不動産用語集

買い替え(かいかえ)

買い替えの定義

「住み替え」と同義語のような気もしますが、部屋を借りている人が、他の部屋を借りて引っ越すことも住み替えと言えます。ですからここで解説する買い替えは、

「自宅の売却を前提とする購入」

そして

「売却物件→購入物件」

と、間に賃貸を挟まず直接移転すると定義します。

買い替えする理由とは?

買い替えをする主な理由としては以下の3点があります。

  • 部屋が手狭になった
  • より良い条件の物件に住み替えたい
  • ローンの返済が厳しいので、安い物件に住み替えたい

このような事情で、新しい住居に住み替えたいが、まだローン残っていて、売却をしても完済出来ないため、売るに売れないという人たちです。例を挙げると以下の様なケースです。

  • 現在のローン残高は3,500万
  • 査定価格(売却価格)は3,000万

この場合、3,000万以上で売れなければローンを完済できないため、売却するには足らない500万を別途用意する必要があります。

不足する分を現金で用意できれば売却することはできますが、まとまった現金を用意できないのであれば、売却することはできません。返済計画を検討し直すなどして、コツコツと元金を減らしていくしか手はありません。しかし、買い替えを利用すれば売却することが出来ます。

例えば購入する物件が4,000万だとして全額融資を受けるとします。その4,000万に、売却で生じる不足分500万を上乗せし、4,500万のローンを新たに組み直すことで「売却→購入」の買い替えをすることが出来るのです。

上の図は広い家への買い替え例ですが、以下は借入金圧縮(*だけではないですが)が目的の買い替え図です。

売れば現金が残る場合

売却価格 < 残債

の場合、売却しようと思ったら、単独では売却できない(*売却してもローンを完済できない)ため、新規物件の購入と絡めなければなりませんでした。しかし、

売却価格 ≧ 残債

の場合は売却単独で考えることが可能です。

売却すればローンは完済、リセットできます。仮に購入前提の売却で、契約を済ませてしまっていたとしても、引き渡しまでに欲しい物件が見つからなければ、無理に購入する必要はありません。しばらく賃貸に「避難」して、ゆっくりと購入物件を探すことができます。

もちろん、賃貸でしばらく住むとはいえ、契約金や毎月の家賃、引っ越しにかかる労力など、色々とパワーが必要です。そのため賃貸物件は経由したくなく、

売却物件→購入物件

のように直接、移転したければ、上記同様、買い替えのレールに乗るしかありません。

買い替えのデメリット

売りたくても売れない人にとっては、売ることができ、なおかつ新居に移り住むことが出来るのですから、ありがたい仕組みなのかもしれません。しかし、売却も購入も互いに連動することになります。売却しなければ購入できませんし、購入しなければ売却も出来ない、ということです。

仮に希望の物件が見つからなかったとしても、売却の契約を済ませてしまっていれば、必ず購入しなければいけません。

「良い物件が見つからなかったらやっぱり無しよ」

というのは基本できませんし、購入の契約を済ませてしまっていて、

「希望の金額で自宅が売れそうもないからキャンセルで」

というのもできません。

このように売りと買いが密接に関連するので、利用する方は不動産会社任せではなく、仕組みや流れを充分理解しておくことが必須です。

事前審査(じぜんしんさ)

「これだけ借りてこの物件を購入したいのだが、この内容で申し込んだら希望通りに借りることは出来ますか?」

ということを、融資本申し込みの前に金融機関に審査してもらうことです。売買契約締結前に行うのが通常で、事前審査を通した金融機関で絶対借りなければいけないわけでも、その物件を絶対買わなければいけないわけでもありません。

「融資OK!」

と金融機関からの承認が得られ、売買契約後の本申し込みで結果がひっくり返ることは余程のことがない限りありませんが、まったくのゼロではないので注意が必要です。

 

事前審査はどこを審査しているのか?

事前審査は以下の3つの側面から審査を行います。

  • 物件の内容(*担保評価)
  • 借り主の内容(*年収や勤務先)
  • 借り主の個人信用情報(*過去の借り入れ事故歴等)

そのため、金融機関によって事前審査に必要な書類は若干異なりますが概ね以下の通りです。

  • 事前審査の申込書
  • 物件の登記簿謄本
  • 源泉徴収票の写し
  • 健康保険証の写し
  • 身分証明証の写し

その他、別の借り入れ(*キャッシングや車のローン)がある場合などは、借り入れ明細や支払明細、残高証明書。勤続年数が3年未満の場合は簡単な職歴書が必要となります。

事前審査は最初の入り口

不動産購入希望者が物件を探し、気に入ったものが見つかったとします。誰か他の人に取られたくないので、そうなる前に契約したいと考えました。ところが、

「金融機関がお金貸してくれるかはまだ分からないけどこの物件が欲しい!契約したい!!」

と言ったとしても、融資を受けられるかどうかはまだ不確定です。そんな状況で、仲介業者も売り手も取引を前に進めることはできません。不動産会社が今以上にイケイケだった一昔前は、契約ベースで売上計上するところが多いため、月のノルマをどうにか達成させるため、

「融資が通るかどうか分からないけど、とりあえず契約じゃあ~~!!」

というところが多く、契約後、融資が通らないことが原因であっさり解約なんてことが良くありました。しかし、現在は契約前に事前審査を通してから契約、というところが多いです。

事前審査をするためには、上記に上げた源泉徴収や健康保険証などの公的な書類を提出する必要があります。購入前で何も話が進んでいないにも関わらず、こうした公的書類を提出することに抵抗を感じる人がいますが、事前審査は物件を購入するための第一歩です。これをしないことには何も始まりません。

事前審査の承認を取っておくことが武器になることも

物件購入は基本的に早いもの勝ちの世界です。一つの物件に同じタイミングで購入希望者が購入申込書を出すこともあります。事前審査の通しておけば、資金面の裏付けが取れている(*購入資金を借りられることが内定している)ことなので、(*条件次第ではありますが)競合した場合、優先して話が進むこともあります。

また、一度事前審査を通しておけば、借入金額が変わらなければ、物件が変わったとしても、(*例外はもちろんありますが)審査はほぼ通ります。

「一度審査を通した」

というのは、大きな武器にもなるのです。

「融資手続き代行手数料」なんてありません

事前審査を通しておくのはよいことです。ほとんどのケースで仲介業者が営業の一環として事前審査申し込み手続きをしますが、代行手数料などというものは一切かかりません。事前審査をA社経由で通したとしても、本当にA社を通して不動産を購入するかどうかまでは分かりませんし、A社で購入しなければいけないというわけでもありません。あとから出てきたB社経由で購入することはできるのです。

しかし、事前審査を通したにも関わらず、A社ではなくB社で購入されてしまうと、A社はタダ働きとなってしまいます。

「それは嫌だ、少なくとも代行した分の費用だけは取りたい」

という仲介業者の思惑から、代行手数料なんてものが出てきたのではないかと思います。

もしそうした手数料を請求されたとしても、払う必要はないですし、いくら担当者が良い人であっても、そのような仲介手数料以外の費用を請求する会社とのお付き合いは避けた方がよいでしょう。全力で逃げて下さい。

相続税(そうぞくぜい)

話を分かりやすくするために基礎控除などの計算は含んでいませんし、金額は極力デフォルメ化してますのでご了承ください。登場人物は以下の二人。

  1. 被相続人のAさん(*Bさんの父親)
  2. 相続人のB(*Aさんの息子)

所有財産は3億円の土地

相続人の現状は?

将来Aさんが亡くなると、3億円の土地を相続するのはBさんです。相続を受けたBさんは、受け取った財産に応じた税金を払わなくてはいけません。これが相続税です。Aさんの生前から、将来の相続税の支払いに備えBさんが納税資金を準備しておけば良いのですが、相続が発生するときというのは、相続人にとって一番お金のかかる時期であることが多いです。ちょうど自宅を購入した頃であったり、子どもの教育資金で手一杯で、何百万、場合によっては何千万もの現金を用意することなどできません。

相続不動産を売却

Bさんは3億円の土地を相続したものの、相続税を収めなければなりません。しかしそのようなまとまった納税資金はないので、土地の一部、もしくは全部を売却し、売却代金で相続税を支払うことにしました。相続税が増税されたことで「相続専門」と謳う不動産会社が増えましたが、その多くはこの場面で発生する不動産売却の仲介を狙ってのものです。

相続税を払うために、相続した土地を売却し、売却代金で相続税を納付。Bさんは借金を抱えることもなく、税金を支払った残りが財産となるのです。この場合、当然、借金が残ることはありません。これがひとつのパターン。

 借り入れを起こす

Aさんは自分の土地をBさんに相続し、そのまま次の世代へと代々受け継いで欲しいと願い、Bさんもそのように思っていました。そこでAさんは存命中に、3億円の土地上に3億円のマンションを、金融機関から借り入れを起こして建築することにしました。この場合、事業主はAさんですから借り入れの名義人ももちろんAさんです。ただ、連帯保証人としてBさんも名義人となります。仮に建築後すぐにAさんが亡くなった場合、残った借り入れ金(*3億円)はBさんが返済していくことになります。

相続税は相続した財産に課税されます。3億円の土地だけ相続したのであれば、3億円の財産を手にしたことになります。したがって、3億円に対して相続税が課税されることになります。しかし、今回Bさんは3億円の建物の借り入れも同時に相続したことになります。プラスの財産とマイナスの財産を相殺すると、今回の場合、相続財産はゼロ、ということになります。ゼロですから、当然相続税はかかりません。ただ、その代わりに3億円の借入金が残る、ということになります。

高額な不動産を維持していくのは難しい時代

  1. 相続した不動産を売却し税金を払う
  2. 借入金を作り相続不動産を維持し続ける

別にどちらが正解という訳ではありません。ただ、どちらが楽かと言われたら、1.の方が絶対に楽です。2.は簡単ではありません。相続税が増加、課税対象が増えたことに加え、人口はどんどん減少しています。借り入れを起こしてアパート・マンションを建てれば、入居者がアッという間に決まり、何もしなくても賃料が振り込まれ、借金があっても維持できていた時代ではありません。アパート・マンションは明らかな供給過剰な状態です。厳しさを増す賃貸市場を土俵にして、何十年にもわたって借入金・入居者・不動産会社と付き合って行く必要があるのです。

「やってみなければ分からない」

確かにそうですが、やってみて厳しさを分かってからでは遅いのです。もし2.の選択をするのであれば、維持していくための覚悟と、知識、そして「大変さ」をどんな形でもいいから身を持って体験しておくことが重要です。

空家対策特別措置法(あきやたいさくとくべつそちほう)

近年、社会問題化しつつある、「放置空き家」問題を、是正するための法案です。法案の内容は以下、「NHK NEWS WEB」の記事から引用します。

国会

市町村が固定資産税の情報を利用して空き家の所有者を迅速に把握できるようにすることや、所有者が分からない場合でも、倒壊のおそれなどがある空き家に立ち入り、危険性などを調査できることなどが盛り込まれています。

さらに、市町村が必要と判断した場合、空き家の除去や修繕を所有者に命令できるほか、命令に従わなかったり、所有者が分からなかったりする場合は、市町村が強制的に除去できるとしています。(引用元:NHK NEWS WEB)

つまり空き家をほったらかしにしておくと、行政が所有者を特定し、所有者に対して建物を撤去するよう指導したり勧告したりして、それでも従わない場合に初めて強制撤去が可能となるそうです。また、空家ならどんなものでもいきなり撤去されるというわけではありません。「特定空家等」に該当される場合に限られるということです。

この特別措置法が可決されるより前に、行政による強制執行を可能とする条例を定めた自治体もいくつかあるようですが、実際に強制執行まで行った例はあまりないようです。各自治体は、

「憲法で認められた財産権の侵害に当たるのではないか」

との危惧を持っていて、訴訟リスクを恐れているからだといいます。また、解体となるとその費用を税金で賄うことになりますが、本当に所有者から回収することが出来るのか?などと考える自自体もあります。解体費用を所有者に請求しても払わない場合、競売もしくは任意売却で解体費用を回収するしかないのでしょうが、すべての空き家が「売れる・売却できる」空き家ばかりとは限りらないからです。再建築も出来ず、需要もない「売れない」空き家の方が、全国的には却って多いのではないかと。

行政から是正勧告に、所有者がすんなりと従ってくれればそれで済むのでしょうが、残念ながらそうした所有者ばかりではありません。解体しようにも費用の問題や個々の事情で従えない所有者も当然出てくるでしょう。従って、法律が施行されたとはいえ、行政が特定空家等にあたる空き家を、かたぱっしから解体していくことは不可能です。

行政・自治体としては、競売や任意売却にで対応できる空き家にのみ適用していくのではないでしょうか。つまり「売れる」空き家のみが、行政代執行の対象となってくるのではないかと予想します。地域格差の拡大に、より一層拍車がかかりそうな事態を、しばし注視していきたいと思います。

連帯保証人(れんたいほしょうにん)

賃貸借契約における連帯保証人というのは、契約者とイコールです。つまり、契約者が家賃の滞納をしたり、必要になった修繕費用の負担を怠った場合、連帯保証人が契約者に代わって請求を受けることになります。また、こうした費用負担以外にも、万が一家財道具を残したまま黙って退去してしまった場合、後始末は全て連帯保証人が行わなければなりません。

「まずは本人に連絡してからが筋だろう」

と思うかもしれませんが、連帯保証人=契約者です。どちらにも請求することが出来るのです。それだけ重要な責任が生じるため、オーナーにとってはどんな人が入居するのかと同じくらい、連帯保証人の素性は入居を認めるかどうか判断するうえで、とても大きなポイントとなっています。

しかし、

「連帯保証人として認めるか、はたまた認めないか」

の基準が、管理会社によって全く違います。

「これだけしっかりしている保証人なら問題ない」

と判断できるような、おおまかな目安はありますが、その基準が明確に決まっている訳ではないのです。例えば、

「親族・身内であれば年金収入だけでもOK」

という管理会社もあれば、

「親族でちゃんとした収入があり、なおかつ保証会社必須」

というような非常にキツイ条件を設定している会社もあります。

オーナーサイドの要望で、連帯保証人の基準が決まることもありますが、通常そこまで要求しているオーナーはごくわずかです。ですからそうしたオーナーからの要望がない限り、管理を依頼された不動産会社独自の基準に基づいて、連帯保証人として認めるか否かを決めているところが多いようです。最近は連帯保証人の人選含め、全体的にかなり厳しい条件を要求する管理会社が多いように見受けられます。特に財閥系や電鉄系、銀行系の管理会社にその傾向が強いです。

例えば、

「収入・勤務先含めなんの問題もない。ただ、両親は既に亡くなっていて、一人っ子で親戚づきあいもない。そのため連帯保証人になってくれる人がいない。結果審査が通らない」

連帯保証人がいないことで、このように大変苦労する人が増えてきています。この場合、連帯保証人の代わりとして保証会社への加入を要求されますが、加入するには別途費用がかかりますし、保証会社によっては独自に連帯保証人を要求してくることもあります。また、管理会社によってはそもそも保証会社を認めないというところもあるので、注意が必要です。

基礎控除(きそこうじょ)<相続税>

例えば現金5,000万を父親が所有したまま亡くなった場合、相続人である妻と息子は5,000万分の相続税を払わなければいけないのかというと、そういうわけではありません。3,000万プラス相続人1人につき600万控除できる基礎控除という制度があります。この場合、3,000万プラス相続人は妻と息子の2人なので1,200万。合計4,200万が控除されます。

つまり、5,000万から4,200万を引いた800万に課税されるのです。

平成27年1月1日に基礎控除額が今の額に改正されたことにより、一部のお金持ちが対象に過ぎなかった相続税が、都内に自宅を持っているだけで課税対象者になる可能性が増えてしまいました。

特定空家等(とくていあきやとう)

空家対策特別措置法により、今後行政により強制的に解体をすることが出来るようになった。もちろん、空家ならどんなものでも解体・撤去できるというわけではなく、「特定空家等」に該当される場合に限られる。「特定空家等」とは以下に該当するものを指します。

  • 倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態
  • 著しく衛生上有害となる恐れのある状態
  • 適切な管理が行われないことにより、著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
ボロボロで周辺環境に悪影響を及ぼすであろう「空家」と考えていれば間違いないかと

ボロボロで周辺環境に悪影響を及ぼすであろう「空家」と考えていれば間違いないかと

分筆(ぶんぴつ)

土地のことを「筆(ふで)」と言い、一つの筆(土地)を複数に分けることを分筆(ぶんぴつ)という。土地家屋調査士が登記の申請を行う。

分筆

指値(さしね)

例えば5,480万の物件に対して、買い手から「5,200万だったら買うよ」と交渉が入ってくること。いわゆる業界用語。株取引なんかでも使われることがあります。

<使用例>

不動産会社 「(5,480万の物件に対して)申し込みがありましたが、200万の指値が入ってきています」

一般消費者が使うことはほとんどないので、不動産会社から上記のようなことをサラッと言われたとしても、「はあ?」となること請け合いです。

建売<業者>(たてうり)

建物を建ててから売ること。またはこれを専門に行う業者のこと。

買い手は既に出来上がった住宅を確認してから購入できる反面、
既製品を買うことになるので、間取りやデザインを決めることは出来ない。

業者から見て、建築条件付き土地を売ってから建てることを売建(うりたて)ともいう。
買取業者と一括りにしてしまうことも多い。

重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)

不動産を購入する側に向けて行うこれから契約しようとする物件の重要な事項や、細かい契約上の取り決めを説明すること。説明がかかれた書面のことを重要事項説明書という。所要時間は大体1時間位で、通常契約書の読み合わせと同じタイミングで行うことがほとんど。説明書には売主・買主双方の署名、捺印が必要ですが、買主に向けての説明なので、売主不在で行われることも多い。

運転免許を持たない人が車を運転してはいけないように、重要事項説明を行うには、宅地建物取引士試験に合格し、宅地建物取引士証の交付を受けた免許者でなければいけません。

法律系資格の登竜門と言われているため、行政書士、司法書士、弁護士などを目指す受験生が腕試しで受けたり、法学部の学生も受けるので、毎年受験者数は大変多いです。登竜門とはいえそれなりの勉強をしないと受かりません。難関資格では決してありませんが、通常業務をこなしながら受かるのはやはり大変です。

会社の上司には合格を義務付けられていて、試験直前には取ってつけたように勉強時間が与えられます。しかし、毎日帰宅時間は日が変わるか変わらないかのギリギリ。月末になれば休みも取れないため、勉強時間はほとんどありません。日々数字に追われる営業マンにとっては焼け石に水でしかないでしょう。毎年試験がある10月が近づくと、カフェや喫茶店で参考書を開くスーツ姿の営業マンの姿が見受けられますが、そうした人を見かけたら「大変だな~」と思ってあげてください(笑)

重要事項説明は後から言った・言わない、の水掛け論を予防するために、ものすご~く細かいことや「当たり前すぎて書く必要もないのでは?」といったことまで回りくどく説明されます。本来大した内容ではないけれど、普段あまり耳にしないような小難しい法律用語で説明されるため、説明がすんなり入って来ません。そのため何から何まで全部気になるお客もいます。

お客さんを不安に思わせることなく、適切に簡潔に、なおかつ外すところは外さず、説明を行える能力が不動産会社には必要だと感じます。

契約日より前に重要事項説明をするケース

契約書の読み合わせ、署名・押印の前に、重要事項説明を行いますが、そのほとんどは契約日当日に行います。契約日とは別に、時間を取って行うところはほとんどありません。

しかし、ただでさえ契約時は売り手・買い手共に、普段体験することのない独特の雰囲気によって気分も高揚し緊張しています。そのような状態でいきなり法律用語や聞いたことのない不動産用語が続出し、どの程度お客さん(*特に買い手)にその説明が響いているのかは不明です。

不動産取引に慣れたプロの不動産会社にとっては、複雑な条項などまったくなく、突っ込む所が何一つない契約だったとしても、お客さんにとっては人生に初めてか多くても数度目かの契約行為です。たいして問題にするようなことではない、些細なことにも、

「一生に何度もない不動産取引」

「失敗できない」

という不安感から、過剰反応するお客さんもいらっしゃいます。それがもとで契約が紛糾することもあります。売り手も買い手も契約をしに来ているので、説明に納得できずに、契約をキャンセルするようなことはあまりありませんが、その時のことが後々まで引きずることは良くあります。事前にしっかりと説明して、疑問点・不明点をなくしておくだけで、契約日当日に気持ち良く取り引きを行えるなら、事前に契約日とは別に重要事項説明だけしてもらっても良いと思います。契約とセットにするものという認識を、不動産会社もお客さんも持っていますが、契約前に行えば良いのであって、「契約と同日に行わなければならない」という訳ではないのです。

しかし、不安とはいえ、担当者とお客さんとの間に信頼関係が築けていれば、当日説明でもなんら問題ないことがほとんどですし、信頼関係をしっかりと築ける担当者が、少々難のある難しい契約を、なんの配慮もなく進めようとするとは、あまり考えられません。重要事項説明を、事前に聞くかどうかは、担当者に対する信頼感をバロメーターにしてみたら良いのではないでしょうか。

事前に説明をしないのはなぜなのか?

そもそもなぜ事前に説明を行わないことが、当たり前のようになっているかというと、下記のような不動産会社の常識、固定観念があるからです。その固定観念が何かというと、

「契約が決まったら、当日までお客さんとは接触しない方が良い」

ということです。

不動産売買は長く時間をかければかけただけ、良い取引が出来るというものではありません。これは良く言われますが、物件や人との「ご縁」みたいなところが間違いなく存在します。その「ご縁」に導かれて、取引を進めることになり、その時お客さん自身が発する「熱気」のようなものに動かされます。

しかし、どんなに悩んで悩んで、納得して決めたとしても、結婚前「マリッジブルー」になるように、ふとした瞬間、

「本当にこの物件でいいのだろうか・・・」

「売ってしまって後悔しないのか?」

と不安に思うことがあるのです。不安に思うと、細かいことが気になり始め神経質になりがちです。

取引をなんとかしてまとめたい不動産会社は、そんな不安定な状態に陥ってしまったお客さんから、不安からくる些細な質問をされて、せっかく契約に向かっているお客さんの気持ちを冷ましたくない。そのままの気持ちで契約に臨んで欲しい。というのが本音なのです。

とある営業マンは言いました。

「契約前にあれこれ説明をして、不安に思わせて買えなくしてしまうのは、お客さんにとっても良くない。せっかく気に入った物件を買ってもらう・売ってもらうのが、お客さんの為であり、我々不動産会社の仕事だ」

と。確かに一理あると思います。

「これは大丈夫ですか?」

「あれは気になりませんか?」

などと不安感を煽るのはもちろん間違いです。そうして取引を行おうとしているお客さんの熱を冷ますようなことは、当然すべきではないと思います。しかし、このように考えることは出来ませんか?

「契約はすっきり気持ち良く、なんの不安もなく行ってもらいたい。事前にお客さんの質問・疑問点に全て答えて、結果契約がなくなるのならそれでいい。それこそ「ご縁」がなかったということ。そうした営業マンの正直な姿勢はお客さんにも伝わると、お客さんとの絆が一層強くなり、仮に今回契約がなくなっても、次回はより気持ち良く取引が行えるはず」

と。私はそう思っていますし、そのように考える不動産のプロフェッショナルが増えると良いと思っています。

オープンルーム

  • 現地販売会
  • 現地即売会
  • オープンハウス
  • オープンルーム

など、言い方は多々ありますが、不動産業界では「現地会」と呼ぶことが一般的です。通常、見てみたい物件があれば、事前に取扱不動産会社に連絡を入れ、案内の日時を決めたうえでなければ、内見することができません。

しかし、オープンルームというのは、事前の予約もなしに、直接物件に向かえば営業担当者が常にいて、フラッと内見することができるのです。周辺への告知は当日の新聞折り込み広告や、前日までにポストに投函されるチラシで知らされます。基本は、所有者が既に住んでいない空き家で行うことが多いですが、場合によってはその日だけ売り手に外出してもらい、家具もなにもかもある状態でオープンルームを開催することもあります。

不動産会社とオープンルーム

オープンルームを開催し、何らかの成果が出れば良いのですが、お客さんが一組も来てくれなかったりすると、その日一日、他の仕事は全く出来ないので、何も成果がない一日となる恐れもあります。お客さんにとっては気軽に物件を内見できる良い機会ですが、不動産会社としては、戦略的にちゃんと考えてやらないと、貴重な週末のかきいれどきが無駄な一日で終わるリスクがあります。

キャリアのある営業マンは、週末お客さんの接客で忙しいので、入社したばかりの新人が現地にいることが多いです。一日中現地に立ち続け、お客さんが来たら資料を渡し連絡先を聞く。2,3組の連絡先が入手できれば、現地会の成果としてはまずまずです。その後はベテラン社員が新人に替わってお客さんをフォローする、という仕組みです。

物件を見たその場で、

「気に入った!これに決めるよ!」

なんて人が出てくる可能性は、例え現地にいたのが入社したばかりの新人だったとしても少なからずいます。では、その営業マンが新人離れしたものすごい営業力を持っていたのかと言うと、そういうわけではありません。以前からずっと探していた人の購入意欲が、現地会をやってたそのタイミングでちょうどMAXになっていただけで、現地にいたその新人営業マンにとっては、ただ運が良かっただけです。

運が新人営業マンの将来を左右する

運が良かっただけで、その新人営業マンの実力でも何でもありませんが、不動産業界は運が良い悪いを非常に重要視します。現に知識もキャリアもなんにもないけど、「引き」が異様に強くて、入社数か月でうだつの上がらない先輩社員をごぼう抜きにしてしまう、スーパールーキーが現れます。社長や支店の責任者も

「あいつは引きが強い!」

などと言ってその新人をちやほやしだし、新人もそれに気を良くします。歩合給ですから給料も右肩上がりで増え続け、ちょっと頭が狂いだします。ロレックスの時計をこれ見よがしにはめてみたり、ヴィトンの財布を持ち歩いたりし始めます。小金が手に入るとなぜみんな同じような行動を起こすのでしょうか。

「俺はすごい!」
「不動産業なんてちょろい!」

と勘違いを始めるのです。

しかし、これはただのビギナーズラックでしかありません。そう何度も続くものではありませんし、運だけで続けていけるほど、不動産の仕事は楽ではありません。そのうち現地会だけでは決まらなくなってきます。この段階で、もっと地道な営業方法を学んだりして軌道修正出来れば良いのですが、そう簡単ではありません。最初のちょろい成功体験がいつまでも忘れられず、常に一発勝負の現地会に活路を見出そうとします。

当初の甘い蜜が忘れられないため、地道な営業努力や不動産知識を習得することがばかばかしくてやってられないのです。結果、不動産営業としての基本を何一つ身につけないまま、戦略もなにもない一発勝負の不毛な現地会だけを繰り返すことになります。

ちやほやしていた先輩たちの目も次第に冷たくなり、そのうち会社にもいずらくなり、その後一時のバラ色の思い出を胸に、辞めていく新人営業マンがものすごくたくさんいます。

私の場合は・・・

初めて不動産会社に入った時、残念ながら私は「引き」が全く強くありませんでした(汗)。なかなか契約が出来なかったのに、同じ時期に入った同期数人は、私と同じく知識も経験もないのに、立て続けに契約を交わしていました。私一人未契約、と言う時期が続きました。

順調に契約件数を伸ばす同期をうらやましく思いましたし、ものすごく焦りました。なんとかしようとほんと~~~に色々考えたり、先輩にどうやったらいいのかを聞いたりして一生懸命でした。

そうこうしているうちに、私も成果が上がりはじめ同期との差はなくなり、いつのまにか私以外はみんな辞めてしまい私だけが残りました。その後は順調に売り上げを伸ばしていくことが出来ました。今となっては、契約が出来ずに悩んだ時期に学んだものが、今でも私の仕事のベースになっています。

媒介契約<賃貸>(ばいかいけいやく)

賃貸にも媒介契約はあります。ただ、扱う金額のケタが全く違うからか、売買とは違いかなりいい加減で未整備です。

オーナー 「この条件で募集して」

不動産会社 「分かりました」

といったごくごぐ簡単な口約束で募集を開始することも少なくありません。おかしいと思われるかもしれませんが、昔のオーナーさんや地主さん、先代から付き合いのある不動産会社だとそれがむしろ当たり前です。そうしたオーナーさんから、初めて依頼を受けようとする時に、媒介書類の説明と署名・押印をお願いすると、

「あ~~~いいよ、そんなかたっくるしいもの!」

と、逆に拒否されたりします。

不動産売買は一度成約してしまえば、2度と同じ内容で媒介契約を結ぶことはありません。しかし賃貸では入居者が入れ替わることが前提です。1年も経たずに退去してしまうことも当然のことながらあり得ます。そうすると再度、媒介契約を結ばなくてはいけないのか?となりますが、そこまでやっているところは少なく、最初だけ媒介契約書を結ぶということが多いのではないでしょうか?そのような状況ですので、下記のような賃貸の媒介契約におけるトラブルは非常に多いのです。

トラブル事例その1

専任で募集されている物件にも関わらず、余所の不動産会社がオーナーさんを直接訪問。新米不動産オーナーで、まだ事情を良く理解していないのを良いことに、依頼を受けたと都合の良い解釈で募集を「勝手」に開始。正規に依頼を受けていた不動産会社&オーナーとその会社で大いにもめる。

トラブル事例その2

5,6年前に媒介契約を結んだ某大手A社。その後何年もオーナーには取引どころか音沙汰もなし。今は別の不動産会社Bが管理を行っていて、今回B会社経由でお客様を案内。お客様が気に入ったため、当初の媒介契約を盾に、両手取引を行おうとして大いにもめる。

昔ながらのオーナーさんには堅苦しいだけの書類かもしれませんが、例え嫌がられたとしても、書類は必ず交わすべきでしょう。各不動産会社がそれぞれ、口約束ではないしっかりとした媒介契約と、その説明をオーナーさんに説明・理解させることが、余計なトラブルをなくす唯一の手段なのではないかと思います。

建築条件付き土地(けんちくじょうけんつきとち)

土地を契約後、「〇月〇日までに建築会社と建築の請負契約を結ばなければならない」という条件が付いている土地のこと。希望するハウスメーカーや建築会社で建てることは出来ない。

多少の間取り変更・仕様変更には応じてくれる可能性はあるが、大がかりな変更はほとんどが不可能。建築条件を外すことが可能な場合もあるが、タダでは外せない。百万単位で費用がかかるのがほとんど。「土地を売ってから建物を建てる」ので、建売とは逆に「売り建て」とも言われる。

<例、というか余談>

「〇町〇丁目土地 3,980万(建築条件付き土地)」

上記のような土地を契約した場合のハナシ。契約後数週間以内に、指定の建築業者と2,000万円の請負契約を締結。つまり総額5,980万の取引、ということ。その際、仲介業者に支払う仲介手数料は、3,980万の土地契約にたいしての報酬ですが、「契約の巻き直し」という仲介業者の裏ワザがあります(ありました)。

一旦3,980万で契約しておいて、請負契約締結後、一旦土地の契約を解約。総額5,980万の契約として、取引を仕切り直すことです。なぜそんなことするかというと、取引金額が大きければ、その分仲介手数料収入が多くなるからです。ちなみに今はやるとこはないと思います(多分)。

オーナーチェンジ

所有者が人に貸して賃料収入を得ている物件を、そのままで状態(賃借人が入居中のまま)売却すること。入居者が退去したあとでなければ住むことは出来ないので、購入者は賃料収入を手にする目的(投資用)で購入する。

また、入居者が住んでいるので、購入前に室内を確認することは基本的に出来ない。ただし、入居者の同意があれば可能。

上記のような理由のため、オーナーチェンジ物件は一般の居住用の物件に比べ、流通性が低くく割安なことが多い。

そのため入居者と立ち退き交渉を行い、退去してもらってからリノベーションして、居住用不動産として売却を考える買取業者や、退去後に自宅として使う目的で購入する人もいる。

共同仲介(きょうどうちゅうかい)

物元業者と客付業者が共同で、一つの取引をまとめることを、「共同仲介」といいます。

契約書と重説は、売主と媒介契約を結んでいる物元業者が作成することがほとんどです。物件を販売するにあたり、色々と調査をしているからです。契約前に重要事項説明を行うのも、契約書の読み合わせなど、契約の場を取り仕切るのも、一般的には物元業者のことが多いです。

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取引を「共同」で行うという意味なので、後にトラブルになったとしても、客付業者も仲介責任を逃れることは出来ません。他社の作成した書類が元で、トラブルになってしまってもつまらないので、客付け業者としても、自社で作ったのと同じように綿密なチェックをすることが求められるのです。

抜き(ぬき)

専属専任専任媒介で依頼を受けている窓口となる仲介業者を介さずに、物件の所有者に直接、「当社にお客様がいるのでうちにお任せ下さい!」とアプローチを行い、媒介契約を他社から自社へ移させようとする行為をいう。ルール違反だが、未だに当たり前のように横行している。賃貸業界ではそれがまっとうな営業活動だと信じ込まされている会社も多い。

媒介契約の期間は通常3か月なので、レインズなどで契約期間を確認の上、契約満了間近で所有者に飛び込むなど、各社工夫を凝らしているような現状。

抜かれる方が悪いのか?

「売り手さんの信頼を得るような関係をしっかりと築けていれば、なんの連絡もなく他社に媒介を切り替えることなどない」

と思います。いきなり乗り換えられるなんて、よほど信頼されていないことの証明にしかなりません。過激な言い方をすると、

「抜かれた方もちゃんとやっていたのか?」

と思ってしまいます。ただ、抜く方が完璧に悪いのにも関わらず、物元にその責任の一端を押し付けるのはとんでもないことです。事情があって金額の見直しが出来なかったり、物件自体に難があるため販売に苦労したりと、半年、一年と売れないことなどざらです。

「お客さんいますから!」

と言うセリフは、売りたくても売れずにうずうずしてる売り手さんにとっては、天の声にも聞こえると思うのですが、実際はそんな都合の良いお客さんはいません。そもそも拡大解釈すれば、お客さんがいない不動産会社なんかいませんから、詐欺に近いですよ。

一般媒介(いっぱんばいかい)

3種類ある媒介契約のうちの一つ。複数の不動産会社に売却を依頼出来る。仲介業者は、営業活動報告を行う必要やレインズへの登録義務もない。

<一般媒介のメリット>

売却の窓口を複数(いくらでも)作ることが出来るので、依頼された不動産会社がぼやぼやしてると、他社がさっさと売ってしまいます。良い方向に進めば、多数の不動産会社が他社に負けじと、積極的に販売活動を行うので、短期間で成約に至る可能性が高いです。例え声をかけた不動産会社のうちの一社が、積極的に売却活動をしなかったとしても、競合他社が動いてますので、あまり影響はありません。

人気の地域や有名なマンションなんかだと、業者間の競争意欲を掻き立てるということで、(査定金額が間違っていなければ)一般媒介の受ける恩恵はそれなりにあると思います。

ただ、上記のようなメリットが生まれるのは、一般媒介だろうがなんだろうが、媒介契約を結びたいと思わせるような、人気のエリアや有名マンションです。なおかつ売出価格が適正で、情報を出せば早々に売れるであろうと判断された物件です。

ですから、「売却に時間がかけられるので、最初は少し高めに出したい」となると、じっくりと腰を据えて売却を行っていかなければならないため、短期間で競争意欲を掻き立てて・・・、といったような一般媒介のメリットはほとんど期待できません。かえってデメリットばかりになってしまいます。

<一般媒介のデメリット>

1.複数の不動産業者が窓口になることで、同じ物件がさらされることになる。

短期間であるなら良いですが、3か月以上、同じ情報が複数の不動産会社から出されていると、消費者は、「良く目につく物件」=「にも関わらず売れてない物件」=「売れ残り物件」という論法で勝手に判断します。どんな商品でもそうですが、希少価値を感じられなくなると、途端に売れ行きは悪くなります。

2.不動産業者同志による足の引っ張り合い

媒介契約中の不動産会社が、互いに他社の動きをけん制しながら動くため、成約に至るための有意義な提案などはしてきません。なぜなら、自分のところで値下げの提案を行って、余所の会社で決まってしまっては、他社の成約をアシストした結果になってしまうからです。また、仮に値下げの提案をしてきたところで、他社が「まだちょっと早いんじゃないんですか~?」と、値下げ提案した業者に、良い格好してほしくないために、反対してくる場合もあります。専属専任に見られるような、囲い込みの心配はありませんが、こうした足の引っ張り合いもデメリットの一つです。

3.積極的に動かない

専属専任専任媒介は、メリットの一つして、依頼された不動産会社が一生懸命動く!と書きました。一般媒介ではすぐに売れない物件だと分かると、「余所も販売してるから・・・」と、積極的に販売活動を行わないところも多くあります。広告を出したりするにも費用は掛かりますが、出した結果、他社で決まってしまっては、その広告費用の回収も出来ないからです。

・・・とまあ、メリットよりもデメリットの方が多くなってしまいましたが、もちろん一般媒介でも、専属専任の時と変わらず一生懸命活動する不動産会社もあります。全ての不動産会社がこれに当てはまるという訳ではありません。

一般媒介の注意点

一般媒介だからこそのメリットを実感できるのは、販売を開始して1か月程度です。しかし、1か月そこらでは売れずに、じりじりと焦りだしたときに陥りやすい考えが、「あれだけの不動産会社に声をかけているのになんで?」「ひょっとしたらもっと声をかけた方がいいのではないか?」というものです。

こうした考えは全くの間違いです。一般媒介で多数の会社から出ている物件のことは、当然どこの不動産会社も知っています。「のべつまくなし声をかけている物件の売主さん」として、マイナス面で有名になってしまいます。そうなってしまうと、たとえ声をかけたとしても、形ばかり依頼を受けるだけでどこも一生懸命販売しない、ということになりかねません。何社にも依頼することは出来ますが、お願いするにしてもせいぜい3社程度に収めておくのが良いでしょう。

ですから、ここは逆転の発想が必要です。つまり依頼をした複数の不動産会社のうち、一番マメに行動し報告してくれた一生懸命だった会社に、専属専任専任媒介に切り替えるのです。他社との競業にも関わらず一生懸命動いてくれた実績がありますし、不動産会社はその実績を売主が認めてくれたと意気に感じて、より一層力を入れて販売してくれることでしょう。

売り手がこうしたメリットとデメリットを理解しておくことが、何より重要なのではないかと思います。

専任媒介(せんにんばいかい)

3種類ある媒介契約のうちの一つ。

売却を依頼出来る不動産業者は一つのみで、万が一自身で買主を見つけたら、仲介業者を通して契約をしなくとも良い。専属専任媒介との違いはこの部分と、営業活動報告の頻度のみ。(*自己発見取引が認められている)

依頼を受けている仲介業者は、7営業日以内にレインズへ物件を登録しなければならない。また、2週間に一度のペースで営業活動について報告する義務もある。書面での報告を営業活動報告書という。

【 関連する記事はこちら 】→→→ 「専属専任、専任媒介のメリット・デメリット」

専属専任媒介(せんぞくせんにんばいかい)

3種類ある媒介契約のうちの一つ。

売却を依頼出来る不動産業者は一つのみで、万が一自身で買主を見つけたとしても、仲介業者を通して契約をしないといけない。(*自己発見取引が認められていない)

依頼を受けている仲介業者は、5営業日以内にレインズへ物件を登録しなければならない。また、1週間に一度のペースで営業活動について報告する義務もある。書面での報告を営業活動報告書という。

【 関連する記事はこちら 】→→→ 「専属専任、専任媒介のメリット・デメリット」

抵当権(ていとうけん)

金融機関からお金を借りて不動産購入を行うと、必ず担保になる物件に付く権利。突っ込んで話しだすと本が一冊書けてしまうほどなので、簡潔にかいつまんで説明すると。。。

「(金融機関が)貸したお金が返ってこない時、強制的に担保物件を売って(*競売『けいばい・きょうばい』という)貸したお金を回収出来る権利のこと」

ちなみにお金を借りた人が、「ダメだ、もうこれ以上返していけない!」と、債権者(お金を貸した金融機関など)と相談して、自主的に売却することを任意売却という。

買取業者(かいとりぎょうしゃ)

不動産を買い取ることを事業とする不動産業者のこと。買った不動産に付加価値を付けて転売し、その差額を利益とする。マンション、土地、戸建て条件が合えばなんでも買う業者もあれば、

  • 「土地だけしか買わない」
  • 「築の古いマンションがメイン」
  • 「再建築不可の土地しか買わない」

というところもあり、買取業者のなかでもその取扱いは細分化されている。買った不動産をどのようにして売るかは、物件の種別によって以下のように分類される

【 土地 】

  • 整地して土地売りにする
  • 新築の建売住宅とする

【 戸建て 】

  • 建物を解体し土地売りとする
  • 建物を解体し新築の建売住宅とする
  • リノベーション戸建てとして売る

【 マンション 】

時間がかからずにすぐ現金化出来るが、時間がかかっても良いから高く売りたいという希望を持つ売主さんには不向き。地方物件や再建築不可。売却に時間をかけられないなど、物件や売却理由に特殊性がある場合には有効。

「買取業者?安いんでしょ?」

と買取=安い、と決めつけている人がいますが、必ずしもそうとは限らないのです。一般消費者より高い金額で買うこともあります。買取業者から提示された金額が高いのか安いのかは、売却を依頼している不動産会社が今までの販売状況や、お客さんの動向などをちゃんと報告しているのであればある程度把握できるはずです。そのときには検討しても良いと思います。

買取業者は、一般の買い手であれば必ずつけられる瑕疵担保責任を、免責にしてもらえたり色々融通が利くことも多々あります。

旧耐震基準(きゅうたいしんきじゅん)

昭和56年6月に建築基準法が大改正されて、それより以前の建築物を旧耐震基準の建物。以降を新耐震基準の建物と呼んでいる。間違えてはいけないのは、昭和56年に建築された建物が新耐震という訳ではなく、昭和56年6月以後に建築確認を受けたものが新耐震となる。あくまでも建築確認を受けた年月日で判断する。建築年月日でいうと、一戸建ては昭和57年1月1日築以降のもの。マンションは昭和58年6月1日築以降のものは新耐震基準だと考えて問題ないと思います。。

東日本大震災以後、昭和56年6月以前の、いわゆる旧耐震の物件の動きが非常に悪いです。不動産、特にマンションを購入しようとする人の意識が、「耐震」ということに今まで以上に目が向いてしまうのも当然だと思います。

ただ、旧耐震だからダメで新耐震だから絶対大丈夫というわけではありません。特にマンションだと、日々どれだけ適正に管理されているかによって全く違います。旧耐震の建物でも頑丈なものは頑丈だし、新耐震の建物でも、あっさり壁にクラック(ヒビ)入った建物もあります。ただそうはいっても、物件探しにおいて「耐震」という新たな判断基準が出来たことに間違いありません。

「旧耐震だから・・・」

という理由で選ばれなくなり、今後こうした旧耐震の建物は、売却に苦労するのでは?と感じています。

仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)

不動産業の主要業務の一つである、仲介をメインに行う業者のことです。仲介業者について解説していきます。

 

仲介業者の業務内容

「物件を買いたい(*借りたい)」

というお客さんの条件を聞き、該当する物件を紹介・案内し、取引をまとめるのが買い手(*借り手、以下略)側の仲介業務(客付)。

「物件を売りたい(*貸したい)」

というお客さんの、売却のお手伝いをするのが売り手(*貸し手、以下略)側の仲介業務(物元)。上記2点が主な業務内容となります。

取引をまとめた成功報酬として、仲介手数料があります。売り手側、買い手側、両方の仲介を行うことも可能で、取引をまとめることが出来れば、仲介手数料は双方からもらえます(両手)。

仲介業者に必要な資質とは?

不動産売買の仲介をする際は大きな金額を扱います。ダイナミックでそれだけにやりがいを感じますが、反対に恐怖感もあります。売り手や買い手は不動産を売ること・買うことによって、人生を転回させようとします。万が一、そこで失敗などしようものなら・・・と考えると怖くて怖くて・・・。

ビビって仕事が出来なくては困りますが、全く恐怖を感じないというのもまた問題です。背後にそうした恐怖感、重責を感じるからこそ、きちんと仕事をしようとするわけです。

経験談として

駆け出しの頃、とある物件の決済がありました。売主・買主さん双方ご高齢で、あまり細かいことを言ったりする人たちではありませんでした。決済当日、買主のおばあちゃんが、銀行印と通帳を持ってくるのを忘れてしまい、慌てて自宅まで取りに戻りました。

無事お金を振り込むことは出来ましたが、法務局が開いている時間に所有権移転の書類を持ちこむことが出来ずに、翌日改めて移転登記手続きをすることになりました。私は「やれやれ」とのんきに考えていたのですが、事務所に帰り責任者に報告したところ、大激怒されました。

「もし売主が悪意を持って、誰か第三者に登記を入れていたらどうするんだ!?」

「お金払ってるのに(*買い手に)所有権移転が正常に行われなかったら、お前は責任を取れるのか!?」

と。ことの重大性を初めて認識して青ざめたことがあります。売主さんの人柄から、そのようなことは絶対にするはずないと思っていましたが、やはり心配です。じりじりと翌日まで不安な気持ちで待つしか出来ませんでした。この時程、翌朝が待ち遠しいと思ったことはありませんでした。無事移転手続きが出来たと報告があったときは、身体の力が一気に抜けて、一日仕事にならなかった位です。

まとめ

人一人の人生を狂わせることはなかなか大変ですが、不動産取引においては起こりえてしまいます。その可能性を考えると、やはり携わる人間のモラルや人間性はもとより、恐怖感を持っておくことが仲介業者には何より大切なのではないかと思います。

客付(きゃくづけ)

業界用語。物元業者が媒介を受けている物件に、自社のお客様を紹介・案内し、物元業者と共同で一つの取引をまとめる、もしくはまとめようとする行為。

客付業者」とは、客付をした不動産業者のこと。物元業者を売主側仲介業者とすると、客付業者は買主側仲介業者という。

物元(ぶつもと)

売主と媒介契約を交わし、物件の売却依頼を受けた不動産会社のこと。

  • 物件の調査
  • 図面作成
  • 各種媒体への情報発信
  • 契約書、重要事項説明書の作成
  • 売れない場合の価格変更の提案

内容としては以上がメイン業務。専属専任専任媒介で受けていれば、売主側からの仲介手数料は最低限確保出来るので、どこの不動産業者も物元になりたがる。ただ、現状は資本力のある大手か準大手にいきがち。

物元業者(特に専属・専任)は取引を左右する司令塔。他業者が誰よりも早く買付を出していたとしても、物元業者が見つけてきたお客さんがあっさり優先されたり、自分のところのお客さんの結論が出るまで、案内をさせてもらえなかったりするので、悪い言い方をすると独裁者のよう。囲い込みを行うのは物元業者。

宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)

*平成29年5月30日加筆・修正

法律系資格の登竜門、宅地建物取引士試験に合格し登録した者のこと。何が出来るのかというと、

  1. 契約書や重要事項説明書への押印
  2. 重要事項の説明を行える

の2点。説明の際には、宅地建物取引士証を提示して重要事項説明書の説明を行わなければならない。また、宅建業者として開業する場合には、専任の宅地建物取引士を5名に1名の割合で置かなければならない。

一応独占業務ですが、税理士や会計士、司法書士などの、他の職種に比べたら出来ることが少なくなんとも地味です。

ちなみに資格を持っていない者が作成した重要事項説明書に重大なミスがあり、問題となった場合、説明をした宅地建物取引士の責任になり、最悪の場合「説明義務違反」ということで、資格がはく奪されることもあります。

査定(さてい)

所有している不動産が、いくら位で売れるのかを不動産会社に調べてもらうこと。レインズに登録されている周辺の成約データや、現在近隣で売り出されている物件の坪単価。またここ数年の路線価や公示価の推移を参考に、最後は不動産会社や担当者の過去の取引経験から金額を提示することが多い。不動産会社にとって査定とは、売却を検討中の売主さんとコンタクトを取ることが目的なので、無料で行うところがほとんどです。ただ、

「相続が発生し、遺産分割するために所有不動産の価格を知りたいので、査定書を3通作って下さい」

などという依頼は、実際に媒介契約を結べる可能性が少ないことから、敬遠されることが多いでしょう。依頼をして断られることはないでしょうが、一番後回しにされますし、提示される金額もおおざっぱなので要注意です。

良く質問されますが、不動産鑑定士が行う「鑑定」と「査定」とはまったく別物。仲介業者が鑑定を出来ないように、鑑定士に実勢に基づいた査定は出来ません。

室内を見ないで周辺環境や取引事例だけを参考に、ざっくりとした金額提示することを「机上査定」。実際に室内を見て行うことを「実査定」と区別しているところが多いようです。

 

複数の不動産会社に査定を依頼することが、必ずしも良い方向に向かうとは限りません。

複数の不動産会社に査定を依頼することが、必ずしも良い方向に向かうとは限りません。

 

「査定=媒介取得の場」ではない

大体どこの不動産会社も、査定は無料で費用はかかりません。ですから、気軽に頼んで良いのですが、実際はその査定が文字通り査定になっていないことのほうが多いのです。どういうことかというと、査定はそっちのけで媒介契約の取得(*売却依頼を受任すること)に各社が走るからです。つまり

「査定訪問=媒介取得の場」

となっているのが現状なのです。

本来、物件のことを正確に調べ上げ、査定金額をきっちりと出そうと思えば、調べることはたくさんあるし、手間と労力は間違いなくかかります。お金を取っても良い位の仕事量が発生するのです。そうした手間暇かかる作業をなぜ無料で行えるのかというと、査定の先には媒介契約取得があるからであり、成約後の仲介手数料があるからです。

売り手が考える価格と査定価格との差

ほとんどの場合、売り手が予想している金額と、不動産業者が査定して出したリアルな査定価格とには差異があります。

「え!!そんなに安いの!?」

と程度の差はあれ、リアルな金額を聞くとこうなることがほとんどです。もう少し高い価格で売れると考えていた売り手にとってはショックな話で、売り手の人柄によっては

「では結構です」

「他を当たります」

と言って追い返してしまうこともあります。そして後から来た別の不動産会社Bが、売り手にとって耳触りの良い相場を逸した査定価格を囁やけば、気を良くした売り手はBにその場で媒介契約を依頼してしまうのです。

売り手に正直な金額を伝えたことで、競合他社に媒介を取られてしまうのならば、その場で売り手の意向に沿った(*耳障りの良い)金額を提示し、その場で媒介取得してしまおうと、査定に行った不動産会社が考えるのは当然です。売り手の顔色を伺いながら、競合他社に話が持ち込まれないため提示する金額が上下するなど、本来の査定ではありません。

媒介契約取得時のやりとり

重ねて言いますが、無料査定を依頼してやってくる営業マンは、査定をしにくるのではなく媒介を取りに来ます。もちろんすべての営業マンがそうではないと思いますが、たいがいこのようなやりとりが行われてます。

お客さん 「いくらくらいだったら売れますかね~?」

不動産会社 「逆にいくらだったら売りたいですか?」

お客さん 「そりゃ高ければ高いほどいいに決まってますよ」

不動産会社 「それならまずはご希望の金額で売りに出してみましょうよ。」

お客さん 「え?そんなこと出来るんですか?」

不動産会社 「もちろんです。売れなかったら費用は一切かかりませんから!」

お客さん 「そうですか!じゃあお願いします。」

というやりとりのあと、媒介契約に署名・捺印を終え、一息ついたときにふと冷静になって考えてます。

お客さん 「・・・希望価格で売りに出すみたいだけど、結局査定金額はいくらなんだろうか?」

このように査定せずに、媒介だけ取って帰ってしまうことが良くあります。上記のやりとりで欠けていることは以下の2点です。

  1. 文字通りの査定(相場に即した高い確率で売却できる価格)
  2. 査定金額を踏まえた上での売り出し価格の提案

正確な価格を売り手が理解していれば、いくらで媒介契約を受任しようがまたは依頼しようが、互いが納得すれば問題ありません。しかし、売り手心理というものは難しいものです。仮に1.でいうところの査定価格を聞き、自分が希望する価格と差があると認識したとしても・・・。

実際、自分の希望する価格を記入した媒介契約書にサインし終えると、いつのまにか売り手は正確な査定価格を聞いたにもかかわらず、「記入した希望価格で売れるのだ」と錯覚、勘違いしてしまうのです。

時間が許す限りは、希望の価格で出すのは全然構いませんし、いくらで売りに出すのかは不動産所有者の自由です。ただ、

「実際に高確率で売却できる価格は、自分の希望とはかけ離れている。しかし、売り急いでいる訳ではないので、まずは希望の価格で売りに出してもらっているだけなのだ。」

という現実を忘れないようにしておきましょう。

評価証明書(ひょうかしょうめいしょ)

評価証明書(公課証明書)です

不動産の税法上の評価額が記載された書面のこと。不動産取引では決済時に必要となり、権利証がないと決済ができないように、評価証明書がなくてもできません。この書面に記載されている評価額に、固定資産税率1.4%と、都市計画税率0.3%をかけた金額が、固定資産税額として毎年税金として徴収されます。

この評価証明書は、都税事務所と区役所で取得することが出来、原則その不動産の所有者しか取れません。しかし所有者からの委任状があれば第三者でも取得可能です。売却を不動産会社に依頼するときに交わす媒介契約書に委任部分が記載されていることが多いので、不動産売却の依頼を受けた不動産業者は、自然と受任者となることがほとんどです。

評価額と言ってもあくまで税法上の評価であって、一般の市場価格とは乖離(*安い)していることが普通です。例えば、5,000万で購入した物件の評価額が、4,000万だったとしてもショックを受ける必要はまったくなく、それが普通です。

相続が発生したときにしか目にする機会はないと思いますが、自分の所有不動産が税法上いくらに評価されているのか、一度見てみるのも一興かと思います。

<*平成24年7月19日現在>

物件引き渡し時(決済時)に、売主・買主の間で固定資産税額も日割精算します。納税通知書を売主さんが保管していれば、通知書に記載されている金額で精算すれば済むのですが、紛失してしまっている場合も良くあります。

その場合、評価証明書から納税額を算出しなければなりません。掛け算なのでたいして面倒な計算ではないですが、万が一計算ミスなどしたらやっかいです。そこで評価証明書と同じようなもので

「公課証明書」

という書面があります。評価証明書と同じく、評価額が記載された書面ですが、年税額が予め記載されているので、計算ミスの心配がありません。もっぱらこちらを取得するようにしています。不動産業者は公課証明書ひっくるめて、評価証明書と言う人が多いです。

固定資産税(こていしさんぜい)

不動産の所有者が毎年払う税金のこと。6月頃に届く納税通知書を元に、年間の税金を一括して支払ってもいいし、4回に分割して支払うことも可能です。納税通知書は1月1日現在の所有者の元に届きます。

1月から5月末の間に手放し、所有者でなくなったとしても、6月にはその年の通知書が届きます。年の途中で不動産を手放したら、引き渡し日(所有権移転日)から新所有者の負担となります。

新しい所有者(納税義務者)から、本来負担しなくても良い期間にあたる日割り分を、売買代金と併せて受領する、と言う形で精算します。納税は国民の義務なので、免れることは出来ません。万が一滞納が続くとどうなるかというと、国から物件を差し押さえられてしまいます。

「所有権」で、一見不動産を所有しているようですが、納税しなければ国に取り上げられちゃうのだから、所有しているとは言えないのでは?中国と同じく「国から借りているだけ」とも言えなくもありません。

取引態様(とりひきたいよう)

不動産取引に、不動産業者がどういう立場で携わっているのかを示すもの。以下の3種類があります。

  1. 媒介(仲介)・・・売主(貸主)、買主(借主)の仲介業者として
  2. 売主・・・・・・・・・不動産業者が売主ということ
  3. 代理・・・・・・・・・売主業者のように振る舞うけど、あくまでも売主の代理

取引態様に絡むトラブルで、不動産業者が免許を取り消されることもあります。たとえばこんなケース。

「物件の購入希望者がいないにもかかわらず、希望者がいると不実のことを告げて媒介契約を締結。その後転売利益を取得することを目的として売買代金を減額させた上で、取引態様を媒介(仲介)から売主に変更し、自ら買主として売買契約を締結した」。

詳細の記事はこちらです。

→→→ 業界新聞からのニュースを読み解く

囲い込み(かこいこみ)

 

売主から専属専任媒介契約を結んだ不動産会社が、他の不動産業者へ一切物件を紹介せずに、自社に問い合わせしてきたお客さんにしか紹介しないこと。情報そのものをまったく公開しないパターンと、形だけレインズに登録して、「契約予定です」と言って紹介しないパターンがある。

なぜそうした行為をするかというと、他業者のお客さんで成約すると、売り手サイドからしか仲介手数料がもらえない(片手)が、自社のお客さんで決まれば、売り手・買い手双方から仲介手数料がもらえる(両手)。不動産会社によっては、専属&専任で受任したにも関わらず、片手でしか決められなければ、始末書を書かされるところもあるという。

なぜこうしたことが起こるのか?改めて整理したいと思います。その前提として、不動産仲介会社の報酬体系について理解して頂く必要があります。仲介業者がお客さんから報酬を得る方法は、

  1. 不動産購入のお手伝いをする
  2. 不動産売却のお手伝いをする

上記2点しかありません。どちらか一方のお手伝いでもいいし、双方のお手伝いをすることも出来ます。弁護士で言う所の双方代理が認められているのです。どちらか一方のお手伝いをして、報酬を得ることを業界用語で「片手」と言い、売り手・買い手双方のお手伝いをして報酬を得ることを、「両手」と言います。

ここまで書けばお分かりの方も多いと思いますが、不動産会社としては、売り手と買い手、双方のお手伝いした方が、どちらか片方だけ手掛けた時と比べると、報酬は単純に2倍となるのです。ですから不動産会社は報酬が2倍になる両手を目指すのです。

売り手と買い手、つまり購入と売却を同時にお手伝いをすることは、双方の利益を調整することから始まり、単純に作業量も増えますので、片手取り引きに比べると難易度は高くなります。売却の依頼を受けて、販売していく中で運良く購入したいお客さんが見つかった。このような自然の流れで両手取り引きが成立することに誰も異論はないはずです。

しかし問題なのは自然な流れで両手取り引きになるのではなく、「狙って」両手を目指すことです。「狙う」というのはどういうことかというと、簡単に言ってしまうと、

「他社経由のお客さんには物件を紹介せず、自社経由のお客さんにしか物件を紹介しない」

ということです。これをされてしまうと、売り手・買い手双方に以下のようなデメリットが生じます。

  • 売り手・・・早期に良いお客さんと契約する機会を逸する
  • 買い手・・・欲しいと思った物件を、扱っている不動産会社を通してしか買えない

こうして整理していくと、不動産会社の都合で売り手・買い手の利益が左右されていることが分かります。これが「囲い込み」と呼ばれるものです。業界の悪習であり「悪臭」。

営業活動報告書(えいぎょうかつどうほうこくしょ)

業界的には「営活(えいかつ)」と言ったりします。

売却の依頼を受けている物件のオーナーさんに対して、現在の販売状況を報告する書面です。書面ではなくそれ以外の方法(電話やメール)でも構わないのですが、書面で報告することがほとんどです。メールやFAX、電話でも報告は可能です。特に希望がなければ文書になるはずです。大手は確実に正確に機械的に発行されますが、地元の業者なんかはそこらへんあいまいで、発行していないところが多いです。具体的な報告内容としては以下のようなものがあります。

  • どのような広告活動を行ったか
  • 問い合わせの件数
  • 案内件数
  • お客さんの感想

専任媒介は2週間に1度、専属専任は1週間に1度の頻度で報告義務があります。ちなみに一般媒介には報告義務はありません。媒介契約書には報告頻度や、報告する媒体が記されています。

この書面を見れば、売却中の物件が、今どういう状況なのかが一目瞭然です。依頼を受けている仲介業者としては、売り手に現在の販売状況を知ってもらう為の良い材料となります。報告を行うことで互いに共通認識を持つことができ、スムーズな販売活動を行うことが出来るのです。

しかし、当たり障りのないコメントだけちょこちょこっと書き、業法で定められた報告義務だけを満たすために、ただ出しているだけという不動産会社が多くあるのも事実です。そうした不動産会社にとっては、

「結果、売れれば文句ないんだろう」

という考えなのかも知れません。確かにその通りかもしれません。しかし、売るためのプロセスも、売却活動の一つであることに変わりありません。しっかりと報告を受けることで、売り手は自分の物件が置かれた状況を正確に把握することができます。値引き交渉があった際や、値下げの提案を受けるか受けないかといったときの判断材料とすることが出来ます。

今まさに販売中の売り手もいらっしゃるかもしれません。この報告書からは様々なことが読み取れます。なかなか売れずに困っている方であれば、一度報告書をチェックして、売却活動を見直してみるのも良いかもしれません。

計算金利(けいさんきんり)

返済比率を算出するために使用する、金融機関独自の金利のこと。金融機関ごとに若干違いがあるが、概ね3.5~4%に設定しているところが多い。どのように使用するのか?例えば以下のような条件で融資を受けたい人がいたとします。

<例>

  • 融資金額:4,000万
  • 年収:約500万
  • 借入れ期間:35年

計算金利3.5%で計算すると月の返済額は¥165,316円。年間返済額は¥165,316円×12か月=¥1,983,792円となり、年間支払額を年収で割ると・・・

¥1,983,792円÷¥5,000,000円(年収)×100=39.67%

この39.67%というのが、年収に占める返済の割合、つまり返済比率になります。返済比率40%を上限にしている金融機関が多いので、計算上、今回の<例>はギリギリ融資可能ということです。仮に借入れ金額が5,000万だとすると、年収500万だと返済比率49.59%となりNG。4,000万で借入れ期間が20年だったとしても、55.67%でやっぱりNG。

返済比率(へんさいひりつ)

年収に占める年間返済額の割合のこと。

例えば毎月10万円の返済で、年間支払い総額は120万円。年収を仮に400万円とすると、120万÷400万×100=30。つまり年収400万のうち30%が返済にあたるということです。金融機関にもよりますが、大体40%が上限のところが多いです。

もちろん、勤務先や勤続年数、他のローンの有無(*車とか)によって審査基準は変わってきます。ですからその枠内であれば必ず審査が通るという訳ではありませんが、年収的にどの位まで融資が受けられるのか、目安を知ることはできます。

注意しないといけないのは、返済金額を出す際の利率は、金融機関で大々的に提示されている、

「変動金利2.××%」(*平成27年11月17日現在)

や金利優遇された

「0.××%」(*平成27年11月17日現在)

ではないということです。これとは別に計算金利というのがあって、その利率を使用して返済金額を算出します。

計算金利は金融機関によって多少の差異はありますが、住宅ローンであれば大体どこの都市銀行も3.5~4%のことが多いですが、一概ではありません。

セットバック

家を新たに建てる際は、「4m幅の道路に2m以上接していないければいけないと、建築基準法で決められています。災害時や火災の際に、緊急車両が通れないようなところは危険だ!という考えから、こうした法律が出来たようです。

しかしそんな法律やルールがない時代に建築された建物って、未だにたくさんあります。法律で決まっているからとはいえ、行政も、

「建築基準法に違反してるんだから至急建てなおせ!」

なんてことは当然言えません。だから

「現状はそのままで結構ですよ。だけど・・・次、建てる時(再建築時)には前面道路が4mになるように、あなたの土地を道路に提供して下さいね。そうしないと家を建ててはいけませんよ!」

という制限・取り決めがあります。それをセットバックといいます。

そんな制限があることを知らずに土地を買ってしまったら大変です。だって、自分の土地(だと思って買ったのに)を無償で道路として提供しないといけないのですから。ですから、どの不動産会社の販売図面にも

  1. セットバックの有無
  2. セットバックされる面積
  3. セットバックされた後の有効宅地面積

の記載が必ずあります。「土地の広さの割には安いな!ひょっとして掘り出し物か!?」と思うこともありますが、良く見てみるとセットバックでごっそり持っていかれる予定で、実際の有効宅地面積は坪単価並みだった・・・なんてうっかりミスもすることがありますので、十分ご注意ください。

セットバックを分かりやすく図にするとこういうことです。

現況3m幅員の道路に接している宅地Aの場合

現況3m幅員の道路に接している宅地Aの場合

道路の幅員が3mなので、4mまで1m足りません。宅地Aが再建築の時は、道路の真ん中を中心にして0.5m分、宅地Aの土地の一部を道路に提供します。

宅地Aが建て直し時、土地の一部を道路に提供

宅地Aが建て直し時、土地の一部を道路に提供。その分だけ、宅地Aの有効宅地面積は減少します

 

宅地Bが再建築の時は、宅地Aの時と同じく、0.5m分、宅地Bの土地の一部を道路に提供します。

宅地Aに続き、宅地Bも再建築。道路の一部を道路に提供

宅地Aに続き、宅地Bも再建築。道路の一部を道路に提供

 

この道路に接しているすべての建物の建て替えが済めば、いずれは3mしかなかった道路も4m幅の道路になる、というなんとも気の長いお話です。

ちなみに反対側が家ではなくて、動かせない川なんかだと、中心線から半分の0.5mではなく、まるまる1m下がらないといけないので要注意。

 

4mにするには宅地Aが1m分、道路に提供するしかない

4mにするには宅地Aが1m分、道路に提供するしかない

 

セットバック5

一方後退という。なんだか損した気分

瑕疵(かし)

「売主も知らなかった、気づかなかった箇所に存在した欠陥や不備」のこと。主なものとしては、

  1. シロアリ
  2. 雨漏り
  3. 主要な部位の木部の腐食
  4. 給排水管の故障

マンションは構造が鉄筋コンクリートなので、1~3はあまり考えられません。マンションで一番多いのは4番です。こうした瑕疵・欠陥があるのは、どうしても木造の一軒家が多くなります。

土地の瑕疵は何かと言うと、敷地内に埋まっていて、撤去に費用がかかる残存物を指します。使用していない浄化槽や、コンクリートの「ガラ」などです。不発弾が埋まっていたこともあるそうで、撤去費用を売主・買主どちらが負担するかで裁判になり、結果、売主負担となった判例があります。

その他、薬品などを敷地内で使用していたための、土壌汚染も土地の瑕疵にあたります。物件内で過去に殺人や自殺があったなど、「知っていれば買わなかった」心理的瑕疵というものもあります。

瑕疵担保責任

不動産を引き渡しをしてから一年間は、売り手も知らなかった瑕疵が発覚した場合、修復する責任があります。それを瑕疵担保責任といいます。しかし、買い手が瑕疵を見つけてから1年以内というのは、売り手にとってはその間、非常に不安定な地位に置かれてしまいます。残代金はすでに受け取り、新しい場所で生活を始めている売り手にとっては、正直あまり関わりたくない話でしょう。そこで、通常の不動産売買契約の中では、責任追及できる期間を3か月位に設定していることが多いです。

瑕疵担保責任免責

読んで字の通り、売り手のこの責任を免除するというものです。引き渡し後、なんらかの瑕疵が発覚したとしても、売り手に修復義務はありません。ただし、売主が建売業者やマンションデベロッパーなどの不動産会社の場合は、買主保護の観点から、瑕疵担保を免責にすることや、期間を短くすることは無効になります。

「物件の引渡日から2年以上とする」

といった特約以外は、

「瑕疵を発見してから1年は責任を負う」

という民法の原則に従うことになります。

古家付土地の場合

状態の良い使える家が建ってる、古家付きの土地というのが良くあります。この場合注意しなければいけないのは、売買対象はあくまでも土地だけで、引き渡し後、建物に何があっても売主に責任はありません。建物を使っても使わなくてもそれは買主の自由。万が一建物に瑕疵があったとしても、そもそも土地の売買なのだから一切関知しませんよ、ということです。

重要事項報告書(じゅうようじこうほうこくしょ)

管理会社が発行する、マンションの管理内容の詳細が記載されている書面のこと。「重要事項の調査報告書」「管理に係る重要事項報告書」とも呼ばれる。記載内容は以下の通り。

  • 管理費・修繕積立金等の月額
  • 管理費・修繕積立金等の滞納額
  • 修繕積立金の総額
  • ルーフバルコニーやテラス、駐車場、駐輪場の使用料
  • 管理費・修繕積立金等の改定の予定の有無
  • 管理人連絡先
  • 大規模修繕工事の予定の有無

その他管理会社によって内容は若干違いますが、上記は大体どこの会社でも記載があるはずです。重要事項説明書には、この書面の内容を記載する箇所があり、契約の添付書類としてこの報告書は買主に交付されます。

任意売却(にんいばいきゃく)

競売になる前段階で、文字通り「任意に」売却することを言います。競売は市場で取引される価格よりもかなり安くなるため、お金を融資している債権者の回収額は少なくなります。反対に任意売却は市場価格に近い金額で売却も可能です。回収額が多くなるので債権者はもちろん、債務者(売主)にとってもメリットのある話です。

しかし、売却したところで、借りている金額全てを返済出来る訳ではありません。任意売却で不動産を売却する為には、債権者(*融資機関)の同意を得なければいけません。売主は売却金額などについて希望を言う権利はなくなります。

販売を行う不動産業者は、債権者の売却希望金額をもとに、販売活動や金額の交渉を行うことになります。つまり売却活動時に、本来であれば主体的に関わることになる売主が、全く関われなくなるということです。

 

任意売却

売却活動に一切関われなくなります

 

売ったお金は全額債権者が回収し、売却にかかる諸経費(仲介手数料、印紙代、登記抹消費用)負担は売主にはありません。少し前は、高めの引っ越し費用を見積もって、売主に再スタートのためのお金を少しでも多く残してあげることが出来ましたが、今ではそうした小細工も通用しなくなっています。引っ越し費用とはいってもたいした額ではありません。

ちなみに固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金などの滞納金は、負担してもらえません。これだけは自力で捻出しなければいけません。

競売と同じく、早期の相談が一番の特効薬です。

競売(けいばい)

金融機関から融資を受けてマイホームを購入してみたものの、月々の返済が苦しくなってきた。マイホームは諦めて一時的にでも賃貸に避難しようと思っても、ローンの残高が多すぎて売っただけでは返済できない(*例えば借入金額が3,000万あるのに、2,000万でしか売れない場合)。

やむなく滞納を続けてしまいますが、数か月滞納しても金融機関も最初はやさしい文面のハガキで督促してくるだけです。

「あれ?返済しなくてもたいしたことにはならないじゃん?」

とホッと一息ついてしまうのは、都合の良い現実しか見ようとしない人間の性(さが)でしょうか?しかし、「借りたものは返さないといけない」、という人としての原則は必ず守らされます。金融機関は穏やかに、なだめすかしながら督促を行ったとしても、らちがあかないと判断すると、物件を差し押さえ貸したお金を回収する為に強制的に売却する、という行為に至ります。これを「競売」と言います。

ちなみに競売になるのはローンを滞納した場合だけではありません。行政の税金を滞納し続けても、差し押さえられ、競売となってしまいます。

「強制的」なので売却金額について、所有者が意見を言うことは出来ません。不特定多数の人(一般の消費者から不動産業者まで)が入札をして、一番高い金額を入れた人が落札します。

「ハンマープライス!」

です。周辺相場で売れることはほとんどなく、市場価格の7割から8割くらい、物件によってはもっと安くなってしまいます。

 

ハンマープライス!まさにたたき売り!

ハンマープライス!まさにたたき売り!

 

変わらず住んでいるのに、いつのまにか所有者ではなくなっていて、落札した人から不法占拠者扱いにされることになります。競売は不動産を購入した人にとって最悪の事態です。

ボクの今までの経験で、競売になる人の一番の不幸は、「誰にも相談できない・しない」ということ。相談を受けても、もう手の施しようがない、ということが良くあります。

「もっと早いうちに相談してもらえれば・・・」

といつも思います。お金のことなので、なかなかおおっぴらには言いにくいことかもしれません。しかしちょっと返済が滞り始めた、今の返済を続けていくことが難しいなど、予兆を少しでも感じたら、とりあえず声に出して相談してみることです。

病気でもなんでもそうですが、初期症状で対処するのが一番効果的です。親戚縁者や、信頼出来る人から紹介してもらった弁護士や、不動産業者などがこの場合一番の相談相手だと思います。

管理会社(かんりがいしゃ)

マンション共用部の清掃や、将来的な修繕計画を考えたり、入居者が快適にマンション生活を送ることが出来るよう、様々なことを行う専門業者のこと。マンションの所有者全員で管理組合を形成。管理組合が管理会社にマンションの管理を依頼するというのが、一般的な流れ。管理費と言うのは、管理組合が管理会社に支払う業務報酬のことを言います。

「マンションは管理で買え」

と言われる位、分譲マンションにおける管理会社の役割は大きいです。築年数が新しいからといっても、日常の管理やメンテナンス、修繕計画がお粗末だと、マンションの見た目も荒み、市場価値が下落する大きな要因になります。

例えば昭和50年代に建てられたマンションでも、しっかりと管理が行き届き、計画的に修繕が行われていれば、築年数の割に古さを感じず、良い感じで時を経た味わいの風格あるマンションと「熟成」していきます。

「ヴィンテージマンション」

と呼ばれるマンションがあり、築年が新しい訳ではないのに、活発に取引がされています。

 

ヴィンテージマンションの代表格というと「広尾ガーデンヒルズ」が有名です

ヴィンテージマンションの代表格というと「広尾ガーデンヒルズ」が有名です

 

そう呼ばれているマンションは、立地が良いということももちろんありますが、管理が非常に行き届いていて、ある種独特な雰囲気をまとっているのが特徴です。マンションを選ぶ際に、築年数や管理費の安さをあまり重要視しない方が良いでしょう。以下は平成22年管理会社満足度ランキングです。

【ランキング】

  1. 野村リビングサポート
  2. 住友不動産建物サービス
  3. 三井不動産住宅サービス
  4. 大和ライフネクスト
  5. 東急コミュニティ

マンション管理における重点項目は、「管理計画(修繕計画)・修繕積立金」がトップだったようです。

マンションは管理を買え

という言葉があるくらい、マンションの購入を検討する際には重視すべきポイントとなります。管理費が安いということは、管理にお金をかけていないということです。例えば売り出し価格は同じで、築5年と築15年のマンションがあったとします。築5年より築15年のマンションがより適正に管理されているようであれば、そちらを検討してみても良いでしょう。人間の年齢と同じでマンションも同じように年を重ねていきます。適正にケアされてきたマンションは今後もちゃんと管理されるに違いありません。適正に管理されたマンションの検討をお勧めします。

購入申込書(こうにゅうもうしこみしょ)

買付証明(かいつけしょうめい)」、単純に「買付(かいつけ)」とだけいうこともあります。「こういう条件であなたの物件を買いたいのですがご検討頂けませんか?」という買主からの明確な購入の意思表示です。

申込書

申込書の見本です

 

意思表示に過ぎませんから、極端な話、5,000万の物件に対して2,500万で買いたいとメッセージを送ることは可能だし自由です。ただ、売主または売り手側の仲介業者が、その申し込みを受け付けてくれるかどうかは別問題です。提示した金額によっては交渉のテーブルにも付けません。

今の時代、ほぼ100%の人が金額含めて条件交渉を前提に申し込みを入れてきますが、売主の交渉の余地などを予め探っておくなど、事前に売り手サイドの感触を確かめておく必要があります。受け付けてくれるであろうギリギリの線で購入申込書を出すというのが非常に重要です。

また、購入申込書には法的な拘束力は一切ありません。ですから条件通りになったとしても、絶対に買わなければいけないという訳ではありませんし、条件が整った段階でキャンセルしたとしても、金銭的なペナルティは一切ありません。

しかし、購入申込書を提出するということは、条件がまとまれば、「必ず買う!」という正式な意思表示で、本来非常に「重たい」ものです。話がまとまった後でのキャンセルはルール違反であり、マナー違反にあたります。決して簡単に書いてよいものではありません。

キャンセルする際によく見受けられるのが、以下のようにお客さんが全然煮詰まっていないケース。

「こういう条件になれば買うよ~(ま、ダメもとで、どうせ無理でしょ)」

「え?通った!?あ、そう・・・」(まいったな、まさか通るとは。まだそこまで思ってなかったんだけどな。ま、いいか。今回は適当な理由をつけて断っちゃえ!)

「すいません、実は家族から反対があって・・・」

この場合お客さんにも多少の責任はありますが、「一度購入のレールに乗せてしまえば、簡単にはキャンセルしないだろう」と考えて、購入申込書を出すという行為の理由と重みを説明を怠った不動産業者の責任でもあります。

未公開物件(みこうかいぶっけん)

現在の不動産広告の主流は、自社サイトやポータルサイトに物件情報を掲載するインターネット広告です。どこの会社も、インターネットに物件の情報を掲載し、購入希望の買い手を集めようとします。

しかし、豊富な広告量とブランド力で、数多くの売り手から売却の依頼を受ける(媒介契約を結ぶ)大手不動産会社と違い、中小の不動産会社は、売却依頼を受けている物件が多くありません。ネット上に掲載する物件(商品)が少なくてはどうがんばってもお客様はやってきません。

では、商品ラインナップが少ない不動産会社がどうするかというと、他の会社が媒介契約を結んでいる物件(商品)を借りて、自社サイトやポータルサイトに掲載(陳列)することで、お客様からのお問い合わせを増やそうとします。

もちろん、全ての物件を借りられるかと言ったらそうではなく、売却の依頼を受けた不動産会社の販売方法の意向により、掲載を断られる物件が多く存在します。というよりも実際の所ほとんどがネットへの掲載を断られます。大手不動産会社は90%位の確率で貸してくれません。

つまり「他社で媒介契約を結んでいる物件を、自社サイトなどに掲載しようとして、取扱不動産会社に掲載の承諾を求めたが断られ、自社ではどうがんばっても広告出来ない物件のこと」を、断られた立場の弱い会社の、都合の良い言い方で「未公開物件」と言っているのです。要するに、「当社に来てくれればネットに出てない物件でもたくさんご紹介できますよ。だからご来店くださいね!」と、来店を促す意味合いが強い。

戦略としての未公開物件

お客さんから売却の依頼を受けたら、すぐに市場に情報を流し、少しでも多くのお客さんに物件を知ってもらおうとしますが、そうしない不動産会社も残念ながらあります。また、市場に情報は流すけど、

「商談中」

「契約予定」

といって一切物件を紹介しない(*囲い込み)不動産会社もあります。

「けしからん」

と、売り物件を思うように集められない、ネームバリューの劣る非・大手不動産会社のやっかみの声が多くを占めます。しかし、

「未公開物件」

というワードは、非常に力があり、「未公開」とついただけでプレミアム感や希少価値が出てきます。

「完全に未公開物件です」

と言っただけ(*実際公開した訳ではないのでウソではない)で、一般に公開している物件には見向きもしなかったお客さんの目の色が変わるのです。金額が特別安いわけではなく、たいしてアピールするところのない普通の物件だったとしても、「未公開」として出し惜しみすることで売れるのであれば、それはそれで売り方の一つの戦略なのかもしれません。

・・・とこのように考える不動産会社があってもおかしくありません。くれぐれも「未公開物件」という言葉に惑わされ過ぎないようにしてください。

「未公開物件=掘り出し物」ではない

なぜ人は未公開物件に惹かれるのかというと、原因はやはり、

「未公開物件=掘り出し物」

という認識を持ってしまうからでしょう。しかし「掘り出し物」とは何を持ってそういうのか、明確に理解している人はいません。

そもそも物件の価値は相対的なものではなく、人それぞれ違います。そうした価値観をベースにして物件を探しているのに、誰にとっても「掘り出し物」と映る物件が存在するはずがありません。

誰にとっても相対的な価値というと、金額が安い、ということになるのでしょうが、誰にとっても安いと映る情報が一般エンドユーザーまで回ってくるかというと、ゼロではありませんが、その可能性は限りなく小さくなります。通常は、買取業者などが購入していきますし、売却の依頼を受けた不動産会社も、まずはそうした事業目的で購入する会社に紹介することがほとんどです。

そうはいってもごくたまに

「なんでこんなに安いのか!?」

と思う物件が市場に出てくることがあります。ところが、調べてみるとなにかしら安くなる理由があっての金額です。例えば、

  • お墓が目の前にある
  • 送電線が近くにある
  • 再建築できない
  • 自殺物件

などなど・・・。需要が少ないことを踏まえての金額設定なんでしょう。しかし、人の価値観と言うのは分からないもので、目の前にお墓があることを、

「気味が悪い」

と見向きもしない人もいれば、

「今後建物が建つ可能性がないから」

と逆にメリットと捉える人もいます。

万人に受ける掘り出し物を探すのではなく、自分にとっての掘り出し物を探すことが正解ですね。いつ出てくるとは知れない「未公開物件・掘り出し物」を待つのは現実的ではありません。自分にとっての掘り出し物がどのような物件を指すのか?まずは自身の価値観を明確にすることから物件探しを始めてみたらいかがでしょうか。

団体信用生命保険(だんたいしんようせいめいほけん)

住宅ローンを受ける際には、加入することがほとんどの、団体信用生命保険について解説します。

 

団体信用生命保険(通称:団信)とは?

住宅ローンを借りると、同時に加入しないといけない保険のこと。略して「団信(だんしん)」と呼ぶことが多いです。主債務者に万が一のこと(死亡や高度障害)があったら、住宅ローンはその時点でなくなります。一緒に住む家族にとっては、最低限の住まいは保証されるということです。

通常の生命保険では、保険金受取人は配偶者や相続人となります。しかし、団信の保険金受取人は融資をした金融機関です。お金を貸した金融機関が、保険会社から保険金を直接受け取るということです。

「ご主人に万が一のことがあっても、ご家族に家を残すことが出来ます」

一時期の不動産営業マンが、セールスで多用したセリフのトップ3に入るのではないかと思いますが、決して嘘ではありません。嘘じゃないですが、

「家族に家を残すのが責任ある大黒柱であるご主人ですよ」

と、家を買わないのがまるで「責任ある大人ではない」みたいな感じを受け、住宅購入を半強制しているようで、個人的には聞いていて気分の良いものではありません。

夫婦の収入を合算して住宅ローンを受ける場合

夫婦双方の収入を合算して、共有で住宅ローンを借りるご家族もいます。その場合団信はどうなるかというと、借り入れ条件や収入、勤務先にもよりますが、ご夫婦共に加入が必要となることもあります。夫婦共有で借りる場合、二人とも主債務者になるので、どちらかにもしものことがあったとしても、自分の持分しか返済は免除になりません。

つまり夫婦併せて3,000万借りる場合、「ご主人が2,000万、奥さんが1,000万」と借りる割合を決めます。ご主人が亡くなったとすると、当然2,000万だけ返済が免除され、奥さんの1,000万の借り入れは残ります。夫婦二人で収入を合算して借りることになるので、融資を受けやすくなりますが、上記のようなリスクがあることを覚えておかなければいけません。

団信の保証金額

金融機関によって違いますが、団信加入が出来るのは、概ね融資金額1億円のところが多いようです。1億以上の借入はどうなるかというと、超える部分の借入に対しては連帯保証人が必要となります。「主債務者に何かがあれば、1億までは団信で免除されるけれど、1億以上の部分は連帯保証人に返済義務が残る」ということになります。

ただ、1億を超える部分は免除されないと言っても、1億以上の物件を購入する人ですから、それなりの生命保険に入っている方が多いです。遺族が死亡給付金を相続することになるので、その保険金が返済に回ることになることで団信で免除されない部分を返済することが多いようです。

団信加入のためには?

団信は生命保険の一種です。従って加入時に健康状態を、告知書を通じて報告する必要があります。収入状況や勤務先など、融資を受けるにあたり内容に問題がなかったとしても、過去の病歴や手術歴、既往症、持病などで、健康状態に不安ありと判断されてしまうと、団信に加入できず、融資も受けられません。

団信加入が任意の場合

フラット35やネット銀行など、団信加入が任意となっているところもあります。ただ、任意とはいえ加入せずにいれば、万が一の時にもローンが完済されることはなく、残された家族が返済を続けていかなければなりません。自身で別の保険(*例えば収入保障)に加入するなど、万が一の時の対策をしておく必要があります。

居住用不動産の3,000万控除(きょじゅうようふどうさんのさんぜんまんこうじょ)

本来不動産を売って得た譲渡「益」について税金がかかりますが、自宅を売って出た利益については、「そもそも利益を出す目的で売った訳ではないから大目に見ようよ」ということで、優遇措置があります。3,000万までの利益は無税、というものが「居住用不動産の3,000万控除」というものです。3,000万を超えた部分に対してのみ税金がかかってきます。

例えば、3,000万で買った自宅マンションが、5,000万で売れたら2,000万の利益ですが3,000万は控除されるので無税です。6,000万で売れたら3,000万の利益ですが同じく無税です。6,010万で売れたら3,010万の利益で、3,000万控除後の10万にたいして税金がかかります。

今のご時世、買った金額より高く売れるなんてことは、あまり考えられませんが、親から相続した自宅を持っている方は注意しないといけません。

「親が購入したのでいくらか分からない」

ということもあると思います。買った時の契約書や領収書がその証明になりますが、そうした証明書類がなければ売却した金額の5%が取得費とみなされます。つまり「5,000万でマンションを購入したという証明(契約書や領収書)がなければ、5,000万×5%の250万で購入」したとみなされます。

取得費が不明で、親から相続したマンションが3,000万で売れた場合

3,000万円の自宅マンションの取得費は150万(3,000×5%)円です。3,000万-150万の2,850万が譲渡益となりますが、控除される3,000万以内に収まるので無税です。購入価格(この場合は取得費)、売却価格ともに、諸経費(印紙代や仲介手数料、登記費用や測量代)も控除されるので、実際はこの通りではありません。

注意しないといけないのは、この特例が適用されるには以下のような条件に該当する時のみです。

  1. 住まなくなってから3年を経過する年の年末までに売った時
  2. 建物を取り壊して1年以内の譲渡
  3. 前年、前々年にこの控除を受けていないこと
  4. 身内への譲渡はこの控除は適用出来ない

どのタイミングをもってして「売却」及び「譲渡」と見なされるかですが、契約時か決済時、どちらかを選ぶことが出来ます。期限ギリギリの年末に売買契約しておけば適用可能ということです。

ちなみに賃貸併用住宅は、自宅ではないので賃貸部分には適用出来ません。あくまでも居住用部分にのみ適用されます。その際には売却金額と居住部分を按分して、居住部分がいくらで売却したことになるのかを算出します。

共有名義だったら3,000万×2の6,000万まで控除額が広がると勘違いをして、慌てて共有にしようとする方もいますが、あくまでも二人合わせて3,000万までです。贈与税のからみもあるので必ず税務署の人に相談することをお勧めします。

3,000万控除の適用期間

3,000万控除は、自宅として使っていたなら、いつまでも適用されるのかというと、もちろんそんな都合の良い特例ではありません。適用される期間が決められているのです。

「住まなくなって3年が経過した年の年末までに売却した自宅に限る」

これが制限です。この場合の「売却」というのは、契約や決済が含まれています。つまり所有権が変わっていてもいなくても、3年目の年末までに契約さえしておけば適用されるということです。売却益がもともとでないのであれば関係ありませんが、少なからず売却益が発生するなら、売却計画自体、考え方が変わって来てしまう可能性があります。

「税金で手取りが減るならば、適用されるうちに多少値引きをして売ってしまった方が、結果的に高く売れたことになる」

という判断も出来ます。そのため、自宅として使っていた事実はあるが、住まなくなって3年以上経った自宅を、居住用不動産として見てもらうのはどうしたら良いのか、といった相談を受けることもあります。

何をもってして居住用の不動産として使っていたかを判断されるかですが、諸説いろいろあります。住民票がそこにあることにはじまり(*売却直前に持ってくるようではNG)、水道・光熱費の請求が行っているか?またそうしたライフラインが使用されているか?郵便物が届くのか?新聞が届いているのか?などがあります。

しかし、、正確なことは私にも分かりませんのでお勧めしていません。きっとみんなが当たり前のように考えることは、とっくにその対策や発見方法が考えられているに違いないからです。現状、諦めるしかなさそうです。

境界(きょうかい)

土地と土地の境目にある目印のこと。石柱や金属鋲などが多い。なければ隣地との土地境が決まっていないということで、トラブルのもと。

地面に埋まっていることも良くあるので、土を掘って探すか、それでもなければ再度測量を行って隣地との立ち会いの上、境界を新設する必要がある。

境界プレート

境界プレート

 

昔ながらの境界石

昔ながらの境界石

 

境界鋲

境界鋲

媒介契約(ばいかいけいやく)

不動産を売りたいという人から、売却の依頼を受ける際、取り交わす契約書のことを

「媒介契約書」

といいます。「契約」とありますが、そんなに仰々しいものではなく、要するに

「媒介契約書上に記載されている不動産の売却を依頼する」

といった依頼書です。口頭で依頼を受け付けたとして、販売活動を始めてしまう会社もありますが、ちょっと名の通った企業であれば、まず間違いなく書面で契約を交わします。

売却の依頼を受けた不動産会社は、その物件の売却担当企業として、主に以下のような業務を行います。

  • 物件の調査
  • 販売図面の作成
  • 販売状況を分析しての価格変更の提案
  • 他業者の案内の立ち会い

媒介契約書の種類

媒介契約には以下のように3種類の形式があります。

  1. 専属専任媒介
  2. 専任媒介
  3. 一般媒介

専属専任」という文字面がなんだか、「独占販売」のようなイメージを受けますが、どちらかというと販売の、「窓口」と思った方が良いでしょう。 媒介の種別を簡単に説明すると、

  1. 売却の窓口は一つ。契約を交わした不動産会社しか販売の窓口となれない。自己発見取引(売主本人が連れてきた人と契約すること)も×。
  2. 1.と同じく契約を交わした不動産会社しか販売の窓口となれない。自己発見取引は○。
  3. 複数の不動産会社が売却の窓口となれる。

1.と2.は、売却の窓口を1つしか作れないということです。一見すると不利のように思えますが、実際そんなことはありません。なぜなら物件の情報は、

「東日本不動産流通機構(通称:レインズ)」

を通して市場に流れるので、依頼を受けた不動産会社しか販売しない訳ではないからです。全国の不動産会社がレインズを通して物件資料を取り寄せ、お客様に物件を紹介することが出来ます。

みんな欲しがる専属・専任媒介契約

どの不動産会社も「専属」もしくは「専任」で売却を任せてくれないかと言ってきます。なぜなら専属専任で売却の依頼を受けておけば、仮に自社で買い手を見つけることが出来なくても、他の不動産会社が連れて来てくれることがあるからです。その場合、売り手の報酬は確保できます。つまり絶対商売になるのです。

とはいえ、もちろんお客さんが来るのをただ待っているだけではありません。販売の窓口としての責任が生じますし、適正な情報発信能力や交渉力や提案力、不動産のことはもちろんのこと、税金の知識も必要となり、高い専門性が要求されます。

しかしながらちゃんとマジメに販売活動をしておけば、必ず(*もちろん例外あり)報酬と言うかたちで報われます。

専属もしくは専任媒介を取得する=売り上げが計算出来る」

ということです。

媒介契約の説明はちゃんと受けましょう

初めて不動産の売却を行うお客さんは、3.の一般媒介のように、多数の不動産会社に売却依頼を出せるものとは思っていません。それが媒介契約書の説明を受けてみると、どうやら「一般」という種類があり、複数の不動産会社にも依頼が可能だとその時初めて知るのです。そこを突っ込まれたくない(知られたくない)不動産会社は、

「媒介契約書の説明はサラッとすませて、つっk専任以上で締結してしまいたい」

というのが本音です。注意しましょう。

途中解約も可能

一般的に媒介契約の期限は3か月とありますが、生真面目に契約期限を全うする必要は全くありません。期限前でも媒介契約を打ち切ることは出来ます。

「話が違う」「一向に決まらない」「全く報告がない」「担当者の動きが悪い」

などの理由で媒介契約を途中で打ち切ることも出来ますし、専属&専任から一般に媒介の種類を切り替えることも可能です。売り手から要求した特別な広告などを行っていなければ、媒介契約の破棄・切り替え時に、違約金やペナルティなどかかりません。

担当者の力量を見極めるチャンス

何度も不動産の売却をしていて慣れているのであれば別ですが、ほとんどの人がそうではありません。対応した営業マンが信用出来そうな人だったとしても、必ず媒介契約書の説明は受け、不明点や疑問点はその場で解決しておきましょう。

売却を担当する不動産会社が大きかろうが、小さかろうがやることにそれほど違いはありません。要は担当者の質によってすべてが全く違ってきます。

契約書を説明する担当者の姿勢や、あなたの疑問に答える態度から、力量を推し量ることができるチャンスでもあるので、色々と質問してみるのが良いと思いますよ。

借地権(しゃくちけん)

文字通り、土地を所有するのではなく、「土地の所有者である地主から土地を借りられる権利」のこと。

借地権には旧法と新法がありますが、旧法の借地権は借地権者(土地を借りている人のこと)の権利が非常に強く、「1度貸したら2度と返ってこない!」と、地主さんの評判はすこぶる悪い。例外ももちろんありますが、原則地主が借地権の更新を拒否することは出来ないからです。借地権のメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット 】

所有権と比べて、安い価格で広い土地を手に入れることが出来ますし、土地を所有する訳ではないので、毎年の固定資産税もかかりません。地代を毎月払うことになりますが、固定資産税は国へ支払う地代のようなものです。

もちろん年間の固定資産税額と、月々の地代を比べると額は全然違いますが、土地を所有しても借りても、結局は維持費がかかるということです。

【デメリット 】

更新の時期には地主に対して更新料がかかりますし、家を建て直す時にも地主の承諾が必要です。例えば借地権の土地上に新しく家を建てようとした場合、「木造のみ」「鉄筋・鉄骨はNG」「賃貸住宅はNG。あくまでも個人住宅」「2階建じゃないとNG」などと、様々な条件が付いてくることがほとんどです。借地の条件変更を求めることは出来ますが、地主にダメだと言われたらそれまでで、仮に認められたとしても条件変更料を求められます。

条件変更を求めて裁判を起こせば、地主の承諾に代わる許可が裁判所から出ることもありますが、地主との関係はその後もずっと続きますし訴訟費用もかかります。さらに一般の人にはなかなか理解しにくいため、通常の所有権物件よりも、市場での流通性は良くありません。将来売却する時に苦労するかもしれません。

借地権に手を出す際は、上記のメリット・デメリットを良く理解してからにしましょう。充分注意が必要です。

片手(かたて)

いわゆる業界用語。購入・売却どちらか一方のみの仲介を行い、「片方からしか仲介手数料を受領しない」こと。

例えば、物件の購入を考えているAさんが、B社に不動産購入のお手伝いを依頼し、C社が売却の依頼を受けている(媒介契約を結んでいる)物件を購入できたとします。AさんはB社に仲介手数料を支払います。B社はAさんから手数料をもらうことができます。これが片手取引。

両手(りょうて)

業界用語。購入・売却双方の仲介を同時に行い、「両方から仲介手数料を受領する」こと。単純に報酬は2倍になる。

買い手AさんがB社に購入のお手伝いを依頼し、同じB社が売り手Cさんから売却の依頼を受けている(*媒介契約を結んでいる)物件を購入することになった場合、B社はAさんとCさん、双方から仲介手数料を受け取ることが出来る。

弁護士の双方代理が禁止されているように、不動産業界も双方仲介を止めるべきではないかとの声は多い。この両手取引が認められているため、物件の囲い込みが常態化している一因にもあげられる。業界が正常に発展していないという声もあるが、難しい案件になるほど、当事者が少ない方が話をまとめやすいという側面もある。

物件を扱う不動産会社のモラル向上が一番の特効薬だが、一番難しい改善ポイントでもある。

 

建ぺい率・建蔽率(けんぺいりつ)

容積率と併せて語られることが多い。

1階の床面積が、敷地面積に対してどの位(何パーセント)まで建築出来るか?

という理解で充分。

容積率は100%以上の地域もありますが、建ぺい率(建蔽率)には100%以上はありません。敷地面積をはみ出して建物を作ることは出来ないからです。

50%、60%、80%というのが一般的で、制限の厳しい地域だと、40%というところもあります。いわゆる「閑静な住宅街」や高級住宅街は敷地の半分以下にしか建築出来ないということが多いです。隣地との間がゆったりしているということなので、それが結果的に高級住宅街に仕上げている要因でもあります。

これとは反対に、建ぺい率(建蔽率)が60%以上あり、隣地との隙間がほとんどない商業地のような場所もあります。そこが高級住宅街と比べて土地の価値が低いのかと言ったらそういう訳ではありません。そうした地域は容積率も大きい(200%とか300%、それ以上)ので、敷地いっぱいまで建てることができ、かつ、上に伸ばすことも出来るので、非常に大きな建築物を建てることができます。そうした意味では、土地の利用価値は高いです。

この建ぺい率(容積率も)というのは、物件の販売図面に必ず記載されているので、例えどんな立地課知らなくても、数値を見ることである程度把握することが出来ます。

容積率(ようせきりつ)

「敷地面積に対してどの位の建物を建築することが出来るか?」を表す数値。販売図面には通常パーセント表示されている。

photo

雑な資料で申し訳ないです。。。

例えば土地面積100平米の場合・・・

  • 容積率80% = 80平米の建物が建築可能
  • 容積率100% = 100平米の建物が建築可能
  • 容積率200% = 200平米の建物が建築可能

と続く。前面の道路がある一定の広さを有していたり、角地は良好な立地条件と言うことで、容積率が+10%加算されることもある。それだけ大きな建築物を作ることが出来るので、利用価値・資産価値共に大きなメリットに。

容積率の数値が多い方が、それだけ規模の大きい建物を建てることが出来るので、一件有利に思ってしまいますね?だけど周辺環境が違ってきますので、一概にそうとは言えません。

一般的に容積率の数値が小さいところ(80%とか)は、「閑静な住宅街」と言われ、高級住宅地の多くがこれにあてはまります。一方、容積率の数値が大きいところは、幹線道路や商業地、工業地が近隣にあり、ごちゃごちゃした印象を受けることがあります。

不動産業者からもらった販売図面だけでは、近隣の住環境を把握することは出来ません。しかし、このように容積率を多少なりとも理解することが出来れば、ある程度の想像は出来るようになると思います。

会議室の写真

決済(けっさい)

「引き渡し日」とも、「本契約」ともいう。取引に関わった不動産会社のほか、司法書士も同席。買い手は購入した物件の残代金を支払い、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金の精算を行い、所有権の移転が行われ取引が完了する。これら一連の行為を「決済」と呼ぶ。

銀行で融資を受ける場合、決済場所は融資を受ける銀行の支店で行う。所用時間は早くて30分。5日と10日が付くいわゆる

「ゴトー日(*15日、25日など)」

は銀行が混むため、かなり時間がかかる。平均1時間前後。遅くて2時間。年度末だと混雑っぷりは殺人的で、何時間も待たされることも・・・。

現金取引の場合は、決済場所はどこでもいい。一般的には不動産会社や銀行で権利証など書類の確認を行い、確認が出来次第、近場の金融機関に行き残代金を振り込む。

当日中に売り手の口座に着金確認できることが前提。さらに権利移転の手続き書類を、司法書士が法務局に持ち込むが、役所なので17時までしか開いていないため、どんなに遅くとも13時過ぎ位までには手続きを終えておく必要がある。年度末や銀行が混んでいる日を避けて、決済日を段取りする不動産会社の如才なさが何より重要だったりします。

 

お茶は出てきません

買い手のほとんどが金融機関から融資を受けて不動産を購入することになります。ですから、大体融資を受ける銀行で決済を行うことが通常です。

 

 

いつもは銀行の窓口にしか用件がなくとも、決済は一大イベントです。金融機関にもよりますが、買い手・売り手のどちらかが金融機関のお得意様(*大口契約者や法人口座)だったりすると、この写真のような応接室で行われることもあります。この写真の応接室を使った時の話ですが、買い手はこの金融機関の大口のお得意様でした。

その日、滞りなく手続きは済んだあと、銀行の担当者が、腰を低くしながらお得意様である買い手さんへ揉み手をしながら一言。

「お茶も出さずに申し訳ありません」

と挨拶してました。

お金を金融機関から借りる人は少なくとも銀行にとっては大事なお客さんなはず。つまりお客様相手のサービス業といってもおかしくありません。しかもこの時の買い手さんは何度も利用しているお得意様。にもかかわらずお茶の一つも出ない。これはなぜなのか?

「お茶も出さずに・・・」

と、担当者が謝ったということは、申し訳ないという認識は持っているということです。ということは、

「お客様にはお茶を出してはいけない」

と、厭味ったらしくいうとマニュアル化でもされているのかもしれませんね。

別にお茶を出して欲しい訳ではありません。ただただその感覚(?)が不思議でならないというだけです。

というわけで、決済ではお茶は出てきませんのでご注意ください。

決済が緊張する理由

不動産取引のクライマックスである決済は何度やっても緊張しますが、無事終わった後の解放感は格別です。不動産会社にとってもそれだけ緊張するのが決済です。緊張する要因として

「扱う金額が大きいから」

というのも確かにあります。一般の人が生涯で一番高い買い物が不動産ですからね。それに携わる責任は重大です。だけどそれ以外にも緊張する要因はあります。

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売り手・買い手含めて、スケジュール調整が重要です。お客さんが仕事をしていない人だったらまだしても、そんな人たちばかりではありません。銀行で融資を受けるには、金融機関が営業している平日でなければいけません。仕事の調整をつけて、午前半休を取ったり貴重な有給を消化して、その日のために日程を合わせます。

その他にも売り手・買い手への当日準備するお金や、用意する書類や流れの説明、連絡。司法書士への必要書類の確認。銀行担当者とのお金の流れの確認などなど。

「決済は段取り8割、いや9割」

と言ってもいいくらいで、前日までに段取りを完璧にやっておけば、本来スムーズに行くのが普通です。・・・しかし、たった一つ落とし穴があります。それがお客さんの

忘れ物!

です。どんなに神経を張り巡らし、関係機関への連絡を万全に行って、当日は粛々と作業を実行するだけだったとしても、全てが一瞬でフイになることがあります。そ・れ・が!

忘れ物!

忘れ物があると、全員の都合を合わせて当日を迎えたにも関わらず、日程から何から何まで全て仕切り直しになってしまいます。今までこうした理由で決済が仕切り直しになったことは何度もあり、その際の忘れ物は以下の通りです(複数回含まれます)。

  • 権利証
  • 身分証明書(特に免許を持ってない人)
  • 通帳印(出金手続きが出来ない)
  • 通帳(口座番号が分からないため支払口座や振込先が分からない)

他にも色々とあった気がしますが、主に思い当たるのが以上の4点。これらは売り手・買い手に用意してもらうもので、間違いのないように我々も事前にアナウンスします。場合によっては前日の夜に確認の連絡もしますが、こちらがどんなに万全を期したと思っていても、忘れるときは忘れてしまいます。

一見すると不動産会社に責任はないように思えます。ただ、取引を最後までまとめきるというのが、我々仲介業者の責務であり、その対価として仲介手数料が存在します。原因がお客さんの忘れ物だったとはいえ、取引を遂行できなかったということは、責任を果たしていないということです。

忘れ物を「させて」しまったのも、忘れないように伝えることが出来なかったのが悪いのです。だからどんなに万全に準備をしたと思っても、全てが終わってからでないと安心できないのです。ですから、金額の大小ではなく、決済が終わった時の解放感はやはり格別なのです。それはきっと不動産を売却した売り手、購入した買い手、全員にとって素敵な瞬間であるはずです。

法(のり)

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つまりこういう状態を「法(のり)」、もしくはこういう状態である土地を「法地(のりち)」といいます。土地に何らかの加工(*切り土、盛り土)を行わなければ、崖地・傾斜地の部分は使えません。

土地面積が広い割には安い物件というのがあると思いますが、土地の半分が(崖地)だった・・・なんてことが良くあります。通常、販売図面に「有効宅地面積は○○平方メートル」「土地面積の○○%が法となります」という記載がありますが、小さな文字で書かれていることもあり、ひどいものはその記載がないこともあります。

仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

購入・売却の仲介を完了させることによって受領することが出来る、不動産会社にとっての報酬。取引金額の3%+6万円(消費税別途)が上限。つまり上限いっぱいに受領している不動産会社がほとんど。上限でなければいけないという法律は一切ありません。

「不動産会社がお客さんから手数料としてもらっていい金額の上限」

ということです。仲介手数料を受領する時期は不動産会社によって異なるが、契約時と決済時に半金ずつ受領するところが多いようです。なぜそういうもらいかたをするのかというと、契約が解除になった場合のことを考えてのことです。

決済までの間に契約が手付け解除や違約により解除された場合、

「契約締結までの仲介業務はこなした。半分は業務を遂行した」

ということで、契約は存在したことになり、仲介手数料は返金されなくても文句は言えないのです。ただ、そのような不動産会社の論理を、理解できるお客さんが多くないことから、実際のどのようにしているかはわかりません。ちなみに白紙解約の際は、契約が文字通り「白紙」になるということで、もともと存在した契約がなかったものとして考えられます。当然、存在しない契約に支払った仲介手数料ということで、返金されます。

仲介手数料は安くなるのか?

最近は手数料半額や無料とうたう不動産会社も増えてきています。仲介手数料が他社に比べて安いことは、当然大きな売りになります。通常の手数料で営業している不動産会社が、手数料無料や半額の会社と競合した場合、お願いすれば以外に簡単に値引きしてもらえそうに感じます。しかし、必ずしもそうとは限らないのです。会社の規模が大きい会社程、手数料の値引きは難しいです。私が以前所属していた大手仲介業者で、以前こんなことがありました。

売主・買主の条件がどうしても折り合わなかったので、双方の手数料を少し調整することで、条件に折り合いをつけ、契約をまとめようと試みたことがあります。しかし、

「値引きしなければまとまらない契約はやらなくていい」

という会社の方針で、契約寸前までいったその話は流れてしまいました。

「手数料を安くして契約をまとめた」

という前例を作りだしたくなかったという話も、後になってから聞きました。

「手数料半額」とか「無料」と謳う業者さんが増えてきましたが、「仲介手数料は当然安くなるもの、値切れるもの」と当たり前のように考えて、安易に取引に突入しない方が良いでしょう。

やってはいけないパターン

例えばAさんという物件の購入を検討している人がいたとします。通常の仲介手数料で営業している不動産会社に物件を紹介してもらい、何件か案内してもらった結果、めでたく気に入った物件が見つかりました。そのまま契約締結に至ればなんら問題はないのですが、スケベ根性を出したAさんは、仲介手数料無料もしくは半額の不動産会社に物件を仲介してもらえれば、本来かかる予定の手数料が安くなる、と考えました。そこで手数料値引きをしてくれる不動産会社に話を持っていき、当初から対応してくれている不動産会社を飛ばして、契約を締結してしまった・・・というケース。

経済的な合理性を考えたら、なんら責められるものではないのかもしれません。仲介手数料を安くして業務を行うということは、そのような報酬体系でも営業していける仕組みを作ったれっきとした企業努力です。ただし、道理・モラルとしてはどうなのでしょうか?成功報酬とはいえ、それまでやってもらったことが、まったくないということはないはずです。義理人情の世界で論理を通す必要はありませんが、最低限のマナーというのはあってしかるべきでしょう。

こういうようなことをするお客さんが多いからでしょうか。手数料を無料・半額にする不動産会社のホームページには、

「他業者が案内済みの物件の仲介業務はお断りします」

とうたっているところも多いようです。

仲介手数料とはそもそもなんなのか?

仲介手数料については、こんな話もあります。以前、売却の依頼を受けている物件に、ほかの不動産会社が問い合わせをしてきました。

業者:「御社の物件を内見させて頂きたいのですが」

私:「いいですよ、何時ですか?」

業者:「私の都合がつかないので、お客さんだけ現地に行ってもらおうかと思っているのですが」

私:「は??それは別にいいですけど、もしそのお客さんが気に入って話を進めたいと言ったら当社の仲介で契約してもらいますけど、そういうことでいいんですか?」

業者:「それはちょっと・・・」

私:「『それはちょっと・・・』と言われても、お客さんに物件だけ紹介してあとは勝手に見て来てくれだったら、仲介手数料もらう資格ないですよね?」

業者:「それ以前にかなりご案内しているので」

私:「それは関係ないでしょ。そのお客さんに正規に手数料を請求したいなら、お客さんに対する義務は果たされるべきだと思いますけど?」

というやり取りをしたことがあります。物件をお客さんに紹介して、現地にはお客さん「だけ」向かわせ、それで仮に決まったら、お客さんに請求するのは「仲介手数料」であるはずはありません。いっそのこと「物件紹介料」という名目が正しいのでは?と思います。

今の時代、物件を探している人は、インターネットでいくらでも・いつまでも物件を探すことが出来ます。物件を紹介するだけで手数料がもらうなんて、不動産の仲介業務がそんなに簡単な仕事であるはずがありません。仲介手数料というのは、(購入や賃貸の場合は)物件を紹介するのはもちろんとして、お客さんを案内して、「不動産のプロ」という立場から、その物件のメリットやデメリットを分かりやすく説明して、決断する材料を揃えてあげることです。勘違いしている営業マンやお客さんの中にも多いですが、口先だけで強引に決めることではありません。

また、お客さんが決断を迷っているなら、背中をそっと押してあげることも必要だし、「もう少し様子を見てみましょう」と、決断するための時間を提供することも重要な要素です。売却でも購入でも、決断したならば不安なく契約を終えられるようサポートや手配をすることも大切な業務です。

そこまでやってはじめて成功報酬としての仲介手数料があるわけです。それをすっ飛ばしていいところだけ取ろうとする不動産会社がまだまだ多い現状が、まわりまわって道理やモラルを欠くお客さんを産んでいるのかもしれません。

リノベーション

目に見える箇所の、大がかりなリフォームリノベーションということもあれば、給排水管など目に見えない構造部分も含めて取り換えるリフォームのことを、リノベーションということもある。現状、リフォームリノベーション、二つの意味に明確な線引きはない。

住宅用家屋証明書(じゅうたくようかおくしょうめいしょ)

国が定める耐震基準を満たしていることを証明する、市区町村が発行する書面のこと。この書面があると所有権移転時にかかる登録免許税が安くなる。

「国が定める耐震基準を満たした居住用の住まいを買うんだから、税金安くしてよ」

ということ。適用条件は、建物面積及び専有面積が50㎡以上であることと、耐火建築物(鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造)であれば・・・「建築後25年以内であるか、国土交通大臣の定める安全性基準に適合すること」。耐火建築物以外(木造)であれば・・・「建築後20年以内であるか、国土交通大臣の定める安全性基準に適合すること」

その物件が「耐震基準適合証明書」を取得できていれば、「国が定める安全性基準に適合すること」に当てはまる。

耐震基準適合証明書(たいしんきじゅんてきごうしょうめいしょ)

建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類です。住宅ローン減税やその他税金の優遇措置(*登録免許税、不動産取得税等)を受けるためには以下のような条件を満たす必要がある。

  • 耐火建築物(鉄骨や鉄筋コンクリート造)なら築後25年以内
  • 非耐火建築物(木造住宅)なら築後20年以内

しかし、上記のように築年数が適用条件に合致していなくとも、一定の耐震基準を満たすことを証明できれば、減税の特例を受けることが出来る。その証明をする書類が、「耐震基準適合証明書」。

発行は建築士事務所登録を行っている事務所に所属する建築士、又は指定性能評価機関などが行えます。まずは耐震診断を行い、耐震基準を満たしているか確認します。その結果、耐震性を満たしている住宅であれば証明書が発行できます。耐震性を満たしていない住宅は補強工事が必要です。

ただ、マンションの場合、耐震診断など大掛かりな作業を行うことはほとんどなく、長期修繕計画表などをもとに、一級建築士が建物を目視調査することで発行してくれる。費用はまちまちだが、10万かからないことが多い。

書類の発行を受けて減税措置を受けたいのは買い手だが、書類を発行してもらうにはその時の所有者(*つまり売り手)が依頼しなければいけなかった。そのため、事情を売り手・買い手双方に良く説明しておかなければならなかったのだが、平成26年度からは買い手が入居する前までに入手すれば、優遇措置を受けられるようになった。その際、事前に所定の手続きが必要なので、購入前に税務署や発行機関、建築士事務所に確認が必要。

大震災以後、当然とはいえ消費者の耐震についての意識は非常に敏感です。不動産の買取業者も、こうした現状を踏まえて、適合証明書を取得できない物件には手を出さない、というところが多く出てきています。旧耐震の物件だから地震に弱いとか、即倒壊だなんてことはあり得ません。ですが、残念ながら今の不動産市況では、旧耐震の建物や証明書を取れない物件の動きは、かなり悪くなっているというのが現状です。

取得費用は数十万単位でかかるものではなく、せいぜい数万の世界です。販売時に既に取得しておき、適合証明書取得済み物件とアピールできるのは、他の競合物件との差別化にもなり、売り手としては大きなメリットなります。耐震強度に今まで以上に注目が集まる中、売却費用の一部として、あらかじめ売り手サイドで適合証明書を取得しておくことが、物件の差別化にもつながります。費用対効果の高い施策ではないかと思います。

インスペクション(住宅診断)

建物診断の事。ここ数年、今までのような、「建てては壊す」というスクラップアンドビルドを見直そうという動きが強くなってきている。資源を有効活用するために、中古住宅を再生して流通させる仕組みが出来始めている。具体的には構造上何か問題がないか?耐震強度は大丈夫か?などを調査すること。

中古住宅の流通を促進する為の試みだが、現状は完全に普及されているとは言い難い。まず売り手と買い手、どちらが費用を負担するのか、ということだが、今現在は希望する買い手が自己負担で行うことがほとんどだ。確かにこれから売る自宅や不動産に、売り手自ら費用をかけて診断を行うとは中々いきません。

仮に買い手負担でインスペクションを行いたいとしても、買うか買わないか分からないお客さんに売却物件の「あら」を探すようなことはして欲しくないというのが、売り手のまっとうな心情だ。測量仲介手数料などのように、売却にかかる諸経費の一つとして認知されるようになれば、より普及してくるのではと予想する。費用はまちまちだが、建物診断というオフィシャルな資料があるかないかは、購入を検討するお客さんにとっては、背中を後押しする強力な武器になることは間違いないと思う。コストパフォーマンスは極めて高いと感じる。

そのような背景もあり、売主が事前にインスペクションを実施し、建物に問題ないという公式な裏付けを取った上で売却に出すということも増えてきている。

<平成27年4月27日発刊、日本経済新聞より>

2015-04-27 16.51.16

専門家が劣化状況を調べる住宅診断を徹底し、仲介業者に販売時の説明を義務付ける。購入後に欠陥が判明するケースを防ぐ。~中略~ 少子高齢化で空き家が増えており、資産価値の高い中古住宅の流通を促す<平成27年4月27日、日本経済新聞より引用>

来年の通常国会に、宅地建物取引業法改正案を提出すると新聞記事に出ていました。

不動産会社単位で、売却物件に住宅診断(インスペクション)を行っているところはありますが、法案化されると、不動産仲介業者に診断内容を報告する義務が生じます。重要事項説明書に説明箇所を増やすことで対応しようとしているそうです。

住宅診断の費用をどちらが負担するのかなど、詳細はまだ決まっていませんが、普通に考えれば売り手側で負担することになるのではないでしょうか。売り手側の諸経費が、住宅診断分増えることになります。その点、売り手はどう思うのでしょうか?気になるところです。

買い手は安心感を得ることができ、あくまでも案ですが、住宅診断通り欠陥がなければ、買い手に修繕請求権を放棄させることも考えられているそうです。売り手にもメリットがある話です。

中古住宅の流通を促進させる狙いがありますが、住宅診断によって建物の真の実力が浮き彫りにされるともいえます。いままで当たり前のように売れていた物件が、診断結果によっては

「とてもじゃないが売れる状態ではない」

「安くしないと売れない」

という側面が出てくる可能性があることにも注目していきましょう。

測量(そくりょう)

土地の大きさを測ること。細かく言うと自分の土地に接している土地の所有者と立ち会って、「私(*測量依頼者)とあなたの土地境はここですよね?」と確認して面積を確定すること。土地境を証明する石や鋲など目印のことを境界という。この作業を行うのは土地家屋調査士もしくは測量士。当然、費用がかかります。しかも大事な作業ですから、売却に係る費用では、仲介手数料に次いでに高額です。

売却にかかる費用として、最初からアナウンスがあったとしたら話は別です。だけど契約が決まってあとはのんびりと引き渡しを待つだけ、という段階になって急に、

「測量をする必要がありまして・・・費用が○○万かかります」

と言われたら売り手としては当然

「はあ!?そんなこと聞いてないよ!(怒)」

って当然、なると思います。本来、土地・戸建ての売却では、必要の有無に関わらず、売却経費として測量費用は考えておくべきです。する必要がないのであれば、それに越したことはありません。土地・戸建てを売却中で、仮に不動産会社から測量する必要性や、費用を聞いていなかったとしても、心づもりとして、

「測量費用が掛かるかもしれない」

という認識は持っていた方が良いでしょう。測量の重要性や必要性を説明していないというだけで、不動産会社としては失格だと思いますけどね。

余談ですが、土地を測るというのは、豊臣秀吉の太閤検地が元になっていると言われてます。遠い昔から形を変えて今に続いているということに、歴史のロマンを感じますね!

金消契約(きんしょうけいやく)

詳しくは

「金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)」

と言います。

売買契約後、金融機関にローンの申し込みを行い、正式に承認された段階に行う、

「金融機関からお金を借りるための契約」

のこと。

様々な書類に署名捺印(実印)を行い、金利の説明や場合によっては、火災保険の見積もりと内容についての説明も受けます。所用時間はおおよそ1時間位。当然、金融機関が営業している平日でなければ出来ません。そして通常、金消契約が終わった翌日に決済を行うことは出来ません。

通常数営業日間に挟まないといけませんが、金融機関によってこのあたりは違ってきます。

 

レインズ

一般的になった不動産業界のネットワークシステム、「レインズ」についてです。

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英語で「Real Estate Information Network System」と表記され、その頭文字を取って「REINS」です。

世の中にはたくさんの不動産会社があり、それぞれの不動産会社が、不動産を売りたい人から売却の依頼(媒介契約)を受けています。少し前ならば、物件の情報は売却依頼を受けた不動産会社から先へは流れず、依頼を受けたそのお店に偶然立ち寄らない限り、その物件を目にする機会はありませんでした。

そのようなアナログ的な手法から、不動産業者にもネットワーク技術が導入され早数年。物件情報が不動産業者共通のデータベースで管理されるようになり、インターネットを介してどこの不動産業者でも、それこそ極端な話、沖縄にある会社でも、東京にある物件を探すことが出来るようになりました。そのデータベースの管理をしているのが「不動産流通機構」という機関で、そのデータベースのことを「レインズ」と言います。ちなみに媒介契約を結び、売却依頼を受けたら、不動産会社は期限内に速やかに物件の情報を、データベース(レインズ)に登録しなければなりません。

つまりどこの不動産会社に問い合わせても、条件が同一であれば、(*担当者がどの程度お客さんの希望条件を踏まえるかによって違ってきます)どこでも同じ物件が紹介されるということになります。情報を共有出来るようになったため、

  • 不動産会社 → どこの不動産会社の情報も扱える
  • 売り手 → たくさんのお客さんの目に触れる為、早期の売却が実現できる
  • 買い手 → 物件ごとに不動産会社へ問い合わせる必要がなくなる

誰にとっても良い仕組みのように思えます。しかし、以下に挙げるような不動産業者では、正確に運営されていないのもまた事実です。

  1. 地元で長く営業している、ネットワークのことなど分からない、今までと同じ古い方法で営業している地元業者
  2. 物件情報は公開するが、自分のところで買い手も見つけたい(*売主と買主双方から仲介手数料がもらえる両手取引)ために、「契約予定」と称して物件を他社に紹介しない会社(*囲い込み

どちらの行為もそれぞれの会社の都合でしょうから、とやかく言う立場ではありません。しかし、その会社を頼って依頼をした売主さんにとっては、間違っても良い選択とは思えません。こうした不動産業界の「自分勝手」な部分を是正していくことこそが、不動産業界全体のイメージアップや、社会的地位の向上につながるはずだと私は思います。

ちゃんと「登録」されているかの確認を忘れずに

両手取引を行いたいため、レインズに登録しない不動産会社も存在します。これは自分の物件を広く一般消費者、つまりエンドユーザーに紹介し、少しでも早く、良い金額で売りたいと願う売主さんにとっては大きな不利益です。そこで売り手は、自分の物件がちゃんとレインズに登録されているか、確認することができます。本来、決められた義務さえ守れない不動産会社の不手際を、売却を依頼している売り手が目を光らせるなんておかしな話なのですが・・・。

では確認するにはどうしたら良いのか?答えは

「登録証明書を見せて下さい」

と言ってみることです。不動産会社がレインズに登録すると発行される証明書のことで、登録日や金額など物件の詳細が記載されています。このような書類です。

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「変更登録証明書」とありますが、書式や記載内容は同じです。本来は営業活動報告書と同時に送られてくることが多いのですが、この書類が問題なく出てくれば、間違いなく登録されていることの証明になります。また、登録日をごまかすことは出来ないので、媒介契約締結日から逆算して、登録期限がしっかりと守られているかの確認にもなります。

ただ、一度登録を行い証明書だけ発行し、その後すぐに削除する。また登録はしているけど、一切他の不動産会社に紹介していない。ということを行う会社も残念ながら存在しますので、証明書の提出があったから絶対に大丈夫・・・という訳でもありません。販売を依頼してから案内が1件も入らない、いつもお客さんを連れてくるのは媒介契約を結んでいる不動産会社だけ・・・など、ちょっと怪しいなと思ったら、

「私の物件レインズに登録されてます?」

と、率直に他社に聞いてみるのが実は一番早いかもしれません。ひょっとしたら、

「当社から問い合わせしてるんですけど、全然ご紹介してくれないんですよ。」

といったような告発も聞けるかもしれません。

修繕計画(しゅうぜんけいかく)

建てては壊す、バブル時代の「スクラップアンドビルド」から、今ある不動産を大切に使っていく、「不動産のストック化社会」に向かいつつある今、マンションにおいては、「管理」というのがより一層重要視されてきています。

そもそもマンションを選ぶ際、何より大切なのは、「立地」「管理」です。築年数が古くても管理が行き届いていれば、金額が大きく下落することはありませんし、今後もその傾向は続くはずです。

管理の中で特に重要な項目として、「修繕計画」というのがあげられます。長期的な観点からマンションをみて、何年後にどのような大規模修繕を行うのかを、あらかじめ計画するのです。

この修繕計画がきっちりと実行に移されていれば、適正に管理されているということで、マンションの老朽化が急速に進むこともありませんし、修繕積立金の急激な値上げもあまりないはずです。大手の管理会社はさすがにそのあたり良く考えられていて、非常に緻密に修繕計画が建てられていることが分かります。物件を仲介する人間としてもとても安心です。

マンションの販売図面などには、決まり切ったように間取りや広さ、陽当たりや眺望、分譲会社がアピールポイントとして書かれています。しかし、ストック化がより進んでいく今後は、

「どこの管理会社が管理を行っているのか?」

というところに、より一層お客さんの目が向くようになるのではないかと思ってます。例外はありますが、基本的に物件は買った瞬間から下落します。良質なマンション管理を適正なタイミングで行っていけば、その下落幅を出来るだけ少なくすることができ、マンションという財産を守る最も有効な手段の一つとなるでしょう。

個人信用情報(こじんしんようじょうほう)

個人信用情報というのは、その人の過去の借り入れや、返済状況・滞納履歴などが書き込まれています。個人信用情報を扱う機関はいくつかありますが、銀行の審査の際、対象となるのが、

  • 全銀協
  • シーアイシー
  • 日本信用情報機構

という3つの機関です。

金融機関は、融資の申し込みがあった際、年収や勤務先の表面上の情報ももちろんですが、個人信用情報に記載されている、過去・現在の借入状況や、返済履歴・事故歴などを見て融資可否を決めます。つまり、年収がふんだんにあり勤務先が優良企業だったとしても、

  • 過去に滞納を繰り返していた
  • ブラックリストに載った
  • 破産したことがある
  • 消費者金融でお金を借りた

など、どれかに当てはまると、その時点で「アウト」の可能性が非常に高いです。

個人信用情報は個人でも有料で取ることが出来ます。これから不動産を買おうとしている人で、過去に怪しいふるまいをしたことがあるかもしれない人は、一度取ってみたらいいですよ。

 

credit_record_jic 【日本信用情報機構】
日本信用情報機構は、テラネットが、全国信用情報センター連合会(全情連)から事業譲渡を受け、2009年4月からスタートした新しい信用情報機関です。
credit_record_jba 【全国銀行個人信用情報センター】
このセンターは、全国銀行協会が設置・運営を
行っている個人信用情報機関です。
credit_record_cic 【CIC】
日本クレジット産業協会と全国信販協会が母体の信用情報機関。4億件を超す精度の高い個人情報を有している事でも知られる。
credit_record_ccb 【CCB】
外資系のキャッシング会社等は、日本の信用情報機関を利用できなかったため、自ら信用情報機関を立ち上げた。
credit_record_fcbj 【全国信用情報センター連合会】
全情連は、全国33の個人信用情報機関の連合体であり、個人情報保護法に基づく、金融庁認定の個人情報保護団体でもあります。
credit_record_teranet 【テラネット】
全国信用情報センター連合会の情報が参照できる2000年にできた新しい信用情報機関。

 

道路種別(どうろしゅべつ)

道路に2m以上接していないと、家を建てることは出来ません。その不動産が接している道路が、はたしてどんな道路の種類なのか?を示すものが、道路種別です。例えばこの道路。

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どこをどう見ても道路にしか見えませんが、これ、「道路種別上の道路」ではありません。従って、この道路に接している土地は、再建築できない、ということになります。これは建築基準法で定められた原則です。ただ、この条件を満たしていない物件は多いです。道路に面していなくとも、再建築が可能になることはあります。役所や道路局、土木事務所を訪問すれば、以下のように色づけされた図面を見せてくれます。この図をもとに、その物件の道路種別を判断することになります。

 

種別図がどこで見れるのかは、行政によって違います。

種別図がどこで見れるのかは、行政によって違います。

 

道路種別には以下のような種類があります。東京都都市整備局からの転載です。分かりやすいように一言コメント付きです。

法42条1項1号道路(緑色)

いわゆる公道(一般国道、都道及び市町村道)で、幅員4m以上のものです。

→→→ みなさんが「道路」と聞いたらイメージする、普通の道路です

法42条1項2号道路(黄緑色)

都市計画法の開発許可あるいは、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律その他による許認可等を受けて築造された道路で幅員4m以上のものです。例えば、宅地造成地の道などがこれに該当し、工事完了後に市町村に移管されて公道となり、法42条1項1号の道路にも該当することとなるものが多数あります。

→→→ 住宅地を開発し、新しく作った道路のこと。普通の道路になる「予定」の道路です

法42条1項3号道路(淡緑色)

「基準時(法第3章の規定が適用されるに至った時点)」に現に存在していた道のことです。道路状の形態が有り、一般に通行されている幅員4m以上の道が該当します。

→→→ 上記の「法42条1項1号道路」と同様、建築基準法上の道路です

法42条1項4号道路(橙色)

道路法、都市計画法その他の法律による新設又は変更の事業計画のある道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものです。

→→→ 道路の拡幅工事などが近い将来行われる予定の道路のことです

法42条1項5号道路(薄橙色)

通称「位置指定道路」といわれる道路です。土地を建築物の敷地として利用するために築造する幅員4m以上の道で、これを築造しようとする者が、特定行政庁からその位置の指定を受けたものです。

→→→ 普通の道路と考えて良いですが、若干扱いが違います

法42条2項道路(水色)

「基準時(法第3章の規定が適用されるに至った時点〔都市計画区域又は準都市計画区域に指定された時点〕)」において、建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の道で特定行政庁が指定したものです。

この道路に面している敷地は、基準時の道の中心線から水平距離2mの線を道路の境界線とみなします。また中心線から水平距離2m未満でがけ地や河川等に沿う場合は、がけ地等の道の側の境界線から水平距離4mの線をその道路の境界線とみなします。2項道路の場合、建築基準法の幅員は4mとして扱われます。

→→→ 4m未満の狭い道路で、再建築の際にはセットバックが必要となります

法43条1項ただし書の適用を受けたことがある道(赤色)

法42条に定める道路に該当しませんが、法43条第1項ただし書の適用を受けたことがある建築物の敷地が接する道です。

平成11年12月22日の法改正により、法43条第1項ただし書の適用を受ける場合は、特定行政庁の許可が必要になりました。法改正(平成11年12月22日)以前に法第43条第1項ただし書の適用を受けた道等であっても、道等の状況・建築計画の内容等により許可基準に適合しない場合は許可を受けられない場合があります。

→→→ 再建築できなくもないですが、事前に役所から許可を受けたりしないといけません

法42条外(無着色)

本図に着色のないものについては現在、法上の道路として扱っていないもの若しくは未判定のものです。現状のままでは建築確認ができませんので、ご相談ください。

→→→ 道路ではなく「通路」です。再建築はできません

(引用元:東京都都市整備局)

住所変更登記(じゅうしょへんこうとうき)

売主の住民票・印鑑証明などに登録されている住所は、権利証(*登記識別情報)に記載されている住所と同じでなければいけません。違っている場合、権利証上の住所を、現在の住民票・印鑑証明書上の住所に書き換えなければいけません。それを住所変更登記といいます。決済当日、買い手に所有権を移転する前に行います。。なぜそんな回りくどいことをするのかというと、売主がその不動産の所有者本人であることを確認する(した)ためです。

住所が違っていたとしても、仮に1回しか住所が変わっていなければ、現在の住民票を取れば以前の住所が記載されているので、今の権利証上の住所と「繋がる」ので本人だと確認はできます。しかし中には、2回、3回と変わっている人もいます。その時、必要となるものが

「戸籍の附表(ふひょう)」

です。あまり聞きなじみがないですが、住民票と同じく役所で取得することが出来ます。住民票は一つ前の住所までしか出てきませんが、戸籍の附表はさらにその先まで追いかけることが出来ます。

一般的には、新しく不動産を購入する時には、新しい住所(*つまり購入した物件の住所)で登記するのですが、中には様々な事情によって、以前住んでいた住所で登記することもあるのです。新しい住所で登記しなければならないという決まりがある訳でもありません。費用は約3万円前後です。

土地収用(とちしゅうよう)

収用というのは、道路の新設や拡幅工事、河川の拡幅に伴って、国が工事に該当する土地を所有者から買い取ることをいいます。つまり国が行う合法的な立ち退きです。

「立ち退き」

と聞くと、車が突っ込んできたり、庭にヘビを大量に撒かれたり、街宣車が周回したりとなんだか怖いイメージがありますが、国のやることなので、当然そんな乱暴な行為は行いません。国としてはスケジュール通りに行かないというのが最も困った所です。

いくらで土地を買い取ってくれるのか?

立ち退かされる側にとっては非常に気になるところです。

「現在あそこのどこそこの土地がいくらで売り出してるから」

「先月あそこの土地がこの位で売れたから」

と言う不動産屋的な成約事例で金額が算定されることはあまりありません。件数が多いので、本来であれば売買価格に反映させやすい物件の条件(*陽当たりや地形等)を、個別に対応することが出来ないのです。不動産鑑定士が路線価や公示価格を参考に算出するので、実勢価格(*取引価格)とは大分違います。

最後まで立ち退きを粘りに粘って、より高い買取金額を引き出す・・・というのが、一昔前の「立ち退き必勝法」的な考えでしたが、今は残念ながら通用しないようです。国の予算枠が最初から予め決められており、後になればなるほど、当然予算が枯渇していきますので、当初提示の金額より安くなってしまうこともあるようです。

登記識別情報(とうきしきべつじょうほう)

不動産売買の決済時には、権利証が必要となりますが、「権利証」というものはなくなりました。替わりに

「登記識別情報」

というものが権利証に取って替わりました。

権利証はそれ自体盗まれたら大変ですが、登記識別情報は中に12ケタの番号が記載されており、特別なシールで隠されています。その番号を他人に知られてしまうと、モノ自体なくなっていなくとも、権利証を盗まれたものと同じことになってしまいます。シールははがさずに、そのままの状態で保管しておきましょう。万が一シールが剥がされたような跡が残っていたら、誰かに番号を見られたということです。すぐに法務局に確認してみましょう。

不動産決済時に、もし登記識別情報をなくしてしまっていて用意することが出来ないのであれば、弁護士や司法書士にそれに替わるもの、

「本人確認情報」

を作成してもらいます。事前に弁護士・司法書士が所有者と面談し、数種類の身分証明書と付き合わせながら、物件の所有者本人かどうかを確認のうえ、作成してもらいます。当然費用がかかります。本来、登記識別情報(*及び権利証)の類がないというのは、良くあることではありますが、不動産所有者としては異常な事態です。充分注意しましょう。

ニコイチ

家を建てる際には、「こういう家を建てますが良いですか?」とお伺いを出して、役所から「建てていいですよ」と許可を取ってからでないと、建築をすることはできません。この一連の流れを「建築確認を取る」といいます。

本来、1件の建築確認では1件の家しか建てられないのが原則ですが、2件、3件と建てられることもあります。「ニコイチ」というのは1件の建築確認で2件の家が建っていることで、「サンコイチ」というのは3件、「ヨンコイチ」では・・・と続きます。

一般的な「ニコイチ」

一般的な「ニコイチ」

 

一部(屋根)がくっついているだけのこんな「ニコイチ」も

一部(屋根)がくっついているだけのこんな「ニコイチ」も

 

分かりやすい例で、これは「六軒長屋」。単独での再建築は難しそうです

分かりやすい例で、これは「六軒長屋」。単独での再建築は難しそうです

 

いわゆる昔の長屋、最近ではテラスハウスと呼ぶことも増えています。一見すると個別の家に見えますが、1件の建築確認で2件建てていることになるので、家同士がどこかで物理的にくっついています。そうした状態を工事などで切り離せば、単独での再建築は可能となります。その際の条件は以下の通りです。

  • 建物がそれぞれの土地上に建っている
  • それぞれの土地が建築条件を満たしている

上記の条件を満たしていれば、単独での再建築が認められることがあります。

 

建築基準法を満たしたうえで、こんな「ニコイチ」だと、単独で建て替えることも・・・

建築基準法を満たしたうえで、こんな「ニコイチ」だと、単独で建て替えることも・・・

 

単独での再建築不可の物件を、詳しい説明無しに買わされてしまい、売るときになって初めて知ったというお客さんに何度か遭遇したことがあります。恐ろしいことに重要事項説明書には、その旨の記載は一切ありませんでした。

「柱を残せば建てなおすことが出来ますよ」と言われたらしいですが、それはリフォームです。正確に言うと、ある一定規模のリフォームを行う際にも、建築確認の取得は必要です。

中には建築確認を取得せずに、無許可で建築してしまう建設業者さんもいますが、その建物は違反建築物になります。今後売却することを考えなければ、それでも構わないのかもしれませんが、相続した近親者が売却しようとしたら苦労するはずです。

なぜなら、現在の金融機関は、違反建築物に融資をする可能性が低いからです。購入権当社は、金利の高い金融機関から融資を受けざるを得ず、そのような制限のある物件は流通しにくいです。

修繕積立金(しゅうぜんつみたてきん)

管理費と共に所有者から毎月積み立て、マンションに修繕が必要となった時のために貯めておく積立金のこと。通常は管理会社が修繕計画を作成し、それに基づいて金額が決められたり、値上げがされたりする。

充分に積み立てられていなければ、大規模修繕の際、予想以上に費用がかかることになった場合、掛る費用を積立金だけでは賄えなとということも考えられます。万が一足らなくなった場合は

  1. 管理組合名義で金融機関から融資を受ける
  2. マンションの住人で負担することになる

上記のような対応策をとることになります。

以前、修繕積立金の一部負担が発生する予定のマンションの売却を行いました。その時の負担金が約300万と、大変高額だったこともあり、売却できるまでに大変時間がかかり、ずいぶん苦労しました。修繕積立金の一部負担があることは、あらかじめ告知事項として伝えておかなければいけません。販売に時間を要したのは、負担金が高額ということもありますが、

「今後もまた同じようなことになるのでは?」

「長期修繕計画が適切に守られていないのでは?」

と消費者を不安にさせてしまったからです。

新築や築浅のマンションは、所有者の当初負担を減らす為に、安く設定されていることが多いのです。最初のうちはそれで問題ないでしょうが、いずれ値上げで対応せざるを得ません。管理費と同じく安いからと言って喜ぶポイントではありません。そうした背景もあり、最近になって国土交通省が、修繕積立金の目安額を示すガイドラインを公表しました。上記のような工事費が積立金内で賄えないケースが多発しているからです。

今現在は㎡あたり200円が目安となっているということです。消費者が購入しようとするマンションの積立金が、適正かどうか判断する為の材料になれば良いことですね。

マンションの購入を検討される方は、

  • 修繕積立金総額がいくら貯まっているのか?
  • 目安と比較して高いのか?安いのか?

良く調べることをお勧めします。マンション購入の材料の一つに出来ますよ。

元利均等・元金均等(がんりきんとう・がんきんきんとう)

住宅ローンの返済方法には以下の通り二種類あります。元利均等と元金均等です。

 

元利均等

返済当初はほとんど利息になります。頑張って何年も返しても元金はほとんど減ってません。ただし、月額の返済金額は元金均等よりも少額なので、無理のない返済プランを組むことが出来ます。図にするとこうです。

【関連記事】住宅ローンの元利均等方式のメリットとデメリット

元金均等

返済額に占める元金の割合が一定で、元利均等と違って確実に元金を返していくことになります。ただし元金以外に利息が乗っかりますので、当初の返済金額はかなり高額になります。多少無理しても早く元金を減らしたい人には良いかもしれません。総返済額は当然、元金均等の方が少なくなります。図にするとこうです。

まとめ

上記のようにそれぞれメリットデメリットがありますが、元金均等はいわゆる「125%ルール」というのが適用されませんので注意が必要です。返済の「125%ルール」というのは、どんなに金利が上がっても、5年間は返済金額が変わらず、5年後の見直しの際にも、125%以上にはなりません。

例えば元利均等で月10万円の返済とすると、いくら金利が上昇しても125,000円以上には5年間はならないということです。ここ10年変動金利はほぼ横ばいで、一気に金利が上がることはあまり考えられませんが、こうした話を聞くと元利均等で借りる方が多いのが現状です。金融機関によって元金均等を扱えないところもあるので、良く調べておきましょう。

【関連記事】住宅ローンの125%ルールとは?

退去立会(たいきょたちあい)

物件の入居者が、解約してお引越しする際には、その物件を管理する管理会社は、退去直前の荷物がすべて出た後の室内を確認するために、

「退去立会」

を行います。大手企業などは、料金体系が明確なものだから、

「退去立会1回○万円」

と決められているところもありますが、通常はそのお部屋を紹介した不動産会社が退去立ち合い行います。費用は発生しないことが多いようですが、全ての不動産会社が行っているかというと、そのあたりは分かりません。共通ルールがある訳ではないので、各社独自のルールに基づいて処理しているはずです。

そもそも、なぜ退去の日に現地で立ち会うのかというと、

「入居者の負担内容をその場で明確にするため」

です。キレイに使っていればなんの問題もありませんが、ところどころフローリングに傷が付いていたり、クロスが剥がれていたり、カビの付着がひどかったり・・・入居者の使い方が荒かったがために生じた修復箇所がある場合には、その場で

「この部分は費用負担して頂きます」

と説明を行い、了解してもらいます。もし立ち会いを行わずに、後日、入居者の負担箇所が見つかったとしても、

「そんなの知りません」

と言われてしまうと手が出ません。それでも善意の入居者であれば、自分の負担部分をちゃんと認めて負担して頂けますが、必ずしもそういう人達ばかりではありません。つまり退去した後の敷金精算時のトラブルを防ぐために、立ち会いを行うのです。

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