物件を差別化する方法

物件を差別化することはもっとも重要です。販売図面を見栄え良く作ったり、ポータルサイトに掲載する写真を、一眼レフで撮ってみたりと・・・様々な方法で、他物件と差別化しようとしています。そうした様々な差別化の手法があるという前提で、とりあえずそうした手法を一度脇に置いて根本的なことを言うと、「本当の」差別化には以下の二通りしかありません。

  1. リフォームやリノベーションで物件の価値そのものを上げる
  2. 売り出し価格や募集賃料を下げる

みもふたもないですが、上記2点にかなう差別化は存在しません。順番に見ていきます。まず1.について。

リフォームやリノベーションで物件の価値そのものを上げる

昔は高く売るため、貸すためにリフォームをすることが良くありました。例えば、本来5,000万で売れるであろう物件を、リフォームを施すことによって5,280万で売ろうというものです。確かに綺麗にリフォームされた室内は、部屋に入った時の買い手の購入意欲を掻き立て、一定の効果を示していた時期もありました。しかし、残念ながら今はそうではありません。

「周りに比べて決して高くない」

という前提がまず存在し、さらにリフォームもしくはリノベーションされているということで差別化につながり、買い手は他の物件にはないバリュー感を感じ選ばれることになるのです。つまりリフォーム、リノベーションをしたところで、高く売る為の効果はありません。あくまでも競合物件に競り勝つための効果が見込まれるだけです。もちろん、効果が出る場合もあります。それは

「ただ部屋を綺麗にしましたよ~」

という類のリフォーム&リノベーションではなく、そこにコンセプトが存在し、デザインでもライバルを凌駕するようなものが感じられるときです。例えばデザイナーに監修してもらった、建具やフローリングを無垢材で作った・・・などが挙げられます。つまり、リフォーム&リノベーション自体が、普通のものとは差別化されているのです。通常の物件価格に上乗せを期待したいのであれば、これくらいは行う必要があります。続いて2.についてです。

売り出し価格や募集賃料を下げる

上記1.のようにお部屋をバリューアップしようと思っても、そんな予算はない、もしくはかけたくない。そういう方、たくさんいらっしゃいます。それはそうでしょう。かけた費用だけ高く売れたとしても、リフォーム&リノベーションの段取りを取ったりする手間がかかるだけでは意味がないからです。ではどうするか?

「売り出し価格、募集価格の値下げ」

これしかありません。今の消費者は実際に物件を見る前に、ネットなどで物件を取捨選択し、厳選して絞り込んでから内見するという行動を取ります。いくら良い物件だったとしても、他の競合物件(*地域や広さ、築年数などが似たものを指す)に埋もれて、見てもらえなかったら意味がありません。極端な例を挙げると、市場相場・競合物件が5,000万台で、自分の物件だけ4,000万台だとしたら、当たり前ですがそれだけで目立ちます。ひっきりなしに問い合わせと案内が入り、もっとも良い条件の買い手と契約することが出来るでしょう。

結局のところ、不動産の売却もどれだけ効率的で効果的な広告を行ったかにかかっています。多くの人の目に触れ、良い物件だとアピールする為には、金額という最も強力で効果的な材料をもって目立たせるしかありません。

周辺相場の価格で物件情報を流しておけば、いずれは決まっていた時代ではありません。相場範囲で情報を出しておくのは今や最低限必要なことです。その上で頭一つ二つ抜け出す工夫をしていかないと、いつまでたっても決まらないのです。オーナーの中には、抜群のセールストークで、自分の物件を相場以上に売る、また、入居者を決めてくれる、

「やり手営業マン」「スーパー営業マン」

というものに幻想を抱いている人がいます。

「売れない、貸せないのは、担当している営業マンのセールストークが下手だからだ!」

と思っている人も中にはいるでしょう。しかし、残念ながら不動産情報は今やオープンです。物件情報は今まで不動産会社しか握っていませんでしたが、今は誰でもどこでも探せる時代です。不動産会社よりたくさんの情報を持っているエンドユーザーも多くいます。口先だけで契約を左右できる時代ではないのです。

口先だけでどうこうしようとするだけで、なんの工夫も提案もない営業マンよりも、物件の置かれた状況をはっきりと認識し、お客さんに選ばれる為の提案をどれだけ出来る人か否か。それが営業マンを選ぶ上での何より大切なことです。

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