住宅ローン

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

住宅ローン利用時の決済は、融資を受ける金融機関の最寄りの支店で行うことがほとんどです。仲介業者や登記を担当する司法書士は慣れてますが、買い手・売り手双方にとっては初めてのことで戸惑うかもしれません。なんてことはないのですが、決済当日の流れは以下の通りです。

 

売主の本人確認(書類の確認)

売主持参の登記識別情報(*権利証)、印鑑証明書、写真付きの身分証明書、評価証明書(*通常、仲介業者が準備)などを回収し、

「売主が今回売却する物件の所有者である」

ことの確認を司法書士が行います。確認を怠り、取引には全く関係ない、第三者の不動産の所有権を移転したとあっては、司法書士の責任となってしまいます。細心の注意で行われます。万が一書類に不備があったとしたら(*例え忘れ物だとしても)、書類が揃わない限り先には進めません。

司法書士の委任状に買主の署名・捺印

買主に代わって司法書士が所有権移転登記を行います。司法書士には

「売主から買主への所有権移転登記手続きを行う」

旨の代理権を与えなければなりません。所有権移転登記に伴う委任状に、売主・買主が署名・押印を行います。

振込伝票などの記入

本人確認と委任状への署名・捺印が済めば、買主は支払明細に基づき、振込伝票や支払伝票への記入を行います。通常、買主側の仲介業者がサポートします。支払伝票には、買主の口座届け出印の押印が必要です。

融資実行

振込伝票、支払伝票が用意できれば、いよいよ融資実行となります。伝票と併せて、買主の通帳と身分証明書を添えて、融資担当者へ渡します。振り込みが完了するまで早ければ10分、20分。金融機関が混んでいると、1時間2時間かかることもあります。

支払い、着金確認

振込みが完了すると、振込伝票の写しと、支払伝票に基づいた現金が運ばれてきます。売主の口座へ着金したのを確認できれば、売主は物件のカギを渡し売買代金の領収書を発行します。また、買主は支払い伝票に基づいて出金された現金で支払い(*仲介手数料や登記費用)を済ませ、取引完了となります。

まとめ

住宅ローン利用時の決済当日の流れについての記事でしたが、いかがだったでしょうか?終わってみるとなんてことないただの流れ作業にすぎません。しかし、不動産売買のクライマックスであり、事前準備や段取りでスムーズにすすむケースもあれば、ドタバタで終わるケースもあります。

後になって、

「結局最後みんなで集まったのはなんだったんだ?」

と、ことの重要性を認識していなかったとしても、なんら影響はありませんが、最後の最後ですからできれば思い出の残るものにしておきたいですよね。そのためにも、予め決済当日の流れをざっくりでも知っておくことはよいのではないでしょうか。

住宅ローン利用時の決済について

金消契約が終われば、次はいよいよ融資実行日、つまり不動産の決済日(引き渡し日)です。不動産売買的には

  • 引き渡し日
  • 決済
  • 本契約

は全て同じ意味です。

 

決済とは何をする日か?

決済とは

  • 残代金の支払い
  • 仲介手数料など諸経費の支払い
  • 所有権移転登記に必要な書類への署名・押印
  • 固定資産税精算
  • (マンションであれば)管理費・修繕積立金の精算
  • 鍵の引き渡し

を行います。実際に何千万もの現金を目にすることはないですが、不動産売買のクライマックスです。

売主の持ち物

  • 印鑑証明書
  • 登記識別情報(*昔でいう権利証)
  • 身分証明書
  • 振込先の分かるもの

上記が基本的な持ち物で、その他物件の種別(マンション、土地、戸建て)によって、引き渡すものや書類が増えます。

買主の持ち物

  • 認印(実印でなくても可)
  • 通帳
  • 通帳印
  • 身分証明書

出席者は?

  • 売主
  • 買主
  • 仲介業者
  • 金融機関の融資担当者
  • 司法書士

決済場所は?

融資を受ける金融機関です。通常は最寄りの支店で行うことが多いです。

何時から?所要時間はどのくらい?

金融機関営業日である平日の、遅くとも13時までに行うことがほとんどです。所要時間は平均して1時間前後見ておけば問題ありませんが、5日と10日、25日など「5」や「10」などが付くいわゆる「ゴトー日(*含む15日、25日など)」は金融機関が混雑するため、手続き完了までにかなり時間がかかることもあります。月末や年末、年度末は出来るだけ避けましょう。

決済の注意点

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売主・買主含めて、スケジュール調整が重要です。仕事などの調整をつけ、全員がその日のために日程を合わせます。

しかし、これだけ調整したところで、売主・買主に何か一つでも忘れ物があると、その場で決済はできず、全員の予定を再調整の上、仕切り直しとなってしまいます。

まとめ

住宅ローン利用時の決済についてまとめた記事でしたが、いかがだったでしょうか?新人の頃、最も理解できなかったのが決済のお金の流れです。

「売主が支払うお金」「買主が支払うお金」を互いに相殺したり、残代金の一部を諸経費にあてたりするので、お金の流れが分かりづらかったのです。冷静になって考えればなんてことないのですが、不動産取引のクライマックスということもあり、舞い上がってしまうのも理由の一つです。

不慣れな新人とはいえ、日常的に決済を行う仲介業者もこんな感じなので、当日(*事前に説明することも)お金の流れを説明されて即座に理解できる人はあまりいないと思います。

実際、払うお金が増えたり減ったりするミスを犯すことはないので、理解できなかったとしてもなんら問題はないのですが、分かりづらいのは確かです。なんとも気持ち悪いと感じるようなら、決済当日ではなく、事前に解説してもらうようにしましょう。

住宅ローン本審査通過後の金消契約について

売買契約後、金融機関に本申込みを行い、正式に融資が決定したとします。次のステップは、金銭消費貸借契約、略して「金消契約」です。今回は金消契約について解説していきます。

 

金銭消費貸借契約とは?

金消契約とは、金融機関とお金を借りる契約を交わすことをいいます。金消契約時までに、

を決めておく必要があります。金消契約時に、金融機関の担当者から改めて、上記4点の詳しい説明を受けます。内容に問題がなければ、署名・押印となります。

火災保険等のご案内

金消契約時には火災保険についての説明を受けます(【関連記事】住宅ローン利用時は火災保険加入が必須)。金融機関から提示される火災保険のプランにそのまま加入しても特段問題ありません。しかし、希望に合ったオーダーメイドの内容というわけではなく、あくまでも最低限の内容の保険内容です。

仲介をした不動産会社でも火災保険を扱える場合もありますし、知り合いに損害保険会社の知り合いがいるなら、事前に見積もりを依頼しておき、比較検討するのが良いでしょう。

金消契約時に準備するもの

金消契約時に準備するもの以下の通りです。

  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 実印
  • 預金通帳
  • 通帳届出印
  • 本人確認資料
  • 健康保険証
  • 売買契約書
  • 手付金の領収書
  • 収入印紙

上記は一般的なもので、新たに建築する際やリフォーム・リノベーションする場合の費用も借りる場合は、工事請負契約書など別途準備する必要があります。

注意事項

金消契約が済めばいつでも融資が実行できるということではありません。通常、金消契約から中2,3営業日を空ける必要がありますが、金融機関によって異なります。金消契約は金融機関の営業日しか行えません。当然、土日は行っていないのでご注意ください。いずれにせよ余裕を持ったスケジューリングが必要です。

また、金消契約日と決済日は通常、同じ月内で行いますが、タイミング的に金消契約が8月、決済が9月というように月をまたいでしまうこともあります。その際、どちらの月の金利が適用されるかというと、融資実行日である9月です。金利が8月と9月、同一であれば問題ありませんが、9月の金利が8月より上昇してしまうと、上昇した金利で融資が実行されてしまいます。ご注意ください。

まとめ

以上、金消契約について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?融資の契約も交わすこともできたので、不動産の購入も、ここまでくればあとはクライマックスの決済を迎えるのみ。金融機関としては、融資するにあたっての事務作業なので、淡々と進んでいきますが、借り手にとっては人生にそう何度もあることではありません。不明な点があればどんどん質問するようにしましょう。

住宅ローンの本審査に落ちたらどうなる?

売買契約後、融資の本審査(*=本申し込み)を行います。事前審査を行ったうえで契約締結しているわけですから、通常であれば問題なく通ります。

しかし、事前審査に通れば100%本審査が通るのかといえば、決してそうではありません。少ない可能性ですが、否決になってしまう可能性もあります。万が一、否決になってしまった場合、売買契約はどうなってしまうのでしょうか?今回はそんな誰もが避けた事態についての解説です。

 

本審査が落ちる理由は?

事前審査が通っているにも関わらず、本審査で落ちてしまうのはイレギュラーなケースです。落ちる理由として

主なものとして上記2点が考えられます。住宅ローンを利用するためには、団体信用生命保険加入が条件となります(*フラット35は任意)。「生命保険」とある通り、基本は保険です。申し込むにあたり、現在の健康状態や過去の病歴、手術歴、既往症、継続的に服用している薬など、告知を行わなければなりません。それが原因で落ちてしまう場合。

もう一つは、事前審査通過にすっかり安心してしまい、新規に借り入れをしてしまった場合などです。

売買契約は白紙解約が一般的

「融資が万が一否決となった場合、その契約は白紙解約となる」

といった内容の特約が、通常の売買契約には付いています。これを

「ローン特約」

と言います。白紙解約なので、文字通り契約自体そもそもなかったとみなされます。支払っていた手付金や、仲介業者に支払い済みの仲介手数料は返金され、ペナルティもありません。売り手にとってはたまったものじゃないですが、契約に費やした時間と労力はさておき、買い手に物理的ダメージはありません。

不動産の売買契約時には、売買契約書と重要事項説明書、二つの重要書類がありますが、その両方にローン特約についての記載があります。契約書の裏面には、細かい約款で条項が書かれていますが、両書面ともに、ローンが出なかった場合の措置については、表面の見逃すはずがない箇所に記載があります。

ローン特約に期限がある理由

しかし、いつまでもローン特約による白紙解約が認められているわけではありません。例えば引き渡し予定日(*=決済)前日に、

「ローンが出ないから白紙解約したい」

と言われても、引き渡すつもりでいた準備していた売り手にとって、

「はいそうですか」

と言えるはずありません。当然、ローン特約が適用される日程の期限があります。ローン特約による白紙解約が認められるのは、

決められた期日までにローンが否決された場合のみ

です。決められた期限にローン可否を取ることができなければ、ローン特約による白紙解約は認められず、買い手都合の解除とみなされ、一転、違約解除とされペナルティも発生してしまいます。

まとめ

「住宅ローンの本審査に落ちたらどうなる?」

について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

  • 事前審査に通っていれば基本は本審査も通る
  • ローン特約があるので万が一否決されてもダメージはない
  • ローン特約による白紙解除が認められる期限がある

万が一のためのローン特約ですから、万が一の時にもちゃんと適用されるよう、契約締結後には早々に金融機関の本申し込み手続きは行っておくことをお勧めします。

住宅ローンの本審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査(*住宅ローンの事前審査とは?
  2. 本審査

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は事前審査後に行う本審査について解説していきます。

 

住宅ローンの本審査とは?

事前審査が通過し、無事売買契約が済めば、次は融資の本申込みです。通常、契約から決済までは、売主・買主の引き渡し希望日に特殊な事情がなければ、1か月から長くても1か月半となることが通常です。

1か月もあるので、時間があるように思えますが、意外にそうではありません。印鑑証明書や課税証明書など、行政で取得しなければならない書類があり、融資承認を取らなければいけない期日もあります。いつまででもよいというわけではないのです。意外にのんびりしている暇はありません。

  1. 物件を内見
  2. 購入物件が決まり仲介業者を通して売主と条件交渉
  3. 事前審査
  4. 売買契約

と、バタバタしてきたでしょうから、ホッと一息付きたくなる気持ちは十分わかります。しかし、そのままの勢いで、一気に動いてさっさとローンの承認を取ってしまった方が、結果的に楽です。

本申込み時に必要な書類

融資本申込み時に必要な書類は次の通りです。下記は一般的なもので、借入希望者の内容によって、若干の差異はあります。

住民票や印鑑証明書は、金融機関とのお金を借りる契約である

金銭消費貸借契約

時にも必要となります。まとめて取ってしまえれば手間が一度で済んで楽なのですが、金銭消費貸借契約時には、通常新住所での住民票、印鑑証明書が必要です。ですから別々に取得しなければなりません。

事前審査の金額を減らしても大丈夫

5,000万融資希望の事前審査の内諾を取ったからといって、本審査の際、必ず5,000万の融資を申し込まなければならないわけではありません。返済計画が変わり、借入金を500万減らして、4,500万の融資で本申込みを行っても、内諾を取った5,000万の枠内であれば、減額する分にはなんら問題ありません。ところが、

「返済計画が狂ってしまって、追加であと300万追加して、5,300万で申し込みたい」

となると話は違ってきます。その際には、事前審査から改めて申し込みしなおさなくてはなりません。返済計画がまだ固まり切っていないのであれば、実際に借りる・借りないは別にして、希望融資額より少し多めに事前審査を通しておくのが良いでしょう。

まとめ

住宅ローンの本審査についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?基本的には事前審査を通しておけば、審査通過後に新規の借り入れを行うなどしなければ、そのまますんなり通るのが通常です。我々不動産会社も、事前審査が通るまでは、購入申込書を書いてもらっていても安心できませんが、事前審査が通過し、契約日が設定できれば、ひとまずは安心です。

ただ、健康状態などを聞かれる団体信用生命保険の内容によっては、否決になる可能性もあります。事前審査の段階では、借入希望者の健康状態までは把握しませんし、仲介業者もそこまで聞くことはありません。持病や、継続して服用している薬がある場合。また、大病の経験や直近の手術歴などがある場合は、十分ご注意ください。

住宅ローンの事前審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査
  2. 本審査(*住宅ローンの本審査とは?

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は住宅ローンの事前審査について解説していきます。

 

事前審査とは?

事前審査は仮審査とも呼ばれています。

「住宅ローンを申し込んだ場合、融資可能かどうかを事前に審査する」

といった認識で概ねOKです。

仲介業者が審査に出す金融機関は、ほとんどが

  • 三菱東京UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行

などの大手メガバンクで、その他、お客様の内容によっては横浜銀行やりそな銀行などに事前審査を出します。事前の審査とはいえ、これら金融機関の審査精度は非常に高く、事前審査で通ったものが、本審査で否決になるということは、よほどのことがない限りありません。事前審査の結果が出てくるのも早く、遅くとも2,3営業日後です。

また、Aという物件の事前審査を通した人が、物件Bに変えて再度申し込む際には、最初からやりなおさなくてはいけません。一度通しているとはいえ、直接本審査(*本申し込み)をすることはできません。

事前審査は完全ではない

事前審査で通ったものが、本審査で一転否決されることは、基本的にはあまりないと上記で書きましたが、かといって100%本審査が通るというわけでもありません。

例えば、本審査時には本申込書と一緒に、団体信用生命保険「団信」への申込も行います。一種の生命保険ですから、自身の健康状態や手術歴の告知が必要です。告知事項によっては団信に入れないこともあります。団信加入が必須の金融機関としては、融資をするわけにはいかないため、結果として否決されてしまいます。

また、事前審査の段階ではなかった借り入れが、新規の借り入れ時に発覚した場合は、否決になることもあります。

事前審査時に必要な書類

事前審査時に必要な書類は次の通りです。

  1. 源泉徴収票
  2. 健康保険証の裏表コピー
  3. 免許証などの身分証明書
  4. 仮審査申込書
  5. 同意書

となります。その他、購入する物件の登記簿謄本や公図などの物件資料が必要となりますが、そうした資料は仲介業者が用意してくれます。

事前審査実施のタイミング

契約前に行うことが多いです。しかし、仲介業者や買い手の考え方によって見解は異なりますが、個人的には購入申込書(*買い付け)を出す際には、事前審査の承認を取っておくべきだと思います。

なぜかというと、住宅ローンを利用して購入する場合、審査が通るまでは本当に購入できる人かどうかは分かりません。契約後融資が通らなかった場合、契約締結までに費やした時間や労力は全て無駄になってしまいますし、言いかたを変えるとその間、売り手の物件は塩漬けにされてしまうのです。

そのような売り手側のリスクもあるので、以前は事前審査が通っていなくとも、契約の段取りは出来ることが多かったのですが、最近は審査を通してからでないと、契約日の設定や交渉さえしないところが増えました。

「金額交渉含め、契約の段取りは事前審査が通ってから」

がスタンダードになっています。

審査結果が否決された場合

審査結果が残念ながら否決となった場合、

「今回は総合的判断で」

という理由で断られます。なぜ否決になったかの理由は教えてくれません。仲介業者と融資担当者の関係性によっては、

「他に借り入れはありませんか?」

などと、ぼんやりと聞かされることはあります。他にも

「希望した5,000万は無理だけれど、4,000万なら・・・」

と、条件を変えて回答してくれるところもあり、金融機関によって回答方法は違います。

事前審査の出しすぎに注意

「どこかの金融機関にひっかかればいい」

など、審査が通りにくいと認識している人や、

「一番融資条件の良い金融機関を探しましょう」

など知識のない仲介業者の誤ったすすめなどによって、一度に複数の金融機関に審査を依頼する人がいますが注意が必要です。なぜなら事前審査時に金融機関は、借入希望者の個人信用情報を開示します。個人信用情報には

「金融機関が個人信用情報を開示した」

という履歴が残ります。以前ほどではないですが、個人信用情報の開示履歴がありすぎると、審査にマイナスに働く可能性があるからです。

まとめ

住宅ローンの事前審査についての解説でしたが、いかがだったでしょうか?事前審査は住宅ローンを利用する人は必ず行わなければなりません。契約前、事前審査に出して初めて、自分が融資を受けられるかどうかが分かります。するとそれまで物件探しに費やした時間や労力は全て無駄になってしまいます。

ですからまずは物件を探し始めた初期段階で、仮の物件で事前審査を出して、融資が出るのかどうかを確かめてみるのがいいでしょう。

住宅ローン審査時における個人信用情報について

住宅ローンを利用する際には、融資可否を金融機関にお伺いするわけですが、その際には

「これでもかっ!」

ってほどの個人情報を伝え、金融機関にまさにありえないほど丸裸にされるわけです。そのうちの一つに、個人信用情報というものがあります。今回はその個人信用情報についてです。

 

個人信用情報とは?

金融機関は、融資を決定するにあたり、勤務先や年収以外にも、借り入れ希望者の表立っては出てこない以下のような様々な個人情報を調べます。

  • 過去の借り入れ履歴
  • クレジットカードでの滞納歴
  • 消費者金融の利用履歴
  • 破産歴

こうした情報のことを

「個人信用情報(*略して個信)」

といい、個人信用情報を見る・確認することを、

「個信を開く」

と言います。完全な個人情報なので、第三者が勝手に見ることはできません。金融機関に審査を申し込むときに、

「個人情報の取り扱いに関する規定」

という同意箇所があり、そこに署名・捺印を行うことで、

「本人に替わって個人信用情報を取ることに同意した」

とみなされ、金融機関は融資希望者の個信を開くことができるのです。

金融機関の開示履歴も残る

金融機関が審査をするにあたって、個人信用情報を開示すると、個人信用情報上には、

「どこそこの金融機関が個人信用情報を開示した」

との履歴が残ります。一度に複数の金融機関に融資審査の依頼を行うと、個人信用情報にアクセスが集中するため、審査を依頼した数だけ履歴が残ってしまいます。このような履歴は、審査をする金融機関にとって

「せっそうなく金融機関に審査を依頼している人」

「どこも審査が通らない人」

との印象を残し、審査がマイナスに働くことも以前はあったといいますが、現在の金融機関は、複数の開示履歴があることをさほど気にしないようです。

しかし、例えそうだったとしても、個人信用情報に履歴が残る事実に違いはありません。個人情報という観点からみても、あまり不必要な情報は載せるべきではないでしょう。個人信用情報は、本人であれば有料で取り寄せることができます。過去の借り入れ履歴が融資審査に響きそうだと心配なら、審査を行う前にご自身で個人信用情報を取り寄せてみることをお勧めします。

まとめ

住宅ローン審査時における個人信用情報についての解説でしたが、いかがだったでしょうか?クレジットカード先進国の欧米なんかでは、こうした履歴をとても大事にしているようです。なぜならこうした過去の(*延滞などの事故歴のない)取引履歴の積み重ねが、世間での自分の信用に繋がるからだそうです。

意識が高いという言葉は好きではないですが、欧米の意識の高い人ほど、返済日を遅れるようなことはせず、日々、自分の個人信用情報を磨き上げる、整えることに注力するそうです。

日本ではあまりなじみはないかもしれませんが、個人信用情報が汚いよりは綺麗、ぐちゃぐちゃよりは整っていた方がいいに決まってますし、さらに融資を受ける際にも関係するのならば、常日頃から身を律してそうした欧米の感覚を取り入れた方がいいでしょうね。

住宅ローン、借りられないのはこんなとき

金融機関は融資をするにあたりローンの審査を行います。無事審査に通ればいいのですが、残念ながら否決されることもあります。否決されるのは、

  • 物件が原因
  • 借りる人が原因

上記2つのパターンがあります。

 

物件が原因の場合

建築基準法を満たしていない、または満たさない物件には融資をしてくれない金融機関がほとんどです。例えば再建築不可の物件がこれに当たります。建物を新しく建築するためには、法定上の公道に2m以上接していなければいけません。しかし1.5mしか面していない場合、再建築は出来ません。

その他にも、敷地に対してどの程度の建物を建てていいのかを定めた、容積率建蔽率というものがあります。地域によって数値は異なるのですが、定められた制限をオーバーして建てられている建物は違法建築物扱いとなります。若干の数値オーバーならば取り組んでくれる金融機関はあるにはありますが、あまり期待しないほうが得策です。

再建築不可の物件や、容積率等が制限よりもオーバーしている物件の販売図面には、必ずその旨の表記があります。見落とさないようにしましょう。

また、再建築不可の物件の場合、相場に比べて大幅に安いことがほとんどです。なぜなら新しく家を建てることが出来ない土地を買う人がほとんどいないからです。相場よりもウンと金額を下げないと売れないからです。

借りる人が原因の場合

転職したばかりの人や、派遣社員、パート従業員など、収入が安定しにくい恐れがあると判断された人は否決になります。また、しっかりとした安定収入がある人でも、過去にクレジットカードの返済事故や消費者金融での借り入れ、数年以内に破産した過去がある人なども否決になります。こうした履歴は個人信用情報に登録されていて、金融機関の審査にはこの個人信用情報を見ることも含まれます。

収入に見合っていない不動産を購入しようとしても否決されます。極端な例を挙げると、例えば年収が500万で、1億の物件に全額融資を受けようとしても、金融機関が

「はい、分かりました」

と融資することはありえません。現在の自分の収入で、どれだけの融資を受けられる可能性があるのかを知ることが重要です。

まとめ

住宅ローンが借りられないときについての記事でしたがいかがだったでしょうか?いずれのポイントであったとしても、審査に出す前の段階で分かりますし、余程おバカな仲介業者でないかぎり、教えてくれます。

ただ、今回の記事に挙げたような物件や人が、絶対に住宅ローンを利用することができないかと言ったら、実はそうではありません。一般的な金融機関では取り組まないこのような融資を、積極的に取り組む金融機関もあります。しかし、扱う金融機関としてはリスクもあるため、その分、金利は高くなります。

また、安定収入があったとしても、資本金1億未満の会社経営者や、個人事業主の審査基準は、通常の審査よりも厳しく見られます。社員数名で年収1,000万の中小企業社長より、社員300人、年収500万の中堅企業のサラリーマンの方を、リスクが低いとみて優先的に扱うということです。

住宅ローン返済中の売る・貸すの判断は?

住宅ローン返済中に、転勤等の理由により住み続けることができなくなった場合、売るか貸すかの選択を迫られます。その際どのように判断を付けていけば良いのかを解説していきます。

 

売却査定

まずはいくらであれば売却できるのか、不動産会社に査定を依頼します。その際、8割9割の高い確率で売れる金額を聞くようにしてください。査定価格というのはあくまでも「予想」です。しかし、多くのお客様は車の買取査定と同じように、一番高い金額を出してきた不動産会社が良いと勘違いしています。

それをいいことに、不動産会社は売却の依頼を受けたいがために、売主の希望に沿った、相場的には売れない(であろう)高い査定を行うことがありますので、十分注意してください。

このケースでの査定というのは、

  • 売る
  • 貸す

どちらがベストなのか、間違いのない判断を下すための材料だということを忘れないようにしてください。

残高証明で残債を確認

金融機関からは定期的にローンの残高証明書が送られてきます。それを確認して、査定価格 > 残債ならば売却を検討できます。

査定価格 < 残債の場合の選択肢

査定価格 < 残債ならば売却しただけでは返済できないいわゆる「債務超過状態」です。しかし、売却損を別途用意できるのであれば売却は可能です。

用意できないのであれば、以下の2つの選択肢が残ります。

買い替えをする

転勤場所で新規で住宅を購入する計画があるなら、買い替えローンを検討しましょう。

*残債より高い物件に買い替えるケース

*残債より安い物件に買い替えるケース

ただ、売却物件と買い替え物件が離れていると、通常の買い替えよりもさらにスケジュール管理や調整が難しくなります。

人に貸す

賃貸に出すことで、月の返済がプラスマイナスゼロ、場合によっては賃料収入が得られるかもしれません。ただし、住宅ローンを利用して購入したマイホームを、賃貸に出すとなると事前に金融機関へ告知が必要となりますし、賃貸経営に伴う労力や費用、リスクが生じます。

まとめ

いかがだったでしょうか?まずは査定、これが重要です。とにかく売却してもらうためだけに、どこよりも高い査定をしようとする不動産会社の査定には注意してください。ここを間違えてしまうと、すべての計画が絵に描いた餅になってしまいます。

査定というのは、

「え!?そんなに高く売れるの?」

と、媒介契約を取るためだけの、何の根拠もない耳障りの良い予想以上に高い金額を提示されて、ホクホク顔で一人悦に入ることが良いのではありません。例え

「そんなものでしか売れないのかあ・・・」

と自分が思っていたよりも、安く試算され、落胆したとしても、その時点の本当のマイホーム評価を聞けたことがなによりなのです。

【関連記事】不動産の査定を受けるときの注意点

 

悩むお父さん

住宅ローン返済中に転勤になった場合

融資を利用して自宅を購入したはいいが、その後転勤になってしまい、住めなくなるということもありえます。住宅ローンを組んだ途端、会社の辞令が出て転勤になってしまった人の話を驚くほどよく聞きます。住宅ローンを組んで辞められないようにしてから、辞令を出したのではないかと勘繰りたくなりますが、実際のところはどうなんでしょうね?人事担当者の知り合いがいれば、小一時間ほど問い詰めたい気分です。

いずれにせよ、辞めるわけにもいかず現実的な選択肢としては、

  1. 売るのか?
  2. 貸すのか?
  3. 単身赴任か?

の3点になりますが、仮に2.の「貸す」を選択する場合、注意が必要です。

 

賃貸に出すにも金融機関へ報告が必要

月の返済額より、貸した場合の家賃収入の方が多くなることがあります。入居者が入っている間は収支はプラスですから、これ幸いと賃料収入を期待して賃貸に出してしまう人もいます。

しかし、金融機関には賃貸に出さざるを得なくなった旨を報告しなければなりません。マイホームとして利用するから、金融機関は低金利で融資をしてくれているのです。

賃貸物件を購入するための融資は

「事業用融資」

「アパートローン」

となり、ローンの種類が異なります。ローン種別が異なると、金利などの支払い条件も変更になる可能性があるからです。

金融機関にバレる理由

「そうは言っても、融資した物件に本当に住んでいるのかなんて、金融機関に把握できるはずがない。だから無断で賃貸に出しても大丈夫」

と安易に考える所有者や、

「返済に困ったら賃貸に出せば家賃収入が入ってきますから大丈夫ですよ」

と買ってもらうために、このような信じられないアドバイスをする不動産会社もありますが、残念ながら必ずバレます。なぜなら残高証明書など、金融機関からはさまざまな郵便物が定期的に発行されます。

仮に融資を受けている人とは違う人が住んでいると、宛先不明で書類が発行元(*つまりは金融機関)に戻ってきます。それがきっかけで、住んでいないということが判明してしまうのです。

考えられるペナルティ

ただし、転勤になり、貸し出すことになった旨の通知を事前に行っておけば金融機関も鬼ではありません。金利条件が多少変わる程度で済むかもしれません。

しかし、当初から賃貸に出すつもりで、低金利の住宅ローンを利用したことが判明した場合、悪質とみなされ、場合によっては即時全額返済を求めるなどの厳しい措置を取ろうとする金融機関もあります。住宅ローンはあくまでも、

「マイホーム購入を目的とした融資である」

という前提を忘れないでおけば、誤った行為を慎むことになるでしょう。やむをえず賃貸することになった際には十分注意が必要です。

まとめ

「転勤」が理由で住めなくなった場合にフォーカスした記事となりますが、いずれの場合にせよ、住宅ローンを利用して購入した不動産を賃貸に出す場合には必ず、

「金融機関への確認、連絡」

を怠らないようにしましょう。

住宅ローン返済時の買い替えメリットとデメリット

住宅ローン返済時の買い替えとは?

様々なパターンの買い替えがありますが、ここで解説する買い替えは、

売却価格 < 残債

を想定しています。このケースの買い替えが、最も手続き的に煩雑で、仲介業者の力量が問われる難しい買い替えです。

住宅ローン返済時の買い替えメリット

どのような買い替えを行うかによって、メリットは異なります。以下の二通りが想定できます。まず一つ目。

安めの手ごろな不動産に買い替えることで・・・

  • 借入金の圧縮
  • 月の支払額が軽減

上記2点のメリットが想定できます。次に二つ目のケース。

家族が増えたり、手狭になった際に、今より広い物件に住み替えるケースです。

住宅ローン返済時の買い替えデメリット

デメリットしては、売却と購入、二つの取引を同時進行、同時完了させる必要があるため、単独取引と比べて引き渡し日など制限がかかります。また、購入と売却、どちらを先行させるかによっても異なります。

まとめ

「住宅ローン返済時の買い替えメリットとデメリット」

についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?今回は売却損が出た場合の買い替えでしたが、

売却価格 ≧ 残債

のケースもあります。売却することで残債は完済、もしくは売却益が出るので、取引の複雑さは今回解説した内容とは比べ物になりません。以下の図のようなイメージです。

売った不動産 → 購入した不動産

↑のように、直接移転にこだわらなければ、さらに簡単になります。

売った不動産 → 賃貸 → 購入した不動産

間に賃貸を挟むことで、じっくりと購入物件を探せたり、購入時期を検討することができます。もちろん、賃貸時にかかる家賃や引っ越し代などは、予め考えておかなければなりませんが。

住宅ローン利用時の「オーバーローン」について

購入物件5,000万に対して、5,000万全額借りることを一般的には「フルローン」といいます。また、フルローン以上のことを「オーバーローン」といいます。

 

オーバーローンとは?

5,000万の物件に対し、100%以上の借り入れをすることをオーバーローンと呼びます。ただし、いくらでもオーバーできるかと言ったら、そうではありません。当然のことながら制限があります。

金融機関によって基準は異なりますが、

「物件価格の120%まで」

と決められているところが多いようです。

なぜ購入金額以上を借りる必要があるのかというと、多くは以下の3点、

  • 諸経費
  • リフォーム
  • 買い替え

が絡んでくる問題です。

諸経費

融資を受けて不動産購入をする場合、物件価格の約7~8%が諸経費としてかかります。3,000万の物件であれば約210~240万です。物件価格が高くなれば、比例して諸経費もあがっていきます。こうした諸経費は通常、自己資金で準備することが一般的ですが、住宅ローンに組み込むことも可能です。

諸経費はあくまでも現金で

諸経費は確かに高額です。しかし、基本は本体価格100%までの借り入れを原則として考えるべきです。諸経費さえ用意できないというのは、準備不足、物件購入のタイミングではないともとれます。

「諸経費を現金で用意できるかできないか」

をマイホームを購入するかどうかの判断材料としても良いでしょう。ただ、

「諸経費は用意できるけど、今後のために取っておきたい」

「何かあったときのために運転資金として確保しておきたい」

という理由で「あえて」諸経費分もオーバーローンで借りるという選択はありです。

リフォームローン

マイホームを購入した人は、程度の差はあるものの、ほとんどの方が入居前にリフォームを行います。ハウスクリーニングとクロスの張替だけで済ます人もいれば、新築同然のように、設備をすべて取り替える人等様々です。

キッチンや浴室などの水回り関連は、設備自体が高額なうえに工賃がかかるので、あれもこれもと希望していたら、何百万単位で増えていきます。こうしたリフォーム費用も、オーバーローンとして借り入れることが可能です。最初からリフォームする前提で物件を探すので、購入価格を低めに抑えている人がほとんどです。

買い替え

売る物件が500万の売却損、新規の購入物件が4,000万だった場合、併せて4,500万のローンを組み直す計画です。購入物件に全額返済に足らなかった金額が上乗せされ100%以上の借入、オーバーローンとなります。

【関連記事】住宅ローン返済中に不動産を売る方法

以下は

  • 手狭になった
  • 家族が増えた

などの買い替え事例です。借入金額は増えます。

以下は上記とは逆、

  • 返済額を抑えたい

場合の買い替え事例です。借入金額は減ります。

まとめ

住宅ローン利用時の「オーバーローン」についての解説でしたが、いかがだったでしょうか?物件価格以上の借り入れ可能なオーバーローンのメリットはただ一つ、

  • 運転資金(現金)の確保

これにつきます。購入時に現金が減らないだけで、毎月利息が付けられて返済しなければいけないことに変わりはありません。

「運転資金の確保」

ができるメリットの引き換えとして、利息支払いを受け入れているのです。オーバーローン(*特に諸経費)は基本、そのようにお考え下さい。

  • メリットととは思えない
  • 自己資金がないから仕方なく

であれば、安易なオーバーローンの利用は控えた方がよいでしょう。

住宅ローン返済中に不動産を売る方法

長期に渡って住宅ローンを組むということは、返済期間と同じ位、住み続ける予定でいるはずです。しかし、予定が現実化する人ばかりではありません。せっかく手に入れたマイホームを、ポジティブ・ネガティブな理由を問わず、やむを得ず手放さなくてはならない人も多くいます。

売りたいと思ったときに、ローンが残っていなければいいのですが、もちろんそんな人たちばかりではありません。住宅ローン返済中だけれども、売却しなければならない時どうすればよいのでしょうか?

 

売却して完済できる場合

ローン返済中の不動産を売ることはもちろん可能です。ただ、売るためには新しい買い手に引き渡しをするときまでに全額返済しなければなりません。例えば以下のケースの場合は問題ありません。

  • 売却価格:3,000万
  • 残 債:1,500万
  • 売却益:1,500万

買い手から売却代金を受け取ったタイミングで、全額返済することができ、なおかつ1,500万の現金が手元に残ります。図にすると以下の通りです。

売却してもローンが残る場合

反対に以下のケースの場合は注意が必要です。

  • 売却価格:3,000万
  • 残 債:3,500万
  • 売却損:500万

ローンの残りが3,500万として、3,000万でしか売れなければ、完済するためには500万足りません。この500万をどこからか調達して、売却代金と併せて金融機関に返済しなければならないのです。500万を用意できれば良いですが、用意できなければいくら売りたいと思っても売れないのです。図にすると以下の通り。

買い替えの場合

上記の例をもとに、買い替えのケースを考えてみましょう。500万を用意できなければ売ることは出来ません。しかし、買い替えという方法を取ることで、売却は可能となります。全額返済するために必要な500万を、新規に購入する物件のローンに上乗せして借りるのです。つまり、4,000万の物件を新規購入するローンに500万を上乗せし、4,500万のローンを新しく組み直すということです。

ただし買い替えは、新しい物件の購入前提のプランです。単純に売却だけしたい、という人は全額返済するために必要な額を用意するしかありません。以下はより高い物件への住み替え事例の図です。

  • 家族が増えた
  • 家が手狭になった

という時に利用される買い替えです。

以下が上記とは反対の事例。

  • 今の返済がつらい
  • 月の返済額を抑えたい

そんな時に利用する買い替え計画です。

まとめ

返済中に売却を検討し始めるなら、まずは不動産会社に査定を依頼しましょう。しかし査定というのは、あくまでも

「いくらくらいで売れるだろう」

という過去の成約事例や現在の売り出し事例をもとにした

「予測・予想」

に過ぎません。

また査定の精度によって、提示される査定金額も異なります。100%売れる、という金額は買取価格しかありません。あくまでも予想ですが、

「7割、8割の確率で売れる金額=査定価格」

と私は定義していますが、すべての不動産会社がそのように定義しているわけではありません。売却の依頼(*媒介契約)を取るために、相場を無視した高い金額を提示するお行儀のよろしくない不動産会社も存在します。

売却を依頼したとしても、売却の取り下げはいつでも可能です。しかし、気軽に売却に出したことで、今後の返済計画や将来設計に影響を及ぼす必要もあります。ローン返済中に受ける査定には、十分ご注意ください。

住宅ローン利用時は火災保険加入が必須

住宅ローンを利用すると、火災保険への加入は必須となります。購入にかかる費用の中では、比較的安いので、あまり気にならないのかもしれません。しかし、どうせ加入しなければならないのであれば、加入が必須な理由などを知ったうえで、最適なものに加入するべきでしょう。

 

加入が必須なわけ

なぜ火災保険に加入するのかというと、もちろん被害にあった加入者のためでもありますが、必須にされている一番の理由は、担保物件の消失を防ぐ金融機関のためでもあるのです。

金融機関はお金を貸すにあたり、対象となる不動産を担保に取ります(抵当権を設定する)が、火災により担保物件が消失してしまうと、担保価値がなくなってしまい金融機関も困るからです。

火災保険加入のタイミングは?

融資実行時つまり不動産取引でいう締め、決済時に加入をします。金融機関とお金の貸し借りの契約を交わす時(金銭消費貸借契約)に、金融機関から火災保険の案内を受けることになります。

金融機関から案内を受けた保険にそのまま加入しても構わないですし、自分で探してきた保険会社の保険商品に加入しても構いません。加入後に保険会社から発行される保険証券の提出が求められます。

長期か短期か?

火災保険の加入期間は最長で10年です。お支払いは一括支払い・年払い、どちらかを選択することができます。短期よりは長期、年払いよりは一括払いの方が、一年あたりの保険料は安くなります。

地震保険への加入

地震保険への加入は任意です。地震保険はあくまでも火災保険本体に付随する「特約」なので、地震保険単独で加入することはできませんし、かけられる保険金は、火災保険本体の50%が限度となります。支払いは年払いのみです。つまり本体の火災保険を10年一括払いにしたとしても、地震保険料は毎年支払わなければなりません。

ちなみに地震保険料は年末調整時に控除証明書を提出することで、所得税から控除することができます。

住宅ローンを利用すると抵当権が設定される

融資を受けるとは?

住宅ローンを利用して、住宅を購入するということは、金融機関の顧客になることであり、長期に渡る返済生活の始まりを意味します。融資を利用すると、売り手から買い手へ所有権の移転が行われますが、それと同時に購入した不動産には抵当権が設定されます。

抵当権が設定される=担保に取られる

ということを意味します。

抵当権とは?

詳しく解説しようとすると複雑になりすぎるし、弁護士が一冊本をかけてしまうほどなので、詳細は避けますが、簡単に言うと

「(*抵当権を付けた人が)強制的に売却できる権利」

と考えておけば良いでしょう。

抵当権を付けた人=融資を行った金融機関(*抵当権者)

ということです。

色々と例外(*差し押さえとか後見。今回は無視)はありますが、基本は所有権者の意思なくして不動産の売却はできません。例えば夫婦共有の場合、夫(持ち分10分の9)が売却しようとしても、妻(持ち分10分の1)が売却に同意しなければ売ることが出来ません。持ち分の多さ、少なさは関係ありません。

しかし、お金を貸した金融機関(*つまり抵当権者)は抵当権を実行することで、所有者の同意なくして勝手に売却することが出来るのです。これを「競売(けいばい)」といいます。

共有名義の弊害

思いっきり余談ですが、離婚の際、財産処分でもめるのは、夫婦共有のケースが多いです。結婚当初、

「2人はずっと一緒だよ。だから不動産も共有財産で当然。共有にしよう!」

と、アツアツの2人の住まいは文字通り愛の住処となります。

しかし、いつまでも愛の住処であり続けられるわけではないことは、この手の案件を弁護士経由で引き受けることが多い私が、僭越ながら当事者たちよりもよくわかっています。

数年後、きみ〇ろ風にいうと2人の間にも

「すきま風」

が吹き始め、やがて持ち分をめぐっての突風に早変わり。お互いの関係が氷河期ほど冷え込んでしまって、顔を合わせることもままならなければ、弁護士を通しての話し合いにまで発展します。

どちらかの単独名義であれば、所有者本人の意向でことは簡単に進みます。しかし、ヘタに持ち分を持ち合ってしまうことで、新婚当初の愛の結晶だったはずのものが、ドロドロの愛憎劇の要因の一つとなってしまうのです。

新婚当初から有事(*離婚)のことを踏まえ、愛の巣購入意欲に少し前に世界中で流行したアイスバケツチャレンジのごとく冷水をぶっかけるようなアドバイスで大変恐縮ですが、物事はできるだけシンプル(単独)がいい、ということです。不動産の名義にしても同様です。

とはいえ、互いの両親が援助なども絡んでくるので、シンプルにしたくともできないこともあるのですが。

まとめ

金融機関から融資を受けてマイホームを購入した人は、確かに所有権を持っている法的な権利者となります。しかし、借りたお金を返せなくなれば、抵当権者(*融資した金融機関)は抵当権を実行し、競売で物件を売却、強制的に貸したお金を回収するのです。金融機関はお金を貸す代わりに、いつでも売却できる強い権利を手にすることになるのです。言いかたを逆にすると、

「返済義務を果たさないと、いつでも売却されてしまう強い権利を金融機関に握られる」

とも言えます。

住宅ローンの仕組み

「住宅ローン」というワードは耳慣れた言葉です。

住宅ローン=マイホーム購入時に利用するローンのこと

恐らくこのようなイメージを持つ人が多いと思いますが、その通り。それ以上でも以下でもありません。そういう認識さえもっておけば問題ないでしょう。

そんな中、今回はあえてより突っ込んだ、住宅ローンの仕組みについて解説したチャレンジングな記事となります。

 

金融機関がお金を貸してくれる理由

マイホーム購入は多くの人にとって人生で一番高い買い物のはずです。世の中には無用の長物としか思えない古城を、キャッシュでポンと買うような桁違いのお金持ちがいますが、一般的には何千万のお金を現金で用意出来る人など(*少なくとも私の周りには)ほとんどいません。

マイホームが欲しいと思ったら、現状は金融機関から購入資金を借りて購入することになります。では、そうした購入資金を貸してくれる金融機関は、国民のマイホーム購入を推進するための慈善事業としてお金を貸してくれるのでしょうか?もちろんそんなことはありません。

公的資金という名の、国からの救済措置を受けることがあるので、まるで国営企業のように振る舞いますが、金融機関も世の中に多くある営利企業の一つに違いありません。営利企業の使命は

「企業の存続」

「利益を上げる」

ことに他なりません。マイホーム購入のための資金を貸してくれるのは、貸すことが利益になるからです。

金融機関の利益とは?

マイホーム購入資金を、住宅ローンという名のもとに貸してくれる金融機関は、貸したお金に利息を付け、それを利益とします。例えば以下の条件で融資を受けたとしましょう。

  • 金利・・・2%
  • 借入金・・・3,000万
  • 借り入れ年数・・・35年

総返済額は41,739,108円です。3,000万が35年後には41,739,108円となって返ってくるので、単純計算で約1,100万円、1年あたり約30万円が利益となります。そう考えると、住宅ローンを借りる人というのは、金融機関にとって大口なお客さんです。

しかし、取引のクライマックスである融資実行時でさえ、お茶さえ出してこないのは、以前にも書いています

「サービス業」

という観点からみると、本当にどうかしてると思います。いや、お茶を出してほしいわけではないんですが、サービス業としての心構えとしての話ですけどね。外車のディーラーとか行くと(*私は行ったことないですが)、手厚いサービスが受けられるじゃないですか。

金融機関が損をしない仕組み

金融機関はお金を貸すにあたり、借りる人の審査を行います。長期に渡って返済していける人なのかを、

  • 収入
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 資産内容
  • 家族状況
  • 過去の借り入れ履歴
  • 購入物件の資産価値などなど

様々な要素を勘案し、融資可否を決定します。

このような厳密な審査を行い、貸したお金がちゃんと返ってくる確率か高い(であろう)と判断を下したうえでさらに、金融機関は購入する不動産、マイホームを「担保」に取ります。

「担保に取る」

という行為を簡単に説明すると、

「万が一、貸したお金を返さなかった場合、その不動産は没収される」

ということです。

金融機関はこれだけの保全措置を取ったうえでお金を貸し、利息を得ます。仮に返済が滞ったとしても、担保に取った不動産を売却し、貸したお金を回収するのです。

金融機関がマイホーム購入にお金を貸してくれるのは、このように貸す側が損をしないこれだけの仕組みがあるからです。

まとめ

以上、住宅ローンの仕組みついに解説してきましたが、いかがだったでしょうか?実際のところ、仕組みを理解したところで、明日からの人生が誰もが羨むバラ色に180度好転するような知識ではありません。しかし、

「いつ役に立つか分からない知識を学ぶ」

「蓄えた知識が自然とにじみ出る」

それこそが「教養」と呼ぶものです。

こうした知識を知ったうえで融資を受けるのと受けないのでは、住宅ローンを利用する際の取り組む姿勢にも表れるのではないかと思います。明日から即、役立つ類の知識ではありませんし、知っていたから有利な金利を受けられるというわけではありません。

しかし、自らの教養を育むつもりで、肩ひじ張らず、読み返してもらうことで、より主体的に住宅ローンについて考えていけるのではないでしょうか。そうであるよう期待しています。

ベンチに夫婦で座る人形

夫婦・親子で住宅ローンを組む場合

住宅ローンは通常、単独で借りることがほとんです。しかし、借りる人の年収や勤務先などの事情によって、単独で借りられない場合もあります。そのような場合、夫婦・親子連名、または収入合算という方法で、融資を受けることができます。

 

連名で融資を受けるとは?

各自が主債務者となり、それぞれが各共有持ち分に応じて別々に借りることをいいます。一般的にはペアローンと呼ぶことが多いようです。必然的に購入する不動産は共有名義となります。どちらがどれだけの融資を組むかは、持ち分に合わせる必要があります。

例えば5,000万の物件を2,500万ずつ融資を受けて購入する場合、

  • 夫・・・2,500万(持ち分2分の1)
  • 妻・・・2,500万(持ち分2分の1)

このようになります。図にすると以下のようなイメージです。

  • 夫・・・4,000万(持ち分2分の1)
  • 妻・・・1,000万(持ち分2分の1)

負担額と持ち分が上記のようにかい離してしまうのは、現実に即していないので基本NGです。

「なんで5分の1しかお金出してないのに、半分も持ち分持ってんの!?」

ってことです。

連名で融資を受けるメリットとデメリットとは?

メリット

  • 各自が住宅ローン減税を受けることができる
  • 単独では購入できない不動産を購入することが出来る

デメリット

1件の不動産購入に対し、2件の融資を受けることになるので、単純に融資にかかる費用が2倍になります。

  1. 融資にかかる費用(*事務手数料、保証料、登記費用)が2倍
  2. 団体信用生命保険にそれぞれが加入しなければならない

2.について補足。どちらかに万が一のこと(*死亡、働けなくなった)があっても、全額完済されることはありません。

例えば夫婦共有で、夫2,500万、妻2,500万、合計5,000万のペアローンを組んでいた場合。夫が死亡したら2,500万は完済されますが、妻の2,500万は払い続けなくてはなりません。図にするとこういうことです。

収入合算とは?

夫婦の場合の収入合算について考えます。夫の収入に妻の収入を合算することで、ローンが通しやすくなります。ただ、単純に収入を合計できるわけではありません。金融機関によって基準は異なりますが、以下のような制限があることがほとんどです。

  1. 夫の年収10倍までの融資額が上限
  2. 夫の年収の半分までしか合算できない

1.に関して言うと、夫の年収が400万とすると、借り入れ上限は4,000万までになるということです。また、妻の年収が250万だとしても、夫の年収(*400万)の半分、つまり200万までしか合算することができません。

ペアローンと収入合算の違い

ペアローンは夫婦それぞれが持ち分に応じて融資を組みます。従ってそれぞれが主債務者になります。

収入合算の主債務者は1人です。夫が主債務者で妻が収入合算者とすると、妻は夫の連帯保証人になるということです。夫が返済できなくなっても、妻が連帯して返済義務を負うことになります。分かりやすく図にするとこうなります。

ただし、団体信用生命保険は主債務者である夫が加入者です。主債務者に万が一のことがあった場合、連帯保証人の返済義務も免除されます。

ローンはなくなります。

収入合算のメリットとデメリットとは?

メリット

  • 単独では購入できない不動産を購入することが出来る

デメリット

  • 収入合算者は主債務者の連帯保証人となるので、支払い義務はある

まとめ

個人的な見解としては、単独ローンで買えない不動産は、その人が買うべき不動産ではないと考えています。もちろん、

「生活費も半分ずつだから家も半分ずつね」

というスタンスの元、ペアローンをあえて組む人もいれば、

「個人事業主で妻を連帯保証に入れなければならない」

などやむにやまれる事情で収入合算を選ばざるを得ない人もいるでしょう。全てのケースで避けるべきというわけではありません。

しかし、よりよい物件、単独では買い切れない金額の不動産購入をするために、ペアローン・収入合算を利用することはお勧めしません。どうしても欲しい物件なのかもしれませんが、単独で融資が下りないということは、そもそも身の丈に合っていない物件ともいえます。

不動産仲介業者の仕事は、

「欲しいと思ってる物件を買ってもらうこと」

です。買ってもらうために、ペアローンや収入合算を提案してくるかもしれません。その物件を欲しいと願う人からすると、購入できる方法を模索してくれる仲介業者の姿は頼もしく映るかもしれません。しかし、不動産会社にとって、買ってもらうまでが仕事であり、購入後の返済生活がどうなるかに興味はありません。

結局は自身でペアローンや収入合算についての知識やリスクを学び判断しなければならないのです。

電卓の上に家の模型

住宅ローンの元金均等方式のメリットとデメリット

毎月返済する「元金」が決まっています。元利均等のように、返済額の内訳が上下することはありません。

 

元金均等方式のメリット

元金均等方式のメリットは以下の通りです。

  • 返済する元金は毎月一定
  • 元利均等よりも早く元金が減る
  • 元利均等よりも返済総額が少なくて済む

メリットだけみると元金均等が良さそうに思えますね?しかしデメリットがなによりデメリットなんですよ。

元金均等方式のデメリット

元金に利息がプラスされた額が月の返済額となるので、

  • 返済開始当初ほど月の返済額が多くなる

これがデメリットです。返済生活に慣れていない返済初期の支払いが、生活を圧迫する可能性があります。事前のシミュレーションでは、十分生活をやっていけたとしても、理想と現実のギャップに悩まされることは返済生活においては往々にしてあります。デメリットにも十分すぎるほど気を向けることにしましょう。

図にするとこういうことです。

【関連記事】住宅ローンの元利均等方式のメリットとデメリット

125%ルールが適用されない

メリットでもデメリットでもないので、扱いに困るのですが、元金均等には、金利上昇による、急激な返済額アップを避ける「5年ルール」「125%ルール」が適用されません。

【関連記事】住宅ローンの125%ルールとは?

つまり金利変動の影響をもろに受けることになるため、元利均等返済よりも一層余裕のある計画を立てることが重要となります。それがデメリットかと言われたら、デメリットになるのかなあ・・・?

まとめ

元利均等を選ぶ人が多いのは、

「元利均等の方が返しやすいと思う人が多いから」

と言い換えることができます。どちらがおススメとかどちらが悪いとかそういう話ではないのです。借りる人の懐事情、人生設計事情によって選択肢は異なります。ローンのあっせんを行う不動産仲介業者のお兄ちゃんたちにそこまでのアドバイスを求めるのは酷です。彼らは不動産を買った人が、買った後どのように返済していくかに興味はないのですから。かといって金融機関に求める話かと言えば、やはりそこまではしません。

結局は自分たちのことは自分たちが一番よく分かっているのです。どのように返していくのかを、

「どの不動産を買うのか?」

と同じような熱量で話し合ってもらえればいいのではないかな?

ベストの選択肢はあるかもしれません。しかし仮にベストな選択肢を選ばなかったとしても、

失敗!

ということではありませんから。

審判の人形

住宅ローンの125%ルールとは?

メリットでもデメリットでもありませんが、住宅ローンの元利均等方式の場合、

「返済の125%ルール」

というものが適用されます。125%ルールとはどういったものでしょうか?住宅ローンの125%ルールについて解説していきます。

 

125%ルールとは?

(*変動金利で)返済期間中どんなに金利が上がったとしても、5年間は返済金額が変わらず、5年後の見直しの際にも、返済額が125%以上にはならないというものです。

例えば元利均等で月100,000円(内訳 元金:30,000円 利息:70,000円)の返済期間中、金利が上昇したとしても、5年間は月10万円の返済金額は変わりません。そして5年後の見直しの際にも、(*仮に金利が爆発的に上昇したとしても)125%以上、つまり125,000円以上にはならない、ということです。

なぜこのようなルールが存在するのか?

金利が一気に上がることによって、返済金額がそれに伴って大きく上昇してしまうと、返済できなくなってしまう人も出てきます。お金を貸している金融機関としては、それは避けたいところです。それを防ぐための保全措置ですが、簡単に喜んでいいものでもありません。

なぜ喜んではいけないのか?

「金利が上がっても月の返済金額が変わらないなんてラッキーじゃん!」

と思った人がいたら、それは大きな間違いです。金利が上がっても月の返済金額が変わらないということは、返済金に占める元金の割合が減り、利息が増えることを意味しています。

つまり・・・

月100,000円(内訳 元金:30,000円 利息:70,000円)

だったものが、金利が上昇し、5年後返済金額が見直されると

月125,000円(内訳 元金:20,000円 利息:105,000円)

このように返済金額は増えたのに、元金の返済金は以前よりも減って利息ばかり払っているということになるのです。

まとめ

金利があがったとしても返済金額は

「変わらない」

または

「上がっても125%以内」

という仕組みは、一見すると金利上昇で苦しまないような、借入者保護のように見られます。しかし、実際は

「金利があがっても月々の返済金額は変わりません。でも、上昇した金利分だけはもらいますよ」

ということです。

現状、金融機関を利用せずにマイホームを購入できる人は多くありません。ほとんどが住宅ローンを利用して購入しています。世の需要に応じたサービスであることに間違いはありません。しかし、こうした仕組みを理解することで、

「マイホームを購入するためにお金を借りる」

という行為の本質を知っておいて損はないでしょう。

善意でお金を貸してくれる人はいませんし、金融機関は営利目的でお金を貸しているのですから、すべてのサービスには金融機関がもうかる仕組みがあるのです。

住宅ローンの元利均等方式のメリットとデメリット

住宅ローンの返済方法には元利均等方式と元金均等方式の2種類があります。住宅ローンのあっせん、取次を行う仲介業者も、詳細がよくわかっていないので、ろくな説明をせずに元利均等で申し込んでしまいます。

また、銀行などの金融機関も、元利均等で借りる人が多いため、元利均等ありきで話をしてきます。元利均等方式のメリットとデメリットについて解説していきます。

 

元利均等方式のメリット

なぜ元利均等を選ぶ人が多いのかは、以下のような分かりやすいメリットがあるからです。

  1. 毎月の返済額(元金+利息)が一定
  2. そのため支払い計画が考えやすい
  3. 支払当初の負担が少ない

しかしメリットある所にデメリットあり。

元利均等方式のデメリット

支払い開始直後は支払額の半分以上が利息となるため、

  1. 支払い当初の返済はほとんどが利息
  2. そのため想像以上に元金は減っていかない
  3. 元金均等に比べ支払総額が多くなる

【関連記事】住宅ローンの元金均等方式のメリットとデメリット

まとめ

元利均等方式を分かりやすく図にするとこんな感じです。

元利均等方式で借りる人が多いのは確かです。しかし世間の当たり前が、自分にとっての当たり前ではないこともあります。元利均等、元金均等、その仕組みをぼんやりとでも理解することで、より主体的に不動産購入プランを描き出すことができるのです。

住宅ローンの保証料について

住宅ローンを利用する際には様々な経費がかかります。金融機関に払う事務手数料や契約書に貼る印紙代。抵当権の設定登記に係る登記費用などありますが、その中でも最も高額な費用が保証料です。保証料について解説していきます。

 

保証料とは?

一番高額な費用でありながら、

どういうものか?なんのためのものか?

を説明するのが最も難しい費用です。一番多い説明は、

「保証人の替わり」

というものです。融資実行時に、融資額から差し引かれて支払う形を取るので、実際現金を用意する必要はありません。

保証料の計算

融資額100万円当たりの保証料が決められていて、それをもとに保証料を算出します。金融機関によって若干の金額の差がありますが、わずかな差であることがほとんどです。正確に保証料を算出する必要があるときには、融資を受ける金融機関に聞けば教えてくれます。

算出方法ですが、

「100万円当たりの保証料が、35年の場合20,610円」

と設定されている金融機関で、3,500万を借りる場合、

(3,500÷100)×20,610円=721,350円

という計算となります。

保証料を払わなくてもよいケース

金利に保証料を上乗せすることで、保証料を払わないという方法も取れます。何パーセント上乗せが必要かは、金融機関によって異なりますが、0.2%のところが多いようです。

例えば金利0.625%で融資を受けることが決まっているところ、金利を0.2%上乗せした0.825%で融資を受けるなら、保証料を支払わなくともよい、ということです。

まとめ

最近は金融機関同士の顧客獲得競争が過熱しています。特に大手メガバンクではなくネット銀行などでは、保証料がかからないことをサービスの一つとしているところも多くあります。

ただ、そうした金融機関は手続きに時間がかかることなどから、取引完了まで余裕のある取引でないと利用できないケースも多々あります。当初から保証料はかからないものとせず、必須の費用だと考えておくべきでしょう。

手のひらの上に鍵

買い替え(かいかえ)

 

買い替えの定義

「住み替え」と同義語のような気もしますが、部屋を借りている人が、他の部屋を借りて引っ越すことも住み替えと言えます。ですからここで解説する買い替えは、

  • ローンを借りて購入している
  • まだ住宅ローンが残っている
  • 売ってもローンを返済できない(*ローンが残る)
  • だけど住み替えたい

と定義します。

買い替えする理由とは?

買い替えをする主な理由としては以下の3点があります。

  • 部屋が手狭になった
  • より良い条件の物件に住み替えたい
  • ローンの返済が厳しいので、安い物件に住み替えたい

このような理由で今の住居を一旦手放し、新しい住居に住み替えたいが、まだローン残っていて、売却をしても完済出来ません。例を挙げると以下の様なケースです。

  • 現在のローン残高は3,500万
  • 査定価格(売却価格)は3,000万

この場合、3,000万以上で売れなければローンを完済できないため、売却するには足らない500万を別途用意する必要があります。

不足する分を現金で用意できれば売却することはできますが、まとまった現金を用意できないのであれば、売却することはできません。返済計画を検討し直すなどして、コツコツと元金を減らしていくしか手はありません。しかし、買い替えを利用すれば売却することが出来ます。

例えば購入する物件が4,000万だとして全額融資を受けるとします。その4,000万に、売却で生じる不足分500万を上乗せし、4,500万のローンを新たに組み直すことで「売却→購入」の買い替えをすることが出来るのです。

上の図は今より高い家への買い替え例ですが、以下は借入金圧縮(*だけではないですが)が目的の買い替え図です。

売れば現金が残る場合

売却価格 < 残債

の場合、売却しようと思ったら、単独では売却できない(*売却してもローンを完済できない)ため、新規物件の購入と絡めなければなりませんでした。しかし、

売却価格 ≧ 残債

の場合は売却単独で考えることが可能です。

売却すればローンは完済、リセットできます。仮に購入前提の売却で、契約を済ませてしまっていたとしても、引き渡しまでに欲しい物件が見つからなければ、無理に購入する必要はありません。しばらく賃貸に「避難」して、ゆっくりと購入物件を探すことができます。

もちろん、賃貸でしばらく住むとはいえ、契約金や毎月の家賃、引っ越しにかかる労力など、色々とパワーが必要です。そのため賃貸物件は経由したくなく、

売却物件→購入物件

のように直接、移転したければ、上記同様、買い替えのレールに乗るしかありません。

買い替えのデメリット

売りたくても売れない人にとっては、売ることができ、なおかつ新居に移り住むことが出来るのですから、ありがたい仕組みなのかもしれません。しかし、売却も購入も互いに連動することになります。売却しなければ購入できませんし、購入しなければ売却も出来ない、ということです。

仮に希望の物件が見つからなかったとしても、売却の契約を済ませてしまっていれば、必ず購入しなければいけません。

「良い物件が見つからなかったらやっぱり無しよ」

というのは基本できませんし、購入の契約を済ませてしまっていて、

「希望の金額で自宅が売れそうもないからキャンセルで」

というのもできません。

このように売りと買いが密接に関連するので、利用する方は不動産会社任せではなく、仕組みや流れを充分理解しておくことが必須です。

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