不動産業界のチラシ投函事情

不動産会社が毎日のように投函していくチラシの評判はすこぶる悪いです。人の迷惑も顧みず、モラルもなくまき散らしているところが多いですから、致し方ないところでもあります。チラシの内容で一番多いのは

  • 売主求む
  • 売り物件を探しています

といった内容のものです。「インターネット全盛の時代にチラシ投函だなんて前近代的」だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。チラシというのは、インターネットを使いこなせないご高齢の人にとっては貴重な情報源です。実際、不動産の処分を考えているのは、インターネットを使いこなす若い世代よりも、ご高齢の方たちです。不動産を売却したい人は全世代でいますが、ネットを使いこなせない人達が多いのもまた事実。

「不動産を売りたい人はこちらへ~」

とテレビCMでやっている訳ではないので、「今すぐではないけど、いずれは売却を考える」そういった思考の人達にとって、迷惑がられようがなんだろうが、定期的に入ってくるチラシの情報は結構重要です。

爆撃機のようにチラシ投函や折込広告を行って、お客さんをかき集める手法はいずれ淘汰されるだろうけど、不動産業界では現状それに代わる有効な手段が見つからないのでしょう。現状ではそれが一番手っとりばやいでしょうね。

以前、テレビでチラシ投函を戦略的に行って業績を伸ばしている、とある会社の社長の話を聞きました。不動産業界がめったやたらに投函するのを横目に、マーケティングを導入しポスティングにかける情熱を見て、「何枚まいたら何件反響が来るか分かる」らしいです。

それとは反対に、不動産業界のチラシ配りは、ただ枚数まけばいいという根性主義が根強く残っています。マーケティングもなにもないので、何枚まいても反響がないときは全くありません。まるで頂上の見えない山を麓から登っている気分です。

私が一番最初に入った不動産会社では、来る日も来る日も、あてのないチラシ投函を行っていたことを鮮明に思い出します。真夏の炎天下、毎日朝から晩までチラシの投函を続け、一日平均枚数は5,000枚。今考えると狂っているとしか思えない枚数です。30代目前でしたが、体脂肪率が10%を切ったのはあの時が初めてです。

このように、何枚まいても何件反響が来るか、全く予想できない不動産業界のチラシですが、日々安定した好成績を挙げ続けるトップ営業マンは、自分では一切投函せず、アルバイトを大量に雇用して、継続してポスティングを行っていました。そこから発生してくる案件が、成績を挙げ続ける背景だとすると、チラシ投函は間違いなく効果的なんでしょう。

実績を作って自分の広告予算を作り、少しでも早くアルバイトを雇うような形を作らないと、コンスタントに数字をあげることは絶対に出来ません。そこで足止めを食らい、辞めていく新人を何人も見て来ました。

街中で汗みずくになりながら、マンションのエントランスに「立ち入り禁止」と書かれているにもかかわらず、果敢にも挑んでいくそれらしい人を見かけたら、少し優しい目で見てあげてください。今まさに、「頂上の見えない山を麓から登っている」のですから。

そんな、不動産業界のチラシ投函事情でした。

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