オーナーチェンジ物件が居住用の物件より安い3つの理由

 

オーナーチェンジ物件が安い理由

オーナーチェンジ物件は居住用の物件よりも安くなります。なぜかというそれには以下のような理由があるからです。

  1. 買った人がすぐには使えないから
  2. 購入対象者は投資家になってしまうから
  3. 投資家は利回りで考えるから

順番に見ていきましょう。

理由1.買った人がすぐには使えないから

最初から不動産購入の目的が投資としてでなければ、不動産を購入する人の一番の目的は、自分で利用するため、つまり居住用に使用するためです。

オーナーチェンジ物件には、賃借人が家賃を払いながら住んでいます。賃借人としての義務を果たしている限り、賃借人には居住権(*住むための権利)が発生しており、いくら物件所有者のお願いとはいえ、勝手な都合で退去を求めることはできません。

立ち退き料を支払うことで、退去してくれることもありますが、それでも応じてくれるかどうかわかりません。オーナーチェンジ物件を居住用として使おうと思っても、いつになっても使えない可能性があるのです。いずれは退去してくれるとはいえ、いつ使えるか分からない物件を、居住用として購入しようと考える買い手はそう多くはいません。

また、賃借人が利用中ですから、通常は室内を内見することができません。今は使えなくとも、将来的に使えればいいという買い手がいたとしても、室内を見ないで購入しなければならないのです。どのような状態か確かめずに買わなければならない買い手のリスクは大きく、この点もオーナーチェンジ物件が売りずらい要因の一つとなっています。

理由2.購入対象者は投資家になってしまうから

上記1.を踏まえると、オーナーチェンジ物件の購入を考える人というのは、

  • すぐに自分が使えなくてもいい
  • むしろずっと住み続けて賃料を払ってくれればいい

と考えている投資家です。

理由3.投資家は利回りで考えるから

投資家が物件をどのように選ぶかというと、それは利回りです。その物件の利回りが高いか低いのか?で、購入するかしないかと決めます。つまり投資家に選んでもらうためには、ある程度利回りが回る物件にしなければなりません。

エリアにもよりますが、現在、利回りが最低でも5%~7%でなければ、投資家は検討してくれません。利回りを算出する計算式は以下の通りです。

{(月額賃料×12ヵ月)÷購入価格}×100

例えば通常であれば3,000万円で売却できるマンションAがあったとします。このAは現在、賃料10万円で貸しており、相場である3,000万で売却しようとすると利回りは・・・

{(10万円×12ヵ月)÷3,000万}×100=4%

となります。理由があって、

「マンションAがどうしても欲しい!」

という採算度外視の買い手がいればよいですが、余程の人気エリアの物件で、誰もが欲しがる有名物件でない限り、4%利回りの物件を購入するメリットが投資家にとって大きくありません。

ですからマンションAをオーナーチェンジ物件として売却しようとすると、投資家が欲しがる程度まで利回りを上げる必要が出てきます。

上記で最低5~7%と書きましたが、賃料10万円で貸しているマンションAをそれにあてはめると・・・

  • 5% 2,400万
  • 6% 2,000万
  • 7% 1,700万

と、こうなります。

居住用であれば3,000万程度で売却できるマンションが、オーナーチェンジで売ろうと思うと、ここまで下げなくてはならないのです。

利回り算出の詳細記事は、こちら↓をお読みください。

【賃貸経営】投資用マンションの年間利回り算出方法

まとめ

オーナーチェンジ物件が居住用の物件より安い3つの理由について解説してましたが、いかがだったでしょうか?

  • まとまったお金がどうしても必要
  • ローンを組んでいて、賃料が入っていても赤字である
  • 退去した時にはもっと下がってしまっていると信じている

このような理由があるのなら仕方がないのですが、この手のご相談を受けた時に私が良くアドバイス差し上げるのが・・・

「無理に売らなくていいのではないですか?」

です。賃料収入が入ってくるのだから、その間は持っておいて、退去した後に普通に売却すればいいと思うからです。

オーナーチェンジ物件を売る人だけに関わらず、購入しようとしている人も、オーナーチェンジ物件が安い理由は知っておいて損はないでしょう。

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