不動産仲介業者の付属サービス提供合戦!

各大手不動産仲介業者が、良質な売り手(物件)を専属もしくは専任で確保するために、様々な「付属サービス提供合戦」を繰り広げています。以前の二つの記事、「売主が、売却中に出来る効果的なこととは?」「『無料建物メンテナンス付き売却仲介に』について」で詳細を書き、最後に「残された競合他社の動きは果たして?」と締めました。で、残されたうちの一社である住友不動産販売が、12月1日に新しいサービスを発表しました。

住友不動産販売(株)(本社:東京都新宿区)は、「ステップ空家クリーンサービス」および「ステップ空地草刈りサービス」を、首都圏の仲介全145店舗にて、12月1日(月)より開始した。

「ステップ空家クリーンサービス」は、空き家になっている中古一戸建て住宅の売却にあたり、同社と「専属専任媒介契約」を締結した物件について、売主に「ハウスクリーニングサービス」または「庭木のお手入れサービス」のどちらか一つを、同社負担で実施するサービス。空家の水回りや茂った庭木を、「売却前に」メンテナンスすることにより、購入希望者への印象度をアップし、物件のスムーズな売却をサポートする。(引用元:SUUMOジャーナル)

というもの。先日、空き家対策特別措置法が成立し、空き家問題はまさに今が「旬」です。実際問題、特措法で対象となる空き家は「特定空家等」に指定される、ボロボロで倒壊やスラム化など周辺環境に悪影響を及ぼすものをいいます。

なので、ここでいう空き家とは少し趣が違うのですが、特措法の細かい内容を知らない人にとっては、「空き家」というキーワードが入るだけで、「ハッ!まさかうちのこと!?」と思う人が少なからず存在すると思うので、なかなかうまいやり方ではないかと。

「今まで使ってなかった空き家を、売りに出す前にお部屋をきれいにしましょう!」というもので、こういってしまっては身もふたもありませんが、ま、ただの掃除ですよ(笑)。一方、

「ステップ空地草刈りサービス」は、土地の売却にあたり、同社負担で空地の雑草を専門スタッフが刈り取りをするサービス。刈り取りにより環境悪化や不法投棄による被害を防止する。売却前に草刈りで土地をすっきり明るく見せて、購入希望者の印象アップを目指す。(引用元:SUUMOジャーナル)

以前、当社でも売却にあたり雑草を刈ったことがありますが、なんとスズメバチの巣が隠れており、刺された当社のスタッフの手がグローブほどの大きさになったのはつい数年前のことです。専門スタッフにも十分気を付けて欲しいと思います(汗)。

 

空き地の草刈りには要注意(笑)

空き地の草刈りには要注意(笑)

 

結論から言うと、今までに挙げてきた他社のサービスに比べると、見劣りするかなという気がします。土地でも空き家でも、販売前に見た目を良くするのは当たり前のことで、あえて仰々しくアピールする必要もないと思いますけどね。

その割には、サービスの提供を受けるためには、他社同様、

「専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、かつ当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件」

といった制限がありますが、この内容で専属専任で価格規制しようなんて、少し虫が良すぎんじゃないですかね。

というのが、個人的な見解です。

【「ステップ空家クリーンサービス」概要】
●期間:2014年12月1日~2015年3月31日
●対象物件:首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の空家一戸建。※瑕疵担保免責物件や古家付き土地は除く。
●利用条件:住友不動産販売と専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、かつ当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件

 

【「ステップ空地草刈りサービス」概要】
●期間:2014年12月1日~2015年3月31日
●対象物件:首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の100坪までの土地。※空地とは土地上に建物等の建築物の存在しない土地を指す。
●利用条件:住友不動産販売と専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、同社査定価格が2500万円以上でかつ、当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件

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