもしれません。現時点で売却できる価格が今後長期に渡って維持されるとも限りません。ざっくりではありますが、こうした試算を行うことである程度の判断を付けることができるのではないでしょうか?

駅から遠い物件の現状

売った方が・・・

コンサルティングをしていると、相談者にはそうした認識(*売る気がない)が全くないのに「これは売った方が良いよな~」と思う物件があります。色々なパターンの時があるので、一概に「こういうケースで!」と断定することはできませんが、あえてひとつあげるとするとそれは「駅から(中途半端に)遠い物件」です(*もちろん例外はあります)

不動産の良し悪しを左右する

大原則ですが、「駅からの距離」というのは、不動産の良し悪しを判断する要素の中でも非常に大きなウェイトを占めます。以前は「駅から近いけどその分狭い、古い。逆に遠いけど新しくて広い」といったある程度のすみわけが出来ていました。

しかし、借り手市場の現在、駅近物件との賃料格差がだいぶ小さくなってきています。わざわざ駅から離れなくても、そこそこ広くて新しい満足できる駅近の物件を見つけることができるようになりました。そのような物件にかなりの数のお客さんが取られてしまっているのが現状なのです。駅から遠い物件が、そうした駅近物件に競合して勝ち残っていくためには、金額勝負しかなくなってきているのです。はっきりいうと消耗戦です。

その他にも「売った方がいいなあ」と思う理由はあります。

入居者の心境は・・・

仮に入居者が見つかったとしても、長期的に借りてくれる可能性が高いとは言えません。なぜなら、入居者は生活することで、駅までの道のりを実際に体感します。最初見たときは「この位の距離なんてことない」と思っていたとしても、それが毎日になると話が違ってきます。仕事に疲れてやっと駅についてそこから歩いて15分となると・・・「次引っ越すときにはもう少し近い物件を・・・」との思いを募らせてもおかしくないからです。そして更新を機に退去してしまうのです。

オーナーとしては中々入居者が入らずに、ようやく決まってホッと一息ついたのもつかの間!2年足らずで退去となるとメンテナンス費用もかかりますし、またすぐに新しい入居者を探さないといけません。これではオーナーが疲れてしまいます。

親から譲り受けた物件だったり、既にローンがなくなっている物件ならばまだ良いでしょう。ただ、家賃収入でローンの支払いをまかなっているのならば、入居者が決まらないのは自分の懐からお金が出ていくということで死活問題です。これがもう一つの理由です。

傾向と対策

ローンの残額以上の価格で売却することが可能という前提となりますが、こうしたケースの時に私が良く行う提案が、賃貸の募集に出しながら、売却も行うという並行活動です。もちろんこの方法は駅から遠い物件に限っての話ではありません。

オーナーにはどちらに転んでも良いように納得して頂く必要はありますが、時間をかけた結果、「やっぱり売ることにする」「やっぱり人に貸す」といった時間的なロスをなくすことにもなるのです。いずれにせよ、オーナーにとってはどちらに転んでも良い結果となるため、メリットは大きいです。

もちろん、駅から遠いという物件であっても、やりようはいくらでもあります。なので、「駅から遠いと売った方がいいんだ・・・」と悲観する必要はまったくありません。人間と同じで、要するにその人(物件)の個性に合ったやりかたが必要というだけです。

土地活用・不動産活用の傾向と対策

土地活用と言うならばアパート・マンション経営、駐車場経営が真っ先に思い浮かびましたが、価値観が多様化した現在は、様々な選択肢が存在します。土地・不動産所有者にとっては、選択の幅が広がって良いことなのかもしれませんが、選択肢が増えすぎたために「検討・選択しにくい」という声も多く聞きます。なにを選ぶにせよ、各選択肢のメリット・デメリットを充分理解してから行動に移すことが必要です。主要だと思う活用方法を以下に見ていきましょう。

■アパート、マンション経営

土地活用・不動産活用と言うと真っ先に頭に浮かぶのがこれです。ただ、今までのように、ハウスメーカーや工務店の言いなりで建築してしまうのは危険です。「○○年一括借り上げ」などとCMで大々的にうたっているので、

「長きにわたって面倒を見てもらえて安心だわ」

と、どこか他人任せの甘い見通しでは絶対に成功しません。価値観の多様化、少子高齢化で人口が減っていく今の時代、なにもかも放り投げ片手間でアパートやマンション運営していけるほど簡単ではありません。

今はどの地域でも「部屋あまり」の状態が続く、完全な借り手市場です。世にある賃貸物件すべてがライバルで、競合商品となります。その苛烈な競争の中で入居者に選択してもらうためには、どこにでもある物件ではいけません。頭一つ抜け出すような、大きな「武器」であり特徴が物件自体に必要となります。例えば以下に挙げるような特徴を持った物件の出現は、現代の消費者ニーズを反映してのものです。

ペットとの共生マンション

ペットと一緒に暮らすことを目的にしたアパート・マンションです。ワンちゃん・猫ちゃんと暮らすライフスタイルが当たり前となったこともあり、ペット好きを多くひきつけています。共用部分にワンちゃんの洗い場があり、入居者同士のコミュニティが作りやすいのも特徴です。さらに1階部分に動物病院やトリミングサロンなどを積極的に誘致しているところもあります。動物好きなら一度は住んでみたいと思いますよね。

オトコのお城!ガレージハウス

男性の趣味にスポットを当てたものです。車やバイクなどを置くガレージが1階にあり、そこから居住部分に行ける。常に自分の愛車を眺めていたいと願う、男性向けの物件です。

一生賃貸!ニーズを満たす「戸建賃貸」

主にファミリー向けの賃貸物件です。「結婚後しばらくは賃貸。子供が生まれたのをきっかけに駅前のマンションを。子供の手が離れたころ、駅から少し歩く場所に庭付き一戸建て・・・」という、一昔前の人が当たり前のように考えていた「不動産すごろく」が、様々なニーズによって当たり前ではなくなってきています。

「一生賃貸で暮らす」

と考える世帯も増えてきていますが、そうした要求に耐えうるファミリー向けの物件の供給が進んでいません。あってもほとんどがマンション。そうした背景から生まれてきた戸建て賃貸という形態も、人気を集めています。

■社会貢献活動にも。高齢者専用賃貸

人口の半分が高齢者になるとされている超高齢化社会を控え、高齢者が快適に住むことが出来る賃貸住宅が圧倒的に不足しています。オーナーの負担で、介護施設付の建物を建築し、運営事業者が日々の運営管理を行う・・・という事業形態が主流です。入居待ちが続く老人ホームや、入居時に何千万単位の費用が発生する介護付き有料老人ホーム以外の受け入れ先として、今後こうした形態の建物はどんどん増えてくるはずです。

■差別化はやはり必要、駐車場経営

「とりあえず駐車場にでもしておこう」

若者の車離れが進んでいるため、車自体の数が減っています。それが原因か、駐車場が全く埋まらず、土地の固定資産税分ももたらさない不良資産となっているところが都内でも多いです。確かに初期費用は掛からないかもしれませんが、まずはそのエリアにおいて駐車場の需要があるのかどうかの市場調査が必要です。周辺に駐車場が多数あり、空がないようであれば需要は十分あると思われます。

ただ、多数駐車場が存在し需要があったとしても、それらライバルを押しのけて選んでもらうための努力が必要なのは前述のアパート・マンション経営と同じです。たかが駐車場とはいえ、例えば、

  • スペースに余裕があり駐車しやすい
  • 車を雨ざらしにしないための簡易的な屋根がついている
  • どこよりも安い

など、他にはない抜きんでた「武器」はもっておくべきです。

車通りが活発なエリアやビジネス街であれば、通常の月極めではなく、コインパーキング業者に一括して貸すことも選択肢の一つしてあります。場所によっては月極めで個人に貸すより、高い金額で借りてくれる可能性もあります。駐車場が利用されてもされなくても、常に一定の収入があるので、リスクはありません。

最近では月極めやコインパーキングの「上」の空間を有効活用しようと考えている会社も増えてきています。鉄骨で駐車場の上に足場を組み、その上に屋上緑化の技術を利用して公共スペースを作ります。そこにちょっとした屋台やカフェスペースなどを設置しようというものです。住宅街にある駐車場では、近隣住民からの反対なども予想されるので難しいかもしれません。しかし、オフィス街の大規模駐車場には今後増えてくるかもしれません。

ただ、駐車場にしておくと土地の相続税評価額が高くなるので、その辺りを含めて考える必要があります。

■使い道がなかった土地が一転!?太陽光パネル

東日本大震災以後、電力供給の一つの方法として、太陽光発電などの自然エネルギーが脚光を浴びていることは周知の事実です。地方都市の野放しにされている広大な土地に、太陽光パネルを設置、売電することで収益を上げる活用方法が現れてきています。

アパート・マンションの賃貸収入のように大きな収益を期待することはできませんが、太陽の光が一定時間当たる場所であれば、設置費用も安いため低リスクで土地の活用をすることができます。使い道がなかった広大な土地が収益をもたらす「資産」に化ける可能性も。なによりも天然エネルギーを利用して電力を供給し、社会貢献をしているという行為に大きな意味を見出す人も多いのではないでしょうか。

■社会にどれだけ貢献できるのか?

上記の高齢者専用賃貸にしろ太陽光パネルにせよ、今後の土地活用を考えるうえでの大きなヒントになる気がします。自己の利益の為に土地を活用する時代は終焉を迎え、

「他人や社会のためにどのように自己の資産を活用することができるのか?」

を考えることが、土地という資産を持つ人にとっての今後大きな役割になってくるのではないかと予想します。

賃貸住宅を建築するその前に

賃貸併用住宅を勧めている、とある大手ハウスメーカーの広告が目に付きました。

 「どれどれ、どんなプランなのかな」

と思ってみたらこんな間取りでした。

「おいおい、これはないんじゃないか!?」

というのが第一印象です。

3.3畳の洋室って見たことありますか?

ベッドを入れたら後は何にも入りません。しかもこの間取りはリビングが広く取られていることから、結婚したばかりのご夫婦など、2人入居をターゲットにしていると思います。3.3畳には当然ダブルベッドなんか入りません。つまりターゲットと間取りがアンバランス、チグハグなんです。

建物を提案するメーカー的には、部屋数が入るプランを作れば、(机上の)オーナーの収益はあがるので提案書の見栄えは良くなります。しかし、建ててみたはいいけど、決まらなかったらオーナーさんが期待したその収益も、絵に書いた餅でしかありません。昔から賃貸経営をやってこられたオーナーさんでも、3.3畳の広さを感覚的に掴んでいる方はほとんどいないでしょう。

「大手のハウスメーカーだから大丈夫、安心、変なことはしない。」

確かにその通りかもしれません。可もなく不可もない、万人受けするしっかりした建物は出来ますし、つぶれてしまう心配もありません(*絶対ではありませんが)から、アフターメンテナンスも安心です。しかし、ハウスメーカーや工務店は「建物を作るプロ」であり、入居者のニーズと照らし合わせ、最適な間取りをプランニング出来る「入居者ニーズに沿った建物を提供できるプロ」ではありません。

ハウスメーカーの目的は自社施工の住宅を売ることです。そのメーカーにとって都合の良いプランになっているという意識は少なからず持っていたほうが良いでしょう。ハウスメーカーの提案を鵜呑みにはせず、地域の不動産会社や実際にお部屋を探している知人の意見などを聞いてみるべきだと思います。

そのエリアにおいて多く存在するお客さんの層(*単身なのかDINKSなのか子どもがいるご家族なのか)、また、その人たちが求めている間取りや設備などの入居者ニーズをつかんでいるのは、日々様々なお客さんの要求を聞き出し、物件を紹介している不動産会社です。彼らは決まりやすい間取りや設備はもちろん、「なぜ決まらないのか?その理由と原因」も知っています。

「ここの間取りはこうすべきですよ」
「こうした設備をつけるとお客さんが喜びますよ」
「この間取りは今ほとんど需要がありませんよ」

など、日々入居希望者からの条件を吸い上げて、オーナーさんにご提案、助言できることが不動産会社のなによりの強み・売りであり、それがなによりの存在価値です。物件が存続する限り、今後何十年とタッグを組んでいくことになるのが不動産会社です。自社の都合によってではなく、客観的な立場で提案してくれる不動産会社を、じっくり慎重に検討することが何より大切です。

事業主としての意識を持つ

所有している土地を利用して、収益を上げようとするわけですから、それはもう事業であり「賃貸業」というビジネスオーナーです。オーナーは「事業主になる」という意識を強く持つ必要があります。

「駐車場をオープンすれば不労所得が入ってくる」
「アパート、マンションを建てれば手軽にサイドビジネスが始められる」

という簡単なものではなく、事業を成り立たせるための「商品」ができただけです。その「商品」を活用してお客さんにサービスを提供し、その対価として報酬(賃料収入)があるのです。

「貸してやってる」

という一昔前のオーナーさんが上から目線で意識でふんぞり返ってできる事業ではなく、いまや顧客の厳しい目にさらされるサービス業なのです。昔の感覚や意識で、事業やお客さんに向き合っていくと事業は必ず行き詰ります。ただ建てるだけではダメ!その後の運用が成功のカギを握るといっても過言ではありません。

賃貸業における最大のリスクは空室であり、それはいわば不良資産です。入居して頂いてからも、気持ちよく住んでもらえるよう、日々のメンテナンスをしっかり行うこともサービスの一つです。

「釣った魚に餌をやらない」

のではなく、

「釣った魚にこそ」

精一杯のサービスを行い長く住んでもらえるよう様々な施策を施すことが、空室リスクを減らす唯一の手段なのです。

・・・ちなみに余談ですが。私が3.3畳の広さを感じることが出来るのは、日々物件を見ているからというのもあります。しかしなにより実感として持っているのが、実家の弟の部屋が3.5畳だったからです(笑)ソファベッドと小さめの机を置いたらそれでおしまい!設計上はあくまでも、「納戸」扱いでした。

年功序列で弟に半ば「強引に」あてがわれた部屋ではありましたが、秘密基地のようで楽しそうでした。そういう部屋を「あえて」欲しいのであれば、こうした間取りも良いかもしれませんね(笑)

空室対策には差別化が必要

私ごとで恐縮ですが、投資用のワンルームマンションを一つ所有しています。前の会社にいた時に不動産投資を思い立ち、勢いに任せて立地も確認せず、利回りだけを参考に購入致しました(今だったら絶対そんな無茶な買い方はしません)。

  • 風呂、トイレ別
  • 25㎡以上の広さ
  • 東京都内

諸説あると思いますが、利回り以上に上記3点が、投資用ワンルームマンションを選ぶ上では重要なポイントです。それに反して、私の購入したマンションはと言うと・・・

  • 3点ユニット
  • 16㎡強の狭小
  • 横浜市郊外

今の賃貸需要を一切満たしておりません。しかし買ってしまったことをどうこう言っても仕方がありません。大切な資産の一つとして、日々手をかけているのです。そんな我がマンションですが、購入当初から入居していた方が退去したことがあります。

「多少金額を下げれば程なく決まるだろう」

と楽観的に考えておりました。しかし予想に反して半年近く決まらず、月々のローンが家計をむしばんでいきました。賃貸市場が一番にぎわうと言われている3月末に、賃料を大幅に下げて駆け込みでどうにかこうにか決まったのですが・・・。ところがホッとしたのも束の間、さんざん苦労してようやく決まった入居者が、更新もせずわずか2年弱で退去してしまったのです。

「またか・・・」

半年もの間、家賃が入ってこず、返済だけが続くヒリヒリした感覚を思い出しました。

「何か手を施さなければ前回の二の舞になる!」

と考えた私は、新しい入居者を募集するにあたり、ちょっとしたリフォームを行うことにしたのです。もちろん、大幅なリノベーションなど行う資金的な余裕はありません。総額で賃料3か月分くらいの費用でした。3か月間、空室になるよりは・・・と考えての出費です。

 

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浴槽に大きな鏡を設置

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シャワーヘッドや蛇口をグレード感のあるメタル調に変更

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ダウンライト設置

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壁の一部をアクセントクロスに貼り替え

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手触りの良いアンティーク調のフローリングに変更

 

上記のような内容の工事で、決して大がかりなものではありませんでした。

ところが工事も終了し、募集の準備をしていたところ、なんと!わずか数週間であっさり決まってしまったのです!前回は決まるまでに半年近くかかったというのに・・・。勝因は他物件との差別化が効いたこと、つまり同じ価格帯の物件にはない「ちょっとしたデザイン」をアピールポイントとしたことです。これにつきます。多少はお金もかかりましたが、その分早く決まってくれたので、持ち出しはすぐに回収できたのです。

賃貸経営を甘く考えていた私は、実地でオーナー業の厳しさを学ぶことができました。そのような経験もあるので、安易に賃貸経営を始めたいというお客さまには、厳しいことを申し上げることが多々あります。

今や賃貸は借り手市場です。賃料を相場より多少下げたところで、お客さまは振り向いてくれません。物件自体の賃料もそうですが、他の物件にはない「キラリ」と光るなにかが必要なのです。つまり他との差別化が重要だということです。

「でも差別化するほどお金はかけられないし・・・」

とお考えのオーナーさんもいますが、お金をかけるだけが必ずしも差別化につながるという訳ではありません。多大な費用をかけなくても差別化は図れますし、逆にオーナーの自己満足で大きな費用をかけたとしても、費用対効果が合わないことも多々あります。他との差別化が出来るのならば、ほんのちょっとしたことでも良いのです。

売却でも賃貸にも言えることですが、今のご時世、競合物件はたくさんありますし、インターネットを使えば恐らくいつまでも物件を探すことが出来る状況です。消費者の目は厳しくなる一方なのです。その中で選ばれる「オンリーワン」になるためには、その他大勢から抜け出さなくてはなりません。相場価格に物件をさらしておけば、いずれは決まった時代はもはや過去の話です。他が相場で並んでいる中で、頭一つ二つ突出することが出来れば、必ず選ばれます。今回のように、頭一つ抜け出すのに大きな費用は必要ありません。

  • 室内の状態をアピールポイントとするのか?
  • (どこよりも安い)金額で頭一つ抜け出すのか?
  • はたまた違った視点で強みを作り出すのか?

上記のような考え方を現在売却中の売り手、お部屋を募集中のオーナーは検討しなければいけませんし、取引に携わる不動産業者はそういう視点でアドバイスすることが、求められているのです。

→→→ 空室対策のご相談はこちらから。相談は無料です

人気エリアの店舗オーナーが考えなければいけないこと

例えば当社からも近い自由が丘駅。

「人気の街」

「住みたい街」

「おしゃれな街」

と言われる自由が丘でも、現在募集中の店舗や、ひっきりなしにお店が入れ替わる所がたくさんあります。なかなか地域に根付いたお店が出てきていないように思えます。

「自由が丘に店を出せばなんとかなる」

と、甘い見通して出店した、特に見るべきものがないお店であれば当然の結果です。人気の街だからこそ、そこに集まる人の評価は厳しいですから。しかし、原因はそれだけではないような気がしてます。その一つして賃料の高さがあります。自由が丘周辺の店舗物件を良く目にしますが、「いったいどんなお店を出せば、商売として成り立つのだろう?」と頭をひねってしまうほど、目が飛び出るほど賃料が高いです。確かに周辺の募集状況や成約した情報を元にすると、いわゆる「相場通り」なんでしょうが、

「長く商売をしていけるような賃料なのか?」

と聞かれると、そうではないと思います。

ポッと商売を始めることは出来ますが、営業していくだけで、良くてトントンの賃料です。5年10年と地域に密着したお店を作っていくのは正直難しいのではないかと感じます。現に個人オーナーが経営するお店の入れ替わりは、想像以上に早いです。となると、そのようなエリアに参入出来るのは、資本力のある大手チェーンだけになります。

「自由が丘に店舗がある」

という広告効果を狙ったものですから、例え売り上げが赤字だとしても、採算度外視で事業を考えることが出来るのでしょう。大手の一番の強みです。もちろん大手が悪いと言いたいわけではありません。個性的な個人経営のお店がなくなってしまえば、そこにはどこにでもある見慣れた街の一つとなってしまいます。地域の特性がなくなってしまうのです。

人気エリアですから、多少賃料が高くても借り手が見つかるので、あえて借りやすい賃料にするお人よしなオーナーさんはいません。しかし、評判の良い店が長く続くのが、その街や物件にとって本当に良いことで、本来地元オーナーなんかはその辺りを考えて、賃料を決めていくべきです。経済合理性を考えて、店舗オーナーが、

「なんで借り手のことまで考えて賃料を決めなければならないんだ!?」

と言われてしまえばそれまでです。しかし、そうしたことをいち早く考えていける不動産オーナーこそ、供給過多の現状を乗り越えていけるのだと思います。資産を持つものこそが、そうしたことを考える責務を負っているのでは、と思います。地域住民が統一感のある建築物を建てて、住環境を守ろう決める建築協定や、マンション全体を、所有者全員で維持・管理していこうという考えと基本は同じだと思います。

オーナーさんから反発の声がありそうですが、そうした人たちこそ、より良い地域環境を維持・向上させるために、旗振り役になってもらいたいものです。

賃貸併用住宅のススメ

自宅と賃貸用の部屋が一つになった住宅のことをいいます。敷地内に自分の家族以外の住人がいることになるので、嫌がる人は当然いると思いますが、デメリットを理解した上で、割り切ってしまえばなかなかのメリットを享受することができます。

金融機関で融資を受けるのであれば、入居者が決まれば、月々の返済金額が大幅に減りますし、プランによっては利益が出ることさえあります。それを原資に、ある程度まとまったお金を毎年作って繰り上げ返済を行えば、早々に返済できる可能性もあります。

融資の条件は銀行によって違ってきます。建物面積の3分の1は住宅でなければいけないとか、想定賃料の7割まで、年収に加算できるとか色々です。もちろんデメリットもあります。

  1. 通常の住宅ローンよりも金利が高い
  2. 完成直後は賃料収入を期待できない
  3. 人に貸す以上、立地の難易度は上がる
  4. 貸主としての責任も発生

などが挙げられます。

賃貸併用住宅を建てれば万事オーケーと言う訳ではありません。今のお客さんニーズを備えた間取りや設備、適正な賃料から返済計画を良く検討しないといけません。思いつきで進めて良いものではありません。しかし資産形成の一つの手段として、検討の価値は非常にあると思います。

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