不動産屋さんのお仕事

高松建設の会報誌にコラムを寄稿しました。

タイトルの通りですが、建設業大手、高松建設さんが発行する会報誌に、コラムを寄稿しています。

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見て頂ければお分かりの通り、400~500文字のボリュームです。依頼があったその日に、30分でサラサラと書き上げ、何度か校正を繰り返しだったのですが、作業時間は全部合わせても1時間にもならない内容です。

しかし、校正が完了してからが長かったです。夏号(季刊誌なので)に掲載されるのかと思いきや、秋号でした。中小企業ではありえないのんびりとしたペースはさすが大企業です。きっと大企業ともなると、関わる人数も多いのだろうし、色々と調整する箇所が多いが故の、このスピードなんでしょう。

そういう経緯で書かれた記事ですが、もし良かったらご一読下さい。

コンサルティングができる会社できない会社

先日こんな記事の新聞を目にしました。

新聞記事

 

コンサル志向、強めた方がいいですよね。端の方には、

「物件情報だけの時代終わる」

ともありますね。

不動産会社だけが抱えていた物件の情報を、お客さんに提供するだけで、高額な仲介手数料をもらえた時代がありました。今後不動産会社は物件紹介マシーンではなく、コンサルティングを行っていくことが、生き残っていくための必須スキルになってくるはずです。

・・・確かにそう思いますが、全ての不動産会社がコンサルティングを取り入れていけるかというと、恐らくは無理でしょう。特に営業マンをたくさん雇って、日々営業成績を上げることで一生懸命な人たちが多い不動産会社。売買ならば電鉄・財閥系。賃貸ならば大手フランチャイズなどがそうです。

不動産会社の売上は、成約した際に仲介手数料をもらえる成功報酬です。いくら事前の相談に乗ってコンサルしたところで、最終的には売ってもらうか買ってもらうか。もしくは貸すか借りてもらうかしないと売上にはなりません。

当然、取引のとっかかりとして相談には乗ってくれます。ただ話を聞いてすぐに取引には至らないと判断されれば、体よく断られるでしょう。なぜならコンサルティングは大抵時間がかかるため、担当者もそれなりに腰を据えてじっくり対応していく必要があります。営業成績に追われる一介の営業マンに、そのような時間はありません。

そうした営業マンを多く抱える不動産会社は、売買専門・賃貸専門としているところが多いのです。賃貸・売買双方が縦割りのため、両分野を横断しての提案が出来ません。

例えば売買仲介を専門にする不動産会社が、売却か賃貸かを考えているお客さんから相談を受けたとします。事情を聞いた結果、今回は売却せずに賃貸に出した方が良かったとしても、売ってもらわないとその会社は仕事になりません。それなりの理由をつけた上で、

「売った方が良いですよ」

という提案しかできません。これは賃貸専門でも同じことが言えます。

このように考えていくと、現実的に不動産のコンサルを取り入れていける会社は、限られてくるのでは?と思います。

不動産会社は今やコンビニ以上に数があるので、相談に行こうと思えばいつでも行けます。恐らくどこの街でも不動産会社を見つけることができると思います。ただ、その不動産会社ができること・できないことを、予め把握しておかないと、せっかく勇気を振り絞って不動産会社のドアを叩いたのに、不快な思いをするだけだったり、まったくの徒労に終わってしまうこともあります。

「不動産会社にどんなことをお願いしたいのか?」「何を求めているのか?」「そうした相談に乗ってくれそうな会社なのか?」こうした事前の準備、リサーチが、今後相談する側にも必要になってくるのかな?と思います。

不動産会社の規模で依頼先を決めてはいけません

「大手不動産会社と地元の不動産会社、結局のところどっちが良いのか?」

いろんなところで比較なんかされたりしてますが、これって永遠のテーマですね。

<大手不動産会社>

  • ブランドがあるから安心
  • 不動産知識が豊富

<地元の不動産会社>

  • アットホーム
  • 親身に相談に乗ってくれそう

それぞれを押す声は最もです。しかし、身もふたもない言い方になってしまいますが、結論から言うと、

「大手だろうが地元の会社だろうが、担当者によってまったく違ってくる」

というところが本当のところです。

大手不動産仲介業者の悪口は、色々なところで目・耳にします。

  • 自社の利益優先
  • 囲い込みが日常
  • 契約をまとめてからのフォローが薄い

などなど。私もいわゆる大手不動産会社で仕事を覚えた身ですので、こうした噂(事実?)を完全に否定はしません。では反対に、地場の小さな不動産会社は大手と比べて素晴らしいのか、と聞かれるとそんなこともありません。共同仲介を行った際には、地域不動産会社の仕事の取り組み方や進め方、不動産知識のレベルを目の当たりにして

「これは酷い」

と思ったことが幾度となくあります。

地元の不動産会社が絡んだ時のエピソードとしてこんなことがありました。

・・・

相続が発生したため、駐車場を売却しなくてはならなくなった、とある地主Aさんから相談がありました。その人には先代(*被相続人。今回亡くなったお父さん)から付き合いのある、地元の不動産会社Bがベッタリでしたが、億を超える大きな取引だし、やはり一度は大手に相談してみようということで、当時私が所属していた大手の不動産会社に査定の依頼がありました。大手不動産会社の巨大な看板と、仮に担当者がどうしようもないボンクラだったとしても、それなりの営業マンに見えてしまうブランド力というのは、やはり侮れません。

大きな土地なので、一般のお客さんが手を出せる代物ではありません。査定を行いつつ、事業用の土地として検討してくれそうな、法人のお客さんに物件の情報を流したところ、Aさんも納得するかなり良い金額で購入申し込みが入りました。

あとはトントン拍子で契約まで進むもの・・・と私もAさんもホッとしたのもつかの間。ここで思わぬ障害が立ちはだかったのです。その障害とは?そう、以前からお付き合いのあるという地元の不動産会社Bです。

「お父さんの代から面倒を見てきてやったのに、こんな大きな取引をうちに黙ってしようとするなんて、到底認められない!」

Aさんがその不動産会社の言い分を教えてくれたのですが、上記のようになんとも納得できなひどいものでした。

私:「あの・・・認めるも何も、Aさんの土地なんだし、そんなこと言う権利も資格もB社には何一つないですよね?」

と、伝えましたが、Aさんは少し気の弱い方で、自分より年長で、なおかつB社の社長は自分の父親の代からの付き合いということもあり、おかしいとは思っていてもあまり強くモノを言えないようでした。AさんとB社の力関係が完全に逆転しています。取引をまとめるため、AさんにB社を説得してもらおうと、頑張ってもらったのですが、

「そうまで契約したいならすればいい!だけどおたくとは今後手を切るよっ!」

と言われたらしく、Aさんは途方に暮れてしまいました。Aさんは代々の地主です。地元には結構な数の賃貸物件があるのですが、それを管理しているB社にいきなり

「もうやらん!」

なんて言われたら、誰だって困ります。物件を人質にした脅しと同じです。

私:「これを機会に他の業者さんに管理をお願いしてみたらどうですか?当社でも地元でやってる業者さんご紹介出来ますし」

と色々と提案したものの、

「今更一から人間関係を築いたりしていくのは面倒だし・・・」

ということで、Aさん、なかなか腰を上げそうにありません。このままではどうにもラチがあかないので、最後の手段を取ることにしました。B社と直接交渉に乗り出したのです。ただ、今までの経緯から、

「取引を認めてくれ(*そもそもそういう依頼をしなければいけないこと自体おかしな話ですが)」

と言ったとしても、認めるはずはないと思っていたので、

「そちらが売主側の仲介に入る形で、共同仲介としよう」

と提案することにしました。つまりB社は、なんにもしなくても、何百万もの手数料が入ってくる訳です。Aさんがゴリ押し出来ない以上、これでダメならもうお手上げです。・・・結果からいうと、話し合いも何も最初からケンカ腰で、こちらの言うことに聞く耳を持ちません。

「こっちは何十年も付き合ってやってんだ!」

「今更あんたんところの世話にはならないよ!」

「大手は依頼があれば、人んとこのお客を横から取ってくのか!」

と、言いたい放題。これはもうどうにもならないと悟った私は、

私:「あなたは言ってることおかしい!」

冷静に感情的にならず話していたのですが、最後には感情を爆発させ話し合いは物別れに終わりました。

結局、それが元で契約はなくなり、しばらくはAさんの近況なども確認してましたが、自然と疎遠になっていきました。その後、数か月してB社から売りに出したようですが、どうなったかは知りません。

「このような地域の不動産会社の話はあくまで特別で、一般的ではない」

そう思いますか?ところが、結構います。そうした人たちが共通して言うセリフが、

「先代から付き合ってやってる」

「お客さんみつけてあげてる」

この「してやってる」感が、話の端々に見え隠れします。人のふんどしで相撲取ってるだけなのに、そんなに偉いんですかね?こんな地元不動産業者も知ってるので、

大手だから・・・地域の業者だから・・・

というだけでは全然判断出来ません。会社の規模などは関係なく、最終的には取り扱う人間のレベルにかかってくるのが不動産取引です。

不動産業界のチラシ投函事情

不動産会社が毎日のように投函していくチラシの評判はすこぶる悪いです。人の迷惑も顧みず、モラルもなくまき散らしているところが多いですから、致し方ないところでもあります。チラシの内容で一番多いのは

  • 売主求む
  • 売り物件を探しています

といった内容のものです。「インターネット全盛の時代にチラシ投函だなんて前近代的」だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。チラシというのは、インターネットを使いこなせないご高齢の人にとっては貴重な情報源です。実際、不動産の処分を考えているのは、インターネットを使いこなす若い世代よりも、ご高齢の方たちです。不動産を売却したい人は全世代でいますが、ネットを使いこなせない人達が多いのもまた事実。

「不動産を売りたい人はこちらへ~」

とテレビCMでやっている訳ではないので、「今すぐではないけど、いずれは売却を考える」そういった思考の人達にとって、迷惑がられようがなんだろうが、定期的に入ってくるチラシの情報は結構重要です。

爆撃機のようにチラシ投函や折込広告を行って、お客さんをかき集める手法はいずれ淘汰されるだろうけど、不動産業界では現状それに代わる有効な手段が見つからないのでしょう。現状ではそれが一番手っとりばやいでしょうね。

以前、テレビでチラシ投函を戦略的に行って業績を伸ばしている、とある会社の社長の話を聞きました。不動産業界がめったやたらに投函するのを横目に、マーケティングを導入しポスティングにかける情熱を見て、「何枚まいたら何件反響が来るか分かる」らしいです。

それとは反対に、不動産業界のチラシ配りは、ただ枚数まけばいいという根性主義が根強く残っています。マーケティングもなにもないので、何枚まいても反響がないときは全くありません。まるで頂上の見えない山を麓から登っている気分です。

私が一番最初に入った不動産会社では、来る日も来る日も、あてのないチラシ投函を行っていたことを鮮明に思い出します。真夏の炎天下、毎日朝から晩までチラシの投函を続け、一日平均枚数は5,000枚。今考えると狂っているとしか思えない枚数です。30代目前でしたが、体脂肪率が10%を切ったのはあの時が初めてです。

このように、何枚まいても何件反響が来るか、全く予想できない不動産業界のチラシですが、日々安定した好成績を挙げ続けるトップ営業マンは、自分では一切投函せず、アルバイトを大量に雇用して、継続してポスティングを行っていました。そこから発生してくる案件が、成績を挙げ続ける背景だとすると、チラシ投函は間違いなく効果的なんでしょう。

実績を作って自分の広告予算を作り、少しでも早くアルバイトを雇うような形を作らないと、コンスタントに数字をあげることは絶対に出来ません。そこで足止めを食らい、辞めていく新人を何人も見て来ました。

街中で汗みずくになりながら、マンションのエントランスに「立ち入り禁止」と書かれているにもかかわらず、果敢にも挑んでいくそれらしい人を見かけたら、少し優しい目で見てあげてください。今まさに、「頂上の見えない山を麓から登っている」のですから。

そんな、不動産業界のチラシ投函事情でした。

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