部隊長と赤鬼先輩の資質

ボクの著書の中で、

ことあるごとにボクをボコボコにする登場人物、

  • 部隊長
  • 赤鬼先輩

ボクが言うのもなんだが、

ものすごく、それはもうすごくすごく!

仕事が出来る人たちだった。

 

不動産活用コンサルタントなんて、

いっちょまえな肩書でエラそうに仕事している今のボクだが、

正直同じ土俵で戦ったとしたら、

今でも逆立ちしたって勝てる気がしない。

 

本の舞台となった不動産会社に入るまで、

いくつかの職場を転々としてきたボクだが、

はじめて

 

「仕事が出来る人」

 

と出会った気がした。

 

赤鬼先輩は全社員数千人のなかでも、

常に5本の指に入る実績を残している人で社内表彰の常連、

その名前は全国を轟かせていた。

 

一方、部隊長は部隊長で、

経験豊富なベテランでありながら、

ローカル店舗に過ぎなかった当時の営業所を、

就任後わずか数年でターミナル店舗と肩を並べるほどの実績を作り、

本社幹部役員の覚えめでたい幹部候補。

 

二人に共通することは、

業務知識が豊富なのはもちろん、

営業マンとしての抜群の押しの強さを持ちながら、

決して「しつこい!」とお客さまに嫌われることはない。

緻密なまでの押しの強さだ。

 

ダメだと感じたらすぐ他の提案や、

時にはあっさり撤退する柔軟さを兼ね備えいる。

また、最後の最後まで諦めない強い意志は標準装備で、

オプションは数限りない修羅場を乗り越え、

何事にも動じることのない心臓に生えた剛毛。

どんな小さな案件にまで喰らいつくさまはすっぽん以上。

 

「どうしてそこまで・・・」

 

と周りが理解に苦しむほどの執着力には脱帽するが、

その目標達成のためのテンションを、

ボクやキャリアの浅い人間にまで求めたことが、

いつまでたっても新人が居つかない最たる理由だと思う。

どんなにがんばっても、

彼らと同じように仕事はできない。

 

そしてなにより彼らは非常にモテた。

着飾った夜の蝶羽ばたく歓楽街では、

隣に座った蝶を軽快なトークで楽しませ飽きさせない。

次々と蝶たちを自分の会話のペースに引き込んでしまうさまは見事としか言いようがない。

 

寝不足と激務のためボーっとしながら、

 

「こんなところに来る時間があるなら家で寝かせてくれ」

 

と、心の中で悪態をつきながら、

義務感のようにその場に座りながら存在を消すボク。

当たり障りのない会話でお茶を濁すボクの傍らに退屈そうに座る蝶も、

いつのまにか彼らの楽しい会話に夢中だ。

別に全然!全然!!うらやましくなんてないけど!

 

仕事が出来るようになった自信と余裕がそうした雰囲気を醸し出すのか?

もしくは元々そうした資質を持った人が、

たまたま不動産の仕事をしているからなのか?

卵が先か鶏が先かの議論のようなだけど、

そんなことを部隊長と赤鬼先輩を観察しながら日々考えていた。

そして得た結論が、

 

「元々そうした資質を持っている人達」

 

ということだ。

入社直後、部隊長に言われた衝撃的だった会話の第一位は、

 

「女を口説けず不動産が売れるか!」

 

だったが、

元々ナチュラルに女性を口説ける資質を持った人たちなのだ。

きっと彼らは不動産以外の仕事に就いていたとしても、

強引だが嫌われることなくグイグイとお客さまを引っ張り、

夜の蝶を魅了するような気の利いたトークでお客さまから絶大な信頼を得、

抜群の実績や成績を残す優秀なビジネスマンになっているはずだ。

 

じゃあそうした資質を持った人でなければ、

トップ営業マンにはなれないのか?

というと、そんなことはない。

 

年に一度、成績優秀者が一堂に会する表彰式には、

部隊長や赤鬼先輩のような、

ギラギラした賞金稼ぎのような猛者もたくさんいるにはいるが、

一見するとパッとしないふつ~~~の人もいる。

ボクのように夜の蝶にはモテないけど、

表彰式の常連になることはできるのだ。

 

指導してくれる先輩や上司から多くのことを学ぶことは確かだし、

その仕事ぶりには指導する人のエッセンスが多く含まれている。

そうしたエッセンスは元々持って生まれた資質や、

今までの人生で培われてきた土壌が違うのだから、

そっくりそのまま自分の中で消化しようとしても無理がある。

 

自分の中の資質を見極め、

資質の違う上司から受けるエッセンスを自分なりに解釈→消化し、

自分に似た資質を持った上司や先輩を見つけることが大事ではないかな。

自分ではない誰かにはなれないのだから。

 

部隊長、赤鬼先輩についての詳しく内容は、

ここで辞めたらただの負け犬!~ブラック企業で修業した男の日常~

をご覧ください。

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